The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

サム・メンデス監督『1917』撮影開始情報

2019-03-29 | 映画
『1917』 by Sam Mendes


サム・メンデスがメガホンをとる”1917”の撮影開始情報と共に、出演者が発表され これが何とも
超豪華版でして、もうひっくり返りそうですし、嬉しくてワクワクしてしまいます。
と言っても、映画の内容自体の詳細は明かされていないのですが タイトルからも分る様に第一次
世界大戦を舞台に描いている様です。
撮影開始は2019年4月1日、イングランドとスコットランドでのロケとなるとのこと。

キャストは
監督:サム・メンデス(”007 スカイフォール”、”007 スペクター”等)
脚本: クリスティ・ウィルソン=ケアンズ、サム・メンデス

出演者(凄いですよ~!)



コリン・ファース
マーク・ストロング
ベネディクト・カンバーバッチ
リチャード・マッデン
ジョージ・マッケイ
ディーン=チャールズ・チャップマン
アンドリュー・スコット

(未だ役柄は発表されていません)
(source : Hollywood Reporter, @DEADLINE)

何とも豪華な出演者です。
コリン・ファース、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチの3人と言えば、『裏切りの
サーカス』”Tinker Tailer Solgier Spy”での共演を思い出しますね。
それから、ベネディクトとマーク・ストロングの2人は『イミテーション・ゲーム』”The Imitation
Game”でも共演していました。 なんか懐かしいですね~。

リチャード・マッデンは以前も書きました様に、『ゲーム・オブ・スローンズ』以来『ボディー・ガード』
(未だ観られて入ない)、そして現在Huluで配信中の『メディチ』にも出演している旬な俳優さんです。
それに、久々のアンスコさんまで・・・。

第一次大戦を描いている訳だから 全員兵士姿なんでしょうね。

そう言えば、先日某所に載っていたベネディクトの姿、頭丸刈りで(上の画像もそうですが)酷くスリムに
なっている様子が出ていましたが、どうしたんだろう?と気になっていたのですが 多分この作品の為の役
作りの為だったんでしょうね。

尚、この作品は ユニバーサル・ピクチャーの配給のもと 2019年12月米国公開の予定との事。

最近の映画は撮影開始から公開まで2年位掛かる作品も多く、ヤキモキする事があるのですが この作品は
随分早い公開になる様です。
尤も、日本での公開はあるのか、何時になるのか・・・?

撮影開始後順次情報が出てくると思いますが、取りあえず第一報です。





『秘密』 ケイト・モートン著

2019-03-28 | ブックレヴュー&情報
『秘密』上&下 : 創元推理文庫 -2019/1/30

”The Secret Keeper” 
ケイト・モートン(著)、青木純子(翻訳)

(2013年ハードカバー出版されていた作品の文庫化版です)

《内容紹介》
母はなぜ、あの見知らぬ男を殺したのか?『忘れられた花園』のモートンが再び誘う物語の迷宮。
翻訳ミステリー大賞・読者賞W受賞。ミステリ界の話題をさらった傑作、ついに文庫化!

翻訳ミステリー大賞・読者賞ダブル受賞
少女ローレルは庭のツリーハウスから、見知らぬ男が現われ母ドロシーに「やあ、ドロシー、久し
ぶりだね」と話しかけるのを見た。そして母はナイフで男を刺したのだ。男は死んだが、ローレル
は目撃したすべては話さず、事件は多発していた強盗事件のひとつとされ、母の正当防衛が認めら
れた。50年後、女優となったローレルは、死の床にある母の過去を知りたく思う。古い写真に母と
映る美しい女性は誰? あの事件は何だったのか?

以前書きました『湖畔荘』の前作で 順不同になってしまいましたが やっと読む機会を得ました。
この作品も多くの賞を受賞したそうで、
『このミステリーがすごい!2015年版』海外編 : 第2位
〈週間文春〉2014ミステリーベスト10海外編 : 第2位
『2015本格ミステリ・ベスト10』 海外ランキング :第8位
同時に、単行本出版時に翻訳家が年度内の最も読むべき作品を投票で選ぶ
翻訳ミステリ大賞、又読者投票によって選ばれる翻訳ミステリ読者賞も受賞しているとの事。

前回の『湖畔荘』が初読みだったのですが、モートン作品は独特の雰囲気を持つ ミステリであり
ながらロマンス小説の様な優美な文体、流れを持つ特徴のある作品だと感じました。

