The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

『スタートレック』新シリーズ:『スタートレック:ディスカバリー』

2017-07-30 | 海外ドラマ
”STAR TREK : DISCOVERY”『 スタートレック:ディスカバリー』新シリーズ


自分だけ情報を得ていなかったからかもしれませんが、チョット驚きました。
「スター・トレック」の最新シーズン 「スター・トレック:ディスカバリー」”Star Trek : Discovery”
が制作され、今年2017年 秋にスタートします。
TV版としては久々の感があります。

最新シリーズは、オリジナル”Star Trek Original”「日本放送時タイトルは”宇宙大戦争”」の約10年前
の時代設定になっているとの事。

これまで、”Star Trek : The Next : Generation”「新スタートレック」、”Star Trek : Space Nine”
「スタートレック、ディープ・スペース・ナイン」、”Star Trek : Voyager”「スタートレック:ヴォイ
ジャー」、”Star Trek :Enterprise 「7」”「スタートレック:エンタープライズ」等放送されてはいます
が、 オリジナルの「宇宙大戦争」放送から50年経っている訳ですよね。
シリーズの映画作品としては、1979年公開の「スター・トレック」から、2016年公開の「スター・トレック
BEYOND」までの13本あります。
ただ、個人的には「スター・トレック」と言えば すなわち「宇宙大戦争」に外ならず ワタクシにとっては
カーク船長(ウィリアム・シャトナー)、スポック(レナード・ニモイ)が一番記憶に残っているドラマでして、
その後の作品は一応見てはいましたが あまり良く覚えていません(ボケ)。
正統派トレッキアンやトレッキストとは言えませんので あくまでも個人の好みかもしれませんが。

↓ やっぱこれでしょ!


↓ 歴代艦長



映画版も全部ではありませんが一応観ております。
が、J.J.エイブラムス版はSFXや特撮を駆使した余りにもド派手な作りに驚きはしましたが、自分の
持っている”スタートレック”とは異なる作品の様に感じてしまっていました。「スタートレック・イントゥ・
ダークネス」は別格(カーン重視ですから!)ですが・・・・
J.J.の映画版に比べるとオリジナル版は確かに古臭い印象なのかもしれませんけど、SFXも無く特殊撮影で
頑張っているマッタリ感というか長閑感というか・・・が良いんですね。


今回の久々TVドラマ新シリーズはどうなるのでしょう?
キャストは :
ディスカバリー号の船長(ロルカ) ; ジェイソン・アイザックス
少佐 : ミッシェル・バーナム : ソネクア・マーティン=グリーン
サレック(スポックの父親) : ジェームス・フレイン
シェンチョウ号船長(ジョージオン) : ミシェル・ヨー
等で、
USSディスカバリーの副長ミシェル・バーナムにスポットライトが当てられている様です。
『スターウォーズ』と同じく、こちらも女性視点になるのでしょうか。

シーズン1は計15話からなり、2017年9月24日からアメリカCBSで放送開始予定。
アメリカ、カナダ以外の全ての国に於いては Netflixで配信予定。日本では9月25日から配信予定と
なっている様です。
Netflix契約していないからな~・・・・(涙)

trailerはこちら

https://youtu.be/JsYu9jsmlHc
映像はTVドラマとは思えない映画版の様なクオリティーになっている様です。

USSディスカバリーの機体デザインに関しては賛否両論。

レトロでありながら奇抜すぎるとか・・・(何か矛盾している様な気も)

↓ クリンゴン・・・え?クリンゴン?? これが~? 


↓ サレック(スポックのパパ)


予告編に関して色々取りざたされた時 オリジナル版でスールーを演じていたジョージ・タケイ氏の
コメントが載っていました。

http://dramanavi.net/news/2017/06/post-6152.php

オリジナル版で思い出したのですが、カーク船長ですっかりお馴染みになっていたシャトナーさんは
数年前「ボストン・リーガル」で見た時凄い貫禄(?)でビックリしたもんですが 86歳になった今も
矍鑠としていらっしゃる様です。
スポックのニモイさんは残念ながら2年程前に逝去なさいましたっけ。

trailerを見る限り『スタートレック』のカラーではない様にも感じるのですが、 取りあえず本編を
観てから・・・ですね。
何時観られるのかしら???







SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (最後です)

2017-07-26 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」 追記&Review(2)


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
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・・・・・追記とReview (2)

前回も書きました様に、一旦S4で終了と考えた場合、これまで放送されたエピソードに触れられ
ていた事で今回も未だ解明されていないままになって事項が幾つか残っています。

例えば、


◎ S2E3 シャーロックのバーツからのフォール :
結局ジョンにもどうやったのか方法は話していないフォールの真相。 アンダーソンに話した事が
正解なのだろうけど、アンダーソン自身も語っていた様に彼に真相を話す訳は無いだろうとしなが
らも結局うやむやのまま。


◎ “MISS ME ?”  : S3E3の最後電波ジャックされて映し出されたモリアーティの顔とこの
フレーズは、あの当時モリアーティの生きているのではないか?残党或はモリアーティの兄弟に
よるものではないかと論争の的になっていて、メアリーではないか? 果てはシャーロックを呼
び戻すためのマイクロフトの操作なのでは? 等の意見も出ていたのですが、結局S4を観る限り
ユーロスによるものだと考えられます。
ただ・・・あのエピソード制作時はユーロスは念頭になかったと言うモファティス。 あの時点
ではどう決着つけるつもりだったんでしょう??


◎ 「忌まわしき花嫁」の飛行機の中で出ていたマイクロフトの手帳に書かれていた文字、
”Redbeard「赤ひげ」”に関してはE4で明らかにされ一応の決着がついた訳なのですが、もう一つ
気になる”Vernet”の文字。 この点が今回触れられていませんでした。 どういう意味を持って
いたのでしょうか?

それと、S4E1でシャーロックに会おうとしなかったジョンがモリーに託したメモ。
あの中身は何が書かれていたのか・・・当然「君の手助けだけは要らない」って事なんだろうけど
これも気になる。


◎ S4E3で最も気になった221B爆破時、シャーロックとジョンがかすり傷1つしていなかった不思議。
こ の点は、ゲイティス氏が説明しているのですが、窓から飛び出した2人はスピーディーズの日よけ?
天幕?の上に落ち、滑り落ちて着地。 よって怪我ナシ・・・・ですって。
ただ、これを話しているゲイティス氏が悪戯っぽい顔で冗談めかして話している様なので はぐらか
しだと思うんですけどね。
そして、この点は早速ファンからダメ出しされていまして、下の画像の様に指摘されています。
  



(大分前の事でネタ元さん紛失しました。スミマセン!)

何といっても窓ガラスを割って飛び出さなければならないし、飛び出した角度から丁度日よけの
上に落ちるのは無理がある。
百歩譲って、日よけの上に落ち滑り落ちたにしても、この画像から見ても分かるように ジョンの
側は外れている。
等々で、あのシーンは無理がありましたですよ(笑)
昨年末予告編であの爆破飛び出しシーンを見た時には笑っちゃいました(スミマセン)

英国放送直後からさかんに言われていた『ボンド化』に関しても、製作陣は特に意図した訳では
無いと弁明していますが、 派手なアクションシーン(長い!)、ヘリやスポーツカーでのこれ
また派手なシーン、AGRAの大使館突入シーン、シェリンフォードの内部、等々
初見でも「あれ?私は何を観ているの?」と感じる程 スパイアクションドラマを見ている様に
感じたのは確かです。
勿論、正典のホームズもボクシングやバリツ(!)に秀でていて、時にこれを駆使する場合も
ありました。
そう言えば、先日グラナダ版「美しき自転車乗り」(だったと思う)を見ていたのですが、この
作品の中でホームズはボクシングで問題の男をブチのめすシーンがありました。この場合はカッコ
いい、スカッとする以外の何物でもなく、勿論ストーリー展開に必要欠くべからざるシーンであった
と感じました(話が逸れました)

余談ですが、ヘリコプターと言えば、
モリアーティがシェリンフォードに到着した時乗っていたヘリ そして、シャーロックがユーロス
に会いに行く時にも、あれ? 既視感!





