The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem”:ユーロスと真賀田四季 & etc.

2017-08-02 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」と 『すべてがFになる』との類似

『シャーロック』S4を書き終えて暫らくボーっとしておりましたが、初見から何となく気に
なっていながら何時までもささった刺が抜けない様なスッキリしない思いがあったのですが、
先日某所でチラッと拝見したツイッター記事を見てハッと気づきました。


S4で突然登場した シャーロックの妹”ユーロス”のキャラクターを見ていて 脳の何処かで
チリチリするものを感じていたのですが それが何なのか全く思い浮かばなかったところ、
『すべてがFになる』にそっくりだ・・・と書かれていたツイッターのご意見を拝見し、あッ!
それだ!”真賀田四季”だッ!とやっと頭の上にランプが付き思い出し 思わず膝を打ったと
いうボケでした。
ずっと気になっていながら遂に自力では思い出す事が出来なかった前頭葉が弱った記憶喪失の
Yam Yamでした(情けなや・・・)
普段殆どツイッターを見る事はないのですが、本当にたまたま行き当たりまして、そんな風ですの
で何処でこのツイートを見たのか、何方が書かれたものなのか全く覚えていないと言うテイタラク
です。 良くぞ思い出させて下さったと感謝しつつ、ここで取り上げさせて頂く事をお許しい頂きたいと
思います。

『すべてがFになる』は、

森博嗣氏の『S&M』シリーズの第一作で1998年出版された作品です。
新しいタイプのミステリーと感じ 森作品にのめり込んだ最初の作品で、個人的にも一番好きな作品
でした。
出版直後に読んだ記憶があるので かれこれ18年以上前になるのでしょうか(大昔!) だから
直ぐに思いつかなかったんですよ~、とゴニョゴニョ言い訳(汗)。
そんな大昔に読んだものですから細部は忘れていたので 今回少しばかり再確認してみました。

この『すべてがFになる』で登場したのが、 ”真賀田四季”。
愛読者もかなり多いと思うし、ご存知の方も多いかとは思うので 今更ですが・・・
『S&M』シリーズは、N大学工学部助教授の犀川創平の”S”とその教え子の西之園萌絵の(萌絵
の)”M”を冠したシリーズ。

この時初めて登場する 真賀田四季は「人類のうち最も神に近い」といわれる知能の持つ天才プ
ログラマー。
5歳の時自身の特異性を認識して以来、この時点で彼女にとっての「知識のインプット」は完了し
ているといい、数多くの偉業を達成する。
又14歳の時両親殺害の罪に問われるが心神喪失という事で無罪となり 以来外界との交流を経ち
孤島(妃真加島)の研究所に閉じ籠り密かに研究を続ける天才工学博士。
複数の人格を所有する多重人格であり、人類を超越した人格、能力は巨大企業や組織から利用され
彼女自身もそれらを様々な形で利用している。 又殺人さえタブーとしない天才。
犀川教授が妃真加島に上陸した事を機に島の研究所を脱出し、その後も色々な場所で犀川と係る
事となる。
密室ミステリーでもあり、理工系ミステリーとも評されている様です。
・・・と云ったのが概略プロフィールです。(記憶が曖昧なので「BOOK」データベース等を参照
引用させていただきました)




そうなんです、再確認してみても 今回「シャーロック」S4で登場したユーロスのキャラクター、
”孤島”設定等何やらあれこれ類似点がある事に改めて気付かされました。
勿論モファティスが”真賀田四季”を知っている筈は無いだろうし、全くの偶然だとは思うの
ですがね・・・・
ただ、ユーロスが幼い頃のシャーロックに対して持っていた感情のみに動かされていて視野が
狭く限られているスケールの小ささ。 シャーロックの愛を取り戻した後あっけなく牙を抜か
れた無害なサイコパスに戻る単純さとは全く異なります。
こんな点でもユーロスのキャラクターの曖昧さ、底の浅さ等に物足りなさを感じたところでした。

話は戻り、後の「四季シリーズ」では真賀田四季の成長物語。
又「百年シリーズ」にも繋がってきます。
(イル・サンジャックの女王の名前メグツシュカをアルファベット表記にすると、頭文字の子音
が ”mgtsk” になる。主人公サエバ・ミチルと女王の関係は・・・・)

全く話が変わりますが、”Euros”のカタカナ表記に関して、ワタクシは”ユーロス”で通させて
頂きましたが 他に”ユーラス”、”エウロス”等表記されている所もあり、その他の俳優さんの
お名前も含め外国語のカタカナ表記が難しいと先日も話題にしていたところなのですが・・・
森作品でのカタカナ表示が特徴があり、
例えば、
computer → コンピュータ
elevetor → エレベータ
shutter → シャッタ  等々

mystery → ミステリィ
story→ ストーリィ 
energy→エネルギィ 等々
英語で最後が”er”や”or”になる単語で、カタカナにしたときに、3文字以上になるものには長音
をつけない。
子音+yでおわる単語は”イ”を用いる。
初めは少し戸惑ったのですが、 
これは工学分野で用いられる表記だとの事で、工学博士である森先生のこだわりでもある様です。

あ、それから全然知らなかったんですが、この作品TVドラマ化、アニメ化されているそうですね?
全然観た事ないんです。
って言うか、知っていたとしても多分見なかったと思う。
原作を先に読んだ作品のドラマ化はまず観ないです。 全く個人的な考え方ですが、原作を先に読むと
自分なりのイメージが作られてしまうのと、映像化され作品は殆どの場合原作とは違う設定になって
いたり、大幅に内容が変わっていたりする場合も多く、殆どの場合映像化された作品は別の物って
感じてしまうのです。 それはそれでより良い作品になる場合もありますが・・・・
読んでから見るか、見てから読むか・・・・ですね。

「シャーロック」から「すべてがFになる」へ、そして森作品へと取り留めなくなってしまいました。
随分昔の事だったので、これを機会に再度「S&M」シリーズを読み直してみようかと思います。
因みに、犀川先生お気に入りです(って、聞いてないですね?)




← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (最後です)





SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (最後です)

2017-07-26 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」 追記&Review(2)


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓


・・・・・追記とReview (2)

前回も書きました様に、一旦S4で終了と考えた場合、これまで放送されたエピソードに触れられ
ていた事で今回も未だ解明されていないままになって事項が幾つか残っています。

例えば、


◎ S2E3 シャーロックのバーツからのフォール :
結局ジョンにもどうやったのか方法は話していないフォールの真相。 アンダーソンに話した事が
正解なのだろうけど、アンダーソン自身も語っていた様に彼に真相を話す訳は無いだろうとしなが
らも結局うやむやのまま。


◎ “MISS ME ?”  : S3E3の最後電波ジャックされて映し出されたモリアーティの顔とこの
フレーズは、あの当時モリアーティの生きているのではないか?残党或はモリアーティの兄弟に
よるものではないかと論争の的になっていて、メアリーではないか? 果てはシャーロックを呼
び戻すためのマイクロフトの操作なのでは? 等の意見も出ていたのですが、結局S4を観る限り
ユーロスによるものだと考えられます。
ただ・・・あのエピソード制作時はユーロスは念頭になかったと言うモファティス。 あの時点
ではどう決着つけるつもりだったんでしょう??


◎ 「忌まわしき花嫁」の飛行機の中で出ていたマイクロフトの手帳に書かれていた文字、
”Redbeard「赤ひげ」”に関してはE4で明らかにされ一応の決着がついた訳なのですが、もう一つ
気になる”Vernet”の文字。 この点が今回触れられていませんでした。 どういう意味を持って
いたのでしょうか?

それと、S4E1でシャーロックに会おうとしなかったジョンがモリーに託したメモ。
あの中身は何が書かれていたのか・・・当然「君の手助けだけは要らない」って事なんだろうけど
これも気になる。


◎ S4E3で最も気になった221B爆破時、シャーロックとジョンがかすり傷1つしていなかった不思議。
こ の点は、ゲイティス氏が説明しているのですが、窓から飛び出した2人はスピーディーズの日よけ?
天幕?の上に落ち、滑り落ちて着地。 よって怪我ナシ・・・・ですって。
ただ、これを話しているゲイティス氏が悪戯っぽい顔で冗談めかして話している様なので はぐらか
しだと思うんですけどね。
そして、この点は早速ファンからダメ出しされていまして、下の画像の様に指摘されています。
  



(大分前の事でネタ元さん紛失しました。スミマセン!)

何といっても窓ガラスを割って飛び出さなければならないし、飛び出した角度から丁度日よけの
上に落ちるのは無理がある。
百歩譲って、日よけの上に落ち滑り落ちたにしても、この画像から見ても分かるように ジョンの
側は外れている。
等々で、あのシーンは無理がありましたですよ(笑)
昨年末予告編であの爆破飛び出しシーンを見た時には笑っちゃいました(スミマセン)

英国放送直後からさかんに言われていた『ボンド化』に関しても、製作陣は特に意図した訳では
無いと弁明していますが、 派手なアクションシーン(長い!)、ヘリやスポーツカーでのこれ
また派手なシーン、AGRAの大使館突入シーン、シェリンフォードの内部、等々
初見でも「あれ?私は何を観ているの?」と感じる程 スパイアクションドラマを見ている様に
感じたのは確かです。
勿論、正典のホームズもボクシングやバリツ(!)に秀でていて、時にこれを駆使する場合も
ありました。
そう言えば、先日グラナダ版「美しき自転車乗り」(だったと思う)を見ていたのですが、この
作品の中でホームズはボクシングで問題の男をブチのめすシーンがありました。この場合はカッコ
いい、スカッとする以外の何物でもなく、勿論ストーリー展開に必要欠くべからざるシーンであった
と感じました(話が逸れました)

余談ですが、ヘリコプターと言えば、
モリアーティがシェリンフォードに到着した時乗っていたヘリ そして、シャーロックがユーロス
に会いに行く時にも、あれ? 既視感!





機体番号”G-VGMG” : 思い出しました!!
S3E3 ”His Last Vow” で シャーロックとジョンが乗っていたマグヌッセンのロゴ入りヘリ(これ
はこの後マイクロフトが乗っていた機体とも同じ)と同じ機体でした。使いやすいのか、気に入って
いるのか、それともレンタル料が安いのか(暴言)← どうでも良いトリビアでした(汗)

これまでも新しいシーズンが放送される度に 常に色々と細かい考察や制作者が思ってもいない様
な点に関する追及がなされてきました。(自分も含めでですが・・・)
しかし、常に”シャーロック愛”が前提になっているが為の熱意、盛り上がりであったと思います。
S1を制作した時点で、製作者は想像していなかった様な全世界的な熱狂、反応を得た為、その事に
よるプレッシャーも感じていたであろうし、次の作品を書く当っても前作を越えなければならない
とのより強いプレッシャーもあったでしょう。
であるから、S1,S2では念頭にもなかった様な奇抜で派手な展開にしなければ・・・と感じたのかも
知れない。 S4の内容は特に最初から練られた計画では無く、全て後から矛盾しない様に意味づけ
ているので、シーズンを通しての伏線であったと言うのは無理があり、説得力に欠けたと感じます。

S1とS2は本当に素晴らしかったし、ワクワクさせられのめり込んだのですが、何度も繰り返すよう
にS3でのテーマ、カラーの急激な変更に戸惑わされ悩み込んだモノでした。
その頃でしょうか、モファット氏がインタビューで(だったと思うのですが)言っていた言葉、
”It's not a detective show, It's a show about a detective”「これは探偵物語ではない。探偵
物語だ」を見て、首を捻ったのです。
当初の意気込みと制作方針を語っていた時と方向転換していた様に感じたのです。
S3を観て、この言葉が良く分かりました。 
変わって来たのです。 そして、今回のS4です(怒、泣)!
「シャーロック・ホームズ」を扱う限り、パスティーシュであれ、パロディーであれ 常に正典を
リスペクトし、念頭に置かなければならないのは当然だと思うのです。
そして、ホームズ、ワトソンは基本的に常に長年ファンに愛されたキャラクターであって欲しいと
考えるのは当然だと思うし、ストーリーも正典を踏襲しつつ「お約束」を盛り込みながら 推理、
謎解き、冒険、boys の友情、絆の物語であって良いのだと思います。
これは、ホームズ&ワトソンの設定年齢、時代設定に係わらず一貫して守られなければならない
テーマなのだと感じています。


S4に関して、出演者達がどの様に感じていたのでしょう? 
ベネディクトもマーティンも過去のシーズンでも何時も模範的な感想を述べているし、出演者が作品
に関してネガティブな意見は述べる筈はないのは当然の事だとは思います。
が、
今回ルイーズの事に触れていたブロガーさんがいらして、

 
これは3月の時点ですので、この後観たのかも知れませんが、何となくルイーズの複雑な心境を表して
い居る様な気がしました。

S4の放送後 モファット氏はEW誌のインタビューがS4に関して、又S5に関して語っています。
「もしS5があったとしても、戻って対処しなければならない事柄はない」と断言しています。

http://ew.com/tv/2017/01/16/sherlock-showrunner-season-4-finale/

約6年前に”A Study in Pink”を観て「シャーロック」沼に嵌り込み、それ以来子供の頃から好き
だったシャーロック・ホームズに改めて注目する様になり、正典の読み直し、グラナダ版の観直し、
そしてその他関連映画、小説等あらゆるホームズ関連作品に手を広げまくりました。
再度ホームズの世界に浸れ、楽しませてくれる機会を与えて貰えた事に関してはBBC版に巡り合えた
事を感謝しています。(なんか追悼文みたいになっちゃいました。 グスン・・・)


長々書き続けてきましたが いずれ又「シャーロック」に会えることを期待しつつ終わらせて頂きます。
(取りあえず。?)

