goo blog サービス終了のお知らせ 

The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『刑事モース~オックスフォード事件簿』 S6 英国放送開始

2019-01-31 |  ∟新米刑事モース/主任警部モース
”ENDEAVOUR” : S6

(4エピソード)

いよいよシーズン6の英国放送開始日が発表されました。
2019年2月10日 ~との事。
ネット上連日盛り上がって来ています。

上に載せたのは先日発表されたS6のポスターです。
レトロ感と雰囲気のある素敵なポスターですね。
 
↑ 街中にはこんな風に大々的に・・・。

S6はどんな風な展開になるんでしょうね。
まぁ、いずれにしても日本放送は暫らく待たなければならないでしょう。

放送開始発表と共にitvはItrailerもリリースしたのですが、これが残念な事に日本では再生でき
ないんです。口惜しい!
で、ほんの一部だけ観る事が出来ましたので、取りあえず画像だけですが。
色々妄想してしまいます。












(source : itv, endeavourneverland & etc.)

サブタイトル(?)の ”THE GAME HAS CHANGED”。 新たな展開があるんでしょうね。

モースのヒゲだったり、制服組になっていたり、あれや、これや・・・・。 う~ん、どうなる
んだろう。
そして、このフレーズを見て、『シャーロック』S4の時の ”IT'S NOT A GAME ANYMORE” を思い
出してしまいました(又もや遠い目)

日本放送は又もや字幕版が遅れる事になるんでしょうねぇ。 やっぱりDVDかなぁ?

ところで、何時の頃からか、何処のチャンネル放送時からなのか不明ですが タイトルの”新米”
が無くなりましたね。
まぁ、確かにもう”新米”ではないし、もともと”新米刑事”というタイトルが如何なものか・・・と
感じていたものですが、この際拙記事でも”新米”を外す事に致します。

それにしても、紛らわしいですね。
オリジナルモース”Inspector Morse” は『主任警部モース』だし、”Endeavour”が『新米刑事
モース』→『刑事モース』となり、こんがらがってしまいます。
私はオリジナルモースの頃から見て居りましたので、より混乱します。

早くも次のシーズンは?なんて話題も出ていますが、兎に角日本での放送なるべく早くお願いし
たいもんです(字幕版で!←又!)

trailerが観られるようになりましたら又ご紹介致しますね。


映画 『ヴィクトリア女王 最後の秘密』

2019-01-24 | 映画
”Victoria and Abdul”

2017年 イギリス、アメリカ合作作品

2018年(第75回)ゴールデン・グローブ賞 主演女優賞(ミュージカル/コメディー部門) ノミネート
2018年( 第90回)アカデミー賞 衣装デザイン賞・メイクアップ&ヘアスタイリング賞 ノミネート
その他多くの賞を受賞、ノミネートされた作品です。

監督:スティーブン・フリアーズ
製作:ティム・ビーバン、エリック・フェルナー、ビーバン・キドロン、トレイシ―・シーウォード
原作:”Victoria and Abdul” シャラバニ・バス

キャスト:
ビクトリア女王 : ジュディ・デンチ
アブドゥル・カリム : アリ・ファザル
バーティー : エディ・イサード
モハメド : アディール・アクタル
ヘンリー・ポンソンビー : ティム・ピゴット=スミス
ソールズベリー侯爵 : マイケル・ガンボン



『Queen Victoria 至上の恋』(←因みに観ていませんが)に続き20年振りに二度目のヴィクトリア女王
を演じるのは名優デイム・ジュディ・デンチ。 スティーブン・フリアーズ監督とは『あなたを抱きしめ
る日まで』に続き再びのタッグを組んだ作品。





ヴィクトリア女王とインド人使者との交流を描いた、史実に基づいた作品です。
最愛の夫と従僕を亡くし、孤独から心を閉ざした女王ヴィクトリアと英領インドからやって来た使者ア
ブドゥルとの身分や年齢を超越した深い絆を描いていて、その事を快く思わない周囲の人々を巻き込み
王室を揺るがす大騒動へと発展してしまう。

女王が愛した離宮「オズボーン・ハウス」が初めて撮影に用いられ、華やかな衣装、壮麗な王宮の様子、
史実を元に細部までこだわった映像が素晴らしいと言われています。
ユーモラスな場面や会話にも富み、何と言ってもジュディ・デンチですから貫禄と安定した演技は見逃
せないでしょう。

↓ ヴィクトリア女王とアブドゥルの肖像画です

(via Scroll.in)