機体番号”G-VGMG” : 思い出しました!!
S3E3 ”His Last Vow” で シャーロックとジョンが乗っていたマグヌッセンのロゴ入りヘリ(これ
はこの後マイクロフトが乗っていた機体とも同じ)と同じ機体でした。使いやすいのか、気に入って
いるのか、それともレンタル料が安いのか(暴言)← どうでも良いトリビアでした(汗)

これまでも新しいシーズンが放送される度に 常に色々と細かい考察や制作者が思ってもいない様
な点に関する追及がなされてきました。(自分も含めでですが・・・)
しかし、常に”シャーロック愛”が前提になっているが為の熱意、盛り上がりであったと思います。
S1を制作した時点で、製作者は想像していなかった様な全世界的な熱狂、反応を得た為、その事に
よるプレッシャーも感じていたであろうし、次の作品を書く当っても前作を越えなければならない
とのより強いプレッシャーもあったでしょう。
であるから、S1,S2では念頭にもなかった様な奇抜で派手な展開にしなければ・・・と感じたのかも
知れない。 S4の内容は特に最初から練られた計画では無く、全て後から矛盾しない様に意味づけ
ているので、シーズンを通しての伏線であったと言うのは無理があり、説得力に欠けたと感じます。

S1とS2は本当に素晴らしかったし、ワクワクさせられのめり込んだのですが、何度も繰り返すよう
にS3でのテーマ、カラーの急激な変更に戸惑わされ悩み込んだモノでした。
その頃でしょうか、モファット氏がインタビューで(だったと思うのですが)言っていた言葉、
”It's not a detective show, It's a show about a detective”「これは探偵物語ではない。探偵
物語だ」を見て、首を捻ったのです。
当初の意気込みと制作方針を語っていた時と方向転換していた様に感じたのです。
S3を観て、この言葉が良く分かりました。 
変わって来たのです。 そして、今回のS4です(怒、泣)!
「シャーロック・ホームズ」を扱う限り、パスティーシュであれ、パロディーであれ 常に正典を
リスペクトし、念頭に置かなければならないのは当然だと思うのです。
そして、ホームズ、ワトソンは基本的に常に長年ファンに愛されたキャラクターであって欲しいと
考えるのは当然だと思うし、ストーリーも正典を踏襲しつつ「お約束」を盛り込みながら 推理、
謎解き、冒険、boys の友情、絆の物語であって良いのだと思います。
これは、ホームズ&ワトソンの設定年齢、時代設定に係わらず一貫して守られなければならない
テーマなのだと感じています。


S4に関して、出演者達がどの様に感じていたのでしょう? 
ベネディクトもマーティンも過去のシーズンでも何時も模範的な感想を述べているし、出演者が作品
に関してネガティブな意見は述べる筈はないのは当然の事だとは思います。
が、
今回ルイーズの事に触れていたブロガーさんがいらして、

 
これは3月の時点ですので、この後観たのかも知れませんが、何となくルイーズの複雑な心境を表して
い居る様な気がしました。

S4の放送後 モファット氏はEW誌のインタビューがS4に関して、又S5に関して語っています。
「もしS5があったとしても、戻って対処しなければならない事柄はない」と断言しています。

http://ew.com/tv/2017/01/16/sherlock-showrunner-season-4-finale/

約6年前に”A Study in Pink”を観て「シャーロック」沼に嵌り込み、それ以来子供の頃から好き
だったシャーロック・ホームズに改めて注目する様になり、正典の読み直し、グラナダ版の観直し、
そしてその他関連映画、小説等あらゆるホームズ関連作品に手を広げまくりました。
再度ホームズの世界に浸れ、楽しませてくれる機会を与えて貰えた事に関してはBBC版に巡り合えた
事を感謝しています。(なんか追悼文みたいになっちゃいました。 グスン・・・)


長々書き続けてきましたが いずれ又「シャーロック」に会えることを期待しつつ終わらせて頂きます。
(取りあえず。?)

何時の日にか2人のこんなシーンが又観られるます様に!











1月の初見時、少なからずショックを受け、特にE3に関してはとても書く気になれ無かったので自粛しようか
と思いつつ、余りにも胸に溜まるものが多く結局書き始めたら予想以上にダラダラ長くなってしまいました。
お付き合い頂き有難うございました。

暫らく放心状態に陥るかも知れませんが、今後は再度初心に返ってS1に回帰しようと思います。
(性懲りもないヤツ!)





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→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem”:ユーロスと真賀田四季 & etc





SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (9)

2017-07-23 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」 追記&Review (1)


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
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・・・・・追記とReview (1)

日本放送前に散々ネタバレを書いて置きながら 何を今更なのですが(汗) 最後の纏めと
感想追記は放送後にしようと思っていた為 間が空いてしまっていました。
昨晩「最後の問題」の放送が終わりました。 皆様どの様な感想をもたれましたでしょうか・・・・

今回は書き残した事等色々振り返りながら追記させて頂きます。

大変ひつこいのですが、S4は何度観直しても納得できないし、特にE3”The Final Problem”に
至ってはもうストーリー展開も無理やりだし説得力にも欠け、重箱の隅を突くまでもなくアチコチ
突っ込みどころ満載の感があります。
個人的な思いかも知れませんので、反論を承知で列記させて頂きますね。(結局重箱の隅を
突いていますが)

S4はE1でメアリーにフォーカスが当った「メロドラマ」、E2はカルバートン・スミスとの対決が芯に
なる筈の展開にも拘らず メアリーの影を引きずりながらジョンとシャーロックの対立に偏り、
E3ではジョンとシャーロックの関係は元に戻りつつも、ユーロスという存在が明らかになった為
彼女によって引き起こされる家族の問題。 過去の因縁等ユーロスフォーカス。
とは言いつつ、E2はS4の中ではシャーロックらしい点も感じられ割に好きな内容ではありました。


S4のどのエピソードも当初の様なワクワクする様なジョンとシャーロックの冒険、シャーロックが
導き出すドキドキする様な推理、謎解き、又ジョンと紡ぎだす友情等を楽しむ内容とは全く異なる
方向に向かっていました。
当初からモファティスが言い続けていた「人間としてのシャーロック」、「シャーロックの成長」は確
かに表されていたのかも知れないが、これまでダークに過去を抉り出し、それに元ずくシャーロック
の成長と言うのは必要だったのだろうか?
これも何度も繰り返して言い続けていたのですが、シャーロック(シャーロック・ホームズ)は普通の
人間である必要はないと思うし、情に流され 推理も儘ならず 天才である探偵である姿が薄れて
しまっています。
確かに、ユーロスによって封印されていた過去がシャーロックの性格を作り出したと言う点、そして
そのトラウマから解放され その後はその前の様に感情を十分に表す人間味豊かな性格に戻った・・・
という導き方はモファティスの意向であろうとは思うものの S4で突然人格が変わってしまったかの
様な居心地の悪さばかりが残ります。
過去のシーズンでは全く想定もされていなかった突然の妹(ユーロス)の存在に強引に結び付けられ
ていくように感じます。

S3迄全く影もなかったユーロスが何故突然姿を現すのか?
5年前にモリアーティーと会わせた事がきっかけになったとしても、いきなりシャーロックを標的にし
始める不自然さ。
モリアーティーの死が引き金になったとしても、それから考えても3年以上経っていた訳なので今回
ユーロスがいきなり行動を起こした直接の原因は納得できない事の1つ。

又、マイクロフト、ジョンと共にシェリンフォードを訪れてからの3人の行動も全く不可解。
ユーロスに先導されるままにシャーロック、マイクロフト、ジョンが人の命を懸けてゲームを強要される
点に関しては、たとえ飛行機に乗っている少女の命が掛かっているとは言え、何故あれ程疑問も抱か
ず3人が言われるままに無辜の人、大切な友人や兄弟を殺す指示に従う事になるのか・・・・ これは
多分ユーロスに洗脳されているからと考えなければ納得できない展開です。
大切なロージーがいるにも拘らず、自分が兵士になって犠牲になろうとするジョン(ロージーの”ロ”
の字も浮かんでいない様子)

又、飛行機の少女の存在に関しても、シャーロックは最初から少しも疑問を抱かずユーロスに聞かされる
電話の声だけでその存在を信じ込んでいる。モリアーティが絡んでいると気付いたからにせよ この点も
説得力に欠ける様な気がするのです。
そして、この少女は声だけ(ユーロスがしゃべっている訳だけど)で その姿や機内の状況はシャーロック
の想像の産物である訳で、シャーロックは、「ベルグレーヴィア」の”死者のフライト”、”221Bに相談しに
来た姉妹”からの連想であの少女の姿を思い描いていたのだと思われるが・・・・

