The Game is Afoot

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SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem” : ネタバレ感想と検証 (8)

2017-07-13 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」


以下ネタバレになりますのでご注意下さい。
あれこれ内容に触れながら 正典との繋がり、感想を書いていきたいと思います。
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・・・・続きです(その8)


マイクロフトの執務室にホームズ一家が揃っています。

ユーロスが生きていることを知ったホームズ母がマイクロフトを責め、問い詰めています。

「何故そんなひどい事が出来たのか」に、ルディー伯父さんに言われ それが出来る一番の事だと考えたと
言うマイクロフトに、「娘は死んだと言ったじゃない」と怒って言うホームズ母に「彼女がどんな風になっ
てしまったか知らせるより良いと思ったからだ。 許して欲しい」と弱々しく説明するマイクロフト。
ホームズ父は、「彼女がどんな風になってしまったのであれ、今どんな風であれ私達の娘である事は変
わらない。」と言うと「そして私の妹だ」とマイクロフト。


それまで部屋の隅で俯いたまま腕組みをしてジッと聞いていたシャーロックは「兄さんは最善を尽
くしたんだ」 と静かに言います。 ホームズ母は「それじゃ彼は力不足って事なのね」
ユーロスの居る場所を聞く父に、彼女はシェリンフォードに戻された。保護されている。大勢の人
間が死んだ。機会さえあれば間違いなく再び人を殺す。2度とあそこを出る事は出来ないのだと
話すマイクロフトに、今すぐ会わせろと言うホームズ父。
マイクロフトによれば ユーロスは誰ともコミュニケーションを取ろうとしない。 何を言っても届か
ないのだと言います。
 
”You were alsways grown-up”「貴方は何時も思慮深かったわよね」と母に言われたシャーロック
(シャーロックには何をすればいいか分かってるわよね・・・って意味?)


この言葉のせいか シャーロックはヴァイオリンを手にヘリコプターでシェリンフォードに向かい 
監禁されているユーロスの部屋に向かいます。
何の反応も見せないユーロスの前でヴァイオリンを弾きはじめるシャーロック。

何度も通い続けヴァイオリンを弾き続けるシャーロックに、ユーロスも次第に反応を見せ始めヴァ
イオリンを手に取りシャーロックに合わせて2重奏を奏で始める。


221Bでは、

爆破ですっかりメチャメチャになった部屋の片付けが始まっている。
シャーロックとジョンは次々部屋の中を元の状態に戻していきます。

ジョンの自宅では、
届いた封書に入っていたディスクを手に取りながら電話をしているジョン「こっちに来てもらった方
が良い」(相手はシャーロック?)

今回は ”MISS ME ?”では無く、”MISS YOU”「 貴方に会いたい」と書かれたディスクは又メアリーから届いた
物でした。
訪れたシャーロックと共にメアリーのメッセージを見るジョン。


”PS”『追伸』で始まるメアリーのメッセージは、


『私は貴方たちの事が良く分かっているわ。 もし私が死んだら2人がどんな風になってしまうか
も分っている。 何故なら私は貴方たちの本当の姿を知って居るから・・・』 




『事件を解決してハイになるジャンキー』・・・

(ここで、S1E1 ”A Study in Pink”で最初にシャーロックが登場したシーン(死体袋を逆さまに覗
いている姿)のフラッシュバック)

『戦争から戻り切れない医者』・・・

(これも”A Study in Pink”で孤独なジョンが戦争のトラウマで悪夢を見て飛び起きるシーンのフラッシュバック)

メアリーのメッセージが流れる中、221Bの片付けは続いています。
片付けが進むなか シャーロックは自分の椅子に座りメールを送っています。

”You know where to find me. SH” 「僕が何処に居るか分かっているだろう」
(これも S1E1 ”A Study in Pink”で記者会見中のレストレードにシャーロックが送ったメッセージ
です。 これをアイリーンに送っているのでは?と言う意見もありましたが、やはりこれはレストレード
と考えたいですね。 すべてS1に繋げている訳ですから・・・)

部屋の中を全て元道りに戻す2人。



再び壁に黄色のペイントでスマイルマークを書き込むジョン、S1E3 “The Great Game”「大いなるゲーム」
で銃を撃った場所へ再び打ち込むシャーロック(又ハドソンさんを怒らせるのに)、
暖炉の上の書類、手紙にナイフを刺す。 等々
シャーロックとジョンは日常を取り戻したような様子で事件も捜査中。