日本公開日は2019年1月25日(但し公開劇場が限られている様なので、多分観に行けないだろうな~泣)
従って、又もやDVD頼みになりそうですが、既に発売されています。
但し、リージョン2版です。


↓ trailerはこちら
https://youtu.be/UGZ3GFPbAbo

この予告編を観るだけで、ウルウルしてしまうのです。


尚、2019年はヴィクトリア生誕200年となるそうです。


そう言えば、ヴィクトリア女王繋がりで・・・
BBCドラマ『女王ヴィクトリア 愛に生きる』のシーズン3は既に英国で放送開始になっています
が、日本放送は何時になるんでしょう?
何てったって、新シーズンはローレンスのパーマストン卿を観なくっちゃ!ですもん。
放送首を長くしてお待ちしています。
てな訳で、ドサクサ紛れの一枚を。










リチャード・マッデン主演『メディチ』:配信になります

2019-01-20 | 海外ドラマ
Medici: Masters of Florence

(source : Hulu公式ページより)

リチャード・マッデン主演のドラマ 『メディチ』のシーズン1がHuluで配信されることになったそう
です。

このドラマは、伊英合作のドラマで、2016年にシーズン1(8エピソード)、2018年にシーズン2(8エピ
ソード)放送され、イタリアでは過去2年で最も視聴率を稼いだと言われる大ヒットとなったそうです。

中世イタリアの華麗なる一族であり、ルネッサンス文化を育てた事でも有名なメディチ家を主題にした歴
史ドラマ。
又史実にはない”ジョバンニ・ディ・メディチ暗殺事件”の謎を描く歴史ミステリーともなっている様です。



出演者が豪華で、

リチャード・マッデン:コジモ・ディ・メディチ
ダスティン・ホフマン:ジョバンニ・ディ・メディチ
アナベル・スコーリー:コンテッサ・ディ・メディチ
ブラッドリー・ジェームズ:ジュリアーノ・ディ・メディチ




リチャード・マッデンは『ゲーム・オブ・スローンズ』でロブ・スタークを演じて一躍脚光を浴び、映画版
『シンデレラ』、新しくは『ボディーガード』等に出演している旬な俳優さんです。





又、ダスティン・ホフマンは随分久し振りなんですが、渋い良い味出してますね。流石存在感があるなぁ・・と。
ブラッドリー・ジェームズは個人的には『マーリン』のアーサーで目を付けた(?)イケメンさんで,その後『ダ
ミアン』の主演もしていました。

圧倒的なスケールで描いていると言われたこのドラマ、楽しみに待って居りました。

Huluでは、
2月13日(水)から独占配信スタート
毎週水曜日に1話ずつ追加配信予定

↓ 日本語版trailerはこちら
https://youtu.be/FnUXMthXCMw


尚、S2にはショーン・ビーンも出演しているとのこと。 スターク親子共演!!
是非S2も配信して頂く様お願いしたいところであります。

因みに、

DVDはS1のみ発売になっている様です(もしかしてS2も出ているかな?・・・)
取りあえずPAL版のみですが

そう言えば・・・、
『ボディーガード』の日本放送はどうなっているんでしょう?
何処かのチャンネルで放送して頂けるのを首を長くしてお待ちしているんですけど。






『憂鬱な10か月』イアン・マキューアン著

2019-01-17 | ブックレヴュー&情報
”Nutshell” Ian McEwan

『憂鬱な10か月』: 新潮クレスト・ブックス 2018/5/31
イアン・マキューアン(著)、村松 潔(翻訳)

内容紹介
わたしは逆さまになって、ある女のなかにいる――。胎児が語る人間たちの世界。誕生の日を待ち
ながら、母親のお腹のなかにいる「わたし」。その耳に届く、愛の囁き、ラジオの音、そして犯罪
の気配――。胎内から窺い知る、まだ見ぬ外の世界。美しい母、詩を愛する父、父の強欲な弟が繰
り広げる、まったく新しい『ハムレット』。サスペンスと鋭い洞察、苦い笑いに満ちた、英国の名
匠による極上の最新作。

内容(「BOOK」データベースより)
誕生の日を待ちながら、母親のお腹のなかにいる「わたし」。胎盤を通して味わうワイン、ポッド
キャストで学ぶ国際情勢、そして父ではない男が囁く愛の言葉と、ある不穏な計画―。胎内から窺
い知る、まだ見ぬ外の世界。美しい母、詩を愛する父、父の強欲な弟が繰り広げる、まったく新し
い『ハムレット』。サスペンスと洞察が冴える極上の長篇小説。

