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【山梨】唾液の遺伝子情報を分析 道志村、健康管理に生かす

2015年10月13日 16時32分16秒 | 医療情報
【山梨】唾液の遺伝子情報を分析 道志村、健康管理に生かす

地域 2015年10月6日 (火)配信山梨日日新聞

 住民の唾液から得た遺伝子情報を基に、病気のリスクや体質を調べて健康づくりに生かそうという試みが、道志村内で始まった。計画を進めているのは元村職員の山口則之さん(59)。村民を無償で検査して本人の健康維持に役立てつつ、遺伝子研究にもデータを活用する構想を県外の研究者に持ち掛け、実現にこぎつけた。遺伝子検査を地域の健康づくりに生かす試みは珍しいという。だが、遺伝子検査に対しては予期せぬ重篤な病気リスクが見つかることへの不安や、情報提供への抵抗感もあり、こうした活動が各地に波及するか、試金石になりそうだ。〈仲沢篤志〉

 山口さんは2009年3月まで村役場に勤務。介護保険など主に福祉分野を担当していたが、高齢者が負担する介護保険料が年々増加している村の現状を踏まえ「民間の立場で、介護が必要になる前の健康づくりを後押ししたい」との思いを募らせ、退職を決意したという。

 山口さんは約2年前、山口大客員教授で遺伝子研究に携わる並木幸久さんと知り合い、道志村での調査を提案。構想を具体化させるため、昨年12月に一般社団法人「山梨健康DNA情報バンク」を設立した。

 計画では村民から協力者を募り、唾液の提供を受け、遺伝子情報を検査。遺伝子の配列をこれまでの遺伝子研究の結果と照らし合わせ、生活習慣病、糖尿病、高血圧などへのなりやすさや体質を分析する。協力者にはデータを報告、同法人の理事を務める東京女子医大病院の大屋純子医師が病気の予防法や生活習慣についてアドバイスするという。

 目標とする協力者数は村民の55%に当たる千人。検査は企業などの支援を受けて実施するため、村民の負担は生じないという。データベース化した遺伝子情報は、病気のかかりやすさなどの傾向をつかむための研究に利用する予定で、並木さんは「道志村で特徴的な体質や症状などがあれば、より詳しく研究していきたい」と話す。

 7月に初めての説明会を開き、並木さんが計画の概要を説明した。協力者を集め、年内には遺伝子検査を本格的に始めたい考え。

 遺伝子検査をめぐっては、民間でサービスを提供する動きが出ており、さまざまな病気リスクの予測が期待される半面、予期せぬ重篤なリスクが見つかった場合の本人や家族に与える影響の大きさを危惧する声がある。また遺伝子情報を提供することへの抵抗感も指摘されている。

 山口さんは「自分の体の状態を知り、予防に関する知識を得ることは、必ず自分の健康につながる。心配もあると思うが、村民には十分な説明をしていきたい。情報は遺伝子データと氏名が結びつかないよう、何重にも暗号化して管理していく」と話している。
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土から「奇跡の菌」、年間6000種分析の成果…大村氏ノーベル賞

2015年10月13日 09時39分46秒 | 医療情報
土から「奇跡の菌」、年間6000種分析の成果…大村氏ノーベル賞

その他 2015年10月7日 (水)配信読売新聞

 アフリカなどで寄生虫に苦しむ大勢の人を救う薬の開発に貢献した大村智さとし・北里大特別栄誉教授(80)らが5日、2015年のノーベル生理学・医学賞の栄冠に輝いた。

 その薬「イベルメクチン」は1年に1、2回服用するだけで、寄生虫による熱帯病「オンコセルカ症(河川盲目症)」に大きな効果を発揮する。途上国の公衆衛生を劇的に改善したと評価される「奇跡の薬」への糸口は、土壌にすむ細菌から見つかった。

◆服用年1回

 大村氏は5日、読売新聞の取材に「びっくりするような研究はしていない。ただ、みんなの力を合わせて有用なものを見つけてきた」と振り返り、「今も次の薬のために、みんなで頑張っている」と強い意欲をのぞかせた。

 大村氏がイベルメクチンを動物の寄生虫病薬として発表したのは、1979年の米国での学会。効果の高さが多くの研究者の注目を集めた。「なぜ1回で効くのか」と尋ねられた大村氏は「効くから1回なのだ」と切り返したという。

 弟子の砂塚敏明・北里大教授(有機合成化学)によると、イベルメクチンは、多くの寄生虫に共通する神経の働きを妨害する。同じ仕組みを持たない人間には、ほとんど副作用がない。

