“A Detective Matthew Venn” Series
『哀惜』アン・クリーヴス
”The Long Call” ーハヤカワ・ミステリ文庫ー2023年3月23日
アン・クリーヴス(著)、高山 真由美(翻訳)
以前コチラでご紹介して以来、読み始めるのが遅れ、そして纏めるのが又遅れ・・・・で、大分時間
が経ってしまいました。
『ヴェラ』、『シェトランド』でお馴染みのアン・クリーヴスによる新シリーズ。
『シェトランド』シリーズも以前ご紹介した様に、『炎の爪痕』をもって最終回を迎え、原作も読み
終っていますが、何時もの事ながら感想も書けず・・・・。
その後の”刑事マシュー・ヴェン”を主人公とする新シリーズは、原作翻訳本が出版される前にドラマ
化作品が放送された為、何時もとは違う形でドラマ化作品を先に観てから原作を読むという形になり
ました。
念のため再度原作概略を
【イギリス南西部の町ノース・デヴォンの海岸で死体が発見された。捜査を行うマシュー・ヴェンは、
被害者は近頃町へやってきたサイモンというアルコール依存症の男で、マシューの夫が運営する複合
施設でボランティアをしていたことを知る。交通事故により子供を死なせたことで心に病を抱えなが
らも、立ち直ろうとしていた彼を殺したのは何者なのか? 英国ミステリの巨匠が贈る端正で緻密な
謎解きミステリ。】
ドラマは、2021年10月ITVにて初放送された作品で、全4エピソード構成。
日本では、『刑事マシュー・ヴェン 哀惜のうなり』というタイトルで放送されました。
勿論観ました。
観ましたが・・・・。
正直なところ、ドラマがどうも今ひとつのめり込む様な作品では無かった為(個人の感想です)、原
作も読もうか、読まずに居ようか迷ったとくこともあったのですが、兎に角好きなアン・クリーヴス
の作品ですから読んで置かねば!となった次第でした。
何故期待程好きになれなかったのか不思議なのですが、多分原作の濃密な内容は4エピソード構成の
ドラマでは描き切れなかったのではないかと。
というのは、原作を読んでみて、ドラマでは感じられなかったキャラクター達の感情の機微、これは
主に警部であるマシューと部下のジェン・ラファティの目を通して各登場人物の造形が丁寧に描かれ
ていて物語に奥行きを与えているし、派手さはないけれどロジカルな展開、登場人物の心の機微を描
きながら複雑な人間関係の中に隠された真相を追う丁寧で素晴らしい作品だと感じさせられました。
この作品では、LGBTQ,カルト、ダウン症(作品内では学習障害のある人と表現されていますが)
等色々な社会問題を描きながら 緻密で奥行きのあるストーリーテリングは流石にアン・クリーヴス
の手になるものだと納得と感動を覚えました。
勿論『シェトランド』シリーズも好きでしたが、もしかしたら『シェトランド』以上に気に入った作
品になるかも・・・と感じさせられた作品になりました。
ドラマを観ただけでは分からなかったかも。です。
そして、『哀惜』の解説中、原作はあと3作刊行されるという情報があり、是非翻訳を!と期待して
いた所、先日、何と!9月に本国にて新作発売になるとの情報が出ました。
で、このシリーズ原作を確認してみた所、
1.”The Long Call ”『哀惜』 : Sep.2019 (アガサ賞受賞)
2.”The Heron's Cry ” : Sep.2021
3.”The Girls on the Shore ” : Jan.2022
4.”The Raging Storm “ : Sep.2023
↑
となっているので、是非日本での翻訳出版も順次、なるべく早くお願いしたいところです。
(※ 尚、”The Girls on the Shore” は短編集の様なので別扱いされるかもしれません)
又、この ”マシュー・ヴェン”シリーズの本国での呼称は ”Two Rivers” とされている様ですが、
これは、このシリーズの舞台になったノース・デヴォンが二つの川が流れ込む地であることから・・・
といわれています。
ドラマとしての”マシュー・ヴェン” シーズン2が製作されるかどうかは現時点では未定の様です。
(source : ハヤカワ & etc.)