何時の日にか2人のこんなシーンが又観られるます様に!











1月の初見時、少なからずショックを受け、特にE3に関してはとても書く気になれ無かったので自粛しようか
と思いつつ、余りにも胸に溜まるものが多く結局書き始めたら予想以上にダラダラ長くなってしまいました。
お付き合い頂き有難うございました。

暫らく放心状態に陥るかも知れませんが、今後は再度初心に返ってS1に回帰しようと思います。
(性懲りもないヤツ!)





← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (9)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem”:ユーロスと真賀田四季 & etc





SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (9)

2017-07-23 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」 追記&Review (1)


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓


・・・・・追記とReview (1)

日本放送前に散々ネタバレを書いて置きながら 何を今更なのですが(汗) 最後の纏めと
感想追記は放送後にしようと思っていた為 間が空いてしまっていました。
昨晩「最後の問題」の放送が終わりました。 皆様どの様な感想をもたれましたでしょうか・・・・

今回は書き残した事等色々振り返りながら追記させて頂きます。

大変ひつこいのですが、S4は何度観直しても納得できないし、特にE3”The Final Problem”に
至ってはもうストーリー展開も無理やりだし説得力にも欠け、重箱の隅を突くまでもなくアチコチ
突っ込みどころ満載の感があります。
個人的な思いかも知れませんので、反論を承知で列記させて頂きますね。(結局重箱の隅を
突いていますが)

S4はE1でメアリーにフォーカスが当った「メロドラマ」、E2はカルバートン・スミスとの対決が芯に
なる筈の展開にも拘らず メアリーの影を引きずりながらジョンとシャーロックの対立に偏り、
E3ではジョンとシャーロックの関係は元に戻りつつも、ユーロスという存在が明らかになった為
彼女によって引き起こされる家族の問題。 過去の因縁等ユーロスフォーカス。
とは言いつつ、E2はS4の中ではシャーロックらしい点も感じられ割に好きな内容ではありました。


S4のどのエピソードも当初の様なワクワクする様なジョンとシャーロックの冒険、シャーロックが
導き出すドキドキする様な推理、謎解き、又ジョンと紡ぎだす友情等を楽しむ内容とは全く異なる
方向に向かっていました。
当初からモファティスが言い続けていた「人間としてのシャーロック」、「シャーロックの成長」は確
かに表されていたのかも知れないが、これまでダークに過去を抉り出し、それに元ずくシャーロック
の成長と言うのは必要だったのだろうか?
これも何度も繰り返して言い続けていたのですが、シャーロック(シャーロック・ホームズ)は普通の
人間である必要はないと思うし、情に流され 推理も儘ならず 天才である探偵である姿が薄れて
しまっています。
確かに、ユーロスによって封印されていた過去がシャーロックの性格を作り出したと言う点、そして
そのトラウマから解放され その後はその前の様に感情を十分に表す人間味豊かな性格に戻った・・・
という導き方はモファティスの意向であろうとは思うものの S4で突然人格が変わってしまったかの
様な居心地の悪さばかりが残ります。
過去のシーズンでは全く想定もされていなかった突然の妹(ユーロス)の存在に強引に結び付けられ
ていくように感じます。

S3迄全く影もなかったユーロスが何故突然姿を現すのか?
5年前にモリアーティーと会わせた事がきっかけになったとしても、いきなりシャーロックを標的にし
始める不自然さ。
モリアーティーの死が引き金になったとしても、それから考えても3年以上経っていた訳なので今回
ユーロスがいきなり行動を起こした直接の原因は納得できない事の1つ。

又、マイクロフト、ジョンと共にシェリンフォードを訪れてからの3人の行動も全く不可解。
ユーロスに先導されるままにシャーロック、マイクロフト、ジョンが人の命を懸けてゲームを強要される
点に関しては、たとえ飛行機に乗っている少女の命が掛かっているとは言え、何故あれ程疑問も抱か
ず3人が言われるままに無辜の人、大切な友人や兄弟を殺す指示に従う事になるのか・・・・ これは
多分ユーロスに洗脳されているからと考えなければ納得できない展開です。
大切なロージーがいるにも拘らず、自分が兵士になって犠牲になろうとするジョン(ロージーの”ロ”
の字も浮かんでいない様子)

又、飛行機の少女の存在に関しても、シャーロックは最初から少しも疑問を抱かずユーロスに聞かされる
電話の声だけでその存在を信じ込んでいる。モリアーティが絡んでいると気付いたからにせよ この点も
説得力に欠ける様な気がするのです。
そして、この少女は声だけ(ユーロスがしゃべっている訳だけど)で その姿や機内の状況はシャーロック
の想像の産物である訳で、シャーロックは、「ベルグレーヴィア」の”死者のフライト”、”221Bに相談しに
来た姉妹”からの連想であの少女の姿を思い描いていたのだと思われるが・・・・

 
そして、誰でも洗脳するというユーロスの力から考えると たった5分間の面会で影響を受け、洗脳された
のはモリアーティの方ではなかったのか?
其の為、モリアーティはユーロスが人の命を懸けて3人を操ったと同じ様に、”The Great Game”「大いなる
ゲーム」で同じように人の命を懸けたゲームをシャーロックに仕掛けて来た。
但し、簡単に人を殺してしまうのはユーロスの方が数枚上手でサイコパス度は超ド級で後味が悪い。

S4でシャーロックの人間らしさを必要以上に出そうと言う描き方は未だに納得できないと感じますが、”人間
らしさ”をより表面に出したのはマイクロフトの方であった様な気がします。
これまで冷徹な官僚主義に徹した何を考えているのか分からなかったマイクロフトがS4ではちょっとした春が
訪れかけたり、必要以上に弟を心配する、家族を気に掛ける、冷たい外見とはうらはなな人間らしさを出して
いました。 そして、シャーロックからさえも「彼は自分で思っているほど強い人間ではない」と言われる程。
S1で初めて登場して以来シャーロックとマイクロフトの兄弟関係は常に危機感をはらんでいたしギスギスした
関係であった様に思うけど、突然に兄弟で思い合う様になってしまった。
尤もマイクロフトに関しては「忌まわしき花嫁」の終盤でシャーロックに対する想い、気掛かりを表し、ジョン
にシャーロックの事をよろしく頼むとさえ言っている。 この時もやや唐突感を感じたのだけど、シャーロック
の身に関する危機も予感させられられたことも事実。 これがS4に上手く繋げられたのかも知れませんけど。 

最初にも書きましたが、”The Final Problem”「最後の事件」は正典中モリアーティとホームズがライヘンバッハ
の滝に落ちて死亡した作品で、このプロット自体はS2E3 ”The Raichenbach Fall”「ライヘンバッハ・ヒーロー」
に引用されてしまっていた訳です。 
では、今回”The Final Problem”「最後の事件」での”The Final Problem”とは、何を意味したのだろう?
と考えた時、結局シャーロック自身の問題だったのだという事は観終わった後に腑に落ちました。
昨年末、勿体ぶった様になかなか公表しなかったE3のタイトルとして、この”The Final Problem”が発表された
時、正直 あ、これで一旦シャーロックを終わらせるのだな・・・と感じていました。
E4を観終わった時点で猶更この感が強まり たとえE5の可能性があるとしても当分は無理だと感じさせられました。
ベネディクトやマーティンのスケジュール、モファティスのスケジュール等の関係もあるかとは思いますが、
E4放送直後の反響(色々ありました)も今後の動向に影響するのではないかと思います。
これまで何時も次のシーズンの可能性と共に、何時になるのか、どういう内容になるのかと それだけが楽し
みで過ごしてきたものとしては本当に残念でなりませんが(この先どうやって過せばいいんでしょう・・・)、
今回の内容を見る限り たとえ次の可能性があるとしてもこれまでの様に2年後はあり得ないとして もう少
し長い冷却期間を置いて新たな形、というかS1の時の方向性に戻り何時の日にか新たな作品をで作って貰え
たらなあと考えています。 ホント寂しいですけど。

終りを感じさせる点のもう一点は、色々な項目、セリフを過去のシーズンに関連、リンクさせて納めている。

例えば、既に書いたS1E1のシャーロックとジョンの初登場シーンの挿入、レストレードのシャーロックに関する
”good man” 表明以外にも、

◎ S3E2 ”The Sign of Three”「三つの兆候」の中、ジョンの結婚式でマイクロフトが唐突に口に出した
”Do you remember Redbeard ?”「赤ひげを覚えているか?」に、シャーロックが ”I'm not a child anymore”
「もう子供じゃないんだ」と言った時、最初思ったのは”赤ひげ”が海賊だと。
つまり、シャーロックが子供の頃赤ひげという名の海賊が出るお話が怖かったのではないかと・・・(この事は
以前も何度か書いた記憶がありますが)。因みに”赤ヒゲ”という名で呼ばれる海賊は実在します。 オスマン
帝国の提督ハイレッディン・バルバロッサが赤髭と呼ばれた海賊と言われています。
この点は、E3でマイクロフトが言っていた様に、ふとしたきっかけの言葉でシャーロックの記憶の状態を確かめ
ていた・・・にリンクする。


◎ S3E3 ”His Last Vow”「最後の誓い」の中で、メアリーに撃たれたシャーロックがマインドパレスの中で
見たのが犬の「赤ひげ」。 ここで、「赤ひげ」は犬であったのか・・・と思わされたのですが、この時シャー
ロックは、”Hello, Redbeard. They're putting me down too, now. It's no fun, is it?”「やあ、赤ひげ皆は
僕の事も殺そうとしているんだよ。 面白くないよね」と言っていた時、あの時点ではシャーロックが子供の
頃可愛がっていた犬「赤ひげ」は安楽死させられたのではないかと思っていた事。 
これが、今回のトレヴァー即ち赤ひげの死ににリンクすることになる。


◎ S2E1 ”A Scandal in Belgravia”「ベルグレーヴィアの醜聞」の終盤、マイクロフトがジョンに”Initially
he wanted to be a pirate”「元々はシャーロックは海賊になりたがっていたんだよ」とチョット寂しげに言って
いた事。
 
これは、E1の「サマーラの死神」をシャーロックが脚色して自分なりの解釈では商人が海賊になって無事生き延びた
と変えていた。 子供の頃から海賊ごっこをして遊んでいた・・・などにリンクさせている。

◎ E4E1冒頭から何度も出て来た”水”がオーバーラップする点。
これは最初意味が分からなかったのですが、E3でユーロスが言っている様にヴィクター・トレバーが水死した事に
発する ”deep water”絡みである事が分かります。


 
そして、”The Great Game”のブールのシーンも元をただせばシャーロックが自分の最初の事件であったと言っていた
カール・パワーズがプールで死亡した件に遡り、ライヘンバッハの滝の決闘、そしてメアリーが死亡した水族館 等
全て”水”に関連付けるように誘導しています。

ただ、この点に関しても 「シャーロックの人生には常に深淵”水”が関わっていた」と言われても、唐突感が
あり、あれ?そうだったんですか?・・・としか思えないのに、この強引な後付けに収められてしまっています。

これら全て過去シーズンに関連付けて終結、完結させている。 ある意味見事と言わざるを得ない様な纏め
方をしています(皮肉を込めて) 
過去のシーズンの脚本を書いている時点では予見されていなかったであろう事が、S4でのシナリオありきで
全て振り返り後付け、収束されている事を感じさせられます。
無理やり納め込んだ消化不良の様な居心地の悪さも感じてしまったのです。


相変わらずダラダラ続きますが、次回で終わらせます。(まだあるの?)





