フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

2月16日(日) 晴れ

2014-02-17 02:38:49 | Weblog

      7時、起床。久しぶりの青空だ。

     10時過ぎに家を出て、神楽坂へ。今日は卒業生のKさんと会うことになっている。実は、先月の28日(火)に会う約束をしていて、それが彼女の仕事の都合で、先週の土曜日に延期となり、それが大雪と私の都合でまた一週間延期となり、さらに昨日の大雪で一日延期の今日になったのだ。再三の延期の末にようやく会えることになった。しかし、まだ油断は禁物である。昨日は追突事故で東横線が動かなくなった(慶応大学文学部部の入試は大変だったろう)。Kさんは田園都市線でやってくることになっているが、昨日は最寄駅までのバスが運休になって、家から出ることができなくなったのだ。

     11時半に神楽坂の駅で待ち合わせる。改札で彼女の姿を見て、ようやく会えたなと思った。今日は彼女の希望で「SKIPA」へ。Kさんとは一度来たことがあるが、それは水曜日の夜だったので、のんちゃんは早上がりの日で、今日が初対面。よくあることだが、Kさんはのんちゃんを沖縄の方かと思った。のんちゃんは新潟生まれのコテコテの日本人だが、その容姿から、沖縄や東南アジアの方だと思われることがあるのだ。私が冗談で、Kさんのことを、「サニーレイン・ユミさんといいます」とニックネームで紹介すると、「あっ、外国の方ですか」とのんちゃんもKさんのことを東南アジアの人と誤解したようである。もっとも私も中近東の人と間違われることがあるし、宙太さんも似たようなものである。4人で神楽坂を地図でも片手にキョロキョロしながら歩けば、たぶん外国からの観光客のグループと思われるだろう。

     私は定食(粕汁がメイン)、Kさんはチキンカレー。食後に私はアイスチャイ、Kさんはホットチャイ。

     他のお客さんがいなくなったタイミングで、のんちゃんが「みんなで写真を撮りましょう。セルフタイマーの設定は任せて下さい」と言ってくれたので、お言葉に甘えて、構図を変えながら、記念撮影。こうして見ると、やっぱり国籍不明の感じがある(笑)。

      「SKIPA」には1時間半ほど滞在した。「梅花亭」で家族へのお土産を買いたいというKさんに、アドバイスをして、桜餅(道明寺)、草餅、うぐいす餅、豆大福を一個ずつ購入。

     神楽坂と飯田橋の辺りを散歩し、普段であれば、ここでお別れなのであるが、今日は再三の延期の後なので、その分、「倍返しだ」ということで合意が出来ており、もう一軒、カフェの梯子をすることになっている。Kさんの希望は「phono kafe」。ここも私のブログによく登場するせいで、「SKIPA」と並んで、ゼミの卒業生の間では「行ってみたいカフェ」の上位にランキングされているカフェである。しかし、両方のカフェに行った卒業生はまだいない。なぜなら「SKIPA」は神楽坂、「phono kafe」は蒲田で、両者は空間的に大きく離れているからである。それを梯子しようというわけである。

     東西線と京浜東北線を乗り継いで(私の大学からの帰宅のルートだ)、蒲田へ。 「phono kafe」に着いたのは3時頃。途中、東京駅のホームから「phono kafe」に電話を入れ、あと30分ほどでそちらに伺いますので、玄米と豆腐のタルト(Kさんの希望)をとっておいてくれるように大原さんにお願いする。電話してよかった。玄米と豆腐のタルトはあと残り一つだった。

      私はクランベリーのマフィン、Kさんは念願の玄米と豆腐のタルトを注文。 

      Kさんは最近大きな決断をした。今日はそのことや、それに付随する問題について、ずっと話をした。今日の彼女の表情には決断をして晴々した気分と、しかし手放しの快晴とは言い切れない憂鬱が見て取れた。まさにサニーレイン。でも、天気雨はキラキラとして美しい。やがて小雨は上がるだろう。

     Kさんを蒲田駅まで見送った後、栄松堂で購入した『文芸春秋』3月号を持って「シャノアール」へ行く。

      第150回芥川賞受賞作、小山田浩子「穴」が掲載されているが、それはいずれ読むとして、まずは村上春樹「独立器官」(女のいない男たち4)を読む。今回の主人公は美容整形外科医の渡会(とかい)、52歳だ。「女のいない男たち」というシリーズタイトルは山田太一の「男たちの旅路」シリーズを連想させる。最初はそんなことは思わなかったが、4作目を読み終わって、そういう思いがしてきた。人生を伴に歩く女性のいない(そういう特定の女性を求めない)男たちの旅路が描かれている。

     7時過ぎに帰宅。今夜の献立は味噌漬けした豚肉のソテー、林檎煮、卵豆腐、茄子の味噌汁、ご飯(十穀米)。

     女子カーリング、日本対カナダを観戦。囲碁・将棋という頭脳ゲームと似たところがある。構想力と、その構想を実現するための技術が必要だ。ミスはつきものだが、ミスはそれをとがめて初めてミスになる。最後にミスをした方が負けるのだ。