この作品も 現代(2011年のロンドン)、1961年のサフォーク、1940年のロンドンの3つの時代を
行き来します。

少女時代のローレルが庭にあるツリー・ハウスから偶然見てしまった光景。
赤ん坊の弟を腕に抱いた母親が突然現れた男を刺し殺してしまった。見知らぬ男は母に向かって
「やあ、ドロシーひさしぶりだね」と言っていたのを聞いたのです。そう、あの男は母を知って
いたのです。
この事件は目撃していたローレルの証言もあり、母の正当防衛と認められ無実となったのです。
しかし、60年後大女優となったローレルが死の床に臥せる母が偶然呟いた言葉が元になってあの
時の事件を思い出します。
あの男は誰だったのか?
あの日何故母はあの男を殺す事になったのか?
そして母の過去を、あの事件の真相を知りたいと思う様になり、事件当時赤ん坊で母の腕の中に
居た末の弟と共に調査を始める事になります。

3人の娘と1人の男の子を授かり 優しい夫と幸せな家庭を築いた母にはどのような過去、秘密が
あったのだろうか?
母の病室で見つけた古い写真に母と移っているヴィヴィアンという女性は一体誰で母とはどのよ
うな関係があったのか?
うわ言で口にしたジミーという名の男性は母とどの様な関係があったのか、そしてその後どう
なったのか?

ローレルが追う真相と平行して 第二次世界大戦中あるお屋敷に住み込みメイドとして働いて
いた若いドロシー、向かいの屋敷に住む作家夫婦、カメラマンで恋人のジミーという4人の視
点でそれぞれの経緯が語られていきます。
ドロシーが憧れ、嫉妬で観るヴィヴィアンとの関係は一方的で2人の会話も殆どなく違和感を
覚えるし、若い頃のドロシーと幸せな家族の中に居たドロシーとがなかなか一致せず 何がド
ロシーを変えたのだろうか・・・と。

そして、ロンドン大空襲の夜にドロシーとヴィヴィアンが会う場面が物語の初めの方と終わり
の部分2回描かれているのですが、それぞれ全く視点を変えてドロシーの視点とヴィヴィアン
の視点を一対の様にして描かれていて、下巻の同じ場面で”あッ!そういう事だったんだ!”と
謎が氷解するのです。

序盤はやや冗長な感じを受けるのですが、中盤から一気にアップテンポで進行します。
そして、アチコチに散りばめられていた伏線が次第にジグソーパズルを組み立てて行くように
収まっていく感動はケイト・モートンの職人芸の様な手法を感じさせられます。
最後は安堵に包まれた様な読後感、余韻に浸ることができました。

『湖畔荘』でも感じたのですが、ケイト・モートンの作品は ミステリでもあり、親子、夫婦、
家族の絆や人間ドラマをも感じさせられます。
ケイト・モートンの作品を読むとハマる方が多いと聞きますが、分かる様な気がします。

最後に、ストーリーとは直接関係ないのですが、作中で『ドクター・フー』に触れる部分があ
りました。 電話ボックスから電話をかけて来た弟とローレルの会話
「電話ボックスなんてまだあるの?」
「どうやらあるみたいだ。これがターディスでなければだけど・・・」
(”ターディス”は”ドクター・フー”に出て来るタイムマシン”時空移動装置”です。正しくは
”電話ボックス”ではなく”ポリスボックス”なんですけどね(笑) 
個人的にツボの部分でした。




ロバート・ダウニー・Jr. 版 ”The Voyage of Doctor Dolittle”

2019-03-24 | 映画
“The Voyage of Doctor Dolittle”

ユニバーサル・ピクチャーズ

ロバート・ダウニー・Jr.版 ”The Voyage of Doctor Dolittle”(原題)は当初2019年4月12日全米公開
予定であったようですが、諸事情(大人の事情?)により9カ月後ろ倒しとなり 2020年1月17日公開
となったそうです。

この映画はヒュー・ロフティングの児童文学「ドリトル先生航海記」に基づく作品です。

過去に何度か映画化されていました。
レックス・ハリソンの「ドリトル先生不思議な旅」が1967年公開
エディー・マーフィーの「ドクター・ドリトル」が1988年に、2001年に続編 "2” が公開されました。

