大橋社労士の気まま日記

仕事上のエピソードや日常の出来事、日頃興味を持ったことなどを随時ご紹介していきます。

市役所の市民相談

2006-01-12 23:04:04 | Weblog
毎月第2木曜日は市役所の無料市民相談の日である。私は今年度から担当になり、これまでにも様々な相談を受けているが、今日驚くべき内容の相談があったので、ご紹介する。(本来、相談内容について公表するのは好ましくはないが、こういう事例が今後出てこないことを願ってあえて述べる)。

事が起こったのは昨年の年末だそうだが、ある日会社に行ったら全員集められ「都合により会社は本日をもって廃業するので、みなさんも今日付で全員解雇になります。明日からは会社に来なくてよろしい。」と言われたそうである。なんの前ぶれも、事前の予告もなくである。
こういうのは、マンガやドラマの世界だけかと思っていたが、現実にあるんだあ~。しかし、これは笑い事でなく誠に恐るべき事態である。

もちろんのごとく解雇予告手当も退職金も貰えていない。そもそもそういうものを会社(正式には元会社)に法律上請求できるのかという主旨の相談だったが、はっきりいって法律上うんぬん以前の問題で、社会的な常識上ひどい話ではないか。
少々偉そうなことを言うが、会社というのは法人である以上、事業の収益ももちろんだがそれと同時に(あるいはそれ以上に)雇っている従業員ひとりひとりの生活を支えるという重要な使命を担っている。このところの不況下、この重要な使命を後回しにしてしまっている会社をたくさん目にしているが、ここまで極端な例は初めてである。

確かに経営者の立場に立てば、このような気持ちはわからないでもない。が、「人」対する価値観という面では欧米先進国に大きく遅れをとっているのは事実であろう。これは、日本の中小企業の永遠の課題かもしれないが、私も職業柄、様々な所でことあるごとに「会社にとっての“人”の重要性」をこれからも訴えていこうと思う。
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