 
そして、誰でも洗脳するというユーロスの力から考えると たった5分間の面会で影響を受け、洗脳された
のはモリアーティの方ではなかったのか?
其の為、モリアーティはユーロスが人の命を懸けて3人を操ったと同じ様に、”The Great Game”「大いなる
ゲーム」で同じように人の命を懸けたゲームをシャーロックに仕掛けて来た。
但し、簡単に人を殺してしまうのはユーロスの方が数枚上手でサイコパス度は超ド級で後味が悪い。

S4でシャーロックの人間らしさを必要以上に出そうと言う描き方は未だに納得できないと感じますが、”人間
らしさ”をより表面に出したのはマイクロフトの方であった様な気がします。
これまで冷徹な官僚主義に徹した何を考えているのか分からなかったマイクロフトがS4ではちょっとした春が
訪れかけたり、必要以上に弟を心配する、家族を気に掛ける、冷たい外見とはうらはなな人間らしさを出して
いました。 そして、シャーロックからさえも「彼は自分で思っているほど強い人間ではない」と言われる程。
S1で初めて登場して以来シャーロックとマイクロフトの兄弟関係は常に危機感をはらんでいたしギスギスした
関係であった様に思うけど、突然に兄弟で思い合う様になってしまった。
尤もマイクロフトに関しては「忌まわしき花嫁」の終盤でシャーロックに対する想い、気掛かりを表し、ジョン
にシャーロックの事をよろしく頼むとさえ言っている。 この時もやや唐突感を感じたのだけど、シャーロック
の身に関する危機も予感させられられたことも事実。 これがS4に上手く繋げられたのかも知れませんけど。 

最初にも書きましたが、”The Final Problem”「最後の事件」は正典中モリアーティとホームズがライヘンバッハ
の滝に落ちて死亡した作品で、このプロット自体はS2E3 ”The Raichenbach Fall”「ライヘンバッハ・ヒーロー」
に引用されてしまっていた訳です。 
では、今回”The Final Problem”「最後の事件」での”The Final Problem”とは、何を意味したのだろう?
と考えた時、結局シャーロック自身の問題だったのだという事は観終わった後に腑に落ちました。
昨年末、勿体ぶった様になかなか公表しなかったE3のタイトルとして、この”The Final Problem”が発表された
時、正直 あ、これで一旦シャーロックを終わらせるのだな・・・と感じていました。
E4を観終わった時点で猶更この感が強まり たとえE5の可能性があるとしても当分は無理だと感じさせられました。
ベネディクトやマーティンのスケジュール、モファティスのスケジュール等の関係もあるかとは思いますが、
E4放送直後の反響(色々ありました)も今後の動向に影響するのではないかと思います。
これまで何時も次のシーズンの可能性と共に、何時になるのか、どういう内容になるのかと それだけが楽し
みで過ごしてきたものとしては本当に残念でなりませんが(この先どうやって過せばいいんでしょう・・・)、
今回の内容を見る限り たとえ次の可能性があるとしてもこれまでの様に2年後はあり得ないとして もう少
し長い冷却期間を置いて新たな形、というかS1の時の方向性に戻り何時の日にか新たな作品をで作って貰え
たらなあと考えています。 ホント寂しいですけど。

終りを感じさせる点のもう一点は、色々な項目、セリフを過去のシーズンに関連、リンクさせて納めている。

例えば、既に書いたS1E1のシャーロックとジョンの初登場シーンの挿入、レストレードのシャーロックに関する
”good man” 表明以外にも、

◎ S3E2 ”The Sign of Three”「三つの兆候」の中、ジョンの結婚式でマイクロフトが唐突に口に出した
”Do you remember Redbeard ?”「赤ひげを覚えているか?」に、シャーロックが ”I'm not a child anymore”
「もう子供じゃないんだ」と言った時、最初思ったのは”赤ひげ”が海賊だと。
つまり、シャーロックが子供の頃赤ひげという名の海賊が出るお話が怖かったのではないかと・・・(この事は
以前も何度か書いた記憶がありますが)。因みに”赤ヒゲ”という名で呼ばれる海賊は実在します。 オスマン
帝国の提督ハイレッディン・バルバロッサが赤髭と呼ばれた海賊と言われています。
この点は、E3でマイクロフトが言っていた様に、ふとしたきっかけの言葉でシャーロックの記憶の状態を確かめ
ていた・・・にリンクする。


◎ S3E3 ”His Last Vow”「最後の誓い」の中で、メアリーに撃たれたシャーロックがマインドパレスの中で
見たのが犬の「赤ひげ」。 ここで、「赤ひげ」は犬であったのか・・・と思わされたのですが、この時シャー
ロックは、”Hello, Redbeard. They're putting me down too, now. It's no fun, is it?”「やあ、赤ひげ皆は
僕の事も殺そうとしているんだよ。 面白くないよね」と言っていた時、あの時点ではシャーロックが子供の
頃可愛がっていた犬「赤ひげ」は安楽死させられたのではないかと思っていた事。 
これが、今回のトレヴァー即ち赤ひげの死ににリンクすることになる。


◎ S2E1 ”A Scandal in Belgravia”「ベルグレーヴィアの醜聞」の終盤、マイクロフトがジョンに”Initially
he wanted to be a pirate”「元々はシャーロックは海賊になりたがっていたんだよ」とチョット寂しげに言って
いた事。
 
これは、E1の「サマーラの死神」をシャーロックが脚色して自分なりの解釈では商人が海賊になって無事生き延びた
と変えていた。 子供の頃から海賊ごっこをして遊んでいた・・・などにリンクさせている。

◎ E4E1冒頭から何度も出て来た”水”がオーバーラップする点。
これは最初意味が分からなかったのですが、E3でユーロスが言っている様にヴィクター・トレバーが水死した事に
発する ”deep water”絡みである事が分かります。


 
そして、”The Great Game”のブールのシーンも元をただせばシャーロックが自分の最初の事件であったと言っていた
カール・パワーズがプールで死亡した件に遡り、ライヘンバッハの滝の決闘、そしてメアリーが死亡した水族館 等
全て”水”に関連付けるように誘導しています。

ただ、この点に関しても 「シャーロックの人生には常に深淵”水”が関わっていた」と言われても、唐突感が
あり、あれ?そうだったんですか?・・・としか思えないのに、この強引な後付けに収められてしまっています。

これら全て過去シーズンに関連付けて終結、完結させている。 ある意味見事と言わざるを得ない様な纏め
方をしています(皮肉を込めて) 
過去のシーズンの脚本を書いている時点では予見されていなかったであろう事が、S4でのシナリオありきで
全て振り返り後付け、収束されている事を感じさせられます。
無理やり納め込んだ消化不良の様な居心地の悪さも感じてしまったのです。


相変わらずダラダラ続きますが、次回で終わらせます。(まだあるの?)





・・・・・to be continued です。





← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (8)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (最後です)






『Dr. Who』 13代目ドクター発表

2017-07-18 |  ∟Doctor Who
7月16日 BBCは”Dr. Who”の13代目ドクターを発表しましたね。

ウィンブルドンの後発表された様で 昨日はネット上かなり盛り上がっていました。

これまでも次のドクターは女性になるのではないかと囁かれていたのですが、やっぱり、と言うか、
恐れていた様にと言うか・・・・

結局 ジョディ・ウィッタカーに決定したという事です。

既に戸惑いとか賛否両論吹き荒れていますね。







↓ こちらが初登場チラッとの予告編
https://youtu.be/q1IczjLYCIM

今迄色々取りざたされていた下馬評には一度も名前が出ていなかった女優さんです。
この女優さんは あれ?何処かで見た事が・・・と思ったら、『ブロードチャーチ』に出演していた方
でした。

↑ こちらが『ブロードチャーチ』の時。 髪の色が違うので大分イメージ変わって見えます。

S10の制作をもってスティーブン・モファット氏が降板し、S11からはクリス・チナブル氏にが制作
総指揮を務める事になっています。このチナブル氏が『ブロードチャーチ』の制作・脚本を手掛け
ていた訳ですから お馴染みさんを起用したという事なんでしょうか?