・・・・・to be continued です。





← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (8)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (最後です)






SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (8)

2017-07-13 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓


・・・・続きです(その8)


マイクロフトの執務室にホームズ一家が揃っています。

ユーロスが生きていることを知ったホームズ母がマイクロフトを責め、問い詰めています。

「何故そんなひどい事が出来たのか」に、ルディー伯父さんに言われ それが出来る一番の事だと考えたと
言うマイクロフトに、「娘は死んだと言ったじゃない」と怒って言うホームズ母に「彼女がどんな風になっ
てしまったか知らせるより良いと思ったからだ。 許して欲しい」と弱々しく説明するマイクロフト。
ホームズ父は、「彼女がどんな風になってしまったのであれ、今どんな風であれ私達の娘である事は変
わらない。」と言うと「そして私の妹だ」とマイクロフト。


それまで部屋の隅で俯いたまま腕組みをしてジッと聞いていたシャーロックは「兄さんは最善を尽
くしたんだ」 と静かに言います。 ホームズ母は「それじゃ彼は力不足って事なのね」
ユーロスの居る場所を聞く父に、彼女はシェリンフォードに戻された。保護されている。大勢の人
間が死んだ。機会さえあれば間違いなく再び人を殺す。2度とあそこを出る事は出来ないのだと
話すマイクロフトに、今すぐ会わせろと言うホームズ父。
マイクロフトによれば ユーロスは誰ともコミュニケーションを取ろうとしない。 何を言っても届か
ないのだと言います。
 
”You were alsways grown-up”「貴方は何時も思慮深かったわよね」と母に言われたシャーロック
(シャーロックには何をすればいいか分かってるわよね・・・って意味?)


この言葉のせいか シャーロックはヴァイオリンを手にヘリコプターでシェリンフォードに向かい 
監禁されているユーロスの部屋に向かいます。
何の反応も見せないユーロスの前でヴァイオリンを弾きはじめるシャーロック。

何度も通い続けヴァイオリンを弾き続けるシャーロックに、ユーロスも次第に反応を見せ始めヴァ
イオリンを手に取りシャーロックに合わせて2重奏を奏で始める。


221Bでは、

爆破ですっかりメチャメチャになった部屋の片付けが始まっている。
シャーロックとジョンは次々部屋の中を元の状態に戻していきます。

ジョンの自宅では、
届いた封書に入っていたディスクを手に取りながら電話をしているジョン「こっちに来てもらった方
が良い」(相手はシャーロック?)

今回は ”MISS ME ?”では無く、”MISS YOU”「 貴方に会いたい」と書かれたディスクは又メアリーから届いた
物でした。
訪れたシャーロックと共にメアリーのメッセージを見るジョン。


”PS”『追伸』で始まるメアリーのメッセージは、


『私は貴方たちの事が良く分かっているわ。 もし私が死んだら2人がどんな風になってしまうか
も分っている。 何故なら私は貴方たちの本当の姿を知って居るから・・・』 




『事件を解決してハイになるジャンキー』・・・

(ここで、S1E1 ”A Study in Pink”で最初にシャーロックが登場したシーン(死体袋を逆さまに覗
いている姿)のフラッシュバック)

『戦争から戻り切れない医者』・・・

(これも”A Study in Pink”で孤独なジョンが戦争のトラウマで悪夢を見て飛び起きるシーンのフラッシュバック)

メアリーのメッセージが流れる中、221Bの片付けは続いています。
片付けが進むなか シャーロックは自分の椅子に座りメールを送っています。

”You know where to find me. SH” 「僕が何処に居るか分かっているだろう」
(これも S1E1 ”A Study in Pink”で記者会見中のレストレードにシャーロックが送ったメッセージ
です。 これをアイリーンに送っているのでは?と言う意見もありましたが、やはりこれはレストレード
と考えたいですね。 すべてS1に繋げている訳ですから・・・)

部屋の中を全て元道りに戻す2人。



再び壁に黄色のペイントでスマイルマークを書き込むジョン、S1E3 “The Great Game”「大いなるゲーム」
で銃を撃った場所へ再び打ち込むシャーロック(又ハドソンさんを怒らせるのに)、
暖炉の上の書類、手紙にナイフを刺す。 等々
シャーロックとジョンは日常を取り戻したような様子で事件も捜査中。

場面の途中にパラパラとメアリーのメッセージが挿入されています。

『全ては伝説、物語、冒険になるの
絶望した人、解決されない事、迫害された人達にとって最後の逃げ場所、
誰でもが気持ちを表せる最後の法廷、
人生が訳分からなくなった時、不可解になった時、恐怖におののいた時、必ず最後の希望がある。
誰もがそんな状況に陥った時、むさ苦しいフラットで言い争いをしながら座っている2人の男が居る。
今迄もそうであった様に、そしてこれからも必ず・・・
私が知る最高で最も聡明な人達、My Baker Street boys. Sherlock Holmes and Dr. Watson』・・・
(ここで最後に言われている、”The best and wisest men I have ever known”(ここでは複数に
なっていますが)は、正典”The Final Problem”「最後の事件」でライヘンバッハの滝で死亡し
たと思われたホームズに対してワトソンが述べる最もよく知られた有名なセリフ”I shall ever
regard as the best and the wisest man whome I have ever known”『彼ほど最高の友であり
尤も理知的な人間を今迄知り得た事はない』を踏襲しているのですが、他の他のホームズ作品に
も必ずと言って良い程引用される言葉で あくまでもワトソンのホームズに対する気持ちを表
した大切なセリフなんです。 なので、ここでメアリーにこのセリフを使って欲しくなかった
と言うのが個人的な気持ちなんですが・・・。 又このセリフは S3E1の”The Empty Hearse”
の地下鉄の中で死を覚悟したジョンがシャーロックに告白した時も “You were the best and
the wisest man I have ever known”と引用されていました。
しかしながら、何故ここでタイミングを見計らったようにメアリーからディスクが届くのか???
この為当初、”メアリーは生きている”説も出た位です。 誰かが頼まれていた? 良く分からん!
です。)


221Bでは、
シャーロックは何時もの様にジョンと共に推理を始めています。

ここで腹話術人形が出ているのですが、これが何処からかの引用であるのかどうか不明。
踊る人形が書かれた黒板もあります。

(これは言わずもがなですが、正典”The Dancing Men”「踊る人形」の踏襲で、正典に書かれている
通りですし、グラナダ版の絵とも良く似ています)

↑ これが正典にある人形図

↑ こちらがグラナダ版の人形図



ハドソンさん、レストレードも元どうり。モリーも微笑みながら訪れている(シャーロックがどの様に説明し
モリーを納得させ 許しを得たのか・・・兎に角元の姿に戻ったモリー。)
シャーロックとジョンは2人でロージーをあやしながら・・・・


一方、ホームズ両親もマイクロフトと共にシェリンフォードを訪れ、シャーロックとユーロスがヴァイ
オリンの二重奏をするのを見守る。

(このデュエット曲のタイトルは ”Who you really are” だそうです。意味深なタイトル)




ホームズ母がマイクロフトの手に優しく手を伸べる姿は彼女が息子のした事を許したという事なんでしょう。

そして再び冒険の日々に戻る2人。

最後に2人並んで走り出してきた(バットマン&ロビンスタイルと言われています)場所に”Rathbone 
Place”と言うプレートが掛けられています。

これは、最初にシャーロック・ホームズ像を決定的にしたと言われるBasil Rathborne「ベイジル・ラスボーン」
に敬意を表してと言う事なのでしょう。
(※ ベイジル・ラスボーンはアメリカでは最高のホームズ俳優と称せられ 1939年~1946年に14作品のホームズ
ドラマに出演しています。 確かに正典に描かれているホームズの姿には一番近い様な気もします。 全作品は
観ていないのですが、何作品か観た事はあります。

プロットはオリジナルの物もありますが、ホームズのキャラクターは(ワトソンのキャラクターも)一貫して
ブレが無かったと思います。 ラスボーン版を敬愛するならばこの姿勢も重視して欲しかったと思われてなり
ません)

これで一応E3「最後の事件」の概略は終わります。
もやもや、イライラ等スッキリしない思いが溜まっていますので、この後、未だ色々追加がありますので(あるんかい?)
又々続けますので 懲りずにお付き合い頂ければ嬉しいです。





・・・・・to be continued です



← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (7)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (9)





SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (7)

2017-07-09 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。

続きを書く前に、
昨晩、ようやくE1「6つのサッチャー」の放送がありました。 皆様首を長くしてお待ちになっていた事でしょうね。
私もこのエピソードを書いて以来数カ月観ていなかったので 是非観ようとは思ったものの吹き替え版は殆ど見る事
が無い為迷っていました。
でも結局見始め やはり違和感が拭いきれずウダウダ迷っていてやっと気づきました。 
そうそう 音声切り替えにすれば良いんだ。 てな事で英語版で日本語字幕付きに変えやっと落ち着いてみる事が出
来ました。 吹き替え版の方がお好みの方もいらっしゃるとは思いますが・・・・
で、字幕版あるいは吹き替え版で見れば少しはこれまで感じていた感想が変わるかも知れないと期待もしたのですが
結局最初の印象が変わる事はありませんでした、残念ながら。

普段は夜はPCタイム終わりなのですが、昨晩はチョット気になり放送直後ブログチェックしましたところ ビックリ
して腰が抜けそうになりました。 多分少しはご訪問頂く数が増えるとは思っていたものの これ程までとは予想も
していなかったのですが、放送終了直後一瞬にして閲覧数が200を突破するのを見ていて 唖然、茫然、信じられない
思いでわが目を疑い 怖い位でした。 今朝も早朝から凄いアクセス数を頂いて又驚いています。
シャーロックの人気が健在であった事が嬉しかったと同時に、皆様がどの様な感想をお持ちになったのかも気になる
ところです。
本当に多くの皆様にご訪問頂き拙文をお読みいただき心から感謝しております。 
この場でお礼を申し上げます。

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓

話を戻しまして、
・・・・続きです(その7)


フラッシュバックの幼いシャーロックが赤ひげを呼んでいるそばで幼いユーロスは飛行機のおもちゃ
で遊んでいます。

黄色い海賊帽子を被った幼いシャーロックはアイリッシュセッターの傍で楽しそうに遊んでいます
が、ユーロスの声は、「貴方は混乱して自分に良い解釈に変えていたの」と言うと、フラッシュ
バックの中の犬はシャーロックと同じくらいの年齢の男の子に変わり(赤毛でアイパッチをして
いる)

シャーロックと海賊ごっこをしている。 ユーロスは一緒に遊びたそうにしているが仲間に入れ
ず1人飛行機のおもちゃを持ち2人の周囲を走り回っている。


井戸の中のジョンが手に持っていたのは子供の物と思われる頭蓋骨だった。


ユーロスの話を聞きながらその頃の事を思い出し始めたシャーロックは、「ヴィクター。ヴィクター・
トレバーだ」辛そうに呟きます。

「僕たちは海賊ごっこをしていた。僕が”黄ひげ”(黄ひげってのも何だか変ですが、Yellowbeardです)
そして、彼が・・・”赤ひげ”だった」と、遂に赤ひげの正体を思い出します。
(※ ”ヴィクター・トレバー”は正典”The Adventure of the Gloria Scott”「グロリア・スコット号
事件」に登場するホームズが大学生時代の唯一の友人とされる人物の名前)
「貴方たちは何時も一緒だった。私も一緒に遊びたかったのに」と言うユーロスに、「何てことだ!」と
言いながらすすり泣くシャーロック。

「一体何をしたんだ」と言うシャーロックの脳裏にヴィクターが井戸の底で助けを呼んでいる姿が浮かぶ。


幼いシャーロックは彼の名前を呼びながら草むらを探し回っている。
ユーロスはヴィクターを井戸に置き去り見殺しにした。 シャーロックは辛い記憶にあるヴィクターを
犬にすり替えていたという事。
弱々しくヴィクターの名を呟くシャーロックにユーロスは、貴方の人生、貴方の夢には常に深い水 ”deep
waters” があったと言うと フラッシュバックでプール(S2E3”The Great Game”でモリアーティと
初対決をした場所)、ライヘンバッハの滝(ヴィクトリア朝「忌まわしき花嫁」でモリアーティと対決した)
等が浮かび上がります。



