ガイ・リッチー版シャーロック・ホームズ『シャドウ・ゲーム』: 最後です
・・・続きです
部屋の中での騒動をバルコニーで聞いたホームズとモリアーティー教授。
チェスをしながらの会話は緊迫感が漂います。
(実際に版の上ではなく頭の中での駒の動きでプレイする2人ですが、駆け引きが凄くてドキドキ
してしまうのです。 この場面では実際のチェスチャンピオンが付きっきりで指導していた様ですね)
モリアーティーは数年以内に戦争は必ず起きる。自分の狙いは戦争時に一大産業となる銃弾と包帯の
供給である。 自分はそれを待つだけだ・・・と云い、”The game is over”「もう勝負はついた」と
自信満々です。
ホームズは「貴方の財産は穴が開いたかのように減っていると思う」(実は事前に色々画策していた
事を告げます)
モリアーティーといえども彼の帝国が余りに巨大である為記録が必要である。 それが「スマイソン
の手帳」(赤い手帳)である事を突き止めており、その手帳を変装して抜き取りそして工場で傷つき
ながら電報の宛先を白状させられていた時に又すり替えていた。
手帳に全て書かれている事。 その手帳は全て暗号で書かれていたが 大学を訪ねた時に見つけた
「家庭園芸読本」が暗号解読のカギである事(そんな本を読みながら窓辺に置かれた花が枯れてい
た事から)。 そして本物の手帳は既にロンドンのメアリーに届けられ彼女とレストレードで暗号
を解読したと・・・。
そしてヨーロッパの犯罪王がその全財産を盗まれている事を告げました。
慌てて手帳をだしてみるモリアーティが見た手帳の中身は魚の絵でパラパラ漫画(笑)が書かれて
おり、最後のページには”BE CAREFUL WHAT YOU FISH FOR”(字幕は「危険な魚に注意!」
となっていますが、直訳は”FISH”と”WISH”を掛けて「何かを欲しがるときは用心しろ」って感じですかね)
←以前の場面からモリアーティーがシューベルトの『漁夫の歌』やらモーツアルトの『鱒』などを好む事で
”魚”、”漁”に拘りがあるという事で”魚”モチーフになっているのではないかと想像します)
追記です
随分久し振りにSHERLOCK S3 ”The Empty Hearse”を見ていたら、地下鉄の中でシャーロックが言って
ましたね。
”Be careful what you wish for”って! すっかり忘れていた・・・ボケ
そして、モリアーティーの全財産は匿名で”戦争寡婦と遺児の基金”に寄付されている筈だ。 「チェック
メイト」と宣言するホームズにモリアーティーは、「ここで君との決着をつけたら次はワトソンとメアリーが
悲惨な最後を遂げる 」と言います。
ホームズの弱点であるワトソンの名前を出され遂にモリアーティーとの対決を決心します。
肩の傷が癒えていない為不利なホームズとモリアーティーそれぞれが「ヴィジョン」で戦いをシミュレー
ションしますが、勝ちを確信するモリアーティーに対して肩の傷で勝ち目が無いと見たホームズは自滅覚悟
でモリアーティーを抱え込み滝へ落下します。
丁度その時ワトソンがバルコニーにやって来て この瞬間を目にします。
唖然とした表情で悲嘆にくれるワトソン。
(このライヘンバッハでの滝落下シーンはどのホームズ作品でも辛いシーンで、この作品でも見ていて涙腺
が・・・・)
ホームズのお葬式には大勢の関係者が参列していますが、ワトソンは憔悴した様子で片隅に1人座っています
が、そこにシムが無言で隣に座ります。
伝記作家として経緯をタイプしているワトソンですが、ここで語り、記されている言葉は正典でも良く知られ
有名なフレーズが殆どそのまま引用されています。
”A few words may suffice to telll the little that remains.
Any attempt at finding the bodies was absolutely hopeless. And so there deep down in the dreadful
caldon of swiring water and seething foam with lie for all time the most dangerous criminal and the
foremost champion of the law of their generation I shall ever regard him as the best and the wisest
man whom I have ever known”
THE END
「大袈裟な後日談は無い。2人の遺体の捜査は絶望的だった。 滝壺は水煙を挙げて激しく渦を巻いている。
そこに永遠に眠るのは最も危険な犯罪王 そしてこの時代最も優秀な法の番人 そして世界一の探偵である。
彼は私が知る限り最高で最も偉大な天才だった」
(この最後のフレーズ”・・・・the best and the wisest man whom I have ever known”は「The Final
Problem」を踏襲した他のどのバージョンでも必ず引用される感慨深い有名な言葉です。
BBC版でも”The Empty Hearse”で、そして最新S4の ”The Final Problem”にも引用されています←ちょっとアレ
なんですけど)
ワトソン夫妻はブライトンに新婚旅行に出かけるところでしたが、メアリーが届いた小包を持ってやって
きます。
メアリーは「彼が居なくて私も寂しいわ」と言います(第一印象が良くなく ホームズに対して余り良い
感情を持っていなかった様なのに この言葉で救いがありますよ)
ワトソンが「旅行を喜んでくれるさ」というと、メアリーが「”一緒に行く”って言うわ」←確か一作目
で当然の様に一緒に行くつもりでしたね、ホームズは。
その小包を開けると 中にあの酸素吸入器が入っていたのです。
それを見たワトソンはハッと何かに気付いた様に小包を届けたのは誰か確かめにメアリーを追って
席を立ちました。
すると・・・・・
迷彩服に身を包みソファーになりきっていたホームズが現れ ワトソンの手記を読みます。
(ホームズ得意の迷彩服!)