 特に高い効果を発揮したのがオンコセルカ症だ。ブユの吸血で、ミクロフィラリアと呼ばれる線虫が体内に侵入。白内障や角膜炎などを起こし、視力低下や失明につながる。イベルメクチンは下半身が腫れ上がるリンパ系フィラリア症にも効き、これらの感染症対策として、年間計2億人以上が飲み薬として使う。

 砂塚教授は「多くの虫に広範囲に効く。しかも、微量で大きな効果がある。自然からこれだけ薬効の強い成分が見つかったのは奇跡的だ」と説明する。

◆ゴルフ場近くで

 大村氏がイベルメクチンの原料となる成分を見つけたのは73年。静岡県伊東市のゴルフ場近くの土壌で採取した細菌の一種「放線菌」からだった。当時、北里大の助教授だった大村氏の研究室では、微生物などが作る天然成分の中から薬の候補を探し、年間6000種類の物質を分析した。

 大村氏は、この成分に寄生虫を殺す働きがあることにすぐに気づき、74年、豊富な研究資金を持つ米製薬大手のメルク社と実用化に向けた研究を始めた。米国で研究生活を送った経験のある大村氏は、日米の研究開発力の差を痛感していた。同時受賞が決まったウィリアム・キャンベル博士は、当時、メルク側の開発担当者で、この成分に改良を加え、イベルメクチンの実用化に貢献した。

 大村氏と交流があり、ゴルフ友達でもある免疫学者の本庶佑・京都大名誉教授(73)は「大村氏はもっと評価されるべき研究者だとずっと感じていたので、今回の授賞決定はむしろ遅かったくらいだ」と称賛する。

 一方、中国の屠氏は、漢方薬に関する中国の古い文献を調べ直し、年間3億~5億人の患者が出るマラリアの治療薬「アーテミシニン」の原料となる成分を、ヨモギの仲間の薬草「クソニンジン」から特定した。

 カロリンスカ研究所は5日の発表で「ゴルフコースの横で発見された試料から、医療の歴史を変える細菌の系統が見つかった。3人の発見は生命を救い、福祉や経済成長を促した。劇的な貢献だ」とたたえた。(科学部 森井雄一、船越翔)
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薬価、後発薬普及影響なし データ保護、現行も8年

2015年10月13日 09時35分20秒 | 医療情報
薬価、後発薬普及影響なし データ保護、現行も8年

行政・政治 2015年10月6日 (火)配信共同通信社

 環太平洋連携協定(TPP)交渉で、新薬のデータ保護期間は実質8年とすることで合意した。日本では同様の制度が既に8年となっており、厚生労働省は「現行ルールを変える必要がないので、国内市場に影響はない」と分析している。薬の価格は変わらず、政府が掲げた価格の安いジェネリック医薬品(後発薬)の使用促進目標を修正する必要はなさそうだ。

 日本ではデータ保護期間に当たる制度として、製薬企業が新薬の販売許可(薬事承認)を取った後、8年後に再審査する制度がある。これは、新薬を開発する際の実験だけではデータに限りがあり、医療機関で使用した際の多くのデータを集め、承認された効果や安全性を確認するためだ。この間、この新薬の効能を持つ後発薬を製造することはできず、事実上、新薬についての企業の権利や利益が守られる。

 海外の製薬会社も、日本で薬を販売するときには日本の規制に従う。米国のバイオ医薬品は、米国内での保護期間は12年だが、日本で販売する場合は現状でも8年のルールが適用されている。

 政府は医療費抑制のため、2018~20年度末までの早い段階に後発薬の数量割合を80%以上にする目標を掲げている
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新型インフル備蓄薬、小児用など3種追加…計5種に

2015年10月13日 09時30分38秒 | 医療情報
新型インフル備蓄薬、小児用など3種追加…計5種に

行政・政治 2015年10月6日 (火)配信読売新聞

 厚生労働省は、新型インフルエンザ対策で備蓄する抗ウイルス薬について、来年度から新たに「タミフルドライシロップ」「ラピアクタ」「イナビル」を加えることを決めた。

 現行の「タミフル」「リレンザ」と合わせて5種類になる。既存の薬が効きにくい耐性ウイルスに効果が見込める「アビガン」は、有効性などを示すデータがそろった段階で改めて検討する。

 タミフルはカプセルの飲み薬だが、タミフルドライシロップは顆粒かりゅうを水に溶かした甘い飲み薬で小児に適している。イナビルはリレンザと同じ吸入薬、ラピアクタは点滴薬で重症患者らへの投与が想定される。備蓄割合は現在、タミフル8割、リレンザ2割だが、臨床現場の使用実態を踏まえた比率に見直す。

 同省などは今後、5700万人分とする備蓄目標量(国民の45%相当)の引き下げも含めた検討を行う。
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