(と、ここでビックリ、唖然としました。あの プールやライヘンバッハ迄関連付けちゃいますか。明ら
かに強引とも思える後付けだと思うのですが・・・)
(※、”deep waters”と言えば、元々は正典”The Adventure of The Specled Band”「まだらの紐」に
あるホームズの言葉であり、「忌まわしき花嫁」でも”Deep waters, I shall have to go deeper still”
「深い厄介な事態だ。さらに深く潜っていかないと」と言う形で踏襲されていました。
この場合は比喩ではなく 井戸に関連する”水”のままの意味になるのか)

(涙を流す幼いシャーロックと今のシャーロックの顔にも水がオーバーラップします)

シャーロックは、「君が僕の親友を殺したんだな」と言うと、ユーロスは”I never had a best friend.
I had no one”「私には親友なんかいなかった。 1人も」
再びフラッシュバックの中で 大人になったシャーロックの周りを幼いユーロスが「一緒に遊んで、シャー
ロック、一緒に遊んで」と言いながらおもちゃの飛行機を持って走り回っています。



打ちひしがれた様なシャーロックに、ユーロスは再び”No-one”と云います。
その時シャーロックの脳裏に、子供の頃遊んでいたお墓に書かれていた奇妙な文字が浮かびます。No-oneを
表すNEMO HOLMESの墓石)


NEMO
n. [nee-moh]
Latin - no one, nobody


外に走り出すシャーロックに又少女の声が。「今パズルを解いているんだ。パズルを解くことが飛行機を
救う事になるんだ」と言い お墓の中を走りながらあちこちからヒントになる数字を拾い出しそれを基に
ユーロスの歌の言葉と照合しながら暗号解析をします。
I ... am ... lost ... Help ... me ... brother ... Save ... My ... Life ... Before ... my ... Doom.
I ... am ... Lost ... Without ... your ... love ... Save ... My ... soul ... seek ... my ... room.
私は行くべき道に迷っている
お兄ちゃん助けて
貴方の愛がないと
私の魂を救って
私の部屋を探して




「私の部屋を探して」迄解明したでシャーロックは衝撃を受け屋敷に走って戻ります。
その間も少女の叫び声「飛行機が墜落しそうよ。死んじゃうよ」、ジョンは井戸の中で溺れそうになって
いる。


屋敷に戻って階段を駆け上がりながらシャーロックは飛行機の少女に語り掛けます。
「もう本当の名前を教えてくれないかな」 少女は未だ「知らない人に名前を教えちゃいけないって言わ
れているの」と言うと、シャーロックは、「でも僕は知らない人じゃないよね。僕は君のお兄ちゃんだ」

そして「僕はここに居るよ、ユーロス」と昔のユーロスの部屋に入ったシャーロックの目の前には膝を
抱え座り込むユーロスが居ます。 眼を固く瞑ったまま子供の様な声で話すユーロス。

自分は墜落しそうな飛行機に乗っていたのを兄さんが助けてくれようとしたのね。と言うとシャーロック
は飛行機はユーロスの作り出した完全な”metaphour”だった(この”metaphour”は「隠喩」と言う意味
なのですが、適当な言い方が良く分かりません。 つまり ユーロスの孤独と寂しさが生み出した逃れら
れない幻想、妄想であったという事)どうしても着陸する事だけが出来なかったと言って泣くユーロスに
「僕は全くバカだったけど、今地上に居るんだ。家に連れ帰ってあげる」と言うシャーロック。
ユーロスは「遅すぎる」と言いますが、シャーロックは優しく、ここに僕が居る。もう一人ぼっちじゃ
ないんだとユーロスを抱き寄せます。

これまでは間違った方向に向かっていたが 今度はきちんとやろう。僕の友達を助ける方法を教えてくれ。
友達を救うのを助けてくれと頼むシャーロック。 
ジョンは首の所まで水に浸かって溺れる寸前の時、上からロープが下ろされる。

(余計な事ですが、ジョンは足を鎖でつながれている筈なので、ロープを下ろしただけでは自力で登れない
筈では??)

ユーロスは警官に連行される。

無事助け出されたジョンは毛布にくるまれている。 レストレード他の警官が詰めかけています。

レストレードにマイクロフトの状況を尋ねるシャーロックに、ユーロスから別の古い小部屋に閉じ込めら
れていたが 少し動揺しているものの傷つけらえてはいない。 との事。
シャーロックは少し口ごもるように、「兄にしっかり気を付けてくれ。彼は自分で思っているほど強い
人間じゃない」と言うと、「ああ、気を付けるよ」と言うレストレードに、「有難う、グレッグ」と
しっかりファーストネームを言うシャーロックを少し驚いた様に見るレストレード。


レストレードが指揮していた警官が、「あれがシャーロック・ホームズですね。彼は凄い人です」と
聞くとレストレードは、”No,he's better than that. He's a good one”「いや、それ以上だ。彼は
良い人間だ」と言いながらシャーロックを見ます。
(このレストレードの言葉は、S1E1”A Study in Pink”でジョンに言った言葉、”Sherlock Holmes
is a great man, and I think one day, if we're very very lucky,he might even be a good man”
「シャーロック・ホームズはとても優秀な男だ。そしてもし凄く幸運なら 彼は何時か良い人間にな
るかも知れない」に対応しています。が、レストレードにとって ”良い人間”と変化する要因は何
だったんだろう・・ ファーストネームを覚えてくれたという事だけではないと思うけど)

「僕は妹を家に連れて帰ると言ったけど 出来ないんだよね」と言うシャーロックに、「君は彼女が
探し求めていたものを与えた。 ”context”「環境だ」(で良いのかな?)
(追記です。 この”context”に関しては、篠田先生から”絆”と言う解釈が相応しいのではないかと
ご教示頂きました。 篠田先生有難うございました)
それは良いものなのか?と聞くシャーロックに、良くもないし悪くもない。それが現実さ。と言うジョン。








・・・・・to be continued です



← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (6)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (8)

SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (6)

2017-07-05 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」

以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓


・・・・続きです(その6)


放心したように壁に寄りかかって座り込むシャーロックに銃を拾い上げたジョンが「大変なのは良く
分かる。君は拷問されているんだ。だけど一緒に進まないと」と言うと、シャーロックは「これは拷
問じゃない。 生体解剖だ。僕たちは実験室のネズミの様に科学を体験しているんだ」そして、ジョ
ンが「兵士か」にシャーロックも「兵士だ」と言いジョンがシャーロックを立ち上がらせ次の部屋に
向かいます。
その時もモリアーティーの顔が写り「チクタク、切符を拝見します!」と。


その部屋は空っぽで壁三面にモニターだけがあります。
シャーロックはユーロスに部屋は空っぽだし もう策が尽きたのかと聞きます。
(この時、シャーロックは ”Hey, sis・・・”と呼びかけるのですが、”sis”は勿論”sister”の
省略形で ”bro”と同じ様な使い方)

ユーロスは、銃が必要になると言った筈だと言い 決断をする時でジョンかマイクロフトのどちら
が助けになるか。次のゲーム3人のうち2人だけが参加できるものでシャーロックに他の1人を選ぶ
ように指示します。

家族を選ぶか友達を選ぶか。マイクロフトにするかジョン・ワトソンにするか決断する様にと。  
執拗にモリアーティーのチックタックが流されます。
マイクロフトは「ユーロス もう十分だ」と言いますが、ユーロスは今も空を飛んでいて着陸しそうも
ない飛行機が居る事を忘れるなと言います。


マイクロフトはシャーロックに向かい、「我々はこの点は協議する必要もないな」そしてジョンに向
かい「ワトソン先生、君はあらゆる点において素晴らしい人間だ」と言いながら、シャーロックに
「別れを言って彼を撃て」と言います。
驚いたジョンは、「なんだって?」とマイクロフトに近づきますが、マイクロフトは続けて「ワトソン
先生を撃て。この先必要なのは知性で感情ではない。苦痛を長引かせず彼を撃て」と非情に言い放ちます。
「僕に発言権はあるかな?」と言うジョンに、「今日我々は兵士なんだ。兵士は国の為に死ぬ。残念
だがワトソン先生、今日その名誉は君の為にある」と言うマイクロフト。
ジョンは、悔しいけど彼の言うとおりだと覚悟を決めた様な兵士らしい立ち姿をします。


この間一言も発せず俯いてジッと考え込んでいるシャーロックに追い打ちをかける様に続けるマイク
ロフトは、益々暴言を吐き続けます。

シャーロックに対し、何時もお前はのろまで馬鹿だ。私はお前を軽蔑していた。我々皆の恥、家名を
汚す者だ。一生に一度だけでも正しい事をしてみろ。この愚かで小さな男を我々の苦悩から取り除け
等々ば次々聞くに堪えない馬事雑言を浴びせかけシャーロックを煽り立てるマイクロフト。
続けて「彼を撃つんだ。」ジョンはシャーロックにとって気晴らし以外の何者でもなく自分の賢さで
魅了するだけの平凡なくずみたいな物だ。又別のが見つかるだろうと続けるとシャーロックは流石に
「頼むから止めてくれ!」と言うとマイクロフトは「何故だね?」に「兄さんの演じたレディー・ブ
ラックネルのせりふの方がもっと説得力があたよ」そしてジョンに向かって、しかし目を伏せたまま
「兄が言った事は全て無視してくれ。 彼は優しいから 僕が彼を殺しやすいようにしてくれている
んだ。 それだからより難しい事になって来るんだ」と言いながらマイクロフトに向かって銃を向け
るシャーロック。

「頼むから止めてくれ」と言うシャーロックに、「何故だ? お前は私のレディー・ブラックネルの
セリフが好きだと言ったな」と言うマイクロフト。

「シャーロック、止めるんだ」と言うジョンに、「これは君が決める事ではないよ、ワトソン先生」
そう言いながら、(そうか、バレてたか・・・の雰囲気でクスッと笑い)襟元を直し「だが顔は避け
てくれないか。 私の脳は王立協会に渡す約束をしてあるんだ」とマイクロフト。
銃を構えながら「何処が良い?」と言うシャーロックに、「そうだな、何処かに心臓があると思うんだ。
狙いにくい場所なのではないかと思うが試してみてはどうかね?」と言うマイクロフト。
(心臓など無いのではないかと思われていた冷徹なマイクロフトが 自分にも心臓があるんじゃないか
と言う自虐的な意味と、たとえ心臓があるとしても多分大きくはないから狙いにくいだろうとの皮肉を
込めているんですね。
最初マイクロフトの暴言にビックリして何てヤツなんだ!と思ってしまったのですが、レディー・ブラッ
クネル以来の名演技をしたつもりだったのにシャーロックにはすっかり読まれていた。何だろう、この
マイクロフトの優しさって・・・「氷の男」と言われていた人とは思えない。そして、そんな罵詈雑言
を聞かされ心の中の怒りをジッと堪え、そして悟った様に兵士の佇まいで心を決めるジョンがカッコ良い。
正に元兵士。)

「僕は許さない」と言うジョンに、これは私のあやまちだ。モリアーティだ。 5年前にユーロスにモリ
アーティとの5分間の会話をクリスマスプレゼントにした。 監視を付けない5分間だけの会話だった。
そして、「さらばだ、弟よ。花は無にしてくれ」と言うマイクロフト。

それを見ていたユーロスは、「モリアーティは貴方がこの選択をすると考えていた。彼はとても興奮して
いたわ」と言います。

モリアーティの顔が写り、”And here we are、at the end of the line. Holmes kills Holmes. This is
where I get off” 「さあ、終点です。 ホームズがホームズを殺す。此処が下車する場所だ(或は
興奮するね)」と言いながらニヤリと笑います。
(この”get off”は乗物から降りると言う意味なのですが、性的に興奮すると言う意味もあるので、
もう電車ごっこは終りと言う意味と、このモリアーティが最も見たかった光景に興奮していると言う
両方の意味をもっているのではないかと・・・)

