今日、所用で玉名市の母の実家へ行った帰り、いつものように河内川に沿って山越えの道を選んだ。途中、鼓ヶ滝を見降ろしてひと休みしながら、平安時代の女流歌人、檜垣が詠んだとも伝えられる歌を思い出した。
音にきくつゝみか瀧をうちみれは たゝ山川のなるにそ有ける
「檜垣嫗集」に載せられたこの歌は、実は肥後國司でもあった清原元輔がこの地を訪れた時、一人の法師がこの滝を見て詠んだとして「拾遺和歌集」にも掲載されているが真相はわからない。
能に「鼓の滝」を主題とした「鼓滝」という作品があり、世阿弥作とも言われるが、摂津国有馬が舞台となっている。その中に古歌として「津の国の鼓の滝をうちみればただ山川のなるにぞありける」という歌が登場し、和歌にも詠まれた名所だという設定になっているが、この歌の元となったのは、「拾遺和歌集」などにも収録されている肥後国の鼓ヶ滝を詠んだ前述の歌と言われている。つまり平安時代に肥後の名所だった鼓ヶ滝を詠んだ歌を借りて、中世に有名な温泉場だった有馬に舞台を置き換えたものだそうだ。
もし、能「鼓滝」が本当に世阿弥作ならば、能「檜垣」を構想した時、「檜垣嫗集」もしくは「拾遺和歌集」の鼓ヶ滝の歌から別の物語を発想した可能性がある。そんなことを妄想しながらひと時を過ごした。
滝の南側には「歌詠場」があるという案内板が立っているが、今まで入れる状態ではなかった。できるだけ早く整備してもらいたいものだ。
「鼓ヶ滝」。能「檜垣」の舞台となった岩戸観音とは近い距離にある。
音にきくつゝみか瀧をうちみれは たゝ山川のなるにそ有ける
「檜垣嫗集」に載せられたこの歌は、実は肥後國司でもあった清原元輔がこの地を訪れた時、一人の法師がこの滝を見て詠んだとして「拾遺和歌集」にも掲載されているが真相はわからない。
能に「鼓の滝」を主題とした「鼓滝」という作品があり、世阿弥作とも言われるが、摂津国有馬が舞台となっている。その中に古歌として「津の国の鼓の滝をうちみればただ山川のなるにぞありける」という歌が登場し、和歌にも詠まれた名所だという設定になっているが、この歌の元となったのは、「拾遺和歌集」などにも収録されている肥後国の鼓ヶ滝を詠んだ前述の歌と言われている。つまり平安時代に肥後の名所だった鼓ヶ滝を詠んだ歌を借りて、中世に有名な温泉場だった有馬に舞台を置き換えたものだそうだ。
もし、能「鼓滝」が本当に世阿弥作ならば、能「檜垣」を構想した時、「檜垣嫗集」もしくは「拾遺和歌集」の鼓ヶ滝の歌から別の物語を発想した可能性がある。そんなことを妄想しながらひと時を過ごした。
滝の南側には「歌詠場」があるという案内板が立っているが、今まで入れる状態ではなかった。できるだけ早く整備してもらいたいものだ。
「鼓ヶ滝」。能「檜垣」の舞台となった岩戸観音とは近い距離にある。