The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『たとえ天が墜ちようとも』アレン・エスケンス著

2021-02-26 | ブックレヴュー&情報
『たとえ天が墜ちようとも』創元推理文庫-2020/9/24

”The Heavens May Fall”
アレン・エスケンス(著)、務台夏子(翻訳)

内容(「BOOK」データベースより)
高級住宅街で女性が殺害された。刑事マックスは、被害者の夫である弁護士プルイットに疑いを
かける。プルイットは、かつて弁護士としてともに働いたボーディに潔白を証明してくれと依頼
した。ボーディは引き受けるが、それは親友のマックスとの敵対を意味していた。マックスと
ボーディは、互いの正義を為すべく陪審裁判に臨む。『償いの雪が降る』の著者が放つ激動の
法廷ミステリ!

~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

『償いの雪が降る』の著者による次作。
前作が本当に心に染みる 印象に残る作品でしたので、楽しみにしておりました。

ミネソタ州ミネアポリスのケンウッド地区と呼ばれる高級住宅地の路地で女性の遺体が発見されます。
捜査の担当刑事マックス・ルパートは女性が敏腕弁護士であるベン・プルイットの妻であるジュネ
ヴィエヴである事を突き止め、目撃者等の証言から夫であるプルイットに疑いを持ち 彼のアリバ
イを調査し始めます。
マックスとプルイットはかつて他の事件の裁判での確執もあった因縁の相手でもあった。

追い詰められたプルイットはかつて一緒の事務所で働いていたボーディー・サンデンに潔白を証明
して欲しいと弁護を頼みます。
ボーディーは過去のある事件での弁護で心身共に傷つき、弁護士を引退。現在はロースクールの
教授を勤めていますが、かつての仲間の必死の依頼を受け、数年ぶりに法廷へ復帰します。

一方ボーディーと刑事マックスとは前作『償いの雪が降る』で出会い、固い絆を結ぶようになった
友人どうしの間柄だったのです。

しかし、プルイットの弁護をするボーディーと刑事のマックスは裁判で相対する立場に立たされる
ことになるのですが、どちらが勝つのか、どちらにも負けて欲しくない、どちらも応援したい…と
いう複雑な気持ちでハラハラしながら読み進める事になります。

以前も解説にありました様に、著者はベテランの刑事弁護士でもあったとの事で、法廷での駆け
引き、戦略、法律用語、等のリアリティーが凄いのですが、少々難解な用語も多く 一瞬挫けそう
にもなります。
しかし、意外性や驚きに満ちて 最後迄息もつかせぬ展開で 全く予想外な結末を迎えます。

プルイットの裁判のパートと同時に、1人密かにひき逃げ事件の犠牲者となった妻の事件を追う
マックスの思いが胸を打ちます。

殺人事件捜査と法廷ミステリが見事に融合し、後書きにもある様に 『人は果たされなかった
正義に対してどの様に向き合い、決着を付けるべきなのか』というテーマが浮かび上がり、
『たとえ天が墜ちようとも(たとえ自分に不利益であろうとも)正義を為せ』というタイトル
が、深まる謎と真実の行方、過去との決着、等と共に哀しみを帯びて胸に迫ります。

今作では、東洋系(モン族と言われています)の女性刑事ニキが非常に魅力的で、周囲の人種
偏見、女性蔑視にもめげず非常に有能でマックスにとっても頼りになる相棒となっています。

エスケンスは本作の後4作刊行しており、いずれもジョー、マックス、ボーディーの3人と周囲
の人々を中心に物語を紡いでいるとの事。 ただし、著者自身シリーズものとは捉えていない
とのことなので、どの作品から読んでも大丈夫の様です。

新作の翻訳も楽しみに待ちたいと思います。




『主任警部モース』/『刑事モース』メインテーマ曲再考

2021-02-22 |  ∟新米刑事モース/主任警部モース
「主任警部モース」 ”Inspector Morse”


「刑事モース」 ”Endeavour”


現在BS11で「刑事モース」の再放送中の為か、多くの方に何年も前を含め過去記事ご訪問頂き
感謝して居ります。
日本でも若モースの人気はますます盛り上がっている様ですね。

