授業の準備をしていたら家を出る時間がぎりぎりになり(午後1時半)、昼食をとる時間がなくなった。朝食はバナナを1本と牛乳を一杯。これで夕食まで持たせるのは辛いなあと思ったが、電車の乗り継ぎがうまくいき、若干の時間的余裕(とは言っても5分ほど)が出来たので、コンビニで購入したおにぎり2個をウーロン茶で飲み込んでから、大学院の演習へ。清水幾太郎が昭和18年に雑誌『思想』に発表した「現実の再建」を読む。「戦時中に書いた唯一の長いもの」と清水自身が言っている論文で、「昭和十七年末にビルマから帰国した私は、日本の敗北といふ予感を立証する材料を彼地でみて来たためか、また、明日をも知れぬ自分の生命と悟ったためか、慌ててこの一文を草したのであつた」と戦後になってから書いている。論文の末尾で、清水は祈りにも似た口調でこう書き記している。
「人間は未完成の現実のうちに生きることによつて、これを次第に完成へ近づけて行くものである。如何なる場合にも人間は現実を眺める観客ではなく、舞台に上がつて何等かの役割を果たしてゐるのである。」
6限の「現代人の精神構造」は田島先生の2回目の講義。「ニューエイジ」の話が中心。授業後、TAのI君と「秀永」で食事をして帰る。車中で大学院の演習で次回読む予定の「敵としてのアメリカニズム」(『中央公論』昭和18年4月号)に目を通す。10時、帰宅。風呂を浴びて出てきたら、ちょうど居間のTVでかかっていたハリソン・フォード主演の映画『逃亡者』(1993年)の最後の方だけを観る。もう15年近く前の作品で、いま日本で缶コーヒー「ボス」のテレビ・コマーシャルに出ているトミー・リー・ジョーンズが追跡側のリーダーで出演している。彼は1946年の生まれだから、『逃亡者』のときは47歳である。いまの私より若いわけだが、もっと年輩に見えた。現在は60歳だが、「ボス」のコマーシャルではもっと老けて見える。老け顔なのかな。
「人間は未完成の現実のうちに生きることによつて、これを次第に完成へ近づけて行くものである。如何なる場合にも人間は現実を眺める観客ではなく、舞台に上がつて何等かの役割を果たしてゐるのである。」
6限の「現代人の精神構造」は田島先生の2回目の講義。「ニューエイジ」の話が中心。授業後、TAのI君と「秀永」で食事をして帰る。車中で大学院の演習で次回読む予定の「敵としてのアメリカニズム」(『中央公論』昭和18年4月号)に目を通す。10時、帰宅。風呂を浴びて出てきたら、ちょうど居間のTVでかかっていたハリソン・フォード主演の映画『逃亡者』(1993年)の最後の方だけを観る。もう15年近く前の作品で、いま日本で缶コーヒー「ボス」のテレビ・コマーシャルに出ているトミー・リー・ジョーンズが追跡側のリーダーで出演している。彼は1946年の生まれだから、『逃亡者』のときは47歳である。いまの私より若いわけだが、もっと年輩に見えた。現在は60歳だが、「ボス」のコマーシャルではもっと老けて見える。老け顔なのかな。