そして、ワトソンが文章を締めくくった ”THE END”の後にクエスチョンマーク ”?”を打ち
込みます。
↓このシーン凄くオシャレで大好きです!
本編はここで終わります。
あと少し感想を追加させて頂きます。
この作品は第一作を色々な面で大きく上回るプロット、カメラワーク、正典引用も多く格段にバージョン
アップしています。
コミカルなシーン、台詞を織り込みながらしっかりした メリハリの利いたプロットで兎に角観客を楽しま
せるという点で流石にガイ・リッチー版だと感心させられます。
そして、無駄なシーンが全く無く 後から見るとあちこちに布石が散りばめられている事に気付き丁寧な
作りである事にも驚かされますね。
キャラクター設定もホームズとワトソンの距離感と信頼感が何とも言えず嬉しいし、モリアーティー、
マイクロフトも要点は押さえながら丁度良い表現だし、メアリーの立ち位置も適度でこの程度なら某ドラマ
のメアリーの様に嫌がられたリ嫌われたリしないのにね~(わッ 言っちゃった!)
数年前にモファティスがガイ・リッチー版は意識していないと語っていたのですが、何度か見直してみると
かなりの部分がインスパイアされている様に感じます。
例えば、ワトソンの結婚式(ホームズのベストマンを含め)、ワトソンのミドルネーム”ヘイミッシュ”引用、
最後のシーンで死亡したと思われていたホームズが姿を見せ次につなげる設定 等々。
そして、最初にも書きましたが、最後のシーン(THE ENDの後のクエスチョンマーク”?”)で見られるよう
に現在撮影中の次の作品は”The Empty House”「空き家の冒険」であるのは明らかですので どの様に
ホームズが生還して姿を現すのかが興味深いし凄く楽しみです。
そして、メアリーの扱い方も・・・(この点も某ドラマの様にならない事を祈ります←未だ言ってる)
おまけ:
本作品中のホームズの変装姿あれこれ
最後は長々なってしまいましたが お付き合い頂き有難うございました。
← Sherlock Holmes 『A Game of Shadows』 : (4)
・・・続きです
部屋の中での騒動をバルコニーで聞いたホームズとモリアーティー教授。
チェスをしながらの会話は緊迫感が漂います。
(実際に版の上ではなく頭の中での駒の動きでプレイする2人ですが、駆け引きが凄くてドキドキ
してしまうのです。 この場面では実際のチェスチャンピオンが付きっきりで指導していた様ですね)
モリアーティーは数年以内に戦争は必ず起きる。自分の狙いは戦争時に一大産業となる銃弾と包帯の
供給である。 自分はそれを待つだけだ・・・と云い、”The game is over”「もう勝負はついた」と
自信満々です。
ホームズは「貴方の財産は穴が開いたかのように減っていると思う」(実は事前に色々画策していた
事を告げます)
モリアーティーといえども彼の帝国が余りに巨大である為記録が必要である。 それが「スマイソン
の手帳」(赤い手帳)である事を突き止めており、その手帳を変装して抜き取りそして工場で傷つき
ながら電報の宛先を白状させられていた時に又すり替えていた。
手帳に全て書かれている事。 その手帳は全て暗号で書かれていたが 大学を訪ねた時に見つけた
「家庭園芸読本」が暗号解読のカギである事(そんな本を読みながら窓辺に置かれた花が枯れてい
た事から)。 そして本物の手帳は既にロンドンのメアリーに届けられ彼女とレストレードで暗号
を解読したと・・・。
そしてヨーロッパの犯罪王がその全財産を盗まれている事を告げました。
慌てて手帳をだしてみるモリアーティが見た手帳の中身は魚の絵でパラパラ漫画(笑)が書かれて
おり、最後のページには”BE CAREFUL WHAT YOU FISH FOR”(字幕は「危険な魚に注意!」
となっていますが、直訳は”FISH”と”WISH”を掛けて「何かを欲しがるときは用心しろ」って感じですかね)
←以前の場面からモリアーティーがシューベルトの『漁夫の歌』やらモーツアルトの『鱒』などを好む事で
”魚”、”漁”に拘りがあるという事で”魚”モチーフになっているのではないかと想像します)
追記です
随分久し振りにSHERLOCK S3 ”The Empty Hearse”を見ていたら、地下鉄の中でシャーロックが言って
ましたね。
”Be careful what you wish for”って! すっかり忘れていた・・・ボケ
そして、モリアーティーの全財産は匿名で”戦争寡婦と遺児の基金”に寄付されている筈だ。 「チェック
メイト」と宣言するホームズにモリアーティーは、「ここで君との決着をつけたら次はワトソンとメアリーが
悲惨な最後を遂げる 」と言います。
ホームズの弱点であるワトソンの名前を出され遂にモリアーティーとの対決を決心します。
肩の傷が癒えていない為不利なホームズとモリアーティーそれぞれが「ヴィジョン」で戦いをシミュレー
ションしますが、勝ちを確信するモリアーティーに対して肩の傷で勝ち目が無いと見たホームズは自滅覚悟
でモリアーティーを抱え込み滝へ落下します。
丁度その時ワトソンがバルコニーにやって来て この瞬間を目にします。
唖然とした表情で悲嘆にくれるワトソン。
(このライヘンバッハでの滝落下シーンはどのホームズ作品でも辛いシーンで、この作品でも見ていて涙腺
が・・・・)
ホームズのお葬式には大勢の関係者が参列していますが、ワトソンは憔悴した様子で片隅に1人座っています
が、そこにシムが無言で隣に座ります。
伝記作家として経緯をタイプしているワトソンですが、ここで語り、記されている言葉は正典でも良く知られ
有名なフレーズが殆どそのまま引用されています。
”A few words may suffice to telll the little that remains.
