フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月11日(日) 曇り

2007-11-12 02:46:56 | Weblog
  8時起床。予報では今日も雨だったが、回復に向かっているようなので、妻は実家の庭の柿の実を採りにでかけた。昼過ぎまでずっと基礎演習の学生たちのレポート(草稿)へのコメントを書いてメールで送るという作業を続ける。一番多いパターンは、参考文献に書いてあることをただ紹介しているだけのレポート(しかもきちんと引用であることを明示しないまま)。本を読むのはいい。大いに読んでほしい。しかしその内容をただ素直に紹介するだけでは駄目である。その本と対話をしながら、ときにはつかみ合いの喧嘩をしながら、つまり本の著者と相互作用をしながら読んだその過程を生きのいい文体で報告してほしいのである。最終稿の提出まで3週間。
  息子を連れて「鈴文」に昼食をとりに行く。息子はランチのとんかつ定食。私は、「とかつを食べ過ぎです」というMさんの心配に配慮して、この時期の限定メニューであるカキフライを注文した。カキフライにはタルタルソースというのが定番だが、私はタルタルソース+とんかつソースで食べることを好む。広島風お好み焼きを食べるときのおたふくソース+マヨネーズの感じである。今日の「鈴文」は混んでいたが、旬のメニューとはいえ「鈴文」に来てとんかつ以外のものを注文する客は、私以外にはいなかった。
  食事を終え、息子はそのまま帰宅。私は散歩。東急アネックスビルの5Fに先月オープンしたTSUTAYAに行ってみる。駅ビル店が休業中(来年3月まで)の代替店舗だと思うが、2基しかないエレベーターを使って5Fまでいくのはけっこう時間がかかる。ただしワンフロアー全部が店舗なので広さにおいては駅ビル店に引けをとらない。借りたいDVDとCDは借り出されていてなかったが、スピッツのニューアルバム『さざなみ』と田村正和主演の映画『ラストラブ』を一泊で借りる。下りるときは階段を使ったが、4階は百円ショップ、3階は漫画喫茶、2階はゲームセンターと私には馴染みのない世界で、ちょっとわくわくする。百円ショップで油性ペンとマーカーペンとミニ・ホワイトボードとホワイトボード消しを購入。習慣的に商品の値札を探してしまう(百円だっちゅーの)。
  夜、『ラストラブ』を観る。一言でいえば、田村正和のための映画である。いや、カメラワークはあまり映画的とはいえないので、お金をかけて作った(ニューヨークロケ)2時間ドラマという感じだろうか。田村は1943年の生まれだから今年で64歳になる。役柄の年齢はよくわからないが、おそらく50代後半といったところだろう。相手役は伊東美咲である。彼女が演じるのは27歳の公務員なので二人の年齢差はおよそ30歳ということになる。普通はない設定である。しかし、とにかく田村正和は格好いいので、どうにかこうにか様になってしまうのである。「僕の時間は過去だが、君の時間は未来だ」。ひえ~!「恋には命をかける。結婚には幸せをかける」。ひえ~!こういう台詞をしらふで語れるのは田村正和だけであろう。私は田村正和的世界を大いに堪能した。私は感化されやすい人間なので、ここ二三日、現実の世界の中でうっかり田村正和的台詞を語ったりしないように気をつけねばならぬ。