徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

体育の日に思うこと

2015-10-08 18:59:19 | スポーツ一般
 毎年、「体育の日」が近づくと僕は釈然としない気持になる。今年は10月12日ということになっているが、僕にとっての「体育の日」つまり1964年に東京オリンピックの開会式が行われたのは10月10日しかありえない。日本にとって、戦後復興の象徴ともいえる東京オリンピックの開会式の記念日が、毎年よくわけのわからない日に変わることに物凄く抵抗感がある。
 この1964年という年は僕にとって一生のうちで最も思い出深い年。この年から僕は大学に進学して上京した。スポーツ界全体が年明けから10月のオリンピックに向けて非常時体制に入っていた。高校の卒業式も待たず、2月に上京と同時に合宿所に入り、連日、東大や神宮の温水プールでの激しい練習が始まった。どの大学も一人でも多くのオリンピック選手を送り込むために、いつものシーズンより早く活動を開始していたのである。
 オリンピックが始まると、僕らは大会運営の裏方を務めた。開会式の当日、僕は非番の日で、合宿所のテレビで開会式を見た。ブルーインパルスが五輪の輪を描く場面になると、みんな一斉に窓を開けて空を見上げた。抜けるような青空に白い五つの重なる輪を描いて飛び去るブルーインパルスの機影が見えた。その日からの15日間は楽しかった。当番の日は、千駄ヶ谷の東京体育館や代々木のオリンピックプールへ通った。まさに夢のような日々だった。
 5年後に迫った2回目の東京オリンピック。新国立競技場建設や大会エンブレムの問題が噴出し、正直、興ざめの心境だ。これから挽回し、無事開会式にたどりつけたとしても、51年前のあの輝ける日々の再現はおそらくないだろう。


代々木オリンピックプール