場面の途中にパラパラとメアリーのメッセージが挿入されています。

『全ては伝説、物語、冒険になるの
絶望した人、解決されない事、迫害された人達にとって最後の逃げ場所、
誰でもが気持ちを表せる最後の法廷、
人生が訳分からなくなった時、不可解になった時、恐怖におののいた時、必ず最後の希望がある。
誰もがそんな状況に陥った時、むさ苦しいフラットで言い争いをしながら座っている2人の男が居る。
今迄もそうであった様に、そしてこれからも必ず・・・
私が知る最高で最も聡明な人達、My Baker Street boys. Sherlock Holmes and Dr. Watson』・・・
(ここで最後に言われている、”The best and wisest men I have ever known”(ここでは複数に
なっていますが)は、正典”The Final Problem”「最後の事件」でライヘンバッハの滝で死亡し
たと思われたホームズに対してワトソンが述べる最もよく知られた有名なセリフ”I shall ever
regard as the best and the wisest man whome I have ever known”『彼ほど最高の友であり
尤も理知的な人間を今迄知り得た事はない』を踏襲しているのですが、他の他のホームズ作品に
も必ずと言って良い程引用される言葉で あくまでもワトソンのホームズに対する気持ちを表
した大切なセリフなんです。 なので、ここでメアリーにこのセリフを使って欲しくなかった
と言うのが個人的な気持ちなんですが・・・。 又このセリフは S3E1の”The Empty Hearse”
の地下鉄の中で死を覚悟したジョンがシャーロックに告白した時も “You were the best and
the wisest man I have ever known”と引用されていました。
しかしながら、何故ここでタイミングを見計らったようにメアリーからディスクが届くのか???
この為当初、”メアリーは生きている”説も出た位です。 誰かが頼まれていた? 良く分からん!
です。)


221Bでは、
シャーロックは何時もの様にジョンと共に推理を始めています。

ここで腹話術人形が出ているのですが、これが何処からかの引用であるのかどうか不明。
踊る人形が書かれた黒板もあります。

(これは言わずもがなですが、正典”The Dancing Men”「踊る人形」の踏襲で、正典に書かれている
通りですし、グラナダ版の絵とも良く似ています)

↑ これが正典にある人形図

↑ こちらがグラナダ版の人形図



ハドソンさん、レストレードも元どうり。モリーも微笑みながら訪れている(シャーロックがどの様に説明し
モリーを納得させ 許しを得たのか・・・兎に角元の姿に戻ったモリー。)
シャーロックとジョンは2人でロージーをあやしながら・・・・


一方、ホームズ両親もマイクロフトと共にシェリンフォードを訪れ、シャーロックとユーロスがヴァイ
オリンの二重奏をするのを見守る。

(このデュエット曲のタイトルは ”Who you really are” だそうです。意味深なタイトル)




ホームズ母がマイクロフトの手に優しく手を伸べる姿は彼女が息子のした事を許したという事なんでしょう。

そして再び冒険の日々に戻る2人。

最後に2人並んで走り出してきた(バットマン&ロビンスタイルと言われています)場所に”Rathbone 
Place”と言うプレートが掛けられています。

これは、最初にシャーロック・ホームズ像を決定的にしたと言われるBasil Rathborne「ベイジル・ラスボーン」
に敬意を表してと言う事なのでしょう。
(※ ベイジル・ラスボーンはアメリカでは最高のホームズ俳優と称せられ 1939年~1946年に14作品のホームズ
ドラマに出演しています。 確かに正典に描かれているホームズの姿には一番近い様な気もします。 全作品は
観ていないのですが、何作品か観た事はあります。

プロットはオリジナルの物もありますが、ホームズのキャラクターは(ワトソンのキャラクターも)一貫して
ブレが無かったと思います。 ラスボーン版を敬愛するならばこの姿勢も重視して欲しかったと思われてなり
ません)

これで一応E3「最後の事件」の概略は終わります。
もやもや、イライラ等スッキリしない思いが溜まっていますので、この後、未だ色々追加がありますので(あるんかい?)
又々続けますので 懲りずにお付き合い頂ければ嬉しいです。





・・・・・to be continued です



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