そんな折、モースのテーマ曲を聴く機会も増え、本当に今更なのですが、印象深いあのテーマ曲
に再度触れてみようと思います。

コリン・デクスター原作の「モース警部」シリーズを読んだのは随分昔の事でした。
そんな訳で、得意のフレーズですが 内容は霧の彼方になっていた今から10年位前の事でした
か、何気なく「主任警部モース」を観始めました。 その後原作もボチボチ再読しています。

「主任警部モース」”Chief Inspector Morse”は、イギリスITVにて1987年~2000年迄 全33話
放送された国民的人気を博したドラマでした。

そして、なにより印象深かったのは メインテーマ曲で、あの曲を聴くと胸がイッパイになり 
何となく涙が出てしまう様な感動的な曲でした。

過去記事にも何度か書きましたが、あのテーマ曲を作曲したのは、バーリントン・フェラング氏で、
彼は、「主任警部モース」のスピンオフである「ルイス警部」でもテーマ曲を担当していらっしゃい
ました。 「ルイス警部」のテーマ曲もとても雰囲気のある素晴らしい、印象的な曲です。
これも過去記事に書きましたが、フェラング氏は惜しくも先年逝去なさいました。

そして、その「主任警部モース」の若かりし頃を描いたスピンオフ ”Endeavour” 「刑事モース~
オックスフォード事件簿」(私が観始めた頃は、「新米刑事モース」のタイトルになっていました。
従って拙ブログのカテゴリーも”新米刑事モース”のままになっています)は2012年初放送以来現在
シーズン7(全30話)放送されています(in UK)

その若モースの第一話(Pilot)を観た時、最後のシーンでは又もや感動。
このシーンに関しては、過去にも書いて繰り返しになりますので 画像のみで。


ショーン君の若モース


ジョン・ソウのオリジナル中年(初老?)モース

そして、その後、例のオリジナルモースのテーマ曲が流れた時にはトリハダもんでした。

このメインテーマ曲の最初の ”ツー、ツー、ツツー・・・” の部分に関しては、色々な意見が出て
いたのですが、大分前に あれはモールス信号なのだと教えて頂きました。

モールス信号(モールス符号)は英語で ”Morse Code”
正に”モース”です。
で、当初からそのモールス信号部分に関しての意見、考察が色々出ていまして、良くご存知の方の
説明には、あの”ツー、ツー・・・” は ”MORSE” を表しているとの事(専門家によれば、チョット
違う部分もありとの意見もありますが)。

但し、”Endeavour” では、この冒頭部分が入るフルヴァージョンが使われていないと思いますが、
残念な思いで聴いております。

モールス信号の表は下記に(Discover Worldから)


↓ こちらでご確認下さい
https://youtu.be/u20sVtCxf_8

ドラマもオリジナルの「主任警部」を知っていると、若モースを観る上で色々参考になり、リンクし
ている部分等気付く点も多いのですが 何故かオリジナルモースの放送の機会が少ない様です。
AXNミステリーでは何度も再放送あるのですが、他局ではどうなんでしょう? 私が知らないだけか
もですが。

尚、”Endeavour” のファイナルシーズンとなるS8はコロナの影響で製作が遅れていますが(これも
何度も書きましたが)、情報によれば 今年中には放送出来るべく(in UK)製作開始予定とのこと
ですが、状況次第でしょうね。

何か情報入りましたら追って又。



今気になる海外ドラマ

2021-02-19 | 海外ドラマ
※ 『ディスカバリー・オブ・ウィッチズ』 ”Discovery of Witches”

英Sky One 2018年9月初放送

このドラマは以前から気になっていたのですが、日本放送は未定です。
と思っていたら、何と!UNEXSTで配信されているんですって! う~ん、未契約。

デボラ・ハークネス原作の『魔女の目覚め』”A Discovery of Witches”, 『魔女の契』”Shadow of
Night”、『魔女の血族』”The Book of Life” の三部作を元にしたドラマで2018年に放送スタートし
た作品です。