『哀惜』アン・クリーヴス
”The Long Call” ーハヤカワ・ミステリ文庫ー2023年3月23日
アン・クリーヴス(著)、高山 真由美(翻訳)
以前コチラでご紹介して以来、読み始めるのが遅れ、そして纏めるのが又遅れ・・・・で、大分時間
が経ってしまいました。
『ヴェラ』、『シェトランド』でお馴染みのアン・クリーヴスによる新シリーズ。
『シェトランド』シリーズも以前ご紹介した様に、『炎の爪痕』をもって最終回を迎え、原作も読み
終っていますが、何時もの事ながら感想も書けず・・・・。
その後の”刑事マシュー・ヴェン”を主人公とする新シリーズは、原作翻訳本が出版される前にドラマ
化作品が放送された為、何時もとは違う形でドラマ化作品を先に観てから原作を読むという形になり
ました。
念のため再度原作概略を
【イギリス南西部の町ノース・デヴォンの海岸で死体が発見された。捜査を行うマシュー・ヴェンは、
被害者は近頃町へやってきたサイモンというアルコール依存症の男で、マシューの夫が運営する複合
施設でボランティアをしていたことを知る。交通事故により子供を死なせたことで心に病を抱えなが
らも、立ち直ろうとしていた彼を殺したのは何者なのか? 英国ミステリの巨匠が贈る端正で緻密な
謎解きミステリ。】
ドラマは、2021年10月ITVにて初放送された作品で、全4エピソード構成。
日本では、『刑事マシュー・ヴェン 哀惜のうなり』というタイトルで放送されました。
勿論観ました。
観ましたが・・・・。
正直なところ、ドラマがどうも今ひとつのめり込む様な作品では無かった為(個人の感想です)、原
作も読もうか、読まずに居ようか迷ったとくこともあったのですが、兎に角好きなアン・クリーヴス
の作品ですから読んで置かねば!となった次第でした。
何故期待程好きになれなかったのか不思議なのですが、多分原作の濃密な内容は4エピソード構成の
ドラマでは描き切れなかったのではないかと。
というのは、原作を読んでみて、ドラマでは感じられなかったキャラクター達の感情の機微、これは
主に警部であるマシューと部下のジェン・ラファティの目を通して各登場人物の造形が丁寧に描かれ
ていて物語に奥行きを与えているし、派手さはないけれどロジカルな展開、登場人物の心の機微を描
きながら複雑な人間関係の中に隠された真相を追う丁寧で素晴らしい作品だと感じさせられました。
この作品では、LGBTQ,カルト、ダウン症(作品内では学習障害のある人と表現されていますが)
等色々な社会問題を描きながら 緻密で奥行きのあるストーリーテリングは流石にアン・クリーヴス
の手になるものだと納得と感動を覚えました。
勿論『シェトランド』シリーズも好きでしたが、もしかしたら『シェトランド』以上に気に入った作
品になるかも・・・と感じさせられた作品になりました。
ドラマを観ただけでは分からなかったかも。です。
そして、『哀惜』の解説中、原作はあと3作刊行されるという情報があり、是非翻訳を!と期待して
いた所、先日、何と!9月に本国にて新作発売になるとの情報が出ました。
で、このシリーズ原作を確認してみた所、
1.”The Long Call ”『哀惜』 : Sep.2019 (アガサ賞受賞)
2.”The Heron's Cry ” : Sep.2021
3.”The Girls on the Shore ” : Jan.2022
4.”The Raging Storm “ : Sep.2023
↑
となっているので、是非日本での翻訳出版も順次、なるべく早くお願いしたいところです。
(※ 尚、”The Girls on the Shore” は短編集の様なので別扱いされるかもしれません)
又、この ”マシュー・ヴェン”シリーズの本国での呼称は ”Two Rivers” とされている様ですが、
これは、このシリーズの舞台になったノース・デヴォンが二つの川が流れ込む地であることから・・・
といわれています。
ドラマとしての”マシュー・ヴェン” シーズン2が製作されるかどうかは現時点では未定の様です。
(source : ハヤカワ & etc.)