OBERON 日記

1999年1月25日。パソコン通信から始まった公開日記。
できれば、死ぬまで続けたい・・・(爆)。

絵画も緊張したり寛いだりするんだね

2014-12-04 18:17:45 | Weblog
先月のことですが
夫が、懇意にして頂いている坂上博章画伯の特別展を企画し
わたしも、そのお手伝いに駆り出されていました。

といっても
ただ夫のお供をして
週末ごとに画伯のアトリエにお邪魔し
どの絵を展示するか、どのように展示するかなど
画伯と夫が話し合っている傍で
のんびり贅沢に絵を鑑賞していただけなんですけどね(^^;。

アトリエには
比較的初期の作品から最近描き上げられたもの
小品から大作まで、沢山の作品が無造作に置かれていて・・・

その中に坐っていると不思議な浮遊感を感じるというか・・・
画伯と夫の話す声も遠くに聞こえるようになり・・・
うまく表現できないんですが・・・
一つ一つの絵画が、とても身近に・・・というか、親しげに話しかけてくる感じなんですよね。

下世話なことを言うなら
大きな作品になると何千万円の値がつく高価なものなんですが
そういうことも忘れて一緒に戯れられるような・・・とでも言いますか・・・

でも
それが展示場所に運び込まれ
しっかりと飾られてしまうと・・・
さすが・・・と申しましょうか、ちゃんと立派な絵画作品の表情になるのですよ。
関西流の表現をするなら"しゅっとしてはる"感じになるわけです(^^;。

いや~
その一流感満載のエリートな顔の絵画たちを見たときは
正直、誇らしいと同時に、ちょっと寂しかったです・・・彼らが遠くに行ってしまったような気がして。

けど、展示期間が終わって
画伯のアトリエに帰ってきた絵画たちは
また、いつもの親しげな優しい雰囲気に戻っていて・・・

わたしは思わず彼らに
「君たちも頑張ってお澄まししてたんやね。ご苦労様やったね」と呟きました(^^;。

絵画も、飾られる場所によって、その表情を変えるものなんですね。
仕事モードとリラックスモードがあるんですね。

じゃあ、購入されて、買った人の自宅に飾られたら、その絵画は、どんな顔をするのかな。
会社や公共の施設に飾られたりしたら、ずっと緊張しっぱなしなのかな。

きっと、愛され愛でられていたら、緊張していてもリラックスしていても、絵画は幸せな気持ちでいるのだろうな。
その反対に、無関心の中に放置されたら、絵画も無表情になってしまうのかもしれない。

坂上先生が、あまり積極的に作品を売ろうとしない理由が、なんとなく少しは分かった気がしたのでした。