シャーロックはマイクロフトに銃を向け続けながら目をそらさず 絞り出すように”Five minutes,
It took her just five minutes to do all of this to us 「5分だ。 僕達をこんな目に合わせるため
に彼女は5分しかかからなかった」。そして続けて、静かに言います。 ”Well, not on my watch”
(この言い回しは以前も出てきましたが、「僕の知る限り、それはないね」 という事なのでしょうが、
「僕には通用しないね」って感じなのではないかと)

訝し気に見るジョンと 慌てた様に「何をしているの?」と尋ねるユーロスに、「さっき勇敢な男が
自分を覚えていて欲しいと言っていた。僕は所長を覚えている」と言いながら自分の顎に銃を押し当
てながらカウントダウンし始めます。

”Ten・・・Nine・・・Eight・・・” それを見たユーロスは慌てて、”No,no, Sherlock”「だめ、
だめよ、シャーロック”と云いますが、シャーロックのカウントダウンは止まりません。

「貴方はまだ赤ひげについて知らないじゃない」と言いますが、カウントダウンを止めないシャーロック。
「シャーロック、すぐに止めなさい」。

そしてシャーロックの首の後ろに吹き矢の様な物が撃ち込まれます。 同時にジョンにも。
”Two・・・”と弱々しく言いながらゆっくり後ろへ倒れるシャーロックは真っ黒なオイルの様な物に
包み込まれます。


子供のシャーロックと犬のフラッシュバックと共に、「誰かいる?」という少女の声が聞こえる中
小さな部屋の中のテーブルの上にうつ伏せに倒れていたシャーロックが目を覚まします。

(何故かちゃんとコートを着ている。 何時誰が着せたのか??妙な点が気になります)

怯えている少女はシャーロックに何時間も何時間も居なかったじゃない。何処に行っていたの?と問い
詰めますが、自分も良く分からないと言いながら上を見上げると天井は無く金属の格子越しに夜の空が
見えます。

シャーロックは少女に操縦室にに行くように指示しながら床に置いてあったランタンで室内を照らして
観察すると壁には数え切れない程の写真(子供のシャーロックらしき)が張り付けられています。

少女と話しながら壁の写真を見ると、シャーロックの他に若きマイクロフトや家族の物らしい写真も
張り付けられている。(ゲイティス氏の若かりし頃、ベネディクトの赤ちゃんの時の写真ね)
「まだそこに居る?」と少女に尋ねると、「ああ、此処に居る」とジョンの声がします。(シャーロック
のイヤフォーンから)驚いたシャーロックが何処に居るのか尋ねると ジョンも今目覚めたばかりな
ので分からないと言うジョンもシャーロックの居場所を尋ねます。
別の小部屋に居ると伝えるシャーロックは、少女が乗っている飛行機は未だ飛んでいるが燃料切れで
墜落するまで飛び続けるだろうと言います。

マイクロフトの居場所は分からないとジョン。
そしてシャーロックはジョンに今居る場所の詳細を教える様に言うと、周りは岩に囲まれ足元は2フィート
位水が溜まっていると言います。そして足が鎖に繋がれているとも。
それを聞きながらシャーロックがランタンで辺りを見回していると机の下に犬のエサ入れらしきものを
見つけると ”Readbeard「赤ひげ」”と書かれています。 ショックを受けるシャーロック。

その時ジョンが骨を見つけたと、何の骨か分からないが小さな骨だと伝えます。

その時再び少女の声、操縦室には行ったがパイロットは眼を覚まさない。
シャーロックが何が見えるか尋ねると、川と大きな車輪(テムズ河と観覧車)が見えると言う少女に、
これから2人で飛行機を操縦すると話しかけ周囲のコントロールパネルの状況などを聞いている時 飛行機
が揺れていると言う少女にただの乱気流だから心配するな。 川が近づいて来ているならおうちが近いの
だとなだめます。(少女に話しかけるシャーロックの声が凄く優しい)

その時ジョンが、自分は井戸の底に居ると言うのを聞き シェリンフォードに井戸はない筈だと壁を押し
倒すと目の前にマスグレーブの家がある事に気付くシャーロック。

”I'm home. Musgrave Hall” 「帰って来たんだ。マスグレーブの屋敷だ」


ユーロスの声は「ジム・モリアーティと私は意気投合したわ。彼は死後トラブルを起こせるなら生きている
事には執着しなかった。 彼は復讐をしたがっていたのを知ってているでしょ。復讐とはどうやら私の事
なの」等話し続けているが シャーロックは興味はない、飛行機がどうなっているのか教えろと言います。
シャーロックは屋敷の中に入るとモニターに写るユーロスに話しかけます。「あの少女と話をさせてくれ。
そうしたら君の望むゲームをするから」と言うと、先ず赤ひげを探すように言うユーロス。
ジョンの居る井戸に水が注ぎこまれる。
 
”You don't want me to drawn another one of your pets”「貴方は私にもう1人のペットを溺れさせたく
ないでしょ」と言うユーロス。
(ここで”もう1人の”と言う表現をしている事に注意ですね) 
「シャーロック・ホームズ、やっとマスグレーブの儀式書を解明する時が来たわ。 貴方の最初の事件、
そして最後の問題 ”Your first case!And the final problem “ じゃあね」
(正典”The Musgrave Ritual”「マスグレーブ家の儀式書”はホームズが探偵を始めて直ぐの頃の事件。
そこから”first case”「初めての事件」として踏襲されているのか)

ユーロスの歌声が聞こえる(前にも聞こえていた歌です)
♪I that am lost / Oh, who will find me
♪ Deep down below ...
♪The old beech tree?
♪Help succour me now ...
♪The East winds blow …
♪Sixteen by six, brother, and under we go ...
♪Be not afraid …

その間飛行機に居る少女は怖がって叫んで居る。

シャーロックはジョンに君を見つけるからそれまで頑張るように言いますが、ジョンは水が溢れてきている
ので早くしてくれと。(シャーロックた大変です。ジョンも女の子も助けなければ・・・)

歌い続けるユーロスに、「ユーロス、君は歌に答えがあると言っていた。僕は昔ずっと歌詞を調べていたけ
ど何も見つからなかった。 ぶなの木があったので何度も何度も掘り返した。
”Sixteen feet by six, sixteen yards, sixteen metres・・・・”「16フィート行って6フィート、16ヤード
でも16メートルでも何も見つからなかった」
(※ 正典「マスグレーブの儀式書」では、 ”North by ten and by ten, east by five and by five, south
by two and by two, west by one and by one, and so under”「北へ10歩、そして10ホ、東へ5歩そして5歩、
南へ2歩そして2歩、西へ1歩そして1歩、そして下へ」と言う形で書かれています。この文からの引用でしょう。
そして正典ではぶなの木ではなく樫の木と楡の木が出てきます)

そんな時ジョンが、何か見つけた、骨だ。と言うと、シャーロックは犬の骨だ。赤ひげの物だ。と言いますが、
ジョンは、「マイクロフトはずっと君に嘘を言っていた。僕たち2人にだ。これは犬の骨じゃない」と。
ユーロスは、父親がアレルギーだったから犬を飼う事は出来なかった。家には犬は居なかったと言うと、シャーロッ
クは記憶を刺激され幼い頃の事がフラッシュバックします。






・・・・・to be continued です。




← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (5)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (7)




SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (5)

2017-06-30 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」

以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓


・・・・続きです(その5)


次に3人が導かれた次の部屋はグレーの壁にムラに赤いペイントが塗られている(あたかも血で
汚されているかの様な)そして部屋の奥には海に面したは大きなガラス窓。 そして壁には大きな
モニターがありユーロスが映し出されている。 再びモリアーティの映像が出されると、
(又アメリカアクセントで)、”Fasten your seatbelts! It’s gonna be bumpy night”「シート
ベルトをお締め下さい。 今夜は乱気流がありそうですよ」
(※ このセリフは1950年の”All About Eve”「イヴの総て」からの引用だそうです)


再び少女との回線が繋がれると シャーロックは少女と話し始めます。
そして少女を安心させながら状況判断するために色々質問をします。
(シャーロックを”S", 少女を”G”とします)
S「外は夜か昼か?」 → G「 「夜よ」
それを聞いたマイクロフトは、「それでは地球上の半分に絞り込めるな 」(皮肉っぽく)
S「飛行機の種類は?」 → G「分からない」
S「大きい? 小さい?」 → G「大きいわ」
S「人は沢山乗っている?」 →G「凄く沢山いるわ。皆眠っているの。」
S「飛行機は何処を出発した?」 →G「パイロットも眠ってるの」
S「そうじゃなくて、君は何処から来たの? 飛行機は何処から飛んだの?」→G「おばあちゃんのとこから」
S「何処に向かってる?」 → G「おうちよ」
S「いや、そうじゃなくて 何処に飛行場に向かってるの?」  
その時電話は切られ ユーロスが次の課題を示す。 少女と又話したいならその事件を解決して電話を
繋ぐ時間を獲得する様にと。


6ヵ月前にエヴァンズと言う男が殺され この事件は未解決(自分だけは知っていると)そしてその
容疑者はガリデブの3人兄妹 つまりネーサン・ガリデブ、アレックス・ガリデブ、ハワード・ガリ
デブであり テーブルの上に置かれた封筒に名前を書かれた3人の男の写真が入っている。
被害者は300m離れた場所からライフルで射殺されており この写真から真犯人を探せという事だった。
(※ このガリデブ兄弟の名前は 正典”The Adventure of the Three Garridebs”「3人のガリデブ」
からの引用ですが、正典では兄弟では無く、又アレックスも正典中ではアレクサンダーとなっています)


シャーロック提示されたライフルを取り上げ観察しますが、マイクロフトは役に立たずジョンに尋ねます。
ジョンによれば、このライフルはバッファロー・ガンと呼ばれる1940年代の旧式ライフルで照準器に
十字線が無い型だと言います。

シャーロックは写真を見ながら推理をし始めます。
ネイサンはメガネを掛けているので照準器を覗いて撃った場合反動でメガネが割れる可能性がある事。
写真のネイサンンの眼鏡は割れていないので これを除外。

マイクロフトがジョンに向かって、お見事。 君は役に立つねぇ、みたいに皮肉っぽく言うと、ジョンは、
今は墜落しそうな飛行機から幼い少女を救う必要があるのだし競い合っている場合じゃない。今僕たちは
兵士にならなくてはならないのだ と言います。

ユーロスはシャーロックに、推理の助けになる背景を与えると言うと窓の外に猿ぐつわをはめられ手を
縛られた3人がロープで吊り下げられてきます。 胸にはそれぞれ名札が付いている。
ユーロスは早く残りの二人から犯人を探し出すように、正義がなされるようにシャーロックに指示します。
そんな時、又少女と回線が繋げられます。
シャーロックは飛行機の中の状況を尋ねると、飛行機は脱脂綿の様な雲の中に入っているし 何故ママは
眼を覚まそうとしないのか・・・と云った時回線が切れます。

シャーロックは推理を続け、ハワードの外見から 彼が長年にわたるアル中でDTs(急性譫妄状態)で
ある為300mもの長距離の射撃ができる訳がない。 従って残りのアレックスが犯人であると指摘します。

アレックスの外見から3人で色々検討する、習慣的にメガネを掛けていた筈(近眼だったか、最近レーザー
手術をしたか)、上等な服を着ているがその割に指先が汚れている、耳から毛が生えている(←あの距離
からそこまで見えるって・・・・・??笑) 等々 外見は見せかけで異なる仕事をしていた。 彼なら
引き金を引くことが出来た。 アレックスが殺人犯だ。

ユーロスは、彼が犯人だと判決を下すか?と確認すると、シャーロックは「アレックス・ガリデブが犯人
だと判決を下す」と言い切ります。
すると他の2人のロープが切られ海に落下しました。

その時モリアーティの声で、”Mind the gap” 「ホームと車両の隙間にお気を付けください」と。
(この”Mind the gap”はロンドンの地下鉄で使われている言葉ですが、過去のシャーロックの何処か
で聞いたような???と思っていたら思い出しました。
S3E1の鉄道オタクのシルコット君の家のドアベルが”Mid the gap”と鳴るんでしたね)

「おめでとう」と言い次のドアに行くようにとユーロス。
ジョンが「何故他の2人を落としたんだ?」と言うと、「面白いわ。無実の2人を殺すのも有罪な1人を
殺すのも違いはないの」と言いながらユーロスはリモートコントロールを押すとアレックスのロープ
も切れ海に落ちて行きます。

