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圓蔵師匠の噺はマクラがやたらと長いが、だいたいこんなような噺だ。
品川の女郎お染は人気も陰り、物日に必要な金を用立ててくれる客もいない。女郎たちから馬鹿にされるので死のうと思うが、一人で死ぬのも癪なので誰かを道連れにすることを思いつく。なじみの客の中から、少々とんまな貸本屋の金蔵を道連れにすることにする。さて顛末は、というおなじみのお話し。
話を聞きながら、この「品川心中」をエピソードの一つとして取り込んだ川島雄三監督の傑作映画「幕末太陽傳」のことを思い出した。女郎お染を演じたのが昭和の名女優・左幸子。そして貸本屋金蔵(映画では金造)を演じたのが、俳優、演出家、語り芸など多彩な才能で活躍した小沢昭一。映画のシーンを思い浮かべながら圓蔵師匠の噺を聴いていたら二重に楽しめた気がした。
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