歴史学者ダイアナ・ビショップは錬金術の研究のため、オックスフォードのボドリアン図書館で1冊
の写本を手にする。由緒ある魔女の家系に生まれたにもかかわらず、魔法を否定して生きてきたダイ
アナはすぐに写本を返却するが、やがて周囲で奇妙な現象が起き始める。すべてはあの写本が原因な
のか――。そんな彼女にオックスフォード大学の教授で天才科学者であるヴァンパイアのマシューが
接近する。そして彼とともに壮大な謎に巻き込まれていくのだが、その裏では世界を巻き込む壮絶な
戦いが起ころうとしていた。ダイアナとマシューはこの謎を解くことができるのか、そして二人の
種族を超えた愛の行方は果たして――。
(『ディスカバリ-・オブ・ウィチス』公式サイトより)

ドラマ化の事は全く知らなかった数年前に原作を読んでいたのですが、ドラマ化作品では、何と言っ
てもマシュー・グードがバンパイアを演じると聞き、何としてでも観たいな~と思っていたのですが・・・・。


他出演者は、
テリーサ・バーマー、アレックス・キングストン、オーウェン、ティール、ルイーズ・ブリーリー

トム・ヒューズも出ている様ですし、懐かしい ”ドクター・フー” のリヴァー・ソングや ”シャーロッ
ク” のモリーちゃんも出演しているしね。

バンパイアのイメージにぴったり(←個人のイメージです)のマシュー・グード。 良いですねぇ。
イギリスの女性たちを中心に爆発的な人気を博しているとの事。
因みに、
マシュー・グードは、『イミテーション・ゲーム』、『ダウントン・アビー』、『高慢と偏見そし
て殺人』、『無実はさいなむ』等多くの作品に出演しています。

2019年初放送のシーズン1は8エピソード、2021年には既にシーズン2も放送開始されているそうで、
又シーズン3の製作も決定している様です。

何とか早く他チャンネルでの配信、放送をお願いしたいです。

※ 『ヴィエナ・ブラッド』 ”Vienna Blood”

BBC Twoにて2019年11月初放送

このドラマも以前情報を得ていたのですが、いつの間にかBS12 で放送されたのを後になって知
りました。 う~ん、タッチの差で遅れをとりました。
現在時点では他チャンネルでの放送は未定です。

このドラマは、『ドクター・フー』、『シャーロック』等の脚本を担当していたスティーブ・トン
プソン製作総指揮、脚本によるドラマで、過去作品を見るだけでも期待感が膨らんでいたのです。

BBCとオーストリアの製作会社による共同製作ドラマです。

概略は、
1900年代初頭のウィーンを舞台に、英国系ユダヤ人の精神科医とウィーン警察の刑事がコンビ
を組み事件を解決していく 時代劇クライムドラマになっている様で、丁度『シャーロック』
に作風が似ていると言われ『シャーロック』の時代劇版とも云われています。
BBCらしくクオリティーが高いと評価されています。

シーズン1は3エピソード構成



出演は、
マシュー・ビアード
ユールゲン・マウラー
ジェシカ・デ・ゴウ
アメリア・ブルモア
コンリース・ヒル


このドラマも再放送又は他で配信をして欲しい作品です。

情報が出ましたら追記します。



ラリー君就任10周年

2021-02-16 | 猫その他雑記


以前何度かご紹介した事がありますが、イギリス首相官邸(ダウニング街10番地)のネズミ捕獲長
であるラリー君が就任10年目を迎えたとの事で、メディア、ツイッター等で大変な賑わいとお祝い
で溢れています。


ラリー君は2011年 動物保護施設から引き取られ、それ以降ネズミ捕獲長”Chief Mouser to the
Cabinet Office” としてのお役目を勤めてきました。


連日メディアの取材が殺到しています。

歴代の首相ともお付き合いを続け、








因縁の好敵手である 英連邦省のネズミ捕獲長であるパーマストンは昨年引退し現在は田舎で
のんびりと余生を送っています。



首相官邸周辺を警護する警官達ともお馴染みで






(source :@Number10cat, ITV & others)

因みに、
ラリー君のツイッターのフォロワー数は444万人です!