モリアーティの声「ご乗車下さい。出発進行! シュツシュツ! シュツシュツ!」


憤慨するジョンに、彼女に気を散らされるなと言うシャーロックは、「今日は兵士なんだ」と。
そして次の部屋に向かいます。

次の部屋は窓が無い小さな部屋。 モニターには水が流れるシーンが映し出されている
中央に空の棺が置いてある。

モニターのユーロスが一分だけ少女と電話を繋いであげると。
怯える少女に、余り時間が無いからと情報を得ようとするシャーロック。 外は海で遠くに明かりが
見えると言います。 マイクロフトは、パイロットのいない飛行機を街の上空を飛ばす訳にはいかない。
着陸に失敗して多くの人を巻き添えにするわけにはいかないので海に墜落させる他はない。少女も助け
る術はないが彼女に希望を持たせなければならない。と冷徹な判断を下している。
シャーロックは怖がる少女を何とかなだめようとするがユーロスが遮る。
ユーロスは、「さあ、抱えている問題に戻って。お棺よ。 つまりそれは誰かが死にかけているという
事。」 その”誰か”を推理する様にと言います。

シャーロックは、棺を調べながら大きさから判断して5フィート4インチ(163cm)位の女性の為の物だろ
うと推測します。
ジョンが「子供の物じゃないね」と言うと、子供の棺ならもっと高価な筈だし、これはもっと安価な物だ。
付金具は最も高価なものではあるが と言います。
それを聞いたジョンが「夜1人寂しくグーグルでか・・・」と言うと、シャーロックは「これは経験豊か
で知識がある者の選択したものだ。可能性としては、これは未婚女性で家族や親族から疎遠である女性
の為の物で 無駄のない選択をしている事が分かる」と言います。
そして、「死の過程に精通しているが その処理には感傷的では無い。」と言うと、マイクロフトが棺
の蓋にに何か書かれているのを見つけます。

蓋には ”I LOVE YOU” と書かれています。
名前ではない様だと言うマイクロフトに、ジョンは「それじゃ誰かを愛している誰かの為の物だろう」に
マイクロフトが 「シャーロックを愛している誰かのものだろう。これは全てお前に関する事だ。ここ
にある全てが。 では、誰がお前を愛していると言うんだ? 長いリストには載っていないと思うが」
(シャーロックに関して何でもリストに乗せるお兄ちゃん)と言うと、すかさずジョンが「アイリーン・
アドラー」(反応早すぎ!)
シャーロックは、「馬鹿な。 この棺を見ろ。 未婚、死について専門的、一人ぼっちだ」

ジョンが「モリーだ」、シャーロックが「モリー・フーパーだ」と言った時モニターにモリーのフラット
の映像と共に制限時間3分間の文字が表示されます。

ユーロスが、彼女の口から解除コードが聞けない限り彼女のフラットは約3分後に爆破されるようになって
いる。 これから電話するから彼女にそれを言わせなさい。と言いますがシャーロックは「言わせるって
何を?」
ジョンは何の事だか分からないと言うが、シャーロックは「分かった」と。
ユーロスの設けた制約は、彼女の命が危機にさらされていることを話してはいけないし、それとなく示唆
する事も許されない。 もしシャーロックが少しでもそれに触れたら今回のセッションも彼女の命も終わ
ると言います。


その間もモリアーティの、チクタク、チクタクが続きます。

モニターに映るモリーはキッチンで1人紅茶の用意をしているが電話に出ようとしない。


何故僕からの電話に出ないのかと苛立つシャーロックに、「君からの電話には絶対出ないだろう」とジョン
が言うと、「でも僕からの電話だぞ」と文句を言うシャーロックですが、やっと繋がった電話は留守電に
なっていた為 ユーロスはもう一度電話を掛け直す。

やっと電話に出たモリーに、シャーロックは頼みます。
理由は聞かずに僕が頼んだことをして欲しい、君の助けが必要だ。お願いだからある言葉を言ってくれ。
”I love you”「愛してる」と。
モリーは怒って止めて欲しいと言うが、 シャーロックは必死で、これは事件の為で実験の1つで
どうしても友達として協力して欲しい。 その為にこの言葉を言って欲しいと懇願します。
モリーは辛そうに それだけは言えない。 どうしても言えない。 何故なら本当の事だからというと、
シャーロックは、「本当の事なら言ってくれ」と言うと、「ひどい人ね」とモリー。
その間ユーロスは、冷静に対処しないと彼女は終りよ、とかもっと優しくとか煽り続ける。
それでも必死に懇願するシャーロックに、「それなら貴方が先に言って頂戴」、戸惑うシャーロックに 
ユーロスの「あと30秒」と声が掛けられ 途中にモリアーティーの執拗な”チックタック”が続けられます。

意を決したシャーロックが、”I・・・I love you. I love you”、それを聞いてもなかなか言葉を発しない
モリーに、必死なシャーロックは「モリー、モリー、頼む。」と言うと 遂にモリーも”I love you”と。
フーッと大きく息を吐く3人。

(いや~、この”I love you”は昨年末の予告編以来大騒動になっていて一体誰に言っているのか・・・
で論争の嵐でしたっけ。 ワタクシの推論は間違ってましたけどネ)
それにしてもずっとシャーロックを想い続けているモリーにとっては残酷な事だし、そんなモリーの気持ち
を知っているシャーロックにとっても辛い試練を課せられたもんです。 人の心を弄ぶユーロスの鬼畜。

マイクロフトが、「シャーロック、辛かっただろうが…」と言いかけるとと、シャーロックはユーロスに
対して「僕の勝ちだ。 正々堂々とやれ。 飛行機に乗っている少女と話す。僕はモリー・フーパーを助
けた」と言うと、ユーロスは、「助けた? 何から? もっとしっかり判断して。彼女の小さな家には爆
薬なんてなかったわ。 私がそんな下手な事をやると思った? 貴方は勝っていない、負けたの」。
そして「貴方は彼女に何てことをしたの。 自分にも何てことをしたの。感情的な状況は何時もあなたの
身を亡ぼすんだわ。と。
そして、最大効率にある貴方が必要なの。 次はそれほど簡単にはいかないわ。 用意が出来たらどうぞ。
次に部屋に向かおうとするマイクロフトとジョンが振り返ると
シャーロックは大声で”No, no”と叫びながら棺をメチャメチャに叩き壊します。

(シャーロックはモリーの気持ちを知っていながら利用したような形になって傷つけてしまった事、自分の
本心では無い「愛してる」と言わなければならなかった事に対する自己嫌悪や罪悪感
たとえその場限りの本心ではなくもシャーロックからその言葉を聞きたかったモリーの気持ちは切ないですね。  
おめおめとユーロスに弄ばれてしまったシャーロックは自分に対する怒りとユーロスに対する怒り両方が溢
れてやりきれない思いで棺に当ったんでしょうね。)

シャーロックの叫び声が響き渡ります。





・・・・・to be continued です




← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (4)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (6)




SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (4)

2017-06-23 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」

以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓


・・・・続きです(その4)


クイーンの ”I Want To Break Free”が響き渡る中、ヘリコプターがシェリンフォードへ降り立ちます。
降りて来たのは2人のボディーガードに伴われたモリアーティ 。(相変わらず芝居がかった動きですわ)
 
所長と警備員が迎えに出ています。

モリアーティが内部に連れて行かれ 部屋に待っていたのはマイクロフトです。



(ここでビックリなんですね。 なんでモリアーティがシェリンフォードへ来たのか、そして何故マ
イクロフトと会っているのか?? しかし、これは5年前のクリスマスの事だったことが分かります。
(シリーズを追うごとに寂しくなる髪の毛、ゲイティス御大はちゃんと自覚していたのね。 そしてこ
の時の髪の気は元の様になっていて・・・・自虐的? そして5年前という事は、バスカヴィル事件の頃
捕えられていたモリアーティが旦釈放された後という頃になりますか)

モリアーティはクリスマスの飾りの置物を手に持ち、自分が子供の頃ちょっと違った形でクリス
マスのお話を作った。ちょっと残忍だけど、「腹ペコのロバ」というタイトルだと言います。幼子キリ
ストを飼葉おけに入れるとチョット困った事になっちゃうよ。等と言いながら。
マイクロフトは何故自分がここに居るのか尋ねるモリアーティに、「君はクリスマスプレゼントな
んだ」と言います。 どういう意味だと不審がるモリアーティに、「ここに居るある囚人の類まれ
な能力が英国政府にとって役立った事がある。 ご褒美を上げなくてはならなかった。 去年は
ヴァイオリンだったが 今年は監視されない状況下での君との5分間の面会だ」とマイクロフトは苦々
しい顔つきで話します。
理由を尋ねるモリアーティに、ユーロスはモリアーティがシャーロックの活動に興味を持っていた
事を承知していたのだと答えます。(2人ともシャーロックに執着していたという事)
モリアーティはユーロスの監禁場所に導かれガラス越しにユーロスに話しかけます。

「僕がクリスマスプレゼントだよ。 僕の分は?」
監視カメラで2人の様子を見ていたマイクロフトですが、突然映像が消えます。
ユーロスが囁きます「赤髭・・・」と。


気が付いたジョンが居たのはユーロスの監禁室のベッド。 同じ部屋の中にはシャーロック、マイクロ
フトと所長もとらわれていました。

妹には会えたのか? どうだったのか?とジョンから聞かれたシャーロックは、”Family's always
diffucult”「家族とは何時も面倒なものだな」。 ジョンは「冗談を言っているる場合か?」と。
そして所長もユーロスにコントロールされていた様だと聞かされます。


その時、突然「助けて、飛行機の中に居るけど皆眠っているの。 助けて!」と少女の声が聞こえ
続けて「僕はジム・モリアーティだ。 最後の事件へようこそ」という声が聞こえる。 (最初の
シーン)「分っている。 モリアーティは死んでいる」とシャーロック。「死んでいる様には
聞こえないけど」というジョン。

続けてモリアーティーの声が「これは録音された音声です。 僕の昔からの友人によろしく言ってくれ」。
再び少女の声が怯えながら飛行機が落ちそうだから誰か助けてと聞こえます。
これはゲームなのかね?と言うマイクロフトを制しながら、シャーロックは少女に語り掛けます。
少しつかえながら名前を聞こうとすると 知らない人に名前を教えちゃいけないって言われている
のと言う少女に、では先に僕の名前を・・・と云いかけた時回線が切れる。
ユーロスの声は「回線が切れてしまった様だわ」、にマイクロフトがどうやってこんな事が出来るん
だと尋ねると、「貴方が私を此処に入れご褒美(モリアーティーの事)を持って来たじゃない。
モリアーティは死ぬ前に沢山のメッセージを残したの」だと。 そして 「モリアーティーの弟が
駅長だったって知ってたかしら? 彼は何時も羨んでいたみたい」と言います。
(※ 正典”The Valley of Fear”「恐怖の谷」で モリアーティは3人兄弟で兄ジェームズは軍人、
弟はイングランドの西部の駅長だと触れられています)

あの子は何処に居る?もう一度話が出来るか尋ねるシャーロックに、ユーロスは「可哀想な子。何処
にも着陸できない大きな飛行機に独りぼっち。 この世界の何処に居るのかしら? 