ドクター・フー史上初の女性タイムロードになる訳ですが、何ともピンと来ないのですよ。
流石の国民的長寿人気ドラマも陰りが出てきていた所で 一気にイメージチェンジ、人気回復を
狙ったのかもしれませんが、奇をてらった感じを受けるだけの様な気もします。
偏見と予断で決めつける事は出来ないのですが、今のところ今ひとつ・・・って感じです。
「ブロードチャーチ」組で纏めるならば テナント・ドクター復活を~!!と心の中で叫びましたが、
こればっかりは可能性皆無ですわね。 もう残念。
こうなったら、コンパニオンにカッコいいイケメンさんでもキャスティングしてくれればなぁ、と再び
心の声(ミーハー!)

個人的には テナント版が最高だったと感じているし、スミス版も可愛かった。偏った見方かも知れま
せんが、「ニュー・ジェネレーション」で終わったな・・・と言う感じも受けます。

兎に角、13代目新ドクターは 今年12月放送のクリスマス・スペシャルで初登場となる様です。


~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

尚、『ブロードチャーチ』に関しては、昨年少し触れていますので興味がおありでしたら
覗いてみて下さいマセ。

http://blog.goo.ne.jp/ocicat0306/d/20160829

http://blog.goo.ne.jp/ocicat0306/d/20160901






『シャーロック・ホームズの事件簿(芸術家の血)』ボニー・マクバード著

2017-07-17 | ブックレヴュー&情報
”Art in the Blood - A Sherlock Holmes Adventure”/Bonnie Macbird

ボニー・マクバード著 日暮雅通訳
ハーバーBOOKS  2016年10月発行

シャーロック・ホームズのパスティーシュです。

半年ほど前に読み、一応感想を書き留めていたのですが、「シャーロック」S4に係っきりだった
ので遅くなってしまいましたし、一部記憶違いがあったりするかもしれませんが その点はお見
逃し下さいマセ。

先ず、作者のボニー・マクバードですが、
長らくハリウッドで映画に係り脚本家、プロデューサー、原案者、女優というマルチタレント
であり、この作品を執筆するにあたり英米仏のシャーロッキアン達と交流して大物研究家達の
協力を得、それがこの作品を信頼できるものとしていると言える(日暮氏解説による)ロス
アンゼルス在住であるが、本書の大部分をロンドン ベーカー街にあるホテルで執筆したと言
われる。 又1982年のSF映画『トロン』の原案、原作者としても知られるとの事です
(本書中より)

又、この作品に出て来る歴史上の人物、場所、事項等、又その他本編に関するエピソード等は
下記サイトからご覧になれます。

http://macbird.com/

又訳者の日暮雅通氏に関しては、
日本で屈指のシャーロッキアンであり日本シャーロック・ホームズ・クラブ、ベイカーストリー
トイレギュラーズの会員。 正典翻訳も手掛けていらっしゃる事でも良く知られています。

本作品は、ホームズに関しては エレガントでウィットに富んだジェレミー・ブレット、精力的な
ボヘミアンであるロバート・ダウニーJr., 尊大に見えて傷つきやすいシャーロックのベネディクト・
カンバーバッチ。ワトソンはハンサムで危険な雰囲気のジュード・ローと暖かさとひょうきんさを
備えたマーティン・フリーマン、マイクロフトはマーク・ゲイティスにインスピレーションを得たと
書かれて居ます。 ただ、筆者自身としては正典の雰囲気に勝って欲しいとも書かれています。
(筆者謝辞から引用)

1888年のホームズの語られざるもう一つの事件。
ベイカー街221Bにパリから1通の手紙が届いた。二重仕掛けになった文面には、失踪した10歳の息子
を捜してほしいという切羽詰まった女性の訴えが。子供の父親が別件で美術品窃盗の疑いがある曰
くつきの伯爵と知り、ホームズとワトスンは一路パリへ。すぐにこれがただの失踪事件ではないと
気づき──子供の失踪と国際的な美術品窃盗、その周囲ではびこる謎の連続殺人。全ての事件は
やがて繋がりを見せる!
(本書案内から引用)

(以下一部ネタバレております)
結婚してベーカー街を離れていたワトソンが久し振りに訪れた時ホームズは 切り裂き魔の事件に
係り留置所に入れられた後コカイン漬けになっており ボヤ騒ぎまで起こしていた。
(冒頭は「瀕死の探偵」及びBBC版S4を彷彿とさせる様な出だしです)。
そこへパリのラ・ヴィクトワールと言う女性から失踪した息子を探して欲しいという依頼が
あり 捜査の為ワトソンと共にパリへ向かう事になるのですが、この時新婚のメアリーが「母親を
訪ねる為留守にしている」と言う設定はチョット引っかかります(メアリは天涯孤独の筈)、が・・
これはご愛敬として・・・(意味不明) 

実は子供の父親は美術品窃盗の疑いがある伯爵であり、子供はラ・ヴィクトワールから引き取られ
父親と本妻の元で暮らしていたという経緯があった。
子供の失踪と国際的美術品窃盗、それに続き殺人事件と混迷を極め フランス人探偵ヴィドックと
対立、翻弄されるホームズ。
黒幕の犯人は誰か・・・と最後まで引っ張られます。
瀕死の重傷を負ったり その後又酷い怪我をするなど災難なホームズですが、その都度甲斐甲斐しく
世話をしたり、心から心配する様子のワトソンが良いんです。 

正典の重厚な時代背景は若干希薄である様にも感じましたが 背景描写も丁寧に描かれています。
ホームズ物としては珍しく激しい格闘シーンもあり(この点もBBC版S4を彷彿とされますねぇ)
又ホームズが依頼人である絶世の美女 ラ・ヴィクトワールに惹かれている(のかも知れない?)
様子も珍しく マイクロフトとの関係もBBC版を彷彿とさせます。

理性的、頭脳明晰でありながら 自分勝手で我儘気ままなホームズですが、この作品では殺人事件の
被害者を守れなかった事で自分を責めて落ち込んだり、 嫉妬心や苛立ちも見せてくれる人間味溢
れる魅力的なキャラクターとして描かれている様に思います。
(この位の人間味表現なら良いと思うんだけど・・・意味深)
そのホームズを気遣いながら行動を共にするワトソンの友情が感じられて良いな~と・・・
BBC版もこうあって欲しい!

全体を通してテンポは良いし、何よりベネディクト/シャーロックのテイストが色濃く出ている様で、
この点をとっても好ましい(個人的に)作風でした。
筆者もかなりBBC版に思い入れがあるらしく ”SHERLOCK”のセットを訪問したり、制作会社のハーツ
ウッドフィルムから台本を読ませてもらったと記しています。
そんな点からもBBC版とのシンクロ、オマージュ(どちらが先か?)或は お互いにインスパイア
し合っている様にも感じさせられるんでしょう。

最後になりましたが、この作品のタイトル「芸術家の血」”Art in the Blood” 言わずもがな
ではありますが、正典「ギリシャ語通訳」でホームズが語った言葉からの引用です。
But, none the less, my turn that way is in my veins, and may have come with my grandmother,
who was the sister of Vernet, the French artist. Art in the blood is liable to take the
strangest forms.”
「僕の血管を流れる才能はもしかすると僕の祖母から来たものかもしれない。フランスの芸術家の
ベルネの妹だ。芸術家の血というものは奇妙な形態をとりがちだから」
作品中冒頭でもこの言葉がそのまま引用されています。
そして又ベルネの兄の絵がルーブル美術館に展示されている事も記されています。

(余談ですがSHERLOCK ”The Abominable Bride”の中では マイクロフトの手帳にこの”Vernet”
が書かれていました。 S4ではこの点には触れられていなかったので あれはどういう意味だった
のだろう? シャーロックとユーロスの関連性を暗示しているのか? いまいち不明です )

パスティーシュとしてはかなり気に入った作品になりました。
本シリーズは三部作との事ですが 次作 ”Unquiet Spirits”も予告されています。
これからも楽しみに待ちたいという気持ちになりました。



~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~



少し気分転換をして頭を冷やしましたので、次は改めて「シャーロック」S4、「最後の事件」の感想
追記をグダグダと続けます。







SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (8)

2017-07-13 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
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・・・・続きです(その8)


