『ワニの町へ来たスパイ』(創元推理文庫)-2017/12/11
”Louisiana Longshot”
ジャナ・テリオン(著)、島村浩子(翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
潜入任務で暴れすぎたために、敵から狙われる身となった超凄腕CIA秘密工作員のわたし。ル
イジアナの小さな町で、自分と正反対の女性になりすまし潜伏するつもりが、到着するなり保安
官助手に目をつけられ、住む家の裏の川で人骨を発見してしまう。そのうえ町を牛耳る老婦人た
ちに焚きつけられ、しかたなく人骨事件の真相を追うことに……。
型破りなミステリ・シリーズ第一弾。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
このところ複雑でジックリ読まなければならないミステリを続けて読んでいたせいか 少々脳が
疲れて来た為、気分転換と脳を休ませる意味で軽い作品を選びました。
初読みの作家さんです。
コージーミステリ系は余り好みでは無かったので ほんの軽い気持ちで選んだ作品ですが、これ
がなかなかの拾い物でして、思わず一気読みしてしまいました。
主人公は語り手で、凄腕のCIA秘密工作員のレディング(通称”フォーチュン”)。
潜入先で武器商人でドラッグの元締めを殺してしまった為、報復の為殺し屋たちから命を狙われ
ることになってしまった。
CIAの長官モローは、フォーチュンに身を隠すように指示。
モローの姪で最近亡くなった大叔母アイダから家を相続したサンディー=スー・モローになりす
まし、ルイジアナの田舎町シンフルで静かに暮らすように指示。
ところが、サンディーと云う女性は性格も外見もフォーチュンとは正反対、似ても似つかぬ女性
らしいので、ヘアースタイルから着る物に至るまで変装して現地に向かうフォーチュン。
シンフル(sinfull=罪深い)という町は、バイユーと呼ばれる濁った川が流れ、周りを湿地に囲ま
れアリゲーターが人家のそば迄出没するという 人口300人にも満たない田舎町。
町に到着早々保安官助手に目を付けられるは、家で飼われていた老犬が敷地内のバイユーで人骨
らしきものを見つけるは、早速騒動に巻き込まれることに。
骨を見つけた犬の名前は”ボーンズ”、フォーチュン曰く「1日24時間のうち23時間は寝ている」と
いう老犬(この犬もなかなかと和ませてくれる)。
そんなフォーチュンはちょっと変わったおばあちゃん2人に出会う。
町を仕切っているらしい”シンフル・レディース・ソサイエティ”という怪しげな婦人会のメンバー
であるアイダ・ベルとガ-ティー・ルパート、そして亡くなったアイダもメンバーであったという。
5年程前にハーベイ・チコロンという町の嫌われ者が姿を消し、行方不明になっていたが、見つ
かった人骨がそのハーベイではないかというアイダとガ-ティー。
もしそうであれば、資産家であったハーベイに虐待を受けていた妻のマリーが犯人ではないかと
心配する町の人々。
そして、そのマリーは行方をくらましている。
特におばあちゃんたちは町の人たち皆から好かれていたマリーを気遣い、マリーの行方探しと
真犯人を見つける為に捜査開始。
密かに身を隠していなければならないフォーチュンも嫌が応にもドタバタに巻き込まれていく。
2人のおばあちゃん達はただの無害なおばあちゃん達では無さそう。
特にアイダ・ベルは一発でアリゲーターを仕留める、コルベットを乗り回す、等パワフルさを
発揮するのです。
本編最後に彼女たちの過去が示され、成程ね・・・と納得。
このおばあちゃん達は本国アメリカでは大人気で、インターネット上ではTシャツやマグカップも
売り出されているとか。
兎に角痛快で思わずクスッとさせられたりしながらも、しっかり犯人捜しのミステリにもなってい
る元気を貰える作品でした。
アメリカ南部、ルイジアナの雰囲気も楽しめます。
又、翻訳がこの作品の内容、テイストにとても上手く合っていて雰囲気を盛り上げていると感じま
した。
「ミス・フォーチュン・シリーズ」は本書を含み既に10作品発表されており、、アイダ・ベルと
ガ-ティーも引き続き登場するそうです。
2作目は、
『ミスコン女王が殺された』”Lethal Bayou Beaty”
3作目は
『生きるか死ぬかの町長選挙』”Swamp Sniper”
の2作も既に翻訳出版されています。