これからも元気で活躍して欲しいですね。


『シャーロック・ホームズ ロシア外伝』E1

2021-02-12 | 海外ドラマ
”SHERLOCK :THE RUSSIAN CHRONICLES”

2020年初放送
8エピソード

先日来何度か触れていたこのドラマですが、個人的には一番楽しみにしておりました。
何と言っても久し振りのシャーロック・ホームズ作品でもありますし、ロシア版、又切り裂きジャック
との対決等々興味ある内容でありますし。

それに加え、番宣でも大々的に繰り返しアピールしている様に、” 映像史上最高峰の美しさとワイルド
さを併せ持つシャーロック・ホームズが登場!” ですものね。
もうワクワクして放送を待っていましたが、何と!AXNミステリーさんは初回のみYouTube配信して
くれました(期間限定ですが)。
思わずかぶりつきで観させて頂きましたです。

取りあえず、とっかかりとして少しだけ内容に触れ 感じた事を書いて置きたいと思います。

少しネタバレして居ります。

先ず、
出演者ですが、
シャーロック・ホームズ:マクシム・マトヴェーエフ
ドクター・カルツェフ:ウラジミール・ミシュコーフ
ソフィア:イリーナ・スタルジェンバウム


エピソード1では、
19世紀ロンドン。 娼婦惨殺犯人とされる切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパ-)を追ってい
たホームズは 娼婦にふん装して待ち受けていたジャックとの対決する。
窮地に陥ったホームズを救おうとしたワトソンが重傷を負ってしまう。

現場に残された数々の証拠から、ジャックはロシアにいると判断したホームズは ワトソンをレス
トレードに託し単身ロシア、サンクトペテルブルグに向かう。



スコットランドヤードからの紹介状を見せても協力的ではない現地の警察と対立しながらジャック
の足取りを追うホームズの前に又もや娼婦の犠牲者がでる。
検視解剖の必要性を説得するホームズに現地の町医者ドクター・カルツエフを紹介される。
カルツェフは妻が心臓病で死亡したという過去を背負い、その病気の研究をしながら貧しい娼婦達
の診療をしているという赤髭の様な存在の医者だが 酒浸り。



現地に到着したばかりのホームズを挑発する様に娼婦惨殺が続発し、カルツェフと共にリッパ-
に対決するホームズ。

といった内容で初回が進みます。

初回を観て気付くのは、
やはりマトヴェーエフさんのホームズは美しいですねぇ。
そして、背も高いし動き、所作がイチイチ色気があります。



又、このホームズはフィジカル面を全面に出しているので、冒頭から格闘シーンが続きます。
今回ワトソンは冒頭で重傷を負って意識不明の状態で入院中なので、ホームズは医者の指示に
より逐一状況をワトソンに手紙で知らせ、レストレードが読んで聞かせるという形になってい
ます。

 ホームズがワトソンを”ジョン”と呼び掛けている事(BBC版の様に)は珍しい。

 ロンドンのパートではセリフが英語であるのは意外です。(正典にもある様に語学に堪能な
ホームズはロシア語にも通じているので、ロシア内ではロシア語で会話。ロシア語は全く分から
ないのですが、情報によればホームズは英語訛りのロシア語でしゃべっているそうです。)

✩ リッパ-の残した証拠に”煙草の灰”、”壁に血文字”等正典由来の事柄を織り込んでいる事。
等正典リスペクト、オマージュを感じられると同時に、躍動感のあるホームズを感じます。

又、フラッシュバックの様に、悪夢の様に時折ホームズを襲う子供時代らしき状況は何を意味
するのか?(まさかBBC版被りではないでしょうね?)

登場人物も、
カルツエフがロシアでのバディーとなる他、
現地警察の警部トウルードヌイは犯人はサルだと言ってのける困ったキャラクター。
白ずくめの衣装で現れる署長、ズナーメンスキーは謎めいている、何かありそう。



殺害現場で会った美女ソフィアの謎めいた存在(ホームズは聾啞学校の教師であると指摘しまし
たが)大胆不敵にも娼婦を装い囮になろうとするようなただモノではない女性。今後ホームズと
の関係も興味深く、丁度アイリーン・アドラーの様な立場になるのかも。