今回の作品は兎に角出演者が”超豪華”で、特に動物たちの声の出演をしている俳優さん達がまぁ、何と
も勿体ない!と思わせられる贅沢なキャスティングです。

↓ 声の出演者を紹介するRDJのツイート


キャストは、
監督 : スティーヴン・ギャガン
製作 : スーザン・ダウニー、ジョー・ロス

出演者:
ロバート・ダウニー Jr.: ドクター・ドリトル
アントニオ・バンデラス : ラッソウリ
マイケル・シーン : マドフリー
トミー・スタンピー : ハリー・コレット

動物たち(声)
トム・ホランド : ジップ(犬)
エマ・トンプソン : ポリネシア(オウム)
レイフ・ファインズ : バリー(トラ)
セリーナ・ゴメス : ベッツイー(キリン)
ラミ・マレック:チー=チー(ゴリラ)
クメイル・ナンジアニ : プリンプトン(ダチョウ)
オクタヴィア・スペンサー : タブ=タブ(アヒル)
クレイグ・ロビンソン ; フレミング(ネズミ)
マリオン・コティイヤール : トゥトゥ(キツネ)


トムホ君のワンコ、 イメージピッタリでなんか可愛らしそうだし、今話題沸騰のラミ・マレック、又
レイフ・ファインズまで・・・・。
”人間”だけど、現在話題になっている ”Good Omens” のマイケル・シーンも。
もう大変です。 豪華版ですッ!

アントニオ・バンデラスも随分久し振りかな?と思ったら、先日 ”Geneus” でピカソを演じているのを
見たっけな。(一部しか観なかったけど)
兎に角人間達も”濃い”ですね。





公開が遅れる事になりましたが RDJのドリトル先生がどんな風になるのか楽しみ!
(日本公開日は未定です)


ところで、RDJと言えば・・・


長い間マーベル作品その他で大忙しだったRDJですが、いよいよ公開が近づいて来た”Avengers Endgame ”
で一応区切りがつくし 次はやっと”Sherlock Holmes 3”だッ!と、
ところが、ところが、前回書きました様に公開予定が2020年12月25日と言われていたのに又もや延期となり、
今度は2021年12月22日と発表されています。
もう、どんどん遅れるんだから・・・・。 本当に実現するのかしら?とさえ思えてきましたよ。





『刑事モース~オックスフォード事件簿』 S4 字幕版放送開始予告

2019-03-19 |  ∟新米刑事モース/主任警部モース
”Endeavour” Season 4

2012年 英国放送

首を長くしてお待ちして居りました。
『刑事モース』のS4 日本語字幕版がシネフィルWOWOWにて初放送になります。

Case 14とCase15の字幕版の先行放送は
4月21日 21:00 ~

本放送は、
Case 14 『死のゲーム』 ”Game”    : 4月23日 (火)13:00 ~
Case 15 『嫉妬の讃美歌』 ”Canticle”  : 4月24日 (水)13:00 ~






S4の放送を前に、4月1日(月) Case 1~Case 13の再放送もあるとの事。

詳しくは公式ページで確認下さい
↓ こちらです
https://www.cinefilwowow.com/itvcollection/#endeavour

S4は4エピソード構成になっているのですが、残りの2エピソードの放送予定は今のところ出てい
ません。 でも、多分近々だと思いますが・・・(希望的観測)

本国では既にS6の放送も終了していますので、早く続きを~~!!

英国放送直後にも拘らず もうS6のDVD出ています。

UK(PAL)版

そして、2020年にはS7も予定されている様ですよ。 

そう言えば、
オリジナルの『主任警部モース』 ”Inspector Morse” は全33エピソードでした。
それに敬意を表して『ルイス警部』 ”Inspecotor Lewis” も33エピソードで終了したんでした。
なので、
『刑事モース』”Endeavour” も33エピソード迄製作するのではないか??・・・と希望的観測。
(S6時点で26エピソード)


『タイムレス』 : S2 放送開始を前に

2019-03-17 | 海外ドラマ
”TIMELESS”

S1 : 16 エピソード: 2016年~ 

最近英国ドラマがどうもイマイチなので 少しアメリカドラマへ目を向けてみました。
と言っても、本当に何気なく観始めたドラマなのですが、これが意外に面白いのです。
2017年にAXNで放送されたとの事ですが、その時は全く知りませんでした。と言うか英国ドラマ
が忙しかったので・・・。
で、知人によれば、「面白かったんだよ~。でもS1で突然打ち切りになっちゃったんだ」と。
ところが、逆転し再度続編が製作される事となり、先日S2の放送告知がありました。
そこで、放送前にと言う事でS1の再放送となった様です。