マイクロフトの執務室にホームズ一家が揃っています。

ユーロスが生きていることを知ったホームズ母がマイクロフトを責め、問い詰めています。

「何故そんなひどい事が出来たのか」に、ルディー伯父さんに言われ それが出来る一番の事だと考えたと
言うマイクロフトに、「娘は死んだと言ったじゃない」と怒って言うホームズ母に「彼女がどんな風になっ
てしまったか知らせるより良いと思ったからだ。 許して欲しい」と弱々しく説明するマイクロフト。
ホームズ父は、「彼女がどんな風になってしまったのであれ、今どんな風であれ私達の娘である事は変
わらない。」と言うと「そして私の妹だ」とマイクロフト。


それまで部屋の隅で俯いたまま腕組みをしてジッと聞いていたシャーロックは「兄さんは最善を尽
くしたんだ」 と静かに言います。 ホームズ母は「それじゃ彼は力不足って事なのね」
ユーロスの居る場所を聞く父に、彼女はシェリンフォードに戻された。保護されている。大勢の人
間が死んだ。機会さえあれば間違いなく再び人を殺す。2度とあそこを出る事は出来ないのだと
話すマイクロフトに、今すぐ会わせろと言うホームズ父。
マイクロフトによれば ユーロスは誰ともコミュニケーションを取ろうとしない。 何を言っても届か
ないのだと言います。
 
”You were alsways grown-up”「貴方は何時も思慮深かったわよね」と母に言われたシャーロック
(シャーロックには何をすればいいか分かってるわよね・・・って意味?)


この言葉のせいか シャーロックはヴァイオリンを手にヘリコプターでシェリンフォードに向かい 
監禁されているユーロスの部屋に向かいます。
何の反応も見せないユーロスの前でヴァイオリンを弾きはじめるシャーロック。

何度も通い続けヴァイオリンを弾き続けるシャーロックに、ユーロスも次第に反応を見せ始めヴァ
イオリンを手に取りシャーロックに合わせて2重奏を奏で始める。


221Bでは、

爆破ですっかりメチャメチャになった部屋の片付けが始まっている。
シャーロックとジョンは次々部屋の中を元の状態に戻していきます。

ジョンの自宅では、
届いた封書に入っていたディスクを手に取りながら電話をしているジョン「こっちに来てもらった方
が良い」(相手はシャーロック?)

今回は ”MISS ME ?”では無く、”MISS YOU”「 貴方に会いたい」と書かれたディスクは又メアリーから届いた
物でした。
訪れたシャーロックと共にメアリーのメッセージを見るジョン。


”PS”『追伸』で始まるメアリーのメッセージは、


『私は貴方たちの事が良く分かっているわ。 もし私が死んだら2人がどんな風になってしまうか
も分っている。 何故なら私は貴方たちの本当の姿を知って居るから・・・』 




『事件を解決してハイになるジャンキー』・・・

(ここで、S1E1 ”A Study in Pink”で最初にシャーロックが登場したシーン(死体袋を逆さまに覗
いている姿)のフラッシュバック)

『戦争から戻り切れない医者』・・・

(これも”A Study in Pink”で孤独なジョンが戦争のトラウマで悪夢を見て飛び起きるシーンのフラッシュバック)

メアリーのメッセージが流れる中、221Bの片付けは続いています。
片付けが進むなか シャーロックは自分の椅子に座りメールを送っています。

”You know where to find me. SH” 「僕が何処に居るか分かっているだろう」
(これも S1E1 ”A Study in Pink”で記者会見中のレストレードにシャーロックが送ったメッセージ
です。 これをアイリーンに送っているのでは?と言う意見もありましたが、やはりこれはレストレード
と考えたいですね。 すべてS1に繋げている訳ですから・・・)

部屋の中を全て元道りに戻す2人。



再び壁に黄色のペイントでスマイルマークを書き込むジョン、S1E3 “The Great Game”「大いなるゲーム」
で銃を撃った場所へ再び打ち込むシャーロック(又ハドソンさんを怒らせるのに)、
暖炉の上の書類、手紙にナイフを刺す。 等々
シャーロックとジョンは日常を取り戻したような様子で事件も捜査中。

場面の途中にパラパラとメアリーのメッセージが挿入されています。

『全ては伝説、物語、冒険になるの
絶望した人、解決されない事、迫害された人達にとって最後の逃げ場所、
誰でもが気持ちを表せる最後の法廷、
人生が訳分からなくなった時、不可解になった時、恐怖におののいた時、必ず最後の希望がある。
誰もがそんな状況に陥った時、むさ苦しいフラットで言い争いをしながら座っている2人の男が居る。
今迄もそうであった様に、そしてこれからも必ず・・・
私が知る最高で最も聡明な人達、My Baker Street boys. Sherlock Holmes and Dr. Watson』・・・
(ここで最後に言われている、”The best and wisest men I have ever known”(ここでは複数に
なっていますが)は、正典”The Final Problem”「最後の事件」でライヘンバッハの滝で死亡し
たと思われたホームズに対してワトソンが述べる最もよく知られた有名なセリフ”I shall ever
regard as the best and the wisest man whome I have ever known”『彼ほど最高の友であり
尤も理知的な人間を今迄知り得た事はない』を踏襲しているのですが、他の他のホームズ作品に
も必ずと言って良い程引用される言葉で あくまでもワトソンのホームズに対する気持ちを表
した大切なセリフなんです。 なので、ここでメアリーにこのセリフを使って欲しくなかった
と言うのが個人的な気持ちなんですが・・・。 又このセリフは S3E1の”The Empty Hearse”
の地下鉄の中で死を覚悟したジョンがシャーロックに告白した時も “You were the best and
the wisest man I have ever known”と引用されていました。
しかしながら、何故ここでタイミングを見計らったようにメアリーからディスクが届くのか???
この為当初、”メアリーは生きている”説も出た位です。 誰かが頼まれていた? 良く分からん!
です。)


221Bでは、
シャーロックは何時もの様にジョンと共に推理を始めています。

ここで腹話術人形が出ているのですが、これが何処からかの引用であるのかどうか不明。
踊る人形が書かれた黒板もあります。

(これは言わずもがなですが、正典”The Dancing Men”「踊る人形」の踏襲で、正典に書かれている
通りですし、グラナダ版の絵とも良く似ています)

↑ これが正典にある人形図

↑ こちらがグラナダ版の人形図



ハドソンさん、レストレードも元どうり。モリーも微笑みながら訪れている(シャーロックがどの様に説明し
モリーを納得させ 許しを得たのか・・・兎に角元の姿に戻ったモリー。)
シャーロックとジョンは2人でロージーをあやしながら・・・・


一方、ホームズ両親もマイクロフトと共にシェリンフォードを訪れ、シャーロックとユーロスがヴァイ
オリンの二重奏をするのを見守る。

(このデュエット曲のタイトルは ”Who you really are” だそうです。意味深なタイトル)




ホームズ母がマイクロフトの手に優しく手を伸べる姿は彼女が息子のした事を許したという事なんでしょう。

そして再び冒険の日々に戻る2人。

最後に2人並んで走り出してきた(バットマン&ロビンスタイルと言われています)場所に”Rathbone 
Place”と言うプレートが掛けられています。

これは、最初にシャーロック・ホームズ像を決定的にしたと言われるBasil Rathborne「ベイジル・ラスボーン」
に敬意を表してと言う事なのでしょう。
(※ ベイジル・ラスボーンはアメリカでは最高のホームズ俳優と称せられ 1939年~1946年に14作品のホームズ
ドラマに出演しています。 確かに正典に描かれているホームズの姿には一番近い様な気もします。 全作品は
観ていないのですが、何作品か観た事はあります。

プロットはオリジナルの物もありますが、ホームズのキャラクターは(ワトソンのキャラクターも)一貫して
ブレが無かったと思います。 ラスボーン版を敬愛するならばこの姿勢も重視して欲しかったと思われてなり
ません)

これで一応E3「最後の事件」の概略は終わります。
もやもや、イライラ等スッキリしない思いが溜まっていますので、この後、未だ色々追加がありますので(あるんかい?)
又々続けますので 懲りずにお付き合い頂ければ嬉しいです。





・・・・・to be continued です



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→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (9)





SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (7)