これはちょっとした巧みなナゾナゾよ。 もしこのナゾナゾに挑もうと思うならもう一度電話を繋い
であげてもいいわ。ただ、その前に・・・」と言いながら振り返ってガラスの外を見ると所長の妻が
手足を縛られ猿ぐつわをはめられて座っている。

それを見た所長は、私の妻だ!と錯乱状態になる。
ユーロスは 彼女を撃とうと思うけどシャーロックなら自分を止められると言いながら ハッチに
ある銃を手に取る様に指示します。
もし彼女を助けたいと思うならマイクロフトかジョンの何れかを選んで所長を殺すように指示する
ユーロスはカウントダウンスタートと言いタイムリミットは自分が決めると。


シャーロックはマイクロフトに歩み寄り銃を渡そうとするが マイクロフトは自分には人殺しは出来
ない、血で手を汚す事は出来ないと銃を受け取らない。



シャーロックは、「分った」と言ってジョンに歩み寄り、ジョン、と呼びかけながら銃を渡す。

所長はジョンに向かって「ワトソン先生ご結婚は?」と尋ねると、「してました」とジョン。(過去
形であった事に気付いた所長) 「何があったんですか?」と問われたジョンは「死にました」(この
時ジョンはチラッとシャーロックを見、シャーロックは一瞬目を伏せ辛そうな顔をするんです)
「妻を取り戻すことが出来るなら何をする? ユーロスは私を殺すつもりだ。 妻を救ってくれ」と
所長は懇願すると、「緊急状況を表す為にきっかけを出すわね」と言いながら部屋の中のライトを
赤色に変えモリアーティの顔も映し出す。


モリアーティは、Tick-tick-tiick-tick, tick-tock,tick-tock・・・・「チクタク、チクタク、
チクタク・・・・」と繰り返します。

名前を聞くジョンに、デヴィッドだと答える所長。 そして妻の為に死のうとしている所長に「君は
大した男だ。良い事をしようとしている」と言うジョンに「貴方もだ」と所長。 それを聞いたジョン
は「残りの人生 そう言い聞かせるようにするよ」

ジョンは所長を跪かせ後ろから銃を撃とうとするがなかなか決心がつかず躊躇している。そんなジョン
をジッと見つめるシャーロック。


その間モリアーティの、チクタク、チクタク、チクタク・・・・が続いています。

遂にジョンは耐えきれずシャーロックに向かい、「すまない、僕には出来ない!」と言いと シャー
ロックは「分かってる。 良いんだ。」 
するとジョンの持っていた銃を取り上げた所長は「私の事を覚えていて欲しい」と銃口を自分に向けます。

必死で止めようとするシャーロックとジョンですが、所長は自分を撃ってしまいます。
茫然と見つめる2人ですが、マイクロフトは壁の方に向かい吐きそうになっている。
(やはりマイクロフトは修羅場には慣れていないのか 唯一人間らしい反応をしている様に思えるのです)
ジョンに向かって「大丈夫か?」と気遣うシャーロックですが、ユーロスは「面白いわね」と。
シャーロックはユーロスに向かい、「さあ、君が望んでいた通りになった。彼は死んだ」と言うと、
「死ぬか生きるか。 本当は余り面白くなかったけど 貴方達3人は素晴らしかったわ。有難う。
特にワトソン先生、貴方がモラルに則って自分の手が血に染まる事を拒んだから1人の代わりに
2人死ぬ事になるの」とユーロスが言うと「2人じゃないだろう」とジョン。 それを聞いた
ユーロスは「ちょっと待ってね。 ゴメンナサイ」と言いながら窓を振り返り所長の妻を
射殺してしまう。
衝撃を受けたジョンに、自分の倫理観で自分の手を汚さずもう1人の命を犠牲にしてしまった。
彼女が生き残る為にはジョンかマイクロフトが所長を殺す事が条件だったのだと言います。

そして、ユーロスはシャーロックにこれは実験であり、次はもっと厳しい事になる。そこに
ある銃を持って行くように、それが必要になると言います(銃には弾が一発残っている)。
飛行機の少女はとても怖がっているし、次に進むように指示します。

モリアーティの声
” Come on now ! All aboard! Choo-choo! Choo-choo!”
「さぁ!出発進行!シュ シュ ポッポー!ポッポー!」
(やっぱり駅長だと言われる弟を羨ましく思っていたのか・・・)

そして、赤いライトの中3人は次の部屋へと誘導されます。




・・・・・to be continued です。




← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (3)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (5)




SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (3)

2017-06-18 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」

以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓



・・・・続きです(その3)


濃霧の中航行する漁船(?)に親子が乘っています。
ラジオ無線で”シェリンフォード”とくり返すのを聞いた息子は、そんな場所聞いたことが無いと言うと、
父親は聞いた事を忘れろと言います。
そんな時、ヘリコプターの音が。 そして屋根の上に足音が。

驚いて外に出た2人の前にシャーロックが・・・・(怪我してない!)
「僕の名前はシャーロック・ホームズだ」と名乗ると、息子は「探偵だ!」、それに対して「海賊だ」と
シャーロック(子供の頃から憧れていた海賊。 名乗ってみたかったのかも)

銃を構えるジョンも一緒にいます。 (この後シャーロックはコートを翻し甲板へ飛び降りるのですが、何か
久し振りにカッコ良いわ! コートひらりも久々だし・・・嬉)
 ところで、この場面のシャーロックを見ると、グラナダ版 ”The Sign of Four”「4人の署名」でテムズ河
でのジョナサン・スモール追跡シーンを思い浮かべました。 この時船にすっくと立っていたホームズの姿に
そっくりです)

そして船を乗っ取りシェリンフォードへ向かいます。
(何かね、あの爆破からどの位時間が経っているかは不明だけど、かすり傷1つなく何事もなかったかの様にピンピン
している姿を見ると現実離れしている様に感じるのですよ。
 ただし、この件に関しての種明かしor言い訳はゲイティス氏によってなされているのですが可能であれば最後の
回でに触れようと思っています)


シェリンフォードでは座礁したので救助を求める無線が入るし(ジョンの声で)、侵入者を感知してシステムアラート
がなり大騒ぎになっています。


浜辺には漁船に乗っていた親子が縛られて置き去りにされています。

その傍の砂浜に大きく ”TELL MY SISTER I'M HERE” 「僕はここに居ると妹に伝えてくれ」と書かれている。
施設の所長 がマイクロフトに連絡を取ろうとするも、爆破で大怪我をして意識不明だと伝えられる。
「シャーロック・ホームズは?」と尋ねると「行方不明だ」と。


船を盗まれたと騒ぐ老人とジョンも捉えられています。

ジョンが第5ノーサンバランド連隊退役軍人である事を知っていた所長は 一緒に居るこの老人がシャーロックの
変装だと思い込んでいる様子。
”Mr. Holmes”と言われ カツラと付け髭を取ったのはマイクロフトでした。

そこに居た警備員に特別施設に行ってユーロス・ホームズを監視しろと命じながらセキュリティーキー(?)
を渡す所長ですが 受け取った警備員はシャーロック?

マイクロフトはユーロスの身の安全、警備状況、島を出たのではないか等に関して所長を脅し怒鳴りつけている。
最後に「ワトソン先生に感謝しろ。レディー・ブラックネルの事を話してくれた」と言うと不思議そうな表情
の所長。
(ここでレディー・ブラックネルに関して話している意味が良く分からない)

そして、耳に付けた無線インカムで警備員に変装したシャーロックと連絡”Are you in?”「侵入出来たか?」

特別施設に到着したところだと答えるシャーロックに「監獄の中にある監獄」

警備員に変装したシャーロックはセキュリティーチェックを受けている時 ガラスから3フィート以内に近づくな
等の忠告を受けます。

(この時のシャーロックは歩き方も粗野な感じがするし、北アイルランド訛り《一部ではスコットランド訛りとも
言われています。が、いつもと違うアクセントである事は分かってもどこの訛りか迄は分かりませんデス》で話
していますが、何といってもこの扮装で帽子をかぶっていると”普通のベネディクト”にしか見えない。あの
クルクルヘアーでないとシャーロックにならないって事を改めて実感!)

エレベーターに乗りユーロスが監禁された部屋に入るシャーロック(エレベーターの中で変装を解いて何時もの
シャーロックに戻っています。)

ガラスの向こうでは背を向けたままヴァイオリンを弾いているユーロス。


マイクロフトは所長、ジョンと共にユーロスを記録したテープをモニターで見ています。

画面の中のユーロスは男性と会話しています。


ユーロスの監禁場所
ヴァイオリンを弾きながら突然シャーロックに話しかけるユーロス。(シャーロックだと分かっている)
「あれを持ってきてくれた? 前に頼んだ特別なヘアーバンドよ」、シャーロックは「僕は君の医者じゃない。
ここで仕事している者じゃない」。それでもユーロスは「貴方にママから盗ませたヘアーバンドよ。 私が
連れ去られる日最後に貴方に頼んだ物よ。 覚えてる?」。 シャーロックは「数週間前に僕のフラットに
来ただろう。 フェイス・スミスの振りをして。チップスを食べたろ」と言っても「それがヘアーバンドを
持ってこなかった理由なの」と切り返される


どうやって此処を出たのか尋ねるシャーロックに、「私を見て」とユーロス。 「見ているよ」とシャー
ロックが答えてもユーロスは、”You tried and tried, but you just can't see , you can't look”
(随分頑張ったけど何も見えていないし、分かってないわ」に「何を?」と聞くシャーロックは続けて
どうやって外に出たのかを聞きますが、「ヴァイオリンを見て」と言うユーロス。ストラディバリウス
だと言うシャーロックに、これは自分へのプレゼントなのだと言いながら ヴァイオリンをハッチに
入れシャーロック側に送ります。 「貴方も弾くわよね」に「何故知ってるのか」と問うシャーロックに、
「どうして知ってるかって? 私が弾き方を教えたのに。 どうして覚えていないの?」 君の事は全く
覚えていないんだと言うシャーロックに、マイクロフトは貴方が自分の記憶を書き換えたと言っていた
けど私の事を消しとってしまったとは言っていなかったと言うユーロスに、「書き換えたとはどう云う
意味だ」と尋ねるシャーロック。 それを聞いたユーロスは、「貴方はまだ赤髭の事を知らないのね。
まぁ、素敵な日になりそうだわ」
 
所長の部屋では、

ユーロスは周りの人を虜にしてしまうのだと言う所長。 彼女と面会していたテイラー医師に自分の家族を
殺す様に示唆していたが医師は結局家族を殺し自分も自殺してしまったのだと言いますが、マイクロフトは
彼女は5歳の時から人を洗脳する能力を持っていたと。 
画面の中のユーロスは、相手の男性に「泣いても良いのよ」と言うと「泣かない」と言われ「泣く様にし
てあげる」と言っています。

再びユーロスの監禁場所
ユーロスに「ヴァイオリンを弾いて頂戴」と言われても「どうやって此処から出られたのか聞きたい」と
シャーロック。

「もう分っているでしょ。私を見て そして弾いて頂戴」と言うユーロスに シャーロックはバッハを弾き
はじめます(モリアーティーが訪ねてきた時弾いていた曲です)。 それを聞いたユーロスは「バッハは
ダメ。 全く分かってないのね。 自分を弾いて」と言われ一瞬躊躇したあと弾きだした曲はアイリーン
を偲んで作曲した曲でした。
「あら、貴方はセックスしたの?」と尋ねるユーロス(又その話ですか・・・ この曲がアイリーンの為の
曲だという事は分かっているって事ですね)
それから自分の微妙な経験を(アレコレ)話すユーロス。

所長の部屋
ユーロスが人を洗脳する危険があるので 決して一人では会わない様に警告していた筈だと所長を叱責する
マイクロフトに、貴方は一人で会ってしかもクリスマスには客まで招き入れたではないかと言う所長。
「リスクを承知した行動だ」と言うマイクロフトに、貴方はクリスマスプレゼントを与えたじゃないかと
言う所長。
モニターの中のユーロスは相手の男性に お互いに助け合わなくちゃ。貴方を助けてあげると言っている。
(相手のこの男性は誰?)
ジョンが所長に向かって あの声は貴方ではないか? もし所長も洗脳されているならば誰がここを管理でき
るんだと言うと、所長は、申し訳ないと言いながらスイッチを押します。

ユーロスの監禁場所
シャーロックが「じゃ 君ははっきり僕の事を覚えているんだね」と言うと、「私は全て覚えているわ。どんな
些細な事も。 貴方は大容量のハードドライブが必要だわ」と言っている所にイヤーコムにジョンから無線が入り
ます。「シャーロック、”Vatican Cameos”だ」と言われ、「直ぐ行く」とシャーロック。
 ここで久しぶりに”Vatican Cameos”が聞けました。 S2E3とS3E2ではシャーロックが、今回初めてジョンが
口にしました。 ひつこいですが せっかくなので再びおさらいをしておきましょう)
 ”Vatican Cameo”は第二次世界大戦中武装した英国陸軍軍人以外の人物が基地に入ってきた時警告する意味
で使われた合図で『危険、全員伏せろ』と言った合図であったとか。 なのでS2E1 ”A Scandal in Belgravia”で
は軍医であったジョンがこの合図を知っているだろうとシャーロックが発した言葉だった・・・んですね。 で、
2度目はS3E2 ”The Sign of Three”でジョンは『危険が迫っている。誰かが死ぬ』と言う意味合いに受け取って
いました。又この”Vatican Cameos” は正典 ”The Hound of the Vaskervilles”『バスカヴィル家の犬』の中で
ホームズが ローマ法王の依頼で任務に就いていた『ヴァチカンのカメオ事件』として述べられています)


