『SHERLOCK』S1E0 : ”A Study in Pink” 『ピンク色の研究』 Unaired Pilot :(6)
・・・・・その(6)(間があいてしまいましたが最後です)
221Bの外の通りにはパトカーや警官たちが。
救急車の後部のステップには方に赤いブランケットを掛けられバイタルチェックのモニターを付け
られたシャーロック。(E0 では飲み物を飲んでいます)
何故ブランケットを掛けられるのかレストレードに文句を言うシャーロック。
GL:ショックを受けたからだよ。
SH: ショックなんか受けていない。
GL:ああ、だが誰か写真を撮りたがるかも。
SH:で、撃ったのは君のところの人間じゃなかったんだな。
GL:まさか。そんな余裕はなかったよ。 でもああいうヤツは敵もいるだろう。その内の一人が後を
付けたのかも知れない。それが誰にせよ我々が着いた時にはいなくなっていたし、何も出来なかっ
たよ。
SH:僕はそんな風には。
GL:そうか、言ってみろ。(と言ってコートから手帳を取り出す)今度は書き留めてやるよ。
SH:僕の部屋の壁から見つかった銃弾は拳銃で撃たれたものだ。 その種の武器であの距離から心臓
を打ち抜いた。 それがあんたの探している鋭い一撃だが、ただの強盗ではない。兵士だ。全く手が
ぶれていない。明らかに戦闘行為に慣れている。 だが、僕が危機に直面するまで撃たなかった、
だからあんたが探している男は 強い道徳的信念を持ち 恐らく軍人の経験があって鋼の精神を持
ち・・・・・
と言いかけた時 少し離れた歩道に立ちこちらを見ているジョンの姿を見つけ、真相に気付いたシャー
ロックは、動揺して言った言葉だから気にしないでくれとレストレードに告げジョンの方に歩いて行
きます。
後を追いながら「何処に行くんだ」と言うレストレードに、「家の事で相談しないと」とシャーロック。
そのシャーロックに対し、
GL:君は正しい方のクスリを選んだのか?
SH:さあね、混乱していたから分からないよ。どっちを選んだのか分からない。
GL:あいつが勝ったのかも知れないぞ。
SH:かもな。でもあいつは死んだ。
そしてジョンの方に歩み寄ったシャーロック
JW:ドノバン巡査部長が全て説明してくれたよ。 二つの…薬だって? 酷い事件だ。怖ろしい。
SH:何処なんだ?
JW:(何の事か分からない振りをしながら)何が何処だって?
SH:いいから。銃は何処にやった?
JW:ああ、えっと、テムズ川の底かな。(え?テムズ川に捨てたって? これはダメでしょ。後々
ジョンの拳銃が必要になる機会が多々あるのに・・・てな事で、E1では使われなかったですね)
SH:指についた硝煙の跡を消しておかなければ。これで服役させられる事はないだろうけど、裁判
は回避しよう。
JW:僕はタクシーの後を追いかけて、勿論警察を呼んだよ。 それでも君から目を離さない方がいい
と思ったんだ。
シャーロックはジョンをジッと見つめながら、
SH:大丈夫か?
JW:勿論大丈夫だよ。
SH:人を一人殺したんだぞ。
JW:死んでいく人を何度も見て来たー良いヤツで、友達も。もう眠れなくなるだろうと思った。
今夜は良く眠れそうだ。
SH:その通りだな。
JW:君はあの恐ろしい薬を飲もうとしていたんじゃないか?
SH:そんな訳はないよ。時間を稼いでいたんだ。
JW:いや違うね。そうやって楽しんでいたんじゃないか? 命を懸けて自分の賢さを証明して。
SH:なんでそんな事をする?
JW:バカだから。
ここでシャーロックは一瞬眉をひそめるが、やがてジョンに向かって笑みを浮かべます。
ようやく自分を理解してくれる存在を見つけたという感じで。 ジョンも微笑み返す。
(ここ好きです)
そして2人で夕食を食べに行こうとすると(中華レストランに関する蘊蓄はE1へ)、まだ質問がある
と言ってレストレードがシャーロックを呼び止めます。
JW:あ、レストレード警部、僕が知る限り彼は数日何も食べていないんです。
だからもし貴方が彼を次の事件まで生かしておきたいなら 今させるべき事は彼に食事を摂らせる
事です。
GL:で、君はいったい誰だ?(ローリンストーン・ガーデンで会っているのにすっかり忘れられて
いたジョン)
JW:僕は彼の主治医です。
SH:そしてバカなヤツだけが主治医と言い争いをする。
GL:分った。明日話を聞くからな。もう行っていい。
JW:ありがとう。
(この辺はE1には使われていなかったと思うけど、いつの間にジョンはシャーロックの主治医に
なった?(笑) で、シャーロックも異論もなくこの言葉を受け入れている。レストレードに対
する言い逃れとは云え、この辺りのセリフは好き)
と言って2人は歩き出す。
SH:で、タクシーの後をを追いかけたんだな。足が悪いのは心因性によるものだと言ったよね。
JW:分かってたよ。
SH:でも撃たれたんだよな。
JW:ああ、そうだよ肩をね。
SH:ああ!