兎に角初回を観た限りでは、ユーモアのある場面も含め、活動的なホームズ、ロシアの風景、
等々を描いていて 掴みはバッチリ、正典リスペクトも感じられるし、この後益々期待が膨ら
みます。



余談ですが、マトヴェーエフの義父(奥様の父親)が「新ロシア版 シャーロック・ホーム
ズの冒険」でレストレードを演じていた方だそうです。

そして、いよいよ一挙初放送は、
AXNミステリーにて、
2月14日(日)4:00pm~

最後迄観た後、再度感想を書こうと思っています。

拙関連過去記事は下記に
※ ロシア版シャーロック・ホームズ新作ドラマ
※ 2月放送の海外ドラマ(追加)


ドラマ化された英国ミステリ小説 : その(7)

2021-02-09 | ドラマ化された英国ミステリ小説
『ダブリン 悪意の森』 ”Dublin Murders

2019年初放送
全8エピソード

先日初放送予定ドラマとしてご紹介したのですが、一挙放送を観ましたので それを踏まえて
原作と共にご紹介します。

エドガー賞をはじめ数々の文学賞を受賞し一躍注目を浴びた作家タナ・フレンチの小説を、アガサ・
クリスティーシリーズで知られる脚本家サラ・フェルプスが脚色し映像化!

これも、先日書きましたが 過去にアガサ・クリスティー原作のドラマ化を手掛けたサラ・フェルプ
スは独特の解釈の脚本で予想外、以外な結末、変更を試みていました。
この点は、見解が大きく分かれるところなのですが、その点も予想しながら 今回どの様にドラマ化
されているのか興味を持って居りました。

ドラマ版は、
原作:タナ・フレンチ
脚本:サラ・フェルプス
製作;カーメル・マロニー
出演:
セーラ・グリーン:キャシー・マドックス
キリアン・スコット:ロブ・ライリー
コンリース・ヒル:オケリー警視
その他の出演



ドラマ概要は、
アイルランドの田舎町ノックナリーの森で少女ケイティの他殺体が発見される。この森では21年
前に同じくらいの年齢の少年・少女が失踪した未解決事件が発生しており、警察関係者だけでな
く、メディア、町の人も21年前の事件との関連性を疑った。ダブリン警察の刑事ロブとキャシーが
この事件を担当することになるが、ロブには事件に関わるべきではない秘密の理由があった。
周囲に事情を悟られないよう、2人は折を見て捜査から身を引くことを考えたが、ロブの心はもう
事件から離れられなくなっていた。ロブはケイティ殺害事件について調査を行いながら、過去の
事件の真相を探っていく。ロブはなぜこの事件に固執するのか?
一方、ロブ同様に秘密を抱えるキャシーは、謎の男に尾行される。
ある日、キャシーと瓜二つの女性の死体が発見される・・・。
複数の謎が交錯し、驚愕のラストが待ち受ける!
(AXNミステリー公式ページから)

一挙放送を観たと言っても、実は途中迄しか観ていません。

前半は割と原作に添った形で進められているのですが、途中で ”あれ?どうしてこう言う展開に
なるの?”と不思議に思ったのです。
が、分りました! このドラマは、原作の「悪意の森」ともう一作「道化の館」が合体し、交差
しながら一作に纏めた作り方がしてありますね。
この点は、どうなんだろう? 意見が大きく分かれるところだと思います。
兎に角、サラ・フェルプスがどの様に納めて来るのか・・・・。
最後迄観た後、これは追って書こうと思います。

原作は、

『悪意の森』タナ・フレンチ著(集英社文庫)-2009/9/18

”In The Woods”
タナ・フレンチ(著)、安藤由紀子(翻訳)

内容(「BOOK」データベースより)
うだるような夏のある日。ダブリン郊外の森の中で、少年と少女が忽然と姿を消した。あの日から
20年。同じ森の近くの遺跡発掘現場で少女の他殺体が発見される。捜査にあたった刑事のロブ
とキャシーは、少女の家族が隠し事をしていると感じる。一方、発掘隊の中にも疑わしい言動を
取る者がいた。やがて少女の姉がロブに接近し、虐待を匂わす証言をするのだが…。数々の賞
に輝く傑作登場。