そんな訳で、遅ればせながらこのドラマのS1の概要を確認してみました。


主な出演者は、
ルーシー・プレストン:アビゲイル・スペンサー
ワイアット・ローガン:マット・ランター
ルーファス・カーリン:マルコム・バレット
ガルシア・フリン:ゴラン・ヴィシュニック
その他

エピソードは、
E1 ”Pilot” 『歴史を守れ』
E2 ”The Assassination of Abraham Lincoln” 『リンカーン大統領暗殺』
E3 ”Atomic City” 『クリスティ・ピット』
E4 ”Party at Castle Varlar” 『ネバー・セイ・ネバー』
E5 ”The Alamo” 『勝利を!さもなくば死を!』
E6 ”The Watergate Tape” 『18分30秒の空白』
E7 ”Stranded” 『デスミレニアム』
E8 ”Space Race” 『アポロ11号の運命』
E9 ” Rast Ride of Bonnie & Clyde” 『ボニー&クライドのラスト・ライド』
E10 ”The Capture of Benedict Arnold” 『独立戦争とリッテンハウス』
E11 “The World's Columbian Exposition” 『殺人ホテルを抜け出せ』
E12 “The Murder of Jesse James” 『ジェシー・ジェームズの死』
E13 ”Karma Chameleon” 『ワイアットの覚悟』
E14 “The Lost Generation” 『戦い前夜』
E15 “Public Enemy No.1” 『アル・カポネの先に』
E16 “The Red Scare”『過去、現在そして未来に』

↓ S1のtrailerです 
https://youtu.be/8hT8NH1pmk4

一言で言えばタイム・トラベル、タイム・スリップ物ですが、同じジャンルでこれ迄何度か映像化さ
れた作品とは一味違います。

概要は、
秘密裏に開発されたタイムマシンが元諜報部員であるフリンに奪われてしまう。
フリンは謎の組織”リッテンハウス”に殺された妻子を取り戻す為歴史を変えようとしていた。
そして、タイムマシンの奪回とフリンを捉える為急遽集められたメンバーが歴史学者のルーシー、
デルタフォースの曹長ワイアット、タイムマシンの開発者であり操縦者であるルーファスの3人組。



ルーシーは歴史に精通しているという事でこの作戦には欠かせない立場であると同時に、彼女自身
の知らざれなかった事情も判明し、係わらざるを得ない状態に追い込まれていくのです。
そして彼女は歴史を変えてしまわない様にタイムスリップした時代でもあらゆる心遣いをするので
すが、諸事情で葛藤します。

又ワイアットは妻に死なれ心に傷を負っていて、過去に飛んで妻を救おうとする為歴史を変えか
ねない危機をはらんでいます。

3人目のルーファスは、秘密裏にこのチームの行動を監視・記録する様に命令を受けているが
この事に心を痛める善人、苦労人で、愛すべきキャラクターです。
黒人奴隷の歴史を身をもって体験する等苦悩する姿も。

兎に角、彼らがタイムスリップする先は、アメリカ史そのもので、様々な年代の歴史的事件、
出来事を絡めたストーリーになっている為非常に興味深く観る事が出来ます。
例えば、
ヒンデンブルグ号の事件、リンカーン大統領暗殺、アラモの戦い、ボニーとクライドの事件、
ウォーターゲート事件、アポロ11号月面着陸、等々。
当時の映像や画像も織り込みながら進められる為、歴史の勉強にもなりますね。

そう言えば、E11でシリアルキラーの ”H.H.ホームズ” を扱ったエピソードがあります。
これねぇ、2年前に見たかったわ。
「シャーロック」のS4E2 ”The Lying Detective”「臥せる探偵」で言及されていて、当時調べま
したっけねぇ(又遠い目)

歴史を変えない様に努力をするにも拘らず、予想外の出来事により少しずつ歴史に変化が起こって
しまう”バタフライ効果”も絡んだタイムトラベルを描いているので 改変されていく歴史をハラハ
ラしながら見るという SFでありながらサスペンスをはらんだドラマになっています。
タイムトラベルから戻ると元の世界とは微妙に違う状況になっているのも気になるところ。

又、各時代にスリップする時、その時代に合わせた3人のファッションも当時の時代背景と共に注
目ポイントです。
チーム3人のバランスも良く、良い塩梅のキャラクター設定になっていると思います。











