八咫烏の声

神社の行事、社務などの日記です。

祝賀会

2013年06月22日 10時43分20秒 | 神社豆知識

昨日九州に上陸を心配された台風は自然消滅したようです。

こんにちは。禰宜です。

さて、先日は八幡東区にある高見神社の宮司様の浄階・一級昇進祝賀会に当社の宮司とともに出席してまいりました。

P1070042

当日は祝賀会場に約100名の出席者が集い、目出度く浄階・一級に昇られた高見神社の宮司様を祝福されていました。

P1070046

浄階・一級の栄誉は福岡県内でも数少ない例であります。

高見神社の宮司様、誠におめでとうございます。

さてさて。

この「浄階」とか「一級」とか何のことだかご存知でしょうか?

何度かこのブログでもご紹介したかもしれませんが・・・

ここで改めて簡単にご説明しましょう。

そもそも神職にはざっとみて3種類の「序列」・・・といいますか・・・「格」みたいなものがあります。

まずは「職階」

その神社における役職です。

例外もありますが、大抵の神社神道の神社においては

①宮司

お宮の司」の名のとおり神社の責任者です。

②禰宜

宮司の補佐であり、古来は神職の総称としても使われました。江戸時代の神職の法令は『諸社禰宜神主法度』の名称で出されています。

③権禰宜

権=仮」であり、「正式の禰宜」に対する「仮の禰宜」の意です。昔の官位で見かける権大納言とか右近衛権中将とかと同じ感じですね。

・・・以上3職から成り立っています。

この他にも大規模神社には「権宮司(仮の宮司)」が置かれたり、伊勢神宮には「大宮司」と「少宮司」が置かれます。

なお、本来は権禰宜までが所謂「神職」の範疇なのですが、その下に各神社が独自で置く「主典」や「出仕」などの役職もあります。概ね奉職したばかりの見習い神主さんがこの役職を命じられる場合が多いですね。

ちなみにおよそ2万人と言われる神職人口の中で一番多い役職は「宮司」です。

お次は「階位」

すごーく簡単に説明すると神職のライセンスみたいなものです。この階位を持たなければ基本的に神社本庁下の神社の神職にはなれません。

こちらも上から

①浄階

②明階

③正階

④権正階

⑤直階

以上の5段階で成り立っています。

各階位によって就任できる役職に差異があります。たとえば保持する階位が直階では基本的に神社の宮司になれません。

最後に「身分」

これは

①特級

②一級

③二級上

④二級

⑤三級

⑥四級

以上6段階です。

身分は袴の色が違ってきますので外見で見分けがつきますね。

最上位の特級は

Photo

こんな感じの白袴に紋が入った袴です。

・・・白色に白の文様ですから見えにくいかもしれませんね。

よーく見ると分かるかと思います。

次の一級はこちら。

Photo_5

紫に紋が入った袴です。

三番目の二級上は・・・

Photo_6

これです。紫に薄い紋入りの袴。

一級の袴と並ばない限り・・・見分けるのは難しいかもしれませんね。

最後にまとめて二級・三級四級と白袴を。

Photo_4

一番左の紫袴が二級。一般的に神職の袴っていったらこれを思い浮かべる方が多いかもしれませんね。

真ん中の浅黄袴が三級と四級。ちなみに私はこの袴です。

一番右端の白袴は特級だろうが四級だろうが身分に関係無く着用します。

また身分は袴だけではなく「袍(ほう)」の色も変わってきます。

特級・一級が黒。

二級上・二級が赤。

三級・四級が縹(はなだ)です。

22_2651

例として当社宮司(二級)です。赤色の袍に紫の袴ですね。

袍は神社の祭典でも無い限り、見る機会はそう無いかと思いますが・・・袴は普段から着用している神職がほとんどです。

興味のある方は神社にお参りした際に神職さんの袴をチェックしてみてください。

と、こんな感じで簡単に説明させて頂きましたが、ひとくちに「神職」といっても様々なランクがあります。無論、役職や階位そして身分が低いからといって、その神職が劣るということではありませんが、高位に昇った神職もまたそれまで長い年月をかけて研鑽を積み、そして神明にご奉仕されてきたのも事実です。階位や身分が進むというのは、それが周囲に認められた証というものでしょう。

何はともあれご昇進おめでとうございます!

禰宜