(去って行く2人を眺めていたレストレードは、手に持った手帳の書き込んだページを破り丸めて
しまう。)
そこへお出掛けから戻って来たハドソンさんが腹を立てながら2人の元に駆け寄って来る。←この
ハドソンさん登場はE1では使われなかったシーンです)
Mrs.H:シャーロック、私の家に何をしてくれたの?
SH:貴女の家は何ともなっていませんよ、ハドソンさん。 2階に死んだ殺人犯がいるって事だけ
ですよ。
Mrs.H:死んだ何ですって?
SH:ロンドンには良い知らせ。カーペットには悪い知らせ。
そして、ブランケットをハドソンさんに押し付けてジョンと歩き出す。
SH:おやすみハドソンさん。
押し付けられたブランケットを見下ろしながら、
Mrs.H:”I'm not your housekeeper!” 私は貴方の家政婦じゃないのよ!
レストレードは立ち去っていく2人を見ながら、ドノバンに向かい、
GL:明日あの2人が必要だ。
SD:どの2人ですか?
GL:シャーロック・ホームズとドクター・ワトソンだ。
(E1ではマイクロフトが締めくくったセリフをE0でレストレードが云っています。
そして、見つめ合いながら微笑み歩み去って行くシャーロックとジョン(見つめ合い?微笑み合っ
ちゃうんですよ、もうね。 これはE1にも引き継がれていきますけどね)
ところで、些細な点ですが、E0ではレストレードがネクタイ絞めてます。
すっかり間延びしてしまいましたが、以上で終わります。
数年ぶりにじっくりパイロット版を観直してみると、E1本編で90分に尺が伸びた分、そして
伸びた分のせいばかりでは無くあらゆる面で練り込まれ完成度が高くなった事に改めて感動
させられます。
先ず、キャラクター設定に関しても、
マーティンはE0の時点でジョンのキャラクター完成している様に思えます。 安定感が素晴ら
しくがっちり相手を受け止めている様に感じられました。
一方、シャーロックはE0では未だ 頭は良いけど未熟でチョット変わった隣のお兄ちゃん風。
(可愛いんですけどね)それが本編で、エキセントリックな天才探偵としてのキャラクターが
確立され、鼻持ちならない傲慢さ、変人振りもすっかり印象付けられ、そして何と言っても
BBCの意向にも添うべく(衣装も含め)スタイリッシュでセクシーな雰囲気をより鮮明に醸し
出すようになり、これが世界中を魅了する様になったのだと感動を覚えます。
比較するために、本編E1のシャーロックとジョンを。
すっかりヴァージョンアップされたシャーロックとあまり変化はない(?)ジョン。
久々に懐かしい画像を見ながら、あの頃は良かったな~と泣きそうになりながら・・・
そして、E0では登場していなかったマイクロフト、モリアーティーの影を追加する事により、
よりストーリーに深みが出て今後の展開を期待させる要素が追加されています。
又、セット、画面構成(BGMを含め)にしても格段にヴァージョンアップされ洗練されました。
何より、今回パイロット版を観直していて気付くのは、DVDの画質が良くないのです。まぁ、
これは試作品だし、予算の関係もあったのかも・・・とは思いますが。
ただ、E1での完成度が素晴らしいのは十分分かっていながらも、このパイロット版も別の
意味で凄く好きなのです。
何より、製作陣の正典に向かい合う純粋な気持ちが表されていて観ている側にもそれが伝
わって来る様に思えるのです。が、これは個人的な思い込みなのかも知れません。
E4で色々考えさせられ、基本に戻ってのパイロット版再見でしたが グダグダと取り留め
も無く長くなってしまいました。
お付き合い頂き有難うございました。
← 『SHERLOCK S1E0』 "A Study in Pink” Pilot版 回想 (5)
・・・・・その(6)(間があいてしまいましたが最後です)
221Bの外の通りにはパトカーや警官たちが。
救急車の後部のステップには方に赤いブランケットを掛けられバイタルチェックのモニターを付け
られたシャーロック。(E0 では飲み物を飲んでいます)
何故ブランケットを掛けられるのかレストレードに文句を言うシャーロック。
GL:ショックを受けたからだよ。
SH: ショックなんか受けていない。
GL:ああ、だが誰か写真を撮りたがるかも。
