OBERON 日記

1999年1月25日。パソコン通信から始まった公開日記。
できれば、死ぬまで続けたい・・・(爆)。

編集者との信頼関係がないと書く仕事なんか続けられない

2021-04-05 08:15:41 | Weblog
今、宮崎/伸治さんの『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』を読んでいます。「BOOK」のデータベースでは「30代のころの私は、次から次へと執筆・翻訳の依頼が舞い込み、1年365日フル稼働が当たり前だった。その結果、30代の10年間で50冊ほどの単行本を出すに至った。が、そんな私もふと気がついてみれば、最後に本を出してから8年以上も経っていた。―なぜか?私が出版業界から足を洗うまでの全軌跡をご紹介しよう。出版界の暗部に斬りこむ天国と地獄のドキュメント。」と解説されているようです。

最初は、興味深く読んでいたんですよね。翻訳ものではないですが、ゴーストライターまがいのことも少しはしたことがあるので、「そうそう、わかるっ!」というようなこともありましたし、けっこう楽しく読んでいたんです。でも、読み進めるうちに、だんだん何だか楽しくなくなってきて・・・で、気づいたんですよね・・・宮崎さんって、ぜんぜん好い編集者に会っていないんじゃないかなって。

依頼をうけ、取材して記事を書くフリーのライターをしていた頃、一番強く感じていたのは、「この仕事を続けていくのに一番大切なのは、編集者との信頼関係だ」って。

取材対象者は、それこそ取材回数分だけいらっしゃるわけです。ほとんどの方とは文字通りの一期一会、二度とお会いすることがありません。だから、そこで嫌な思いをすることがあっても、簡単にやり過ごすことが出来ます。実際、横柄な態度をとる人など、珍しくもありません。いちいち凹んでいては、とてもとても取材なんてできないわけです。でも、編集者との関係は大切です。仕事が気に入ってもらえれば、継続的にお仕事を依頼していただけるわけですから。だからこそ、編集者がどういう人か、わたしのことをライターとしてどう評価してくれているのかは、とても大切です。

私の場合、何人かの編集者とは、とても好い関係を結べたと思います。だからといって、プライベートでも会って仲良くするなんてことはほとんどしませんでしたが、仕事自体は、とても気持ちよくさせて頂きました。取材対象者からライターに関するクレームが入っても、それが理不尽なものであれば、ちゃんとライターを守ってくれる、そういう編集者です。

最初に戻りますが、宮崎さんの『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』という著書を途中まで読んで・・・きっと、宮崎さんには好い出会いがなかったんだろうんと確信してしまいました。出版翻訳という仕事をよく知りませんが、誰かと一緒に本を作るという意識の希薄な作業なのかなと想像しました。少なくても、今まで読んだ部分には、そういう要素が全くありませんでした。

わたしは超自己中な人間で、比較的孤独にも強い方だと思うのですが・・・それでも、何かを創るのに、仲間と力を合わせて完成させる喜びの大きさは良く知っています。この本を読みながら、あらためて、喜びも悲しさも、人との出会いとか、人との関わりを通して得られるものなんだなって思いました(^^)。