予想以上に楽しめたS1ですので、是非ともS2も観なければ!と楽しみにしている所です。

「タイムレス」S2はAXNチャンネルで3月20日(水)23:00~放送開始

↓ 詳しくはAXN公式ページで。
https://www.axn.co.jp/programs/timeless








『死神刑事』 大倉崇裕 著

2019-03-13 | ブックレヴュー&情報
『死神刑事(デカ』

大倉崇裕著
幻冬舎刊 :2018/9/20 

内容(「BOOK」データベースより)
一年前に起きた『星乃洋太郎殺害事件』で、逮捕された容疑者に無罪判決が下された。時を同じ
くして、当事捜査に加わっていた大塚東警察署刑事課・大邊誠のもとに一人の男が現れる。男の
名は、儀藤堅忍。警視庁内にある謎の部署でひとり、無罪確定と同時にその事件の再捜査を始
める男だ。警察組織の敗北に等しい無罪判決。再捜査はその傷を抉り出すことを意味した。儀藤
の相棒になる者は組織から疎まれ、出世の道も閉ざされることになる。その為、儀藤に付いた渾
名は“死神”。大邊は、その相棒に選ばれ、否応無しに再捜査に加わることに―(「死神の目」より)。
新感覚警察小説。

内容は以下の短編4作になっています
死者の目
死者の手
死者の顔
死者の背中

表紙の絵とタイトルからホラーミステリと勘違いしそうですが、全く違うんです。
普段いわゆる”警察小説”というのは余り読まないのですが、タイトルが気になり何となく手に取り
読みました。チョット変わった警察小説で、兎に角面白かったです。

”死神”と言われる儀藤堅忍(ぎとう けんにん)は警視庁内にある謎の部署に属し、逮捕され無罪
判決が下されると その事件の再調査を行い真犯人を探し出すという刑事。
「逃げ得は許さない」という信条の元行動するこの刑事のキャラクターが変っているのです。
外見は地味で小太り、黒縁メガネをかけた中年男。。 「警部補 儀藤堅忍」という所属部署も連
絡先も書かれていない名刺を持ち、初対面の挨拶が「警視庁の方から来ました・・・・」という怪
しげなセリフ。
(一時問題になりましたね、「消防署の方から来ました」っていう詐欺が。 思い出しました。)

再捜査の相棒に選ばれるのは 事件当時捜査に係わっていた人物。
しかし、事件の再調査で判決を覆す事は警察にとっては不祥事で、敗北を意味する事になる。
そんな訳で、その都度相棒に選ばれた者は組織からうとまれ出世の道を閉ざされる事となる為
儀藤は”死神”と呼ばれる様になったんですね。
しかし、
この一見さえない風貌の儀藤さんがそれぞれの事件を小気味よく解決していきます。

最近のミステリ、警察小説の主人公はというと、何故か「美形」、「彫刻の様な」とか、「イケメン」
とかが多い中、この儀藤さんは珍しいキャラクターです。
ところが、この”冴えない”警部補は着実に、そして的確に真相を見極めて行く。 思いもよらずフィ
ジカル面も際立っている事も判明。
謎めいて 一風変わった儀藤が次第にカッコよく思えてくるのです。
そして、それぞれ選ばれた相棒も個性豊かであり、始めは疑いながら、そして嫌々行動を共にしてい
た儀藤を最後には観直し、好ましく思う様になる。
そして事件が解決すると儀藤はその都度相棒達にそれぞれ警察内での身の置きどころを考えている。

この”儀藤さん”は一体どんな人なんだろう? 
一見飄々としている様で、周囲の思惑は無関心の様に振舞ってはいるが 心の中は思いやりも持って
いる様だし。
独り暮らしと語っていたけど、プライベートも謎。
警視庁内での立場、身分も謎(色々謎の連絡網も持っている様) 
本当に警察官なのだろうか? 正体は?
興味が深まって来ます。

しかし”死神刑事”というタイトルは勘違いしそうで、もしかしたら損をしているかも、とも思わされ
ますが・・・・。

兎に角、この儀藤というキャラクターがとても気に入りました。
シリーズ化を期待したい作品です。





『グッド・オーメンズ』 Amazon Video/BBC 

2019-03-09 |  ∟グッド・オーメンズ
“Good Omens”

原作に続きドラマ情報です。

『グッド・オーメンズ』は6エピソード構成で5月31日に放送開始となります。
今回はAmazon Prime Videoでの放送だそうで、後にBBC2での放送もある様です。
その後DVDの発売もあるかしら?
 