SH:で、撃ったのは君のところの人間じゃなかったんだな。
GL:まさか。そんな余裕はなかったよ。 でもああいうヤツは敵もいるだろう。その内の一人が後を
付けたのかも知れない。それが誰にせよ我々が着いた時にはいなくなっていたし、何も出来なかっ
たよ。
SH:僕はそんな風には。
GL:そうか、言ってみろ。(と言ってコートから手帳を取り出す)今度は書き留めてやるよ。
SH:僕の部屋の壁から見つかった銃弾は拳銃で撃たれたものだ。 その種の武器であの距離から心臓
を打ち抜いた。 それがあんたの探している鋭い一撃だが、ただの強盗ではない。兵士だ。全く手が
ぶれていない。明らかに戦闘行為に慣れている。 だが、僕が危機に直面するまで撃たなかった、
だからあんたが探している男は 強い道徳的信念を持ち 恐らく軍人の経験があって鋼の精神を持
ち・・・・・
と言いかけた時 少し離れた歩道に立ちこちらを見ているジョンの姿を見つけ、真相に気付いたシャー
ロックは、動揺して言った言葉だから気にしないでくれとレストレードに告げジョンの方に歩いて行
きます。
後を追いながら「何処に行くんだ」と言うレストレードに、「家の事で相談しないと」とシャーロック。
そのシャーロックに対し、
GL:君は正しい方のクスリを選んだのか?
SH:さあね、混乱していたから分からないよ。どっちを選んだのか分からない。
GL:あいつが勝ったのかも知れないぞ。
SH:かもな。でもあいつは死んだ。
そしてジョンの方に歩み寄ったシャーロック
JW:ドノバン巡査部長が全て説明してくれたよ。 二つの…薬だって? 酷い事件だ。怖ろしい。
SH:何処なんだ?
JW:(何の事か分からない振りをしながら)何が何処だって?
SH:いいから。銃は何処にやった?
JW:ああ、えっと、テムズ川の底かな。(え?テムズ川に捨てたって? これはダメでしょ。後々
ジョンの拳銃が必要になる機会が多々あるのに・・・てな事で、E1では使われなかったですね)
SH:指についた硝煙の跡を消しておかなければ。これで服役させられる事はないだろうけど、裁判
は回避しよう。
JW:僕はタクシーの後を追いかけて、勿論警察を呼んだよ。 それでも君から目を離さない方がいい
と思ったんだ。
シャーロックはジョンをジッと見つめながら、
SH:大丈夫か?
JW:勿論大丈夫だよ。
SH:人を一人殺したんだぞ。
JW:死んでいく人を何度も見て来たー良いヤツで、友達も。もう眠れなくなるだろうと思った。
今夜は良く眠れそうだ。
SH:その通りだな。
JW:君はあの恐ろしい薬を飲もうとしていたんじゃないか?
SH:そんな訳はないよ。時間を稼いでいたんだ。
JW:いや違うね。そうやって楽しんでいたんじゃないか? 命を懸けて自分の賢さを証明して。
SH:なんでそんな事をする?
JW:バカだから。
ここでシャーロックは一瞬眉をひそめるが、やがてジョンに向かって笑みを浮かべます。
ようやく自分を理解してくれる存在を見つけたという感じで。 ジョンも微笑み返す。
(ここ好きです)
そして2人で夕食を食べに行こうとすると(中華レストランに関する蘊蓄はE1へ)、まだ質問がある
と言ってレストレードがシャーロックを呼び止めます。
JW:あ、レストレード警部、僕が知る限り彼は数日何も食べていないんです。
だからもし貴方が彼を次の事件まで生かしておきたいなら 今させるべき事は彼に食事を摂らせる
事です。
GL:で、君はいったい誰だ?(ローリンストーン・ガーデンで会っているのにすっかり忘れられて
いたジョン)
JW:僕は彼の主治医です。
SH:そしてバカなヤツだけが主治医と言い争いをする。
GL:分った。明日話を聞くからな。もう行っていい。
JW:ありがとう。
(この辺はE1には使われていなかったと思うけど、いつの間にジョンはシャーロックの主治医に
なった?(笑) で、シャーロックも異論もなくこの言葉を受け入れている。レストレードに対
する言い逃れとは云え、この辺りのセリフは好き)
と言って2人は歩き出す。
SH:で、タクシーの後をを追いかけたんだな。足が悪いのは心因性によるものだと言ったよね。
JW:分かってたよ。
SH:でも撃たれたんだよな。
JW:ああ、そうだよ肩をね。
SH:ああ!
