涼しい風が吹いて心地いいですね。
梅雨が近づく時期とは思えないほどです。
こんにちは。I権禰宜です。
さて。本日は少し真面目なお話。
皆さん「女系天皇」問題ってご存知ですか?
最近は直接的な問題として取り上げられることは少なくなりましたけど、以前はだいぶ話題に登る事も多かったので、『そういう問題がある』というのをご存知の方は多いかもしれませんね。
この「女系天皇」とは・・・
天皇の父親が天皇でないor皇族でない。
・・・という事です。
逆に「男系天皇」は・・・
天皇の父親が天皇or皇族である。
・・・という事です。
~「知っておきたい皇室典範改正問題」より~
まぁ色々小難しく説明すると長くなりますので、一言で簡単に説明致します。
女系天皇が即位すると・・・
日本に新王朝成立!
・・・という事になります。
例えば・・・
先日、戴冠60年を迎えられた英連邦のエリザベス2世。
彼の方はウィンザー王朝の第4代国王(女王)です。
※ウィンザー家は途中でサクス=コバーグ=ゴータ家が改名した王朝ですので、それを含めれば5代目です。
そしてたぶんウィンザー王朝としては(恐らく)最後の国王になります。
エリザベス2世の王太子であるチャールズ公が即位すると
マウントバッテン=ウィンザー王朝・初代国王チャールズ3世
・・・になります(たぶん)。
※「チャールズ」の名を持つ英国王は1世が断頭台、2世が放蕩者・・・とあまり評判が良くないため、変えるとかいう話もあります・・・。
なぜマウントバッテン=ウィンザー朝になるかというと、簡単な事です。
エリザベス2世の旦那さんであるフィリップ公がマウントバッテンさんだからです。
ウィンザー家のエリザベス2世とマウントバッテン家のフィリップ公が結婚し、間に生まれたのがマウントバッテンさん家のチャールズ公・・・というわけです。
長い歴史を持つように感じられる英王室ですが、律儀にコロコロと王朝名を変更しています。
※もちろん「君主国」としての歴史は欧州屈指(イングランド時代含む)の古さです。ただ現王朝は20世紀初頭の成立・・・と意外に新しいのです。つまり女系継承では1000年の歴史を持つ英国王家ですが、男系継承としてみると100年程度しか歴史がありません。
このように大抵の王朝は女性君主が即位し、且つその女性君主が結婚し子どもを儲けると・・・王朝名が変わります。
※オランダの王家等例外もあります。
さらに本来「女性君主」すら認めない国もかつては数多くありました。
既に滅んでしまいましたが、その典型的な例がフランス王国。
中世~近世の欧州における超大国の一つであったこの国は、今日我々が感じる優雅な「おフランス」、または「革命!革命!」の急進的なイメージとは裏腹に、とても古風な国柄でした。
それは王位継承においても同様で、フランスの王位はカペーさん家とその親戚が1000年近くに渡って継承し続けました。
※「皇帝」となったナポレオンのみ例外。あとは全てカペー家とその分家筋(ヴァロア家・ブルボン家)による継承です。このような男系継承主義を俗にサリカ法と呼びます。
アジアの王朝に於いても大抵が女系ではなく男系継承。
大抵というよりほとんど全てと言った方が正しいかもしれません。
中国王朝では女系王朝及び女性君主はたった1人。
武周王朝の初代にして最後の皇帝・則天武后です。
一応彼女の子どもも皇帝(中宗・睿宗)となっていますが、何れも則天武后の王朝である周を継承せず、父・高宗(則天武后の夫)の唐王朝を継承する形をとっていますので・・・男系継承になっています。
朝鮮では古代の新羅(しらぎ)に数人の女王が見られますが、全て一代限り。
それ以降の王朝には一人の女性君主も見られません。
ベトナムにおいてもそれは同じで歴代君主の中で女王は1人。この人は最終的に自らの王朝を滅ぼした人物の妻にさせられています。
さて。我が国日本。
我が国において女性君主は8人10代(8人のうち2人が二度即位)。
この8人の女帝は全て・・・男系です。
つまり8人の女帝のお父さんは全て天皇or皇族。
そしてこの8人の女帝のうち結婚した女帝は4人。
その4人の夫となった人物は全てー・・・天皇or皇太子です。
さらに言うと女帝として即位したのは夫(天皇or皇太子)の死後で、この女帝たちは皇族で且つ天皇or皇太子の未亡人としての立場で即位しています。
それ以外の例は唯の一つもありません。
皇女と結婚した「一般の人」が即位した例も無ければ・・・
皇女と結婚した皇族以外の「一般の人」との間に生まれた子。もしくは孫。さらには子孫・・・が即位した例もありません。
日本はこれを2600年ほど繰り返して現王朝を継続させてきたのです。
いま女系天皇を認めるとなると・・・それこそ建国以来の一大事。
日本に新王朝が成立してしまうことになります。
拙速、早急な結論を出さずよくよく考えなければいけない問題である・・・という事を強調させていただきます。
現在当社ではこの女系天皇問題のリーフレット「知っておきたい皇室典範改正問題」を配布中です。
ご自由に取って頂いて結構ですので、ぜひともこの問題についてご理解いただきたいと思います。
I権禰宜