数日前から「3月6日(現地時間)に出ますよ~」と毎日カウントダウンされていた新trailerが
やっとリリースされました。

↓ こちらです
https://youtu.be/hUJoR4vlIIs

これを見る限り、益々期待感が膨らみ ワクワクします。

で、ドラマの情報ですが

キャスト :
監督 : ダグラス・マッキンノン(”シャーロック", ”ドクター・フー” 等を手掛けた監督)
脚本 : ニール・ゲイマン(原作本作者)

出演:
クロウリー : デヴィッド・テナント(”ドクター・フー”、”ブロードチャーチ” 他)
アジラフェール : マイケル・シーン(”パッセンジャー”、”アリス・イン・ワンダーランド”他)
天使ガブリエル : ジョン・ハム(”マッドメン” 他)
アナセマ・デバイス : アドリア・アルホナ
アグネス・ナッター : ジョシ―・ローレンス
ニュートン・パルシファー : ジャック・ホワイトホール
アダム・ヤング : サム・タイラー・バック
ウェンズリーデール : アルフィー・タイラー
ペッパー : アマ・リス
ブライアン : リアン・ガルコフ
シャドウェル軍曹 : マイケル・マッキーン
黙示録の四騎士 :
  ”戦争” : ミレイユ・イーノス
  ”飢餓 ”: ユスフ・ゲートウッド
  ”疫病” : ローデス・ファベレス
  ”死” :  ブライアン・コックス(声)
サタン : ベネディクト・カンバーバッチ(声)
その他

そして、マーク・ゲイティス(”シャーロック” 他)とスティーヴ・ペンバートン(”ホワイトチャペル”、
”ハッピーヴァレー” 等)は謎の本屋ハーモニーとグロズィエール役で、又 ”シャーロック” S4でユーラ
スを演じていたシャーン・ブルックがアダムの母親役で出演しているとの事。

チョット騒ぎが巻き起こったベネディクトに関しては、原作にもある様に”サタン”は最後に少し出ている
だけなので 一応E6に出演と言われていますが 何れにしても声だけのチョコットの出演になるのではな
いかと思われます。


それはそれとして、何てったってデヴィッド・テナント(”10代目ドクター)ですよ。
お気に入りです!
久々に”ヒゲずら”でない姿を見られるし(ロン毛あり)、他の出演者も豪華だし、原作を読む限り期待通
り楽しみなドラマになっている様です。

↓ こちらがクロウリーの愛車ベントレーのヴィンテージカー



↓ ”悪魔”のクロウリーの目がこれだから黒のサングラスが必需品

↓ これがアジラフェールとクロウリーの真の姿



ジョン・ハム演じる天使ガブリエルは原作にはあまり出ていなかったキャラクター。
”大天使”(アジラフェールのボス)ですから格調ありそう。(そうでもないかも・・・)

↓ 反キリストのアダムと≪連中≫のウェンズリーデール、ブライアン、ペッパー

↓ 黙示録の4騎士


(source : @GoodOmensPrime & others)

その他原作と異なる点は、何人かの役の”性”や”人種”を変えてある様です。
アダムとイヴもアフリカ系になっている。
マッキンノン監督によれば、”エデンの園”はアフリカにあったんだろうし・・・(問題ないんじゃないかい?)
と言ってますね。
(確かに、人類最初の女性と言われた”ミトコンドリア・イヴ”はアフリカで見つかったけど、っていう事は 
”エデンの園”もアフリカにあった・・・って言いたいんですね)

原作にもありました様に、このドラマの中でも再びクイーンが聞けるんでしょうか?

尚、
原作に関してはこちらに書きました。

それにしても、
日本でもAmazon Primeで同時に観られる様になるんでしょうか? それだけが気になる。

続報が出ましたら追って書き加えます。



『女王ヴィクトリア 愛に生きる』S3 情報少しだけ

2019-03-06 | 海外ドラマ
”Victoria” season 3

8エピソード

英国に於いて最新のシーズン3の放送が終わりました。
何時になったら日本で観られるんでしょうね?

