若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

夏の雲は忘れない <1>

2013-08-12 06:41:31 | 忘備録

二代目は小学生のとき、県立図書館で広島と長崎に関するビデオを、お友だちと何本も見たそうです。原爆の悲惨さを直接的に伝える映像や、放射能がその後、人間にどれだけ怖ろしい影響を残したのかという事に至るまで。素直に、「それは、すごいな。」と思っていました。男の子と女の子という違いこそあれ、なんて強い子たちなんだろうと。

 

重松清著「最後の言葉」という本に、いろいろな偶然が重なって導かれてから数年経ちました。どうしても足が遠のいてしまいがちな本たちを、とりあえず開こうと努力する月、8月。気付けば買って、目につくところに置いている「戦地で実際に兵隊さんたちが残したコトバ」をまとめた本を8月になったら読むことが、私のライフワークだからです。それを、どうしようという訳でもない、ただ、日本人として何か一つでも出来ることないかなーと思っていた自分にしっくりきたから、静かにやっている、ただそれだけ。

 

その試みを始めたのち、後悔したことが2つありました。それは、広島と沖縄に行ったことがあるのに、私は戦跡をこの目で見ようとしなかった、ということ。原爆ドームだけは市内を走る車中から見えましたが、直視できなかったし、きちんと考えようとしませんでした。とても、怖かったのです。でも、私はもう大人だし、視的に飛び込んでくる戦争の記録から逃げるのは弱すぎたと、反省をしています。

 

昨日、『夏の雲は忘れない』という朗読劇に行ってきました(友人のT也が地元高校生として出演していました。あれが、あのT也かと疑うほど、立派だったよ)。広島と長崎に原爆が投下された後、現地で書き残された記録を、女優さんたちが舞台上で朗読していく、シンプルな舞台でした。「しまった、ハンカチ忘れた。」と、開演前に慌てていましたが、さほど涙は出ませんでした。当時の写真も背後にずっと映し出されましたが、大して目を背けることもなく、向き合うことが出来ました。私はもう準備が出来ていると、変な安心をしました。これで、沖縄で予定している戦跡めぐりを、私はきちんとすることが出来るな、と。そのことに耐えられるだけの強さは身に着けたな、と。

 

<つづく>

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