先週所用で玉名に行った。帰りは久しぶりに河内経由で河内川沿いに山越えのコースを選んだ。漱石ゆかりの小天の前田家別邸に寄ってみようかと思ったのだが、また今度ゆっくり来ることにして通過した。車窓から「草枕」の一場面となる風呂場がチラッと見えた。思わず「旅の衣は鈴懸の…」という長唄「勧進帳」の一節が頭に浮かんだ。
「草枕」の第七章、画工が「那古井の宿」の湯槽につかってあれこれ思いめぐらしていると、どこからか三味の音が聞こえてくる。それは画工の意識を子供の頃に飛ばす。近くの酒屋の娘が長唄のおさらいをやっていて「旅の衣は鈴懸の…」という唄声が聞こえてくる。そんな遠い昔の世界に浸っていると、突然風呂場の戸が開き、現実の世界に引き戻される。やがて、湯煙りの向こうに裸の那美さんが現れるという場面になる。
漱石が逗留した前田家別邸
「草枕絵巻」より松岡映丘筆「湯煙」
河内川沿いに登り鳥越の峠の茶屋まで来ると、ちょっと「草枕の道」をトレースして見たくなり、逆戻りになるが大将陣の棚田から竹林を通り抜けて芳野の追分まで戻ってみた。
鳥越の峠の茶屋から金峰山登山道に入る。
大将陣の棚田の向こう、昼なお暗い竹林の道を通って芳野の追分に戻る。
「〽旅の衣は篠懸の…」という唄い出しで始まる長唄「勧進帳」
「草枕」の第七章、画工が「那古井の宿」の湯槽につかってあれこれ思いめぐらしていると、どこからか三味の音が聞こえてくる。それは画工の意識を子供の頃に飛ばす。近くの酒屋の娘が長唄のおさらいをやっていて「旅の衣は鈴懸の…」という唄声が聞こえてくる。そんな遠い昔の世界に浸っていると、突然風呂場の戸が開き、現実の世界に引き戻される。やがて、湯煙りの向こうに裸の那美さんが現れるという場面になる。
漱石が逗留した前田家別邸
「草枕絵巻」より松岡映丘筆「湯煙」
河内川沿いに登り鳥越の峠の茶屋まで来ると、ちょっと「草枕の道」をトレースして見たくなり、逆戻りになるが大将陣の棚田から竹林を通り抜けて芳野の追分まで戻ってみた。
鳥越の峠の茶屋から金峰山登山道に入る。
大将陣の棚田の向こう、昼なお暗い竹林の道を通って芳野の追分に戻る。
「〽旅の衣は篠懸の…」という唄い出しで始まる長唄「勧進帳」