徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

巫女神楽

2022-11-14 21:24:57 | 日本文化
 今月25日に行われる玉名市の「梅林天満宮例大祭」は主たる祭事である「鏑流馬」(熊本県指定重要無形民俗文化財)のほか、太宰府天満宮の巫女による神楽や地元の神楽保存会による神楽も行われます。巫女神楽は3年ぶりとなります。
 例年、「扇の舞」と「榊の舞」が舞われますが、「扇の舞」は明治43年、当時、「現人神(あらひとがみ)」とされていた明治天皇が「神祇(じんぎ)」の御題で詠まれた
  「わが國は神のすゑなり神祭る昔の手ぶり忘るなよゆめ」
という御歌が詞章となっています。
 また「榊の舞」は明治37年、「鏡」の御題で詠まれた
  「打向かふ度に心を磨けとや鏡は神の造り初めけむ」
という御歌が詞章となっています。

 神楽とは、神を祀るために演じられる神事芸能のことです。神楽の起源は、「記紀」に書かれている岩戸隠れの段で、天岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が神がかりの舞をしたのが始まりだといわれています。その舞たるや「おけ」の上で「胸乳を掛き出し裳紐を番登に忍し垂れ」たとあります。つまりおけを伏せて上にのり、半裸状態で神がかった舞をしたというのです。
 江戸時代まではこうした神がかりした巫女神楽があったそうですが、明治時代以降は舞も音楽も洗練され芸能化が進んだと言われています。