今回は、月に一度の「ためになる話シリーズ」です。
改めて述べるまでもなく、今まで経験したことのないような事態が生じて、社会全体がひどく落ち込んでいます。休業を余儀なくされたり、働きたくても働けない方々も多いことでしょう。
今回はお金の話をあえて差し置いて、少しでも前向きになれるよう、こういう時だからこそできること、考えられることを述べてみたいと思います。
まず、今一番やってはいけないことは「一人で思い悩む」ことだと思います。企業等の経営者であっても一従業員であっても、「ヤバイ、どうしよう!」と自分一人で問題を抱え込み悩まないでください。
みなさんの周りには仲間がいます。家族、友人、自社・他社問わず一緒に働いてきた人達 etc.
いくら経験豊富でこれまで数々の修羅場をくぐってきた人でも一人の力には限界があり、一人で思い悩んでいると心身ともに疲弊してしまいます。今こそ周りの様々な人脈を活かして、あれもこれもできないと嘆くのではなく「今できること」を考えて実行していきましょう。
今は昔と違い、直接会わなくても人と交流・議論できる手段はたくさんあります。また、できることなら「こんな事態にも動じてない」人や「このような状況下でもそれほど収益が落ちていない」人と繋がるようにしましょう。落ち込んでいる同志で集まりますと、否定的な提言や愚痴の類しか出てこないことが多いですから。
私自身が周りを観察していて感じるのは、「自分にとって何が大切なのか分かっている人」はどんな状況下でも落ち着き払ってどっしりと構えています。そういう人達は目の前の一時的な落ち込みや収益の変化に一喜一憂せず、逆にチャンスぐらいに捉えて今でき得ることで世の中に貢献して、それをビジネスにつなげてもいます。もちろん、何が大切かは人によって違いますし、それについて正解はありません。
私は、働く人向けのセミナーなどの場で「自分のためでなく“他人のために”仕事をしましょう」という主旨のことをよく語っています。この“他人のために”という観点があると、いざ行き詰ったり窮地に立たされた時に軸がぶれません。逆に、自分のためだけに仕事をしていると、視野も狭くなって、いざという時に壁にぶち当たって身動きができなくなります。
今こそ原点に返って、何が大切で何のために・・というまさに根本的な部分を見つめ直すことも重要かなと思います。現状を嘆くだけで、人のせいにして文句ばかり言っていても何も始まりません。
あと、以前とある人から「問題が起きたことが問題なのではなくて、それをどう捉えてどう対応するのかが本当の問題だよ」みたいなことを言われ、なるほどな~と思ったことがあります。まさに今はどう対応したかで成果に差が出てしまいます。ぜひ、よい方向に舵を切っていければいいですね。
コロナウイルスを直接やっつける薬や方法がまだ見つかっていないのと同様に、こういう社会情勢を回復させるための特効薬は残念ながらないのだと思います。たとえ国などからお金をもらったとしても、それは根本的な解決にはならないでしょう。
だからこそ、前述のように自分一人で悩まず、周りのありとあらゆる人達の英知を結集して切り抜けていきたいものです。