森の中の少女他殺死体発見事件と、過去の少年少女失踪事件との関連を調べる刑事のロブとキャシー。
しかしそれは、ロブが自ら封印していた記憶の扉をこじ開ける作業でもあった。次第に追い詰めら
れていくロブの状態に、被害者の姉の言動が拍車をかける。壊れていくロブとキャシーの鉄壁の
チームプレイ。そして事態は取り返しのつかない方向へと進むのだった…。英米話題ミステリー、
驚愕の結末。

『道化の森』タナ・フレンチ著(集英社文庫)- 2010/12/16

”The Likeness”
タナ・フレンチ(著)、安藤由紀子(翻訳)

内容(「BOOK」データベースより)
荒れ果てた小屋で見つかった若い女性の刺殺死体。レクシー・マディソンと名乗っていたその女
性は、驚いたことにアイルランド警察の刑事、キャシーと瓜二つだった。犯人を探すため、レク
シーになりすまして被害者が暮らしていた「ホワイトソーン館」へと潜入するキャシー。
そこには四人の男女が現実離れした調和をもって共同生活を送っていた…。新人賞を総なめにし
た著者の待望の第二弾。2008年アマゾンUSエディターズ・チョイスミステリー部門第1位。

殺人事件の被害者が暮らしていた「ホワイトソーン館」に潜入した刑事キャシーは、ここに住む
学生らとの共同生活に不思議なほど馴染む。しかし、屋敷が背負う暗い歴史、周囲の村の住人と
の摩擦…そこから浮上する数人の容疑者。やがて完璧な調和を保っていた共同生活のほころび
が見えはじめ…。被害者が抱えていた暗い秘密とは?真犯人は?事件の真相が心を刺す、感動の
ミステリー。



『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』A.J.フィン著

2021-02-06 | ブックレヴュー&情報
『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』上&下 早川書房 2018/9/19

”The Woman in the Window”
A.J.フィン(著)、池田真紀子(翻訳)

内容(「BOOK」データベースより)
精神分析医のアナ・フォックスは、夫と娘と生活を別にして、ニューヨークの高級住宅街の屋敷に
十カ月も一人こもって暮らしていた。広場恐怖症のせいで、そこから一歩たりとも出られないのだ。
彼女のなぐさめは古い映画とアルコール、そして隣近所を覗き見ること―。ある時、アナは新しく
越してきた隣家で女が刺される現場を目撃する。だが彼女の言葉を信じるものはなく…。

~ ~ ~ ~ ~ ~

概要を読んだだけでも、ヒッチコックの「裏窓」を思い浮かべます。

ニューヨークのハーレムにある高級住宅街に贅沢な屋敷に1人住むアナ・フォックスは ある出
来事がきっかけのトラウマから広場恐怖症になり、10ケ月も家に閉じこもった生活を送っている。
アナの慰めはワインと古い映画鑑賞、そして ニコンD5500を使っての近所の住宅の覗き行為で
あった。

そんなアナがある日カメラ越しに近所の家で殺人事件を目撃する。
広場恐怖症であり、アルコール依存症の上に薬物の異常摂取をしているアナの言葉は 被害妄
想ではないかと警察にも信じて貰えず、又自分でも妄想の起こした事なのか自問自答し始める。

しかし、次々に不審な事が起こり始め、謎めいた隣人達、怪しげな間借り人の男などに囲まれ、
孤独と不安に怯えるアナの身にも危険が迫ってくる。

上巻はやや冗長な感も覚えるのですが、下巻でアナが広場恐怖症を病むきっかけになった事件
が明るみになり、夫と娘と一緒に住んでいない事が明らかにされる頃から驚きと共に次第に興
味が深まり俄然面白くなります。

途中迄犯人だと思い込んでいた人物が 実は・・・・。
で、思いもよらぬ人物がアナを追い詰めて行く ある種密室サスペンスの様相を帯びて来る後半
はハラハラと息もつかせぬ意外なクライマックスを迎えます。

主人公アナが何故広場恐怖症になったのか、何故夫と娘と別居する様になったのか。
アルコール依存症でもある主人公が覗き見た殺人事件は現実に起きた事なのか、彼女の妄想から
生まれた事なのか。 主人公自身と共に読者も疑いを持ちながら読む事になります。

