今回は月に一度の「ためになる話シリーズ」です。
何年か前から、ワーク・ライフバランスという言葉が日本の一般社会でもよく使われるようになりました。時代の変遷とともに少しずつ定着してきた感もありますし、逆に今でも言葉の意味について誤解されていたり、まだまだ先進各国と比べると慣習として世間に浸透していないと感じることもあります。今回は、今一度その本質などを改めて考えてみたいと思います。
まずワーク・ライフバランスという言葉の意味ですが、「仕事と私生活のバランスを保つ」とか「仕事にゆとりを持たせて家庭での時間を確保する」とか「仕事よりも趣味に打ち込む時間を増やす」などととらえられることが多いような気がします。まあどれも必ずしも間違いではないのでしょうが、これらはワーク・ライフバランスの本質的な意味ではないとされています。
日本の文化・慣習としてイマイチ根付かないのは、このように言葉の意味そのものを誤解しているのも一因なのかなと思います。
本来は、「私生活の時間に得られた知識・経験・人脈などを仕事に活かすことで仕事の質や効率が高まり、結果として仕事も私生活もどちらも充実する」といったいわば“相乗効果”の上がることを意味しています。決してどちらかを優先するとか、どちらかに時間を割くとか、そういう意味合いではない言葉なのですね。
最近は様々な努力や工夫で減ってきたとはいうものの、現在でも日本人の残業時間は諸外国の中でも多い方です。また、何より日本人は伝統的に勤勉で仕事そのものに熱心な国民性です。決してそれは悪いことではありませんが、果たして長い時間働いた分のその成果はどれだけ生まれているでしょうか?
実際に労働生産性のデータを見てみますと、OECD加盟国中で見ても、日本は下位の方にランクされています。つまり、長い時間働いている割には成果を生み出せていないのです。
戦後のモノやサービスが枯渇していた時代には、市場に商品を少しでも早く投入することが企業の大命題で、その命題に合わせた働き方をすることが社会の発展を支え、企業の利益率も労働者の収入も高まる結果となっていました。つまり、長い時間働けば働くほど誰もが“得”をした時代もあったわけです。
ただ、現代はどうでしょう? モノもサービスもある程度充足しているのに、働き方だけは昔のままになってはいないでしょうか? もちろん、ずいぶん改善はされてきましたが、「時間をかけて仕事をする」とか「長い時間働くのが美徳」という慣習が根底から抜けていないような気もしますし、そのせいで企業自体も人件費がかさんでかえって利益が上がっていない所も多いと思います。
毎日“仕事ばかり”の生活をしていますと、同質の集団の中ばかりで仕事をすることとなり、そこでは新しい発想は生まれてこないですし、頭の中の引きだしの中身は充実してきません。
会社で仕事をする時間以外の時間を使って、知識や経験や人脈を広げることで頭の中の引き出しを常にいっぱいにし、なおかつしっかり休んで活力に満ちた状態で出社をすることが本当の意味での「ワーク・ライフバランス」であり、どちらかというと“充実した仕事をするために”ある言葉なのかなという気もします。
何年か前から、ワーク・ライフバランスという言葉が日本の一般社会でもよく使われるようになりました。時代の変遷とともに少しずつ定着してきた感もありますし、逆に今でも言葉の意味について誤解されていたり、まだまだ先進各国と比べると慣習として世間に浸透していないと感じることもあります。今回は、今一度その本質などを改めて考えてみたいと思います。
まずワーク・ライフバランスという言葉の意味ですが、「仕事と私生活のバランスを保つ」とか「仕事にゆとりを持たせて家庭での時間を確保する」とか「仕事よりも趣味に打ち込む時間を増やす」などととらえられることが多いような気がします。まあどれも必ずしも間違いではないのでしょうが、これらはワーク・ライフバランスの本質的な意味ではないとされています。
日本の文化・慣習としてイマイチ根付かないのは、このように言葉の意味そのものを誤解しているのも一因なのかなと思います。
本来は、「私生活の時間に得られた知識・経験・人脈などを仕事に活かすことで仕事の質や効率が高まり、結果として仕事も私生活もどちらも充実する」といったいわば“相乗効果”の上がることを意味しています。決してどちらかを優先するとか、どちらかに時間を割くとか、そういう意味合いではない言葉なのですね。
最近は様々な努力や工夫で減ってきたとはいうものの、現在でも日本人の残業時間は諸外国の中でも多い方です。また、何より日本人は伝統的に勤勉で仕事そのものに熱心な国民性です。決してそれは悪いことではありませんが、果たして長い時間働いた分のその成果はどれだけ生まれているでしょうか?
実際に労働生産性のデータを見てみますと、OECD加盟国中で見ても、日本は下位の方にランクされています。つまり、長い時間働いている割には成果を生み出せていないのです。
戦後のモノやサービスが枯渇していた時代には、市場に商品を少しでも早く投入することが企業の大命題で、その命題に合わせた働き方をすることが社会の発展を支え、企業の利益率も労働者の収入も高まる結果となっていました。つまり、長い時間働けば働くほど誰もが“得”をした時代もあったわけです。
ただ、現代はどうでしょう? モノもサービスもある程度充足しているのに、働き方だけは昔のままになってはいないでしょうか? もちろん、ずいぶん改善はされてきましたが、「時間をかけて仕事をする」とか「長い時間働くのが美徳」という慣習が根底から抜けていないような気もしますし、そのせいで企業自体も人件費がかさんでかえって利益が上がっていない所も多いと思います。
毎日“仕事ばかり”の生活をしていますと、同質の集団の中ばかりで仕事をすることとなり、そこでは新しい発想は生まれてこないですし、頭の中の引きだしの中身は充実してきません。
会社で仕事をする時間以外の時間を使って、知識や経験や人脈を広げることで頭の中の引き出しを常にいっぱいにし、なおかつしっかり休んで活力に満ちた状態で出社をすることが本当の意味での「ワーク・ライフバランス」であり、どちらかというと“充実した仕事をするために”ある言葉なのかなという気もします。