ユーロスはガラスから3フィート離れている様に言われていると思うけどもっと近づく様に言います。

覚えていることを話して欲しいと言うシャーロックに、貴方は私のお気に入りだったと話すユーロス。貴方が笑う
のを見るのが好きだった。 貴方を一晩中大笑いさせて壊れそうになってしまったけど、両親から注意された。
そして気が付いた。シャーロックは笑っているのではなく泣き叫んでいたんだと。
「何故泣き叫んでいたんだ」と尋ねるシャーロックにフラッシュバックで「赤髭」が・・・
「赤髭」を覚えていると呟くシャーロックに、もっとガラスに近寄ってガラスに触れる様に。そうしたら本当の事を
教えると言うユーロス。
ゆっくりと一歩一歩ガラスに近づき 遂にガラスに手を触れるとそこにはガラスはなくユーロスと手を触れあう事が
出来ました。

(ユーロスが自由にセキュリティーシステムをコントロールしていると言う事)
ユーロスは「何度もどうやって外に出たのか尋ねていたけど こうやってよ」と言いながらシャーロックを
殴りつけ床に押し倒し馬乗りになって首を絞めつけます。
入って来た警備員にシャーロックを殺してしまうから直ぐに自分を止めてくれと叫びながら・・・
(ユーロスの狂気を感じます)

所長の部屋
マイクロフトとジョンは拘束されてしまう。

連行されるジョンが警備員を振り切って逃げようとすると、モニター全面にモリアーティーの顔が写る。

(アメリカンアクセントで)「非常事態警報! ”Klingons attacking lower decks ! Also, cowboys in black
hats, and also Darth Vader!”
( ここはチョット意味不明なのですが、クリンゴンは勿論スタート・レックで、ダース・ベイダーはスター・
ウォーズでの”悪”なのですが、”黒い帽子のカウボーイ”は初期の西部劇で悪役は常に黒い帽子、良い方は白い
帽子を被っていたと言う事例からの引用らしい。いずれにしても”悪者”が来たと言っているという事なのかと・・・。
そして、もう一点不明なのが、モリアーティーのアクセント。 モリアーティーは当初アイルランド訛りと言われて
いたのですが、何故ここではアメリカンアクセントでしゃべっているのかという点。 
どれもアメリカ関連という事は、正典 ”The Valley of Fear” 「恐怖の谷」に由来しているのか・・・とも考えら
れますが 深読みかも)


モニターの中でモリアーティーは、”Did you miss me? を繰り返し、その後も”Miss me?”がずっと繰り返されます。 
驚いて気を取られたジョンは職員に殴られて気を失ってしまいます。





・・・・・ to be continued です




← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (2)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (4)





SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (2)

2017-06-14 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」

以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓

     ↓
 
     ↓


・・・・続きです(その2)

マイクロフトの記憶(マインドパレス?)の幼いユーロス。



マイクロフトを見て 「大人になったお兄ちゃん変ね」
幼いユーロスはかつてナイフで自分を傷つけてた事があり それを見た両親は自殺をしようとし
たのではないかと思ったようだが実際は筋肉がどう動くか確かめたかったのだと。 マイクロフト
が痛みを感じないのかと尋ねると、ユーロスは「誰の痛み?」と尋ねたのだと。

マイクロフトは、「マスグレーブだ」

(マスグレーブは正典”The Musgrave Ritual”「マスグレーブ家の儀式」からの引用)

当時の景色の中にいるマイクロフト。 この手法は「ベルグレーヴィアの醜聞」と同じ)



ホームズ家先祖代々続く屋敷のあるマスグレーブで 幼いシャーロックはヘンテコなお墓の間で
遊んでいた。 墓石は本物では無く日付も全て間違っていた。建築学上のシャレだと思うがシャー
ロックはそれに魅了されていた。


NEMO
HOLMES
1617 - 1822
Aged 32 Years
(この墓石に書かれているのを見ると200年以上生きていたって事になっちゃう(笑) それなのに
享年32歳ってもうメチャメチャ。 そして、“NEMO”はラテン語で”no one, nobody”の意味。
”1617” も正典「マスグレーブの儀式書」で小屋の扉に書かれていた数字かと)

幼いユーロスの歌声が聞こえています。
♪ ”Who will find me? Deep down below the old beech tree. Help.Help,succour me now. East
wind blow.”
「誰が私を見つけてくれるの? 古いぶなの木の下にいるの。 私を助けて。 東風が吹が吹くわ」

シャーロックは、”Sixteen by six”(16X6、又は6のそばの16、又は16歩行って6歩? この表現も
正典「マスグレーブの儀式書」からの引用か)と言うとマイクロフトが「お前は思い出し始めてい
るな」、シャーロックは「断片的に」と言います。
幼いシャーロックが”レッドビアード(赤髭)”と叫びながら探し回っています。(ここで遂にに”Redbeard”
「赤髭」が出てきます)

ジョンが「赤髭って?」と尋ねると、「僕の犬だ」とシャーロック。
マイクロフトは「ユーロスは赤髭を捕まえて誰も見つけることが出来ない何処かに閉じ込めたんだ。
そして誰にも何処に居るか絶対言わなかった。 ただその歌を小さな儀式の様に繰り返すだけだった」
と語ります。
幼いユーロスは「歌が答えよ」と言ったが、歌は意味をなさなかったとマイクロフト。

♪ ”Brother, and under we go”
「お兄ちゃん、下に行きましょう」

赤髭のその後を尋ねるジョンに、誰も赤髭を見つける事は出来なかった。だが、ユーロスは”溺れた赤髭”と
呼び始めた。 シャーロックは心に傷を負ってトラウマを抱え 元々感情的な子供だったが変わってしまい
2度と赤髭の事も話さなくなったし、やがてユーロスの存在自体も忘れた様に見えたとマイクロフトは話します

「同じ家に住んでいたのにどうやってユーロスを忘れることが出来たんだ」と尋ねるジョンに、ユーロスを離
れた場所に連れて行ったのだと言うマイクロフトですが、犬の行方が分からなくなったくらいで子供を閉じ込
めたりはしないだろうとジョン。

(ユーロスが絵を描いているが シャーロックを書いたらしい絵は塗りつぶされたリ ”RIP SHERLOCK”
(シャーロックを切り裂いてやる)と書かれていたり シャーロックに対する歪んだ複雑な気持ちが表れている。
何故なのか?)

ユーロスはマッチをすり火を付け家を火事にしてしまう。


その後ユーロスを離れた適切な場所に連れて行かざるを得なかったが、そこで又火事を起こし死んだのだと
説明るするマイクロフトに、”This is a lie”「嘘だな」と言うシャーロック。

確かに嘘だが、両親にこれ以上の苦しみを味合わせないための優しさでもある。 ユーロスである事を証明
する遺体が無い事の説明にもなるのだとマイクロフト。

ユーロスの様な精神異常の深さや能力の大きさを考えると通常のどんな施設も当てはまらなかったので、
ルーディー伯父さんが手配をしてくれた。(ルーディー伯父さん再び登場。 アレコレ断片的に言われてた
所によると相当変わった人の様に思えていたけど かなり力もある人の様で。流石のホームズ家系、興味ある
キャラクターではあります)

「僕たちの妹は何処に居るんだ」と問い詰めるシャーロックに、「シェリンフォードという断崖絶壁の孤島の
精神病院に収容された。そこは要塞のような施設で脱出するのは不可能だ」とマイクロフトは断言する。

(遂に此処で”シェリンフォード”に言及され、人の名前では無く場所の名前である事が判明)

シェリンフォードは刑務所や精神病院以上。 中に居るものから外にあるものを守るための要塞だと言います。


マイクロフトは、シェリンフォードはユーロスが幼いころからいた場所であり一日たりともあの場所から離れた
事は無い。君達2人が会ったのは誰だと言うんだ。 彼女である筈はない。と言った時部屋のガラスが割れる音が・・・

ユーロスの歌声
♪ ”I that am lost. Oh, who will find me. Deep down below. The old beech tree?
“Help succour me now. The East Wind's blowing. Sixteen by six, brother. And under we go!
「私は道に迷っているの。 古いぶなの木のずっと下の方にいる私を誰が見つけてくれるの?
私を助けて。 東風が吹いているわ。 6のそばの16よ(?) お兄ちゃん 下に行きましょう」
♪ ”My soul seeks. The shade of my willow's bloom・・・・
「私の魂は探しているわ。 私の柳の花の影を・・・」

そんな歌声と共にドローンが部屋の中に入って来ます。

そのドローンは爆弾を載せており、マイクロフト曰く ”DX-707”(人呼んで”忍耐の手榴弾”)でセンサーが人の動き
を感知して爆発するものだと。
そんな訳で、ドローンを囲んで3人は動けず固まったまま善後策を練ります。
爆弾の威力を尋ねるシャーロックに、マイクロフトは「間違いなくこのフラットを破壊して中に居る誰も死なせる。
「この部屋の壁の強さがあれば隣人は恐らく無事だろうが、下のカフェが開いているかが心配だ」(日曜日なので
Speedy’s は閉まっていると)
その頃、階下のハドソンさんは音楽を掛けノリノリで踊りながら掃除機をかけている。
(※ ハドソンさんが流している曲はヘビメタバンド アイアン・メイデンの ”The Number of the Beast”と云う曲。
ですって) 

ハドソンさんが掃除機をかけ終わるまでの時間を2分と推定したシャーロックに、ジョンはハドソンさんが何時も
掃除機を置いてあるフラットの裏口に戻す時が一番安全なのではないかと提案。
シャーロックは「掃除機の音が止まったら ハドソンさんがフラットの裏に行くまで8秒待ち、その瞬間に動こう」と、
そしてトリガーが反応する時間が最長でも3秒と見積もるマイクロフトに「僕たちは窓から、兄さんは階段から出て
ハドソンさんを助けてくれ」。
何で私が?と不満そうなマイクロフト。 「兄さんの方が近い」と言うシャーロックに「お前の方が足が速い」。
「速度は距離程重要じゃない」等と言い合っている2人。


残り1分と推定したジョンは「電話しても大丈夫だろうか?」、シャーロックが「ジョンには娘がいるんだから
さようならを言いたんじゃないかな?」と気を利かせるのですが、マイクロフトは「申し訳ないがどんな動きに
も爆弾は作動するので分かって欲しい」と言います。
するとジョンは、突然「オスカー・ワイルド」と言い出します。
「彼は、”The Importance of Being Earnest”『真面目が肝心』のなかで ”The truth is rarely pure, and
never simple” (真実が純粋であったためしは殆どないし、又決して単純なものではない)言っている。
学校で習いましたよ」と言うと、マイクロフトも「そうだった。 思い出したよ。レディー・ブラックネルを演じ
たんだ」と。 (この原作は学生時代読んだこと或は読まされた様な気もするのですが 読んだとしても何光年も
前の事なので全く記憶がないのです。なので、このセリフが何処の部分からの引用なのか不明です)


聞いていたシャーロックは”Yeah. You were great”「素晴らしかったよ」、マイクロフトは「本当にそう思って
いるか?」シャーロック”Yes, I really do”「本当だよ」に「それを聞いて安心したよ。私は何時もどうだった
だろうかと思っていたんだ」なんて一見関係ない長閑風な会話を続けていると 階下の掃除機の音が止む。

シャーロックの ”Good luck, boys. Three, two, one, go!” 「幸運を祈る。 3、2、1、今だ!」
で、一斉に動き出し、マイクロフトは階段へ、シャーロックとジョンは窓から身を投げます。
同時に爆弾は爆発し、221Bは火の海に飲み込まれます。





緊迫感のあるシーンなのに、天才2人と元軍人の3人は冷静に状況を判断しながら何となく余裕も感じられる。
と言うか気を紛らわしているのか? 兎に角3人の息が合っていて結構好きなシーンになっていました。そして、
部屋を脱出した後のマイクロフト兄ちゃんの様子を想像すると結構楽しい(変態)ハドソンさんは状況が分から
ないから多分素直に動かずゴネたんじゃないか、必死のお兄ちゃんの姿を想像すると・・・
そして、窓から飛び出したシャーロックとジョンは無事なのかしら? あの高さから飛び出したら普通大怪我は
するだろうな・・・ 今回はホームレスの助けを借りてエアーマットを用意する時間もなかったろうし。
3人(あ、4人)はどうなる???






・・・・・to be continued です。



← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (1)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (3)