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血液つくる細胞、どんどん増殖 理研などが手法開発

2015年10月24日 22時48分52秒 | 医療情報
血液つくる細胞、どんどん増殖 理研などが手法開発

臨床 2015年10月23日 (金)配信朝日新聞

 血液をつくる造血幹細胞を取り出し、体外で様々な血液細胞に変化できる能力を保ちながら無限に増やせる方法を開発したと、理化学研究所などのチームが発表する。増えた細胞は主に白血球に変わるので、体内に戻してがん細胞を攻撃させるという治療法に応用できる可能性があるという。

 造血幹細胞は主に骨髄にあり、増殖しながら白血球や赤血球、血小板などに変化する。ただ、体の外に取りだすと、うまく増えず、血液細胞を体外でたくさん作ることは難しかった。

 研究チームは、マウスの胎児の肝臓から造血幹細胞を取りだし、特定のたんぱく質の働きを邪魔する遺伝子を組み込んだ。すると、血液細胞などになる前の段階で増え、1カ月で1万倍に。条件を変えると、この細胞は様々な血液細胞に変化した。

 造血幹細胞にこの遺伝子を組み込んだ細胞は主に白血球をつくるため、チームは「人工白血球幹細胞」と名付けた。ヒトの臍帯血(さいたいけつ)からとった造血幹細胞から、この細胞を作ることにも成功したという。

 遺伝子を導入する方法の安全性や、ヒトの細胞ではマウスより増殖が遅いといった課題もあるが、理研の伊川友活上級研究員(免疫学)は「がん患者の細胞からこの細胞ができれば、がんを認識する免疫細胞を大量につくることも簡単になる」と話している。これらの結果は、22日付の米科学誌ステム・セル・リポーツに掲載される。
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