The Game is Afoot

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SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (7)

2017-07-09 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。

続きを書く前に、
昨晩、ようやくE1「6つのサッチャー」の放送がありました。 皆様首を長くしてお待ちになっていた事でしょうね。
私もこのエピソードを書いて以来数カ月観ていなかったので 是非観ようとは思ったものの吹き替え版は殆ど見る事
が無い為迷っていました。
でも結局見始め やはり違和感が拭いきれずウダウダ迷っていてやっと気づきました。 
そうそう 音声切り替えにすれば良いんだ。 てな事で英語版で日本語字幕付きに変えやっと落ち着いてみる事が出
来ました。 吹き替え版の方がお好みの方もいらっしゃるとは思いますが・・・・
で、字幕版あるいは吹き替え版で見れば少しはこれまで感じていた感想が変わるかも知れないと期待もしたのですが
結局最初の印象が変わる事はありませんでした、残念ながら。

普段は夜はPCタイム終わりなのですが、昨晩はチョット気になり放送直後ブログチェックしましたところ ビックリ
して腰が抜けそうになりました。 多分少しはご訪問頂く数が増えるとは思っていたものの これ程までとは予想も
していなかったのですが、放送終了直後一瞬にして閲覧数が200を突破するのを見ていて 唖然、茫然、信じられない
思いでわが目を疑い 怖い位でした。 今朝も早朝から凄いアクセス数を頂いて又驚いています。
シャーロックの人気が健在であった事が嬉しかったと同時に、皆様がどの様な感想をお持ちになったのかも気になる
ところです。
本当に多くの皆様にご訪問頂き拙文をお読みいただき心から感謝しております。 
この場でお礼を申し上げます。

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話を戻しまして、
・・・・続きです(その7)


フラッシュバックの幼いシャーロックが赤ひげを呼んでいるそばで幼いユーロスは飛行機のおもちゃ
で遊んでいます。

黄色い海賊帽子を被った幼いシャーロックはアイリッシュセッターの傍で楽しそうに遊んでいます
が、ユーロスの声は、「貴方は混乱して自分に良い解釈に変えていたの」と言うと、フラッシュ
バックの中の犬はシャーロックと同じくらいの年齢の男の子に変わり(赤毛でアイパッチをして
いる)

シャーロックと海賊ごっこをしている。 ユーロスは一緒に遊びたそうにしているが仲間に入れ
ず1人飛行機のおもちゃを持ち2人の周囲を走り回っている。


井戸の中のジョンが手に持っていたのは子供の物と思われる頭蓋骨だった。


ユーロスの話を聞きながらその頃の事を思い出し始めたシャーロックは、「ヴィクター。ヴィクター・
トレバーだ」辛そうに呟きます。

「僕たちは海賊ごっこをしていた。僕が”黄ひげ”(黄ひげってのも何だか変ですが、Yellowbeardです)
そして、彼が・・・”赤ひげ”だった」と、遂に赤ひげの正体を思い出します。
(※ ”ヴィクター・トレバー”は正典”The Adventure of the Gloria Scott”「グロリア・スコット号
事件」に登場するホームズが大学生時代の唯一の友人とされる人物の名前)
「貴方たちは何時も一緒だった。私も一緒に遊びたかったのに」と言うユーロスに、「何てことだ!」と
言いながらすすり泣くシャーロック。

「一体何をしたんだ」と言うシャーロックの脳裏にヴィクターが井戸の底で助けを呼んでいる姿が浮かぶ。


幼いシャーロックは彼の名前を呼びながら草むらを探し回っている。
ユーロスはヴィクターを井戸に置き去り見殺しにした。 シャーロックは辛い記憶にあるヴィクターを
犬にすり替えていたという事。
弱々しくヴィクターの名を呟くシャーロックにユーロスは、貴方の人生、貴方の夢には常に深い水 ”deep
waters” があったと言うと フラッシュバックでプール(S2E3”The Great Game”でモリアーティと
初対決をした場所)、ライヘンバッハの滝(ヴィクトリア朝「忌まわしき花嫁」でモリアーティと対決した)
等が浮かび上がります。



(と、ここでビックリ、唖然としました。あの プールやライヘンバッハ迄関連付けちゃいますか。明ら
かに強引とも思える後付けだと思うのですが・・・)
(※、”deep waters”と言えば、元々は正典”The Adventure of The Specled Band”「まだらの紐」に
あるホームズの言葉であり、「忌まわしき花嫁」でも”Deep waters, I shall have to go deeper still”
「深い厄介な事態だ。さらに深く潜っていかないと」と言う形で踏襲されていました。
この場合は比喩ではなく 井戸に関連する”水”のままの意味になるのか)

(涙を流す幼いシャーロックと今のシャーロックの顔にも水がオーバーラップします)

シャーロックは、「君が僕の親友を殺したんだな」と言うと、ユーロスは”I never had a best friend.
I had no one”「私には親友なんかいなかった。 1人も」
再びフラッシュバックの中で 大人になったシャーロックの周りを幼いユーロスが「一緒に遊んで、シャー
ロック、一緒に遊んで」と言いながらおもちゃの飛行機を持って走り回っています。