本筋に加え、彼女の趣味であるモノクロの作品を含めた古い映画が数多く列挙されます。
懐かしく思い出す作品もあれば、観た事も無い作品も多く、この点も非常に興味をそそられます。

冒頭書きました様に、真っ先に「裏窓」を連想するのですが、後半は「暗くなるまで待って」も
思い出しました。

ある種オーソドックスなミステリで かえって新鮮な印象を受けたこの作品は、後書きに書かれ
ていて初めて知ったのですが、既に映画化されており、

”The Woman in the Window”(原題)


監督:ジョー・ライト(「つぐない」等)
脚本;トレーシー・レック(「8月の家族たち」等)
( ↑ 上記映画2本共凄く懐かしい・・・遠い目)

出演;エイミー・アダムス、ジュリアン・ムーア、ゲイリー・オールドマン他



公開は2021年予定ですが、日時は未定です(日本公開も未定)

ゲイリー・オールドマン出演となれば是非観たい作品です。

↑ 何時もとは随分違う印象なので、一瞬気付かなかった

↓ Official trailer はこちら
https://youtu.be/J0hTmzISOlQ


余談ですが、池田真紀子さんの翻訳は何時も読みやすく好きです。



『バルタザール 法医学捜査ファイル』S2

2021-02-03 | 海外ドラマ
”Balthazar” シーズン2

2019年初放送
全10エピソード

以前3月の放送予定分として書きましたドラマですが、この度放送日が発表されましたので追記
しておきます。

フランスで高視聴率を獲得!2018年ドラマ視聴率TOP10内にランキングされた話題作!
法医学者バルタザールが、鋭い洞察力と法医学で鮮やかに事件を解決していく
主人公のバルタザールは、チャーミングでハンサムなうえに、料理も上手。さらに、知的で優秀な
法医学者。一見、プレイボーイでいい加減にも見えるが、実は、妻を事件で失うという悲しい過去
を密かに抱えている。

そんな彼が、自分とは真逆の女性刑事とタッグを組み、死者と向き合いながら、優れた洞察力と
法医学を駆使して真実を追求し、鮮やかに難事件を解決していく、一話完結型のミステリードラマ。
主人公バルタザールを演じるトメル・シスレーは、多言語を操る国際派。
「ラルゴ・ウィンチ」シリーズでブレイクした、世界が注目の俳優。
(AXN公式ページより)

AXNミステリーにて、
シーズン2初放送は、
2021年3月7日(日)16;00~

その前に、シーズン1の再放送があります。
2021年3月1日(月) 11:00 am~

↓ 公式ページはコチラ
https://www.mystery.co.jp/programs/balthazar

S2 全10話エピソードは、
E1 「死のマーチ」
E2 「幽霊屋敷の秘密」
E3 「避難小屋の真実」
E4 「不運な出会い」
E5 「生死の境」
E6 「死者への恩返し」
E7 「危険なゲーム」
E8 「あり得ない殺人」
E9 「最も強い者の法則」
E10 「せん妄」

出演はS1に続き、
トメル・シスレー:ラファエル・バルタザール(優秀な法医学者)
エレーヌ・ドゥ・フジェロール:エレーヌ・バック(女性警部)
イアング・サモ:ジェローム・デルガド(バックの相棒)








S1に引き続き、バルタザールの妻殺害犯人の追及と真相解明がメインとなり、エピソード毎にサ
イドストーリーの様に別の事件を捜査するという展開になっている様です。

バルタザールの妻を殺害した犯人は見つかるのか?
”笑わない”と言われた警部バックとバルタザールの関係は?
引き続きバルタザールは妻の霊(?)を見続けるのか?
等々
色々気になり 展開が楽しみです。

S2試聴後 機会があれば感想を書こうかと・・・。

尚、
S1に関しては以前コチラに書きましたので、よろしければご参照下さい。

又、このドラマは大変人気を博したとの事で、2020年には既にシーズン3も放送されています。
日本でもなるべく早く放送して頂けると良いのですが。