↓ シーズン3のtrailerはこちら
https://youtu.be/OMM56Cg2qoA

エピソード詳細は日本放送後 自分の目で観てから書きたいと思って居るところですが、その前
に情報だけ残しておきます。
”情報”といっても ローレンス・フォックスの事ばかりなんですけどね、念のため(笑)

以前から何度となく書いていましたが、S3の目玉(個人的に)は何と言っても パーマストン卿(子
爵、後の自由党初の首相)を演じたローレンスでして、これが又大変に評判がよろしい様で嬉しい限
りだし、早く観たいよ~~~!です。
なので、取りあえず画像をみて色々と想像致しましょう。

その前に、
シーズン3で新しい登場人物としてケイト・フリートウッド演じるフェオドーラ。
(フェオドーラは”フェオドーラ・ツー・ライニンゲン”、ヴィクトリアの異父姉です)


又、このシーズンではヴィクトリアは何人かの子女を儲けています。
(実際女王は夫アルバートとの間に4男5女の9子を儲けたそうです。 あの小柄な身体(145㎝位しかな
かった様です) 世界を相手にタフな政治をしながらですもん。 もう驚きです)

後はパーマストン=ローレンスの画像ベタ貼りです。








↓ これは撮影合間にジェナちゃんと遊んでいる(?)ところ

(source : Masterpiece & etc.) 

このところ音楽関係の情報ばかりが出ていたローレンスですが、やはりドラマの中で見たいですね。
日本放送を首を長くして待ちましょう。








『グッド・オーメンズ』 ニール・ゲイマン&テリー・プラチェット著

2019-03-02 |  ∟グッド・オーメンズ
”Good Omens”

『グッド・オーメンズ』上/下 2007年3月27日
ニール・ゲイマン&テリー・プラチェット(著)、金原瑞人&石田文子(翻訳)
角川書店刊

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
ヨハネの黙示録に記されたハルマゲドンを実現すべく、慌て者の悪魔クロウリーがこの世を滅ぼす
ことになる赤ん坊を外交官一家に生まれた赤ん坊とすりかえた。しかし数年後、様子を見に戻って
みると…いない!クロウリーはお人好しの天使アジラフェールとともに、消えた子ども捜しに乗り
出したが…。『アナンシの血脈』で話題沸騰の天才作家ゲイマンがイギリスファンタジー界の大御
所プラチェットとともにおくる、抱腹絶倒のスラプスティック・ハルマゲドン・ストーリー。

この作品がドラマ化されるという情報があり 以前から気になっていた所 5月から放送されると
の情報が出ました。そして同時にベネディクトも出演との事で一段とネット上盛り上がっています。
ただ、ベネディクトはサタン役で実際には声のみの出演、(しかもほんのチョット)となる様で
す(残念!)

実はこの小説は読んだ事が無かったのですが、ドラマ化放送と聞き、又出演者が何とも素晴らしい
ので是非観なければッ!と思っているところですが、放送前に原作を読んでおかねば!となったの
ですが、いざ探し始めると上巻は発売されているものの下巻は現在取り扱われていないとの情報が
あり、もうこうなったら・・・と図書館を探しまくりました。 で、やっと見つけました(嬉)

そして、全く記憶喪失だったんですが、ニール・ゲイマンは”Neverwhere”の作者でもあったんですね。
教えて頂き、あらそうでしたっけ?ってな具合で久々に思い出しました。 5,6年前でしょうか、
BBCのラジオドラマで放送されていて ベネディクトが出演しているという事で少し聞いていた事を
思い出しました(この時は天使)。

全部聞いた訳ではないのですっかり忘れてしまっていたんですね。
これを機会に ”Neverwhere” も読み直そう!

又、ニール・ゲイマンの『アナンシの血脈』も大分前に読んだ記憶があるのですが、これまた忘却の
彼方で・・・(涙) なので、久々に再読。読了しました。

因みに、
”オーメン”と聞くと、映画の『オーメン』を思い出して何となく怖ろし気な印象をもってしまうので
すが、”オーメン”自体の本来の意味は”予兆”といった感じの意味なので、”good omen”というのは
「良い兆し」とか「良い兆候」といった意味を持つんですね。

で、この『グッド・オーメンズ』の概略ですが、

主な登場人物(人物?)は、
天使のアジラフェール(普段は稀覯書を扱う古書店を経営。少々ゲイっぽい)と悪魔(?)のクロウ
リー(堕天使というより 緩やかに下降気味の天使と書かれています。)
(この2人はデヴィッド・テナントとマイケル・シーンの姿を当てはめながら読みましたよ)
この2人を中心に、