打ちひしがれた様なシャーロックに、ユーロスは再び”No-one”と云います。
その時シャーロックの脳裏に、子供の頃遊んでいたお墓に書かれていた奇妙な文字が浮かびます。No-oneを
表すNEMO HOLMESの墓石)


NEMO
n. [nee-moh]
Latin - no one, nobody


外に走り出すシャーロックに又少女の声が。「今パズルを解いているんだ。パズルを解くことが飛行機を
救う事になるんだ」と言い お墓の中を走りながらあちこちからヒントになる数字を拾い出しそれを基に
ユーロスの歌の言葉と照合しながら暗号解析をします。
I ... am ... lost ... Help ... me ... brother ... Save ... My ... Life ... Before ... my ... Doom.
I ... am ... Lost ... Without ... your ... love ... Save ... My ... soul ... seek ... my ... room.
私は行くべき道に迷っている
お兄ちゃん助けて
貴方の愛がないと
私の魂を救って
私の部屋を探して




「私の部屋を探して」迄解明したでシャーロックは衝撃を受け屋敷に走って戻ります。
その間も少女の叫び声「飛行機が墜落しそうよ。死んじゃうよ」、ジョンは井戸の中で溺れそうになって
いる。


屋敷に戻って階段を駆け上がりながらシャーロックは飛行機の少女に語り掛けます。
「もう本当の名前を教えてくれないかな」 少女は未だ「知らない人に名前を教えちゃいけないって言わ
れているの」と言うと、シャーロックは、「でも僕は知らない人じゃないよね。僕は君のお兄ちゃんだ」

そして「僕はここに居るよ、ユーロス」と昔のユーロスの部屋に入ったシャーロックの目の前には膝を
抱え座り込むユーロスが居ます。 眼を固く瞑ったまま子供の様な声で話すユーロス。

自分は墜落しそうな飛行機に乗っていたのを兄さんが助けてくれようとしたのね。と言うとシャーロック
は飛行機はユーロスの作り出した完全な”metaphour”だった(この”metaphour”は「隠喩」と言う意味
なのですが、適当な言い方が良く分かりません。 つまり ユーロスの孤独と寂しさが生み出した逃れら
れない幻想、妄想であったという事)どうしても着陸する事だけが出来なかったと言って泣くユーロスに
「僕は全くバカだったけど、今地上に居るんだ。家に連れ帰ってあげる」と言うシャーロック。
ユーロスは「遅すぎる」と言いますが、シャーロックは優しく、ここに僕が居る。もう一人ぼっちじゃ
ないんだとユーロスを抱き寄せます。

これまでは間違った方向に向かっていたが 今度はきちんとやろう。僕の友達を助ける方法を教えてくれ。
友達を救うのを助けてくれと頼むシャーロック。 
ジョンは首の所まで水に浸かって溺れる寸前の時、上からロープが下ろされる。

(余計な事ですが、ジョンは足を鎖でつながれている筈なので、ロープを下ろしただけでは自力で登れない
筈では??)

ユーロスは警官に連行される。

無事助け出されたジョンは毛布にくるまれている。 レストレード他の警官が詰めかけています。

レストレードにマイクロフトの状況を尋ねるシャーロックに、ユーロスから別の古い小部屋に閉じ込めら
れていたが 少し動揺しているものの傷つけらえてはいない。 との事。
シャーロックは少し口ごもるように、「兄にしっかり気を付けてくれ。彼は自分で思っているほど強い
人間じゃない」と言うと、「ああ、気を付けるよ」と言うレストレードに、「有難う、グレッグ」と
しっかりファーストネームを言うシャーロックを少し驚いた様に見るレストレード。


レストレードが指揮していた警官が、「あれがシャーロック・ホームズですね。彼は凄い人です」と
聞くとレストレードは、”No,he's better than that. He's a good one”「いや、それ以上だ。彼は
良い人間だ」と言いながらシャーロックを見ます。
(このレストレードの言葉は、S1E1”A Study in Pink”でジョンに言った言葉、”Sherlock Holmes
is a great man, and I think one day, if we're very very lucky,he might even be a good man”
「シャーロック・ホームズはとても優秀な男だ。そしてもし凄く幸運なら 彼は何時か良い人間にな
るかも知れない」に対応しています。が、レストレードにとって ”良い人間”と変化する要因は何
だったんだろう・・ ファーストネームを覚えてくれたという事だけではないと思うけど)

「僕は妹を家に連れて帰ると言ったけど 出来ないんだよね」と言うシャーロックに、「君は彼女が
探し求めていたものを与えた。 ”context”「環境だ」(で良いのかな?)
(追記です。 この”context”に関しては、篠田先生から”絆”と言う解釈が相応しいのではないかと
ご教示頂きました。 篠田先生有難うございました)
それは良いものなのか?と聞くシャーロックに、良くもないし悪くもない。それが現実さ。と言うジョン。








・・・・・to be continued です



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