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代表的抗がん剤パクリタキセル カプセルに封入

2014年10月30日 23時14分56秒 | 仕事
代表的抗がん剤パクリタキセル カプセルに封入
読売新聞 2014年10月30日(木) 配信
 がん細胞“直撃” 岡山大・岡山理大グループ

 乳がんや肺がんなどに効果があるとされる抗がん剤「パクリタキセル」を「リポソーム」と呼ばれる脂質の膜に閉じ込め、がん細胞にだけ送り込む技術を、岡山大と岡山理科大などの共同研究グループが開発した。

 パクリタキセルは汎用性が高い一方、副作用が強いのが難点で、研究グループは「効果を高めながら、副作用も抑えられる」とする。

 抗がん剤は、がん細胞と一緒に正常な細胞も攻撃するため、吐き気や脱毛といった副作用を伴う。そこで、がん細胞にのみ効率良く送り込む薬剤配送システム(ドラッグ・デリバリー・システム=DDS)の研究が進められてきた。

 DDSでは、リポソームで抗がん剤を閉じ込める手法がよく用いられる。ところが、リポソームは水溶性の薬しか封入できず、がん治療で広く使われるパクリタキセルについては、水に溶けにくいため、ひまし油とエタノールの液体に溶かし、点滴に混ぜる方法で投与されてきた。

 点滴で血管に入れると正常な細胞も攻撃されてしまうため、研究グループはこの抗がん剤のDDSの実用化に着手。岡山理科大の浜田博喜教授(生物化学)らが、パクリタキセルにブドウ糖の分子を付けることで水に溶けやすくし、岡山大の妹尾昌治教授(生物工学)らがリポソームに閉じ込めることに成功した。

 投与したマウスでは、がん細胞に高い効果を発揮する一方、正常な細胞への影響は少ないことが確認された。副作用が少ないため投与量を増やすことができ、がん細胞を感知する表面の抗体を変えれば、がんの種類別に薬を作ることも期待できるという。

 妹尾教授は「がん細胞が死滅するレベルの投与量を目標に、臨床での応用が可能になるよう、製剤の品質を高めていきたい」としている。(楢崎基弘)

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