OBERON 日記

1999年1月25日。パソコン通信から始まった公開日記。
できれば、死ぬまで続けたい・・・(爆)。

噂って怖いですよ・・・思った以上に人を追い詰めたりしますよ・・・

2019-08-06 15:47:40 | Weblog
民生児童委員をしていると、個人情報の保護に関しては、よくよく気を付けるようにと指導される。講習も受けさせられるし、折りに触れて「注意してください」と言われる。でも、そのせいで大切にすべき繋がりが断たれることもあり、役割を果たす上で障害になっていると感じることもある。何んのために何を保護してるんだと言いたくなることもある。ただ、犯罪集団が、個人情報が記載された名簿をもとにターゲットを物色していると聞くと、たいして重要ではないような個人の情報だって、いくらでも悪用されることがあるわけだから、個人情報保護っていうのも必要なのだろうと思う。いつも、個人情報保護の必要性と弊害のはざまで悩んでしまう。

そんな私のもとに、さっき、調査会社の者だと名乗る人物がやってきて、とある人物に関して聞きたいという。民生児童委員の私にではなく、別の肩書の私にだったが・・・ふむ。

調査会社の人によれば、とある人物は、とある出来事の加害者であるようだ。なぜ、このようなことを聞くのかの説明だといって、その出来事について詳しく語ってくれた・・・オイオイ。

わたしは、その人物について全く知らないから、そのむねを伝えた。そして「でも、もし知っていても、それはお話しできないでしょう」と言った。

まず、その調査会社の人が、本当に調査会社の人なのか分からない。彼が語った出来事も本当の事かどうか分からない。もしかしたら、彼はストーカーであるかもしれない。そう簡単に、他人の事、べらべら喋れないでしょ。民生児童委員でなくても、守秘義務の縛りがなくても、喋るべきじゃないでしょ、違うかな。

それにね「今、わたしは、あなたからお話を聞いたことによって、その方(住まいも実名も聞かされた)のこと、とっても悪い人だという印象を持ってしまいましたよ。あなたのお話が本当のことであれば、たしかに間違いを犯して正そうとしない人なのかもしれませんが、たとえそうであったとしても、それを全くの第三者に知られてもいいものでしょうか。あなたが、さらにご近所の方たちにその話をしてまわったら、もっと多くの人が、その人に悪い印象を持ちますよ。悪いことをした人なのだから、それは仕方のないことだとお考えなのですか?」と聞きました。

今回の件が、それに該当するかどうかは分かりませんが・・・個人情報の保護だけでなく、なんやかんやの制約で、悪いことをした人のことを探し出せないという問題はあるのかもしれません。悪いことをしておいて逃げ得なんてことが、そこかしこで起こっているのかもしれません。それで困っていく方、悔しい思いをしている方も、たくさんおられるのかもしれません。わたしも多少は、その立場を理解できます。たいしたことではありませんが、似たような経験はなくもないですから。

けど・・・調査会社の人間だという人が、家族や知り合い、職場の人やご近所さんに、「○○さんは、こんな悪いことをしたんですよ」とふれて回るというのは・・・ちょっと考え欲しいと、調査会社の人に伝えました。

被害者の心情や利益が何より優先されるべきだと思います。加害者保護になってしまうようなことは好ましいとは思いませんでも・・・この調査会社の人間だと名乗る人の、詳細な内容を伝えながら近隣へ問い合わせるという行為は、やっぱり危険だと思います。

一番恐ろしいのは、この人物が調査会社の人間でもなんでもなく、名前をあげられた人物には何の落ち度もなく、ただ悪意を持って誰かに貶められていたとしたら・・・それでも、そのことを確かめるすべはなく、ただ、一度聞いたその人の悪い噂だけが多くの人の記憶に残ることになるわけで・・・それが、その人の大切な人間関係や仕事などに悪影響を及ぼすこともあり得るわけですし・・・

調査会社の人は、「あくまでも任意にお伺いしているので、無理に情報を聞き出そうとしているわけじゃないです」「こんなことをお聞きするのに、ちゃんとした理由を正しくお伝えしないわけにはいかないと考えました」と仰っていましたが・・・いや、そういうことじゃなく・・・きっと、分かっていただけないんでしょうね。