マキューアンの作品は初めて読みました。
実は、約2年以上前にベネディクトの主演でマキューアン原作の”The Child in Time” 『時間の中の
子供』が製作されると発表された時 原作を読まねば!と思い立ったものの どうも先に進まずそ
のまま脱落したままになってしまいました。
同様に、セント・オービンの「パトリック・メルローズ」もDVDを観ただけで、結局最初の意気込み
は脆くも崩れ去り、原作本には手が出ないまま・・・。
結局重い内容の作品は気力、体力が十分で無いときは手が出ないって事なんでしょうね。

今作は、何気なく興味を持って手に取った本がたまたまマキューアンであったという事でして特に
意図した訳ではなかったんですが、いや~不思議な作品です。

原作のタイトル”Nutshell” は”胡桃の殻”。
冒頭にも記されている様に ハムレットの『たとえ胡桃の殻に閉ざされていても・・・」というセ
リフにもある。
日本語のタイトルは、ハムレットのジレンマである”憂鬱”と 胎児が体内に居る期間”10か月”と
を結びつけた意訳なのだろうと推察できます。

内容紹介にもある様に、この作品の語り手「わたし」は胎児です。 これだけでも十分に珍しい設
定なのですが、この胎児が語る物語りは正にハムレットの構図そのもの。

訳者あとがきにもある様に、マキューアンは自作の為に徹底したリサーチを行う作家として知られ
ているとの事ですが、この作品に関してはその様な徹底したリアリズムから離れて頭の中に浮かん
でくる空想に身を委ねたのだと云います。

語り手の胎児の若く美しい母親は詩人である夫を追い出し、愛人と不倫をしているらしい。
そして、胎児は二人の語りから怪しげな陰謀(父親を殺す)が企てられている事を知る。 同時に
この愛人が何と父親の弟(胎児の叔父)である事にも気付く。

この胎児の知識、情報量は半端なく、これは全て母親が聞いているラジオ、ポッドキャストからの
情報で、国際情勢から文学(シェイクスピア、ジェイムズ・ジョイス、ジェーン・オースティン等
の文学を愛好するとんでもない知識量を持っています。

美しいけどだらしのない母親(胎児は父や叔父の言葉から推測しています)は2週間後に出産とい
う時期にも拘わらずワインやウィスキーをがぶ飲みする。それに対して不満を持ちながら胎盤を
通して味わう「わたし」はワインの銘柄にもソムリエの様に蘊蓄を傾ける。
たまに自分の意志を表するためにお腹の中から「蹴り」を入れたりする(笑)

そんなとてつもなく思慮深く、悟りを開いているかのような「わたし」は母と伯父による父親殺害
計画を知りながら阻止する手立ても無く、正に手も足も出ない状態であれこれと思い悩む。
挙句の果てには、生れ出ても里子に出されるのではないかと怯え、生まれてからの不幸せを想像し、
「生まれるべきか、生まれざるべきか・・・」と憂い、遂にへその尾を首に巻き付けて自殺しよう
としたりする。

若く美しいが何となく自堕落で夫の弟と不倫を続けながらとてつもない汚部屋に住む母親、妻と弟
の不倫を知りながら妻を訪れ詩を朗読して聞かせる売れない情けない父親、愚かで金儲けだけを考
える叔父、と「わたし」を取り巻く大人たちは情けない。
ジッとお腹の中で耳をすませ感覚を研ぎ澄ませながら「わたし」はアームチェアディテクティブの
様に外界を洞察し事態を動かす決心をする。

長々続く「わたし」のモノローグは深淵でありながら笑いを誘われるのです。

時に憎みながら たとえ犯罪をおかしても揺ぎ無い未だ見ぬ美しい母親への憧憬と揺ぎ無い愛情は,
「わたし」が男の子であるからのという由縁でもあるのでしょう。

そしてそんな母親を救うために胎児が最後に行動を起こします。
そして、
生まれたばかりの「わたし」は母とじっくり見つめ合い、「この顔の中に全世界がある、とわたし
は思った。美しくて、愛情にあふれていて、人殺しをしかねなかった」母の顔。 
何と深い言葉で締めくくられているのか、やられましたね。

この作品は何にカテゴライズされるのだろう? 洞察が冴え、サスペンスにも満ちていて、ある種
のユーモアも感じる不思議な作品でした。
最初に少し不安を感じたにもかかわらず、一気に読み終わりました。
(ただし、好みは分かれるかも知れませんが・・・・)