2017-07-09 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。

続きを書く前に、
昨晩、ようやくE1「6つのサッチャー」の放送がありました。 皆様首を長くしてお待ちになっていた事でしょうね。
私もこのエピソードを書いて以来数カ月観ていなかったので 是非観ようとは思ったものの吹き替え版は殆ど見る事
が無い為迷っていました。
でも結局見始め やはり違和感が拭いきれずウダウダ迷っていてやっと気づきました。 
そうそう 音声切り替えにすれば良いんだ。 てな事で英語版で日本語字幕付きに変えやっと落ち着いてみる事が出
来ました。 吹き替え版の方がお好みの方もいらっしゃるとは思いますが・・・・
で、字幕版あるいは吹き替え版で見れば少しはこれまで感じていた感想が変わるかも知れないと期待もしたのですが
結局最初の印象が変わる事はありませんでした、残念ながら。

普段は夜はPCタイム終わりなのですが、昨晩はチョット気になり放送直後ブログチェックしましたところ ビックリ
して腰が抜けそうになりました。 多分少しはご訪問頂く数が増えるとは思っていたものの これ程までとは予想も
していなかったのですが、放送終了直後一瞬にして閲覧数が200を突破するのを見ていて 唖然、茫然、信じられない
思いでわが目を疑い 怖い位でした。 今朝も早朝から凄いアクセス数を頂いて又驚いています。
シャーロックの人気が健在であった事が嬉しかったと同時に、皆様がどの様な感想をお持ちになったのかも気になる
ところです。
本当に多くの皆様にご訪問頂き拙文をお読みいただき心から感謝しております。 
この場でお礼を申し上げます。

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話を戻しまして、
・・・・続きです(その7)


フラッシュバックの幼いシャーロックが赤ひげを呼んでいるそばで幼いユーロスは飛行機のおもちゃ
で遊んでいます。

黄色い海賊帽子を被った幼いシャーロックはアイリッシュセッターの傍で楽しそうに遊んでいます
が、ユーロスの声は、「貴方は混乱して自分に良い解釈に変えていたの」と言うと、フラッシュ
バックの中の犬はシャーロックと同じくらいの年齢の男の子に変わり(赤毛でアイパッチをして
いる)

シャーロックと海賊ごっこをしている。 ユーロスは一緒に遊びたそうにしているが仲間に入れ
ず1人飛行機のおもちゃを持ち2人の周囲を走り回っている。


井戸の中のジョンが手に持っていたのは子供の物と思われる頭蓋骨だった。


ユーロスの話を聞きながらその頃の事を思い出し始めたシャーロックは、「ヴィクター。ヴィクター・
トレバーだ」辛そうに呟きます。

「僕たちは海賊ごっこをしていた。僕が”黄ひげ”(黄ひげってのも何だか変ですが、Yellowbeardです)
そして、彼が・・・”赤ひげ”だった」と、遂に赤ひげの正体を思い出します。
(※ ”ヴィクター・トレバー”は正典”The Adventure of the Gloria Scott”「グロリア・スコット号
事件」に登場するホームズが大学生時代の唯一の友人とされる人物の名前)
「貴方たちは何時も一緒だった。私も一緒に遊びたかったのに」と言うユーロスに、「何てことだ!」と
言いながらすすり泣くシャーロック。

「一体何をしたんだ」と言うシャーロックの脳裏にヴィクターが井戸の底で助けを呼んでいる姿が浮かぶ。


幼いシャーロックは彼の名前を呼びながら草むらを探し回っている。
ユーロスはヴィクターを井戸に置き去り見殺しにした。 シャーロックは辛い記憶にあるヴィクターを
犬にすり替えていたという事。
弱々しくヴィクターの名を呟くシャーロックにユーロスは、貴方の人生、貴方の夢には常に深い水 ”deep
waters” があったと言うと フラッシュバックでプール(S2E3”The Great Game”でモリアーティと
初対決をした場所)、ライヘンバッハの滝(ヴィクトリア朝「忌まわしき花嫁」でモリアーティと対決した)
等が浮かび上がります。



(と、ここでビックリ、唖然としました。あの プールやライヘンバッハ迄関連付けちゃいますか。明ら
かに強引とも思える後付けだと思うのですが・・・)
(※、”deep waters”と言えば、元々は正典”The Adventure of The Specled Band”「まだらの紐」に
あるホームズの言葉であり、「忌まわしき花嫁」でも”Deep waters, I shall have to go deeper still”
「深い厄介な事態だ。さらに深く潜っていかないと」と言う形で踏襲されていました。
この場合は比喩ではなく 井戸に関連する”水”のままの意味になるのか)

(涙を流す幼いシャーロックと今のシャーロックの顔にも水がオーバーラップします)

シャーロックは、「君が僕の親友を殺したんだな」と言うと、ユーロスは”I never had a best friend.
I had no one”「私には親友なんかいなかった。 1人も」
再びフラッシュバックの中で 大人になったシャーロックの周りを幼いユーロスが「一緒に遊んで、シャー
ロック、一緒に遊んで」と言いながらおもちゃの飛行機を持って走り回っています。



打ちひしがれた様なシャーロックに、ユーロスは再び”No-one”と云います。
その時シャーロックの脳裏に、子供の頃遊んでいたお墓に書かれていた奇妙な文字が浮かびます。No-oneを
表すNEMO HOLMESの墓石)


NEMO
n. [nee-moh]
Latin - no one, nobody


外に走り出すシャーロックに又少女の声が。「今パズルを解いているんだ。パズルを解くことが飛行機を
救う事になるんだ」と言い お墓の中を走りながらあちこちからヒントになる数字を拾い出しそれを基に
ユーロスの歌の言葉と照合しながら暗号解析をします。
I ... am ... lost ... Help ... me ... brother ... Save ... My ... Life ... Before ... my ... Doom.
I ... am ... Lost ... Without ... your ... love ... Save ... My ... soul ... seek ... my ... room.
私は行くべき道に迷っている
お兄ちゃん助けて
貴方の愛がないと
私の魂を救って
私の部屋を探して




「私の部屋を探して」迄解明したでシャーロックは衝撃を受け屋敷に走って戻ります。
その間も少女の叫び声「飛行機が墜落しそうよ。死んじゃうよ」、ジョンは井戸の中で溺れそうになって
いる。


屋敷に戻って階段を駆け上がりながらシャーロックは飛行機の少女に語り掛けます。
「もう本当の名前を教えてくれないかな」 少女は未だ「知らない人に名前を教えちゃいけないって言わ
れているの」と言うと、シャーロックは、「でも僕は知らない人じゃないよね。僕は君のお兄ちゃんだ」

そして「僕はここに居るよ、ユーロス」と昔のユーロスの部屋に入ったシャーロックの目の前には膝を
抱え座り込むユーロスが居ます。 眼を固く瞑ったまま子供の様な声で話すユーロス。

自分は墜落しそうな飛行機に乗っていたのを兄さんが助けてくれようとしたのね。と言うとシャーロック
は飛行機はユーロスの作り出した完全な”metaphour”だった(この”metaphour”は「隠喩」と言う意味
なのですが、適当な言い方が良く分かりません。 つまり ユーロスの孤独と寂しさが生み出した逃れら
れない幻想、妄想であったという事)どうしても着陸する事だけが出来なかったと言って泣くユーロスに
「僕は全くバカだったけど、今地上に居るんだ。家に連れ帰ってあげる」と言うシャーロック。
ユーロスは「遅すぎる」と言いますが、シャーロックは優しく、ここに僕が居る。もう一人ぼっちじゃ
ないんだとユーロスを抱き寄せます。

これまでは間違った方向に向かっていたが 今度はきちんとやろう。僕の友達を助ける方法を教えてくれ。
友達を救うのを助けてくれと頼むシャーロック。 
ジョンは首の所まで水に浸かって溺れる寸前の時、上からロープが下ろされる。

(余計な事ですが、ジョンは足を鎖でつながれている筈なので、ロープを下ろしただけでは自力で登れない
筈では??)

