The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

SHERLOCK S4E3 ”The Final Problem”:ユーロスと真賀田四季 & etc.

2017-08-02 |  ∟ S4E3 : The Final Problem
『シャーロック』シーズン4:「最後の問題」と 『すべてがFになる』との類似

『シャーロック』S4を書き終えて暫らくボーっとしておりましたが、初見から何となく気に
なっていながら何時までもささった刺が抜けない様なスッキリしない思いがあったのですが、
先日某所でチラッと拝見したツイッター記事を見てハッと気づきました。


S4で突然登場した シャーロックの妹”ユーロス”のキャラクターを見ていて 脳の何処かで
チリチリするものを感じていたのですが それが何なのか全く思い浮かばなかったところ、
『すべてがFになる』にそっくりだ・・・と書かれていたツイッターのご意見を拝見し、あッ!
それだ!”真賀田四季”だッ!とやっと頭の上にランプが付き思い出し 思わず膝を打ったと
いうボケでした。
ずっと気になっていながら遂に自力では思い出す事が出来なかった前頭葉が弱った記憶喪失の
Yam Yamでした(情けなや・・・)
普段殆どツイッターを見る事はないのですが、本当にたまたま行き当たりまして、そんな風ですの
で何処でこのツイートを見たのか、何方が書かれたものなのか全く覚えていないと言うテイタラク
です。 良くぞ思い出させて下さったと感謝しつつ、ここで取り上げさせて頂く事をお許しい頂きたいと
思います。

『すべてがFになる』は、

森博嗣氏の『S&M』シリーズの第一作で1998年出版された作品です。
新しいタイプのミステリーと感じ 森作品にのめり込んだ最初の作品で、個人的にも一番好きな作品
でした。
出版直後に読んだ記憶があるので かれこれ18年以上前になるのでしょうか(大昔!) だから
直ぐに思いつかなかったんですよ~、とゴニョゴニョ言い訳(汗)。
そんな大昔に読んだものですから細部は忘れていたので 今回少しばかり再確認してみました。

この『すべてがFになる』で登場したのが、 ”真賀田四季”。
愛読者もかなり多いと思うし、ご存知の方も多いかとは思うので 今更ですが・・・
『S&M』シリーズは、N大学工学部助教授の犀川創平の”S”とその教え子の西之園萌絵の(萌絵
の)”M”を冠したシリーズ。

この時初めて登場する 真賀田四季は「人類のうち最も神に近い」といわれる知能の持つ天才プ
ログラマー。
5歳の時自身の特異性を認識して以来、この時点で彼女にとっての「知識のインプット」は完了し
ているといい、数多くの偉業を達成する。
又14歳の時両親殺害の罪に問われるが心神喪失という事で無罪となり 以来外界との交流を経ち
孤島(妃真加島)の研究所に閉じ籠り密かに研究を続ける天才工学博士。
複数の人格を所有する多重人格であり、人類を超越した人格、能力は巨大企業や組織から利用され
彼女自身もそれらを様々な形で利用している。 又殺人さえタブーとしない天才。
犀川教授が妃真加島に上陸した事を機に島の研究所を脱出し、その後も色々な場所で犀川と係る
事となる。
密室ミステリーでもあり、理工系ミステリーとも評されている様です。
・・・と云ったのが概略プロフィールです。(記憶が曖昧なので「BOOK」データベース等を参照
引用させていただきました)




そうなんです、再確認してみても 今回「シャーロック」S4で登場したユーロスのキャラクター、
”孤島”設定等何やらあれこれ類似点がある事に改めて気付かされました。
勿論モファティスが”真賀田四季”を知っている筈は無いだろうし、全くの偶然だとは思うの
ですがね・・・・
ただ、ユーロスが幼い頃のシャーロックに対して持っていた感情のみに動かされていて視野が
狭く限られているスケールの小ささ。 シャーロックの愛を取り戻した後あっけなく牙を抜か
れた無害なサイコパスに戻る単純さとは全く異なります。
こんな点でもユーロスのキャラクターの曖昧さ、底の浅さ等に物足りなさを感じたところでした。

話は戻り、後の「四季シリーズ」では真賀田四季の成長物語。
又「百年シリーズ」にも繋がってきます。
(イル・サンジャックの女王の名前メグツシュカをアルファベット表記にすると、頭文字の子音
が ”mgtsk” になる。主人公サエバ・ミチルと女王の関係は・・・・)

全く話が変わりますが、”Euros”のカタカナ表記に関して、ワタクシは”ユーロス”で通させて
頂きましたが 他に”ユーラス”、”エウロス”等表記されている所もあり、その他の俳優さんの
お名前も含め外国語のカタカナ表記が難しいと先日も話題にしていたところなのですが・・・
森作品でのカタカナ表示が特徴があり、
例えば、
computer → コンピュータ
elevetor → エレベータ
shutter → シャッタ  等々

mystery → ミステリィ
story→ ストーリィ 
energy→エネルギィ 等々
英語で最後が”er”や”or”になる単語で、カタカナにしたときに、3文字以上になるものには長音
をつけない。
子音+yでおわる単語は”イ”を用いる。
初めは少し戸惑ったのですが、 
これは工学分野で用いられる表記だとの事で、工学博士である森先生のこだわりでもある様です。

あ、それから全然知らなかったんですが、この作品TVドラマ化、アニメ化されているそうですね?
全然観た事ないんです。
って言うか、知っていたとしても多分見なかったと思う。
原作を先に読んだ作品のドラマ化はまず観ないです。 全く個人的な考え方ですが、原作を先に読むと
自分なりのイメージが作られてしまうのと、映像化され作品は殆どの場合原作とは違う設定になって
いたり、大幅に内容が変わっていたりする場合も多く、殆どの場合映像化された作品は別の物って
感じてしまうのです。 それはそれでより良い作品になる場合もありますが・・・・
読んでから見るか、見てから読むか・・・・ですね。

「シャーロック」から「すべてがFになる」へ、そして森作品へと取り留めなくなってしまいました。
随分昔の事だったので、これを機会に再度「S&M」シリーズを読み直してみようかと思います。
因みに、犀川先生お気に入りです(って、聞いてないですね?)




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