へスター:堕天使、地獄の公爵
サタン:魔王
リガ―:堕天使、地獄の公爵
ベルゼブブ:サタンに次ぐ堕天使、蝿の王
反キリストの子供アダムと3人の<連中>ペッパー、ウェンズリーデール、ブライアン
(<連中>は原文では”Them”となっている様で。)

その他、
悪魔崇拝者の修道女のシスター・メアリー・オシャベリ
女予言者のアグネス・ナッター
超自然現象研究家のアナサマ・デバイス
魔女狩り軍少佐のナンジ・カンインスルナカレ・パルシファー(この名前の原文が気になって調べたら 
フツーに”Newton Pulsifer”だった。凄い翻訳だ)追記訂正:ニュートン・パルシファーは少佐の子孫
(”ナンジ・カンインスルナカレ”に関しては後日感想に書きます)
霊媒師のマダム・トレイシー
その他色々

物語りはエデンの園から始まります。
「這いまわるもの」”Crawly”という意味の名前を持ヘビであったクローリーは、一般的な名前のクロ
ウリー”Crowley”に改名。 それ以来6000年姿かたちを変え生き続けてすっかり人間社会に溶け込んで
暮らしていた。 そんな時地獄からサタンの息子の誕生とハルマゲドンの到来を告げられる。 アメリ
カ外交官の息子とサタンの息子を入れ替える指示を受けたクロウリーだが 手違いから別の子供と入れ
違ってしまった。
11年後になって初めて間違いに気づいたクロウリーは エデンの園の頃からの付き合いがある天使の
アジラフェールに手伝いを頼み”反キリスト”である子供の行方を捜し始める。

人間社会に馴染んで何とかハルマゲドンを阻止しようと奔走するクロウリーとアジラフェールのコンビ
がとても良い味をだしていて、会話がトンチンカンだったりずっこけてたり兎に角笑わされてしまうの
です。
クロウリーは常にサングラス、こよなく愛する1926年製黒いベントレー(ヴィンテージカー)。そして
車の中にはカセットテープ、クイーンの曲を愛する(フレディー・マーキューリーの名前も何度か出て
きます。これって何という奇遇でしょうね) たまに魔力をつかったりしますが、普段は何処にでもい
る様な少し軽めのおに―ちゃんの感じ(これは多少翻訳のせいもあるのかも知れませんが)

奮闘する2人の天使と悪魔を取り巻く他の堕天使たち、女預言者、オカルト研究家の女性、悪魔崇拝の
修道女、魔女狩り軍といった個性豊かな人間達が入り乱れ怒涛の展開を繰り広げます。

反キリストのアダム君は取り違えられ人間社会で育てられた為 取りあえず普通の腕白坊主に育ち、
守護者として送り込まれた地獄の番犬もフツーのワンコに成り下がってっているし、皮肉な展開は
正に諷刺マンガの様。兎に角それぞれが個性豊かで憎めないし、それぞれの会話が面白く思わずクスッ
と笑わされます。

ハルマゲドンに向かい現れる黙示録の四騎士(”死”、”戦争”、”飢餓”、”汚染”)も現代風にオートバイ
で暴走族風に現れるし、エイリアンやアトランティス人まで終末に向かい全員集合となる。
自分では意識せずに”力”を使った反キリストのアダム君やクロウリー達の辿り着いた結末は・・・・。

各巻末にある”原注”(”ニール・ゲイマンとテリー・プラチェットによる教育的かつ啓発的な注釈付き”と
ありますが)これが又参考になるんだかならないんだか。 ここで又不必要に笑わされてしまうのです。
好みは分かれるかも知れませんが、兎に角最初から最後まで怒涛の展開で 笑い所満載であっという間に
面白く読まされてしまいす。

大昔、天使の名前と階級を調べた事がありましたっけ・・・と思い出しました。
ハルマゲドンとか聖書の記述などに通じていなくても十分楽しめる”スラプスティック・エンタメ・ス
トーリー”でした。

最初にも書きましたが、現在翻訳本(下刊)が入手困難な状態の様です。
しかし、英国でもドラマ化を機にカバーをリニューアルして5月2日に再販となった様です(丁度
「パトリック・メルローズ」のドラマ放送の時と同じ様に) なかなか機を見るに敏です(笑) 
なので、日本でもこれを機に新しく文庫化にでもして再販してくれると良いんですけどね。

↓ こちらがこれまでの表紙(フツーに地味)

↓ こちらが再販になる新しい表紙


そして、ドラマ化に関する情報は次回に続けます。