ユーロスは警官に連行される。

無事助け出されたジョンは毛布にくるまれている。 レストレード他の警官が詰めかけています。

レストレードにマイクロフトの状況を尋ねるシャーロックに、ユーロスから別の古い小部屋に閉じ込めら
れていたが 少し動揺しているものの傷つけらえてはいない。 との事。
シャーロックは少し口ごもるように、「兄にしっかり気を付けてくれ。彼は自分で思っているほど強い
人間じゃない」と言うと、「ああ、気を付けるよ」と言うレストレードに、「有難う、グレッグ」と
しっかりファーストネームを言うシャーロックを少し驚いた様に見るレストレード。


レストレードが指揮していた警官が、「あれがシャーロック・ホームズですね。彼は凄い人です」と
聞くとレストレードは、”No,he's better than that. He's a good one”「いや、それ以上だ。彼は
良い人間だ」と言いながらシャーロックを見ます。
(このレストレードの言葉は、S1E1”A Study in Pink”でジョンに言った言葉、”Sherlock Holmes
is a great man, and I think one day, if we're very very lucky,he might even be a good man”
「シャーロック・ホームズはとても優秀な男だ。そしてもし凄く幸運なら 彼は何時か良い人間にな
るかも知れない」に対応しています。が、レストレードにとって ”良い人間”と変化する要因は何
だったんだろう・・ ファーストネームを覚えてくれたという事だけではないと思うけど)

「僕は妹を家に連れて帰ると言ったけど 出来ないんだよね」と言うシャーロックに、「君は彼女が
探し求めていたものを与えた。 ”context”「環境だ」(で良いのかな?)
(追記です。 この”context”に関しては、篠田先生から”絆”と言う解釈が相応しいのではないかと
ご教示頂きました。 篠田先生有難うございました)
それは良いものなのか?と聞くシャーロックに、良くもないし悪くもない。それが現実さ。と言うジョン。








・・・・・to be continued です



← SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (6)
→ SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (8)

SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (6)

2017-07-05 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」

以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
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・・・・続きです(その6)


放心したように壁に寄りかかって座り込むシャーロックに銃を拾い上げたジョンが「大変なのは良く
分かる。君は拷問されているんだ。だけど一緒に進まないと」と言うと、シャーロックは「これは拷
問じゃない。 生体解剖だ。僕たちは実験室のネズミの様に科学を体験しているんだ」そして、ジョ
ンが「兵士か」にシャーロックも「兵士だ」と言いジョンがシャーロックを立ち上がらせ次の部屋に
向かいます。
その時もモリアーティーの顔が写り「チクタク、切符を拝見します!」と。


その部屋は空っぽで壁三面にモニターだけがあります。
シャーロックはユーロスに部屋は空っぽだし もう策が尽きたのかと聞きます。
(この時、シャーロックは ”Hey, sis・・・”と呼びかけるのですが、”sis”は勿論”sister”の
省略形で ”bro”と同じ様な使い方)

ユーロスは、銃が必要になると言った筈だと言い 決断をする時でジョンかマイクロフトのどちら
が助けになるか。次のゲーム3人のうち2人だけが参加できるものでシャーロックに他の1人を選ぶ
ように指示します。

家族を選ぶか友達を選ぶか。マイクロフトにするかジョン・ワトソンにするか決断する様にと。  
執拗にモリアーティーのチックタックが流されます。
マイクロフトは「ユーロス もう十分だ」と言いますが、ユーロスは今も空を飛んでいて着陸しそうも
ない飛行機が居る事を忘れるなと言います。


マイクロフトはシャーロックに向かい、「我々はこの点は協議する必要もないな」そしてジョンに向
かい「ワトソン先生、君はあらゆる点において素晴らしい人間だ」と言いながら、シャーロックに
「別れを言って彼を撃て」と言います。
驚いたジョンは、「なんだって?」とマイクロフトに近づきますが、マイクロフトは続けて「ワトソン
先生を撃て。この先必要なのは知性で感情ではない。苦痛を長引かせず彼を撃て」と非情に言い放ちます。
「僕に発言権はあるかな?」と言うジョンに、「今日我々は兵士なんだ。兵士は国の為に死ぬ。残念
だがワトソン先生、今日その名誉は君の為にある」と言うマイクロフト。
ジョンは、悔しいけど彼の言うとおりだと覚悟を決めた様な兵士らしい立ち姿をします。


この間一言も発せず俯いてジッと考え込んでいるシャーロックに追い打ちをかける様に続けるマイク
ロフトは、益々暴言を吐き続けます。

シャーロックに対し、何時もお前はのろまで馬鹿だ。私はお前を軽蔑していた。我々皆の恥、家名を
汚す者だ。一生に一度だけでも正しい事をしてみろ。この愚かで小さな男を我々の苦悩から取り除け
等々ば次々聞くに堪えない馬事雑言を浴びせかけシャーロックを煽り立てるマイクロフト。
続けて「彼を撃つんだ。」ジョンはシャーロックにとって気晴らし以外の何者でもなく自分の賢さで
魅了するだけの平凡なくずみたいな物だ。又別のが見つかるだろうと続けるとシャーロックは流石に
「頼むから止めてくれ!」と言うとマイクロフトは「何故だね?」に「兄さんの演じたレディー・ブ
ラックネルのせりふの方がもっと説得力があたよ」そしてジョンに向かって、しかし目を伏せたまま
「兄が言った事は全て無視してくれ。 彼は優しいから 僕が彼を殺しやすいようにしてくれている
んだ。 それだからより難しい事になって来るんだ」と言いながらマイクロフトに向かって銃を向け
るシャーロック。

「頼むから止めてくれ」と言うシャーロックに、「何故だ? お前は私のレディー・ブラックネルの
セリフが好きだと言ったな」と言うマイクロフト。

「シャーロック、止めるんだ」と言うジョンに、「これは君が決める事ではないよ、ワトソン先生」
そう言いながら、(そうか、バレてたか・・・の雰囲気でクスッと笑い)襟元を直し「だが顔は避け
てくれないか。 私の脳は王立協会に渡す約束をしてあるんだ」とマイクロフト。
銃を構えながら「何処が良い?」と言うシャーロックに、「そうだな、何処かに心臓があると思うんだ。
狙いにくい場所なのではないかと思うが試してみてはどうかね?」と言うマイクロフト。
(心臓など無いのではないかと思われていた冷徹なマイクロフトが 自分にも心臓があるんじゃないか
と言う自虐的な意味と、たとえ心臓があるとしても多分大きくはないから狙いにくいだろうとの皮肉を
込めているんですね。
最初マイクロフトの暴言にビックリして何てヤツなんだ!と思ってしまったのですが、レディー・ブラッ
クネル以来の名演技をしたつもりだったのにシャーロックにはすっかり読まれていた。何だろう、この
マイクロフトの優しさって・・・「氷の男」と言われていた人とは思えない。そして、そんな罵詈雑言
を聞かされ心の中の怒りをジッと堪え、そして悟った様に兵士の佇まいで心を決めるジョンがカッコ良い。
正に元兵士。)

「僕は許さない」と言うジョンに、これは私のあやまちだ。モリアーティだ。 5年前にユーロスにモリ
アーティとの5分間の会話をクリスマスプレゼントにした。 監視を付けない5分間だけの会話だった。
そして、「さらばだ、弟よ。花は無にしてくれ」と言うマイクロフト。

それを見ていたユーロスは、「モリアーティは貴方がこの選択をすると考えていた。彼はとても興奮して
いたわ」と言います。

モリアーティの顔が写り、”And here we are、at the end of the line. Holmes kills Holmes. This is
where I get off” 「さあ、終点です。 ホームズがホームズを殺す。此処が下車する場所だ(或は
興奮するね)」と言いながらニヤリと笑います。
(この”get off”は乗物から降りると言う意味なのですが、性的に興奮すると言う意味もあるので、
もう電車ごっこは終りと言う意味と、このモリアーティが最も見たかった光景に興奮していると言う
両方の意味をもっているのではないかと・・・)

シャーロックはマイクロフトに銃を向け続けながら目をそらさず 絞り出すように”Five minutes,
It took her just five minutes to do all of this to us 「5分だ。 僕達をこんな目に合わせるため
に彼女は5分しかかからなかった」。そして続けて、静かに言います。 ”Well, not on my watch”
(この言い回しは以前も出てきましたが、「僕の知る限り、それはないね」 という事なのでしょうが、
「僕には通用しないね」って感じなのではないかと)

訝し気に見るジョンと 慌てた様に「何をしているの?」と尋ねるユーロスに、「さっき勇敢な男が
自分を覚えていて欲しいと言っていた。僕は所長を覚えている」と言いながら自分の顎に銃を押し当
てながらカウントダウンし始めます。