相変わらず鬱々とした日々が続くこんな時、楽しく気分転換出来る作品です。
”Louisiana Longshot”
ジャナ・テリオン(著)、島村浩子(翻訳)
内容(「BOOK」データベースより)
潜入任務で暴れすぎたために、敵から狙われる身となった超凄腕CIA秘密工作員のわたし。ル
イジアナの小さな町で、自分と正反対の女性になりすまし潜伏するつもりが、到着するなり保安
官助手に目をつけられ、住む家の裏の川で人骨を発見してしまう。そのうえ町を牛耳る老婦人た
ちに焚きつけられ、しかたなく人骨事件の真相を追うことに……。
型破りなミステリ・シリーズ第一弾。
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
このところ複雑でジックリ読まなければならないミステリを続けて読んでいたせいか 少々脳が
疲れて来た為、気分転換と脳を休ませる意味で軽い作品を選びました。
初読みの作家さんです。
コージーミステリ系は余り好みでは無かったので ほんの軽い気持ちで選んだ作品ですが、これ
がなかなかの拾い物でして、思わず一気読みしてしまいました。
主人公は語り手で、凄腕のCIA秘密工作員のレディング(通称”フォーチュン”)。
潜入先で武器商人でドラッグの元締めを殺してしまった為、報復の為殺し屋たちから命を狙われ
ることになってしまった。
CIAの長官モローは、フォーチュンに身を隠すように指示。
モローの姪で最近亡くなった大叔母アイダから家を相続したサンディー=スー・モローになりす
まし、ルイジアナの田舎町シンフルで静かに暮らすように指示。
ところが、サンディーと云う女性は性格も外見もフォーチュンとは正反対、似ても似つかぬ女性
らしいので、ヘアースタイルから着る物に至るまで変装して現地に向かうフォーチュン。
シンフル(sinfull=罪深い)という町は、バイユーと呼ばれる濁った川が流れ、周りを湿地に囲ま
れアリゲーターが人家のそば迄出没するという 人口300人にも満たない田舎町。
町に到着早々保安官助手に目を付けられるは、家で飼われていた老犬が敷地内のバイユーで人骨
らしきものを見つけるは、早速騒動に巻き込まれることに。
骨を見つけた犬の名前は”ボーンズ”、フォーチュン曰く「1日24時間のうち23時間は寝ている」と
いう老犬(この犬もなかなかと和ませてくれる)。
そんなフォーチュンはちょっと変わったおばあちゃん2人に出会う。
町を仕切っているらしい”シンフル・レディース・ソサイエティ”という怪しげな婦人会のメンバー
であるアイダ・ベルとガ-ティー・ルパート、そして亡くなったアイダもメンバーであったという。
5年程前にハーベイ・チコロンという町の嫌われ者が姿を消し、行方不明になっていたが、見つ
かった人骨がそのハーベイではないかというアイダとガ-ティー。
もしそうであれば、資産家であったハーベイに虐待を受けていた妻のマリーが犯人ではないかと
心配する町の人々。
そして、そのマリーは行方をくらましている。
特におばあちゃんたちは町の人たち皆から好かれていたマリーを気遣い、マリーの行方探しと
真犯人を見つける為に捜査開始。
密かに身を隠していなければならないフォーチュンも嫌が応にもドタバタに巻き込まれていく。
2人のおばあちゃん達はただの無害なおばあちゃん達では無さそう。
特にアイダ・ベルは一発でアリゲーターを仕留める、コルベットを乗り回す、等パワフルさを
発揮するのです。
本編最後に彼女たちの過去が示され、成程ね・・・と納得。
このおばあちゃん達は本国アメリカでは大人気で、インターネット上ではTシャツやマグカップも
売り出されているとか。
兎に角痛快で思わずクスッとさせられたりしながらも、しっかり犯人捜しのミステリにもなってい
る元気を貰える作品でした。
アメリカ南部、ルイジアナの雰囲気も楽しめます。
又、翻訳がこの作品の内容、テイストにとても上手く合っていて雰囲気を盛り上げていると感じま
した。
「ミス・フォーチュン・シリーズ」は本書を含み既に10作品発表されており、、アイダ・ベルと
ガ-ティーも引き続き登場するそうです。
2作目は、
『ミスコン女王が殺された』”Lethal Bayou Beaty”
3作目は
『生きるか死ぬかの町長選挙』”Swamp Sniper”
の2作も既に翻訳出版されています。
相変わらず鬱々とした日々が続くこんな時、楽しく気分転換出来る作品です。