(去って行く2人を眺めていたレストレードは、手に持った手帳の書き込んだページを破り丸めて
しまう。)
そこへお出掛けから戻って来たハドソンさんが腹を立てながら2人の元に駆け寄って来る。←この
ハドソンさん登場はE1では使われなかったシーンです)
Mrs.H:シャーロック、私の家に何をしてくれたの?
SH:貴女の家は何ともなっていませんよ、ハドソンさん。 2階に死んだ殺人犯がいるって事だけ
ですよ。
Mrs.H:死んだ何ですって?
SH:ロンドンには良い知らせ。カーペットには悪い知らせ。
そして、ブランケットをハドソンさんに押し付けてジョンと歩き出す。
SH:おやすみハドソンさん。
押し付けられたブランケットを見下ろしながら、
Mrs.H:”I'm not your housekeeper!” 私は貴方の家政婦じゃないのよ!
レストレードは立ち去っていく2人を見ながら、ドノバンに向かい、
GL:明日あの2人が必要だ。
SD:どの2人ですか?
GL:シャーロック・ホームズとドクター・ワトソンだ。
(E1ではマイクロフトが締めくくったセリフをE0でレストレードが云っています。
そして、見つめ合いながら微笑み歩み去って行くシャーロックとジョン(見つめ合い?微笑み合っ
ちゃうんですよ、もうね。 これはE1にも引き継がれていきますけどね)
ところで、些細な点ですが、E0ではレストレードがネクタイ絞めてます。
すっかり間延びしてしまいましたが、以上で終わります。
数年ぶりにじっくりパイロット版を観直してみると、E1本編で90分に尺が伸びた分、そして
伸びた分のせいばかりでは無くあらゆる面で練り込まれ完成度が高くなった事に改めて感動
させられます。
先ず、キャラクター設定に関しても、
マーティンはE0の時点でジョンのキャラクター完成している様に思えます。 安定感が素晴ら
しくがっちり相手を受け止めている様に感じられました。
一方、シャーロックはE0では未だ 頭は良いけど未熟でチョット変わった隣のお兄ちゃん風。
(可愛いんですけどね)それが本編で、エキセントリックな天才探偵としてのキャラクターが
確立され、鼻持ちならない傲慢さ、変人振りもすっかり印象付けられ、そして何と言っても
BBCの意向にも添うべく(衣装も含め)スタイリッシュでセクシーな雰囲気をより鮮明に醸し
出すようになり、これが世界中を魅了する様になったのだと感動を覚えます。
比較するために、本編E1のシャーロックとジョンを。
すっかりヴァージョンアップされたシャーロックとあまり変化はない(?)ジョン。
久々に懐かしい画像を見ながら、あの頃は良かったな~と泣きそうになりながら・・・
そして、E0では登場していなかったマイクロフト、モリアーティーの影を追加する事により、
よりストーリーに深みが出て今後の展開を期待させる要素が追加されています。
又、セット、画面構成(BGMを含め)にしても格段にヴァージョンアップされ洗練されました。
何より、今回パイロット版を観直していて気付くのは、DVDの画質が良くないのです。まぁ、
これは試作品だし、予算の関係もあったのかも・・・とは思いますが。
ただ、E1での完成度が素晴らしいのは十分分かっていながらも、このパイロット版も別の
意味で凄く好きなのです。
何より、製作陣の正典に向かい合う純粋な気持ちが表されていて観ている側にもそれが伝
わって来る様に思えるのです。が、これは個人的な思い込みなのかも知れません。
E4で色々考えさせられ、基本に戻ってのパイロット版再見でしたが グダグダと取り留め
も無く長くなってしまいました。
お付き合い頂き有難うございました。
← 『SHERLOCK S1E0』 "A Study in Pink” Pilot版 回想 (5)