8時、起床。
チーズトースト、ビーフカレー、目玉焼き、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。ビーフカレーは昨夜の残りとかではなくて、レトルトのもの。娘にもらったのである。ランチに食べるのが相応しいと思うが、私の場合、ランチは外で食べることにしている。かといって夕食にレトルトのカレーを食べるというのは我が家ではない。結局、朝食で食べることになった。しっかりした朝食なり。
昨夜は寝つきが悪く、眠りも浅かった。寝不足気味で、朝食後、しばし横になる。
昨日のブログを書いてアップし、メールを何本か書く。
近所の家の解体作業で、震度2くらいの揺れがずっと続いている。
2時を回った頃、昼食を「吉岡家」に食べに行く。
冷やし中華を注文し、キンドル・スクライブでポール・オースター『ガラスの街』を読み始める。
「そもそもの始まりは間違い電話だった。真夜中にベルが三度鳴り、向こうの側の声が、彼ではない誰かを求めてきたのだ。ずっとあとになって、自分の身に起きたさまざまなことを考えられるようになったとき、彼は結局、偶然以外何ひとつリアルなものはないのだ、と結論を下すことになる。だがそれはずっと先のことだ。はじめはただ単に出来事があり、その帰結があった。それだけだ。違った展開になっていた可能性はあるのか、それとも知らない人間の口から発せられた最初の一言ですべては決まったのか。それは問題ではない。問題は物語それ自体であり、物語に何か意味があるかどうかは、物語の語るべきところではない。」
間違い電話から始まる物語というのはけっこうある。日常を破るものとして電話は有効な小道具である。『ガラスの街』の間違い電話の変わっているところは、同じ相手から三度、翌日と数日後、間違い電話がかかってくるところだ。主人公は電話の主(仕事の依頼主)と「探偵」として会うことになるのだ。
運ばれてきた冷やし中華を見て、「ん?」と思う。全体として茶色っぽい印象なのは胡麻ダレ(醤油ダレではなく)をチョイスしたせいだが、そのためだけではなく、錦糸卵がのっていないのだ。冷やし中華に何をのせるかは店によって多少の差はあるが、錦糸卵は欠かせないのではなかろうか。冷やし中華は年に一度か二度しか食べないので(好物というほどのものではなく、一種の年中行事として食べているのである)、この店の冷やし中華が以前からそうであったかどうかは覚えていない。お店の人に、錦糸卵はのせないのですかと聞いてみたかったが、咎めているようで(気分的にはそうなのだが)気が引けて、聞けなかった。
「冷やし中華に錦糸卵は不可欠か」問題について考えながら帰る。次は町中華の冷やし中華を食べてみようと思う。
2時間ほど仕事をして、夕方、「ティールーム101」へ顔を出す。
先客はいなかった。常連客はマダムたちが中心で、彼女たちは夕方には家庭に引き上げるのだ。入口横のテーブルには芍薬が飾られていた。
チョコレート&ナッツのシフォンと、キャラメルとバナナのシフォンのどちらを選ぼうか考え、2のいいとこどりで(?)チョコ&バナナはできないのですかと聞いてみたが(もちろん冗談で)、マダムは笑って、「できません」と答えた。チョコレート&ナッツのシフォンを注文する。
紅茶はマダムにお任せ。クリッパーのアールグレーにしてくれた。
独特の風味のアールグレーである。
L字型のカウンターがこのカフェのコンセプトを表している。店の人と客が(ときに客同士が)言葉を交わすカフェである。
チョコレート&ナッツのシフォン。
マダムに聞いたことろ、この店の常連客の中では、おそらく私が最年長であるらしい。「スリック」のときは商店街の路面店であったから、隣の美容室のマダムや近所の食堂の女将さん(どちらも私よりも年長)がふらっと入って来られたが、「ティールーム101」は隠れ家的カフェで、原則予約制なので、客層は大きく変わった。
閉店時間の午後6時を30分ほど越えてマダムとの雑談を楽しんだ。
夕食は鮭、大豆とヒジキと人参の煮物、サラダ、味噌汁、ごはん。
デザートはブルーベリーにヨーグルト。
食事をしながら『9ボーダー』(録画)を観る。失踪していた親父さん(高橋克実)が戻ってきた。三人姉妹の弟になる男の子(高校生)を連れて。
レビューシートのチェック。
風呂から出て、今日の日記を付ける。
1時、就寝。