Any attempt at finding the bodies was absolutely hopeless. And so there deep down in the dreadful
caldon of swiring water and seething foam with lie for all time the most dangerous criminal and the
foremost champion of the law of their generation I shall ever regard him as the best and the wisest
man whom I have ever known”
THE END
「大袈裟な後日談は無い。2人の遺体の捜査は絶望的だった。 滝壺は水煙を挙げて激しく渦を巻いている。
そこに永遠に眠るのは最も危険な犯罪王 そしてこの時代最も優秀な法の番人 そして世界一の探偵である。
彼は私が知る限り最高で最も偉大な天才だった」
(この最後のフレーズ”・・・・the best and the wisest man whom I have ever known”は「The Final
Problem」を踏襲した他のどのバージョンでも必ず引用される感慨深い有名な言葉です。
BBC版でも”The Empty Hearse”で、そして最新S4の ”The Final Problem”にも引用されています←ちょっとアレ
なんですけど)
ワトソン夫妻はブライトンに新婚旅行に出かけるところでしたが、メアリーが届いた小包を持ってやって
きます。
メアリーは「彼が居なくて私も寂しいわ」と言います(第一印象が良くなく ホームズに対して余り良い
感情を持っていなかった様なのに この言葉で救いがありますよ)
ワトソンが「旅行を喜んでくれるさ」というと、メアリーが「”一緒に行く”って言うわ」←確か一作目
で当然の様に一緒に行くつもりでしたね、ホームズは。
その小包を開けると 中にあの酸素吸入器が入っていたのです。
それを見たワトソンはハッと何かに気付いた様に小包を届けたのは誰か確かめにメアリーを追って
席を立ちました。
すると・・・・・
迷彩服に身を包みソファーになりきっていたホームズが現れ ワトソンの手記を読みます。
(ホームズ得意の迷彩服!)
そして、ワトソンが文章を締めくくった ”THE END”の後にクエスチョンマーク ”?”を打ち
込みます。
↓このシーン凄くオシャレで大好きです!
本編はここで終わります。
あと少し感想を追加させて頂きます。
この作品は第一作を色々な面で大きく上回るプロット、カメラワーク、正典引用も多く格段にバージョン
アップしています。
コミカルなシーン、台詞を織り込みながらしっかりした メリハリの利いたプロットで兎に角観客を楽しま
せるという点で流石にガイ・リッチー版だと感心させられます。
そして、無駄なシーンが全く無く 後から見るとあちこちに布石が散りばめられている事に気付き丁寧な
作りである事にも驚かされますね。
キャラクター設定もホームズとワトソンの距離感と信頼感が何とも言えず嬉しいし、モリアーティー、
マイクロフトも要点は押さえながら丁度良い表現だし、メアリーの立ち位置も適度でこの程度なら某ドラマ
のメアリーの様に嫌がられたリ嫌われたリしないのにね~(わッ 言っちゃった!)
数年前にモファティスがガイ・リッチー版は意識していないと語っていたのですが、何度か見直してみると
かなりの部分がインスパイアされている様に感じます。
例えば、ワトソンの結婚式(ホームズのベストマンを含め)、ワトソンのミドルネーム”ヘイミッシュ”引用、
最後のシーンで死亡したと思われていたホームズが姿を見せ次につなげる設定 等々。
そして、最初にも書きましたが、最後のシーン(THE ENDの後のクエスチョンマーク”?”)で見られるよう
に現在撮影中の次の作品は”The Empty House”「空き家の冒険」であるのは明らかですので どの様に
ホームズが生還して姿を現すのかが興味深いし凄く楽しみです。
そして、メアリーの扱い方も・・・(この点も某ドラマの様にならない事を祈ります←未だ言ってる)
おまけ:
本作品中のホームズの変装姿あれこれ
最後は長々なってしまいましたが お付き合い頂き有難うございました。
← Sherlock Holmes 『A Game of Shadows』 : (4)