”Ten・・・Nine・・・Eight・・・” それを見たユーロスは慌てて、”No,no, Sherlock”「だめ、
だめよ、シャーロック”と云いますが、シャーロックのカウントダウンは止まりません。

「貴方はまだ赤ひげについて知らないじゃない」と言いますが、カウントダウンを止めないシャーロック。
「シャーロック、すぐに止めなさい」。

そしてシャーロックの首の後ろに吹き矢の様な物が撃ち込まれます。 同時にジョンにも。
”Two・・・”と弱々しく言いながらゆっくり後ろへ倒れるシャーロックは真っ黒なオイルの様な物に
包み込まれます。


子供のシャーロックと犬のフラッシュバックと共に、「誰かいる?」という少女の声が聞こえる中
小さな部屋の中のテーブルの上にうつ伏せに倒れていたシャーロックが目を覚まします。

(何故かちゃんとコートを着ている。 何時誰が着せたのか??妙な点が気になります)

怯えている少女はシャーロックに何時間も何時間も居なかったじゃない。何処に行っていたの?と問い
詰めますが、自分も良く分からないと言いながら上を見上げると天井は無く金属の格子越しに夜の空が
見えます。

シャーロックは少女に操縦室にに行くように指示しながら床に置いてあったランタンで室内を照らして
観察すると壁には数え切れない程の写真(子供のシャーロックらしき)が張り付けられています。

少女と話しながら壁の写真を見ると、シャーロックの他に若きマイクロフトや家族の物らしい写真も
張り付けられている。(ゲイティス氏の若かりし頃、ベネディクトの赤ちゃんの時の写真ね)
「まだそこに居る?」と少女に尋ねると、「ああ、此処に居る」とジョンの声がします。(シャーロック
のイヤフォーンから)驚いたシャーロックが何処に居るのか尋ねると ジョンも今目覚めたばかりな
ので分からないと言うジョンもシャーロックの居場所を尋ねます。
別の小部屋に居ると伝えるシャーロックは、少女が乗っている飛行機は未だ飛んでいるが燃料切れで
墜落するまで飛び続けるだろうと言います。

マイクロフトの居場所は分からないとジョン。
そしてシャーロックはジョンに今居る場所の詳細を教える様に言うと、周りは岩に囲まれ足元は2フィート
位水が溜まっていると言います。そして足が鎖に繋がれているとも。
それを聞きながらシャーロックがランタンで辺りを見回していると机の下に犬のエサ入れらしきものを
見つけると ”Readbeard「赤ひげ」”と書かれています。 ショックを受けるシャーロック。

その時ジョンが骨を見つけたと、何の骨か分からないが小さな骨だと伝えます。

その時再び少女の声、操縦室には行ったがパイロットは眼を覚まさない。
シャーロックが何が見えるか尋ねると、川と大きな車輪(テムズ河と観覧車)が見えると言う少女に、
これから2人で飛行機を操縦すると話しかけ周囲のコントロールパネルの状況などを聞いている時 飛行機
が揺れていると言う少女にただの乱気流だから心配するな。 川が近づいて来ているならおうちが近いの
だとなだめます。(少女に話しかけるシャーロックの声が凄く優しい)

その時ジョンが、自分は井戸の底に居ると言うのを聞き シェリンフォードに井戸はない筈だと壁を押し
倒すと目の前にマスグレーブの家がある事に気付くシャーロック。

”I'm home. Musgrave Hall” 「帰って来たんだ。マスグレーブの屋敷だ」


ユーロスの声は「ジム・モリアーティと私は意気投合したわ。彼は死後トラブルを起こせるなら生きている
事には執着しなかった。 彼は復讐をしたがっていたのを知ってているでしょ。復讐とはどうやら私の事
なの」等話し続けているが シャーロックは興味はない、飛行機がどうなっているのか教えろと言います。
シャーロックは屋敷の中に入るとモニターに写るユーロスに話しかけます。「あの少女と話をさせてくれ。
そうしたら君の望むゲームをするから」と言うと、先ず赤ひげを探すように言うユーロス。
ジョンの居る井戸に水が注ぎこまれる。
 
”You don't want me to drawn another one of your pets”「貴方は私にもう1人のペットを溺れさせたく
ないでしょ」と言うユーロス。
(ここで”もう1人の”と言う表現をしている事に注意ですね) 
「シャーロック・ホームズ、やっとマスグレーブの儀式書を解明する時が来たわ。 貴方の最初の事件、
そして最後の問題 ”Your first case!And the final problem “ じゃあね」
(正典”The Musgrave Ritual”「マスグレーブ家の儀式書”はホームズが探偵を始めて直ぐの頃の事件。
そこから”first case”「初めての事件」として踏襲されているのか)

ユーロスの歌声が聞こえる(前にも聞こえていた歌です)
♪I that am lost / Oh, who will find me
♪ Deep down below ...
♪The old beech tree?
♪Help succour me now ...
♪The East winds blow …
♪Sixteen by six, brother, and under we go ...
♪Be not afraid …

その間飛行機に居る少女は怖がって叫んで居る。

シャーロックはジョンに君を見つけるからそれまで頑張るように言いますが、ジョンは水が溢れてきている
ので早くしてくれと。(シャーロックた大変です。ジョンも女の子も助けなければ・・・)

歌い続けるユーロスに、「ユーロス、君は歌に答えがあると言っていた。僕は昔ずっと歌詞を調べていたけ
ど何も見つからなかった。 ぶなの木があったので何度も何度も掘り返した。
”Sixteen feet by six, sixteen yards, sixteen metres・・・・”「16フィート行って6フィート、16ヤード
でも16メートルでも何も見つからなかった」
(※ 正典「マスグレーブの儀式書」では、 ”North by ten and by ten, east by five and by five, south
by two and by two, west by one and by one, and so under”「北へ10歩、そして10ホ、東へ5歩そして5歩、
南へ2歩そして2歩、西へ1歩そして1歩、そして下へ」と言う形で書かれています。この文からの引用でしょう。
そして正典ではぶなの木ではなく樫の木と楡の木が出てきます)

そんな時ジョンが、何か見つけた、骨だ。と言うと、シャーロックは犬の骨だ。赤ひげの物だ。と言いますが、
ジョンは、「マイクロフトはずっと君に嘘を言っていた。僕たち2人にだ。これは犬の骨じゃない」と。
ユーロスは、父親がアレルギーだったから犬を飼う事は出来なかった。家には犬は居なかったと言うと、シャーロッ
クは記憶を刺激され幼い頃の事がフラッシュバックします。






・・・・・to be continued です。




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Benedict misc. (37) : ”The Current War” & ”Infinity War”

2017-07-03 | Benedict Cumberbatch関連
― トーマス・エジソンさんとドクター・ストレンジ ―

シャーロックでかなり煮詰まってしまったので 暫し気分転換です。
手抜きの画像ベタ貼りですのでご了承下さいませ。
(気付いたら2作品共 ”War” ですわね。 『静』の”War” と『動』の”War” です。
まあ、どうでも良い事なんですが・・・)

先ず、
✩ The Current War
少しずつ情報が出るようになってきました。




トーマス・エジソンと妻メアリー(ん?メアリー?)

映画公開はDec.22,2017(USA)となっていますが、日本公開は何時になるのでしょう?

✩ Avengers : Infinity War
2週間ほど前でしょうか アトランタの撮影現場入りしたと伝えられていたベネディクトですが
この時期アトランタでの野外撮影であの衣装はさぞ暑かろう。 特にあのマント重そうだし 大変だわ。
オフの時はTシャツ、短パン、ビーサンの超ラフな姿でしたもん。 まあ、それ程暑いって事なんですけど
イメージ壊れるから載せません(笑)



アイアンマンのR.D. Jr.と

この2人のツーショット、何か嬉しいですね。(シャーロック・ホームズX2!)


ハルクのマーク・ラファロでしょうか?







映画公開はMay 04、2018(USA)


さてと、これで少しだけ気分転換が出来ました(勝手に)。
いよいよシャーロックの日本初放送迄一週間となりました。
それまでに自分の記事最後まで書き終えられるのか・・・・(汗)ですが、引き続きお付きあい頂ければ
嬉しいです。
よろしくお願い致します。