のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

潔さ

2020年03月03日 | 日記・エッセイ・コラム

 例年とは違う3月3日。と、言っても、夜に予定していた越後の浦佐の毘沙門様のお祭りがないだけのことですが、何か張り合いがない。

 世間一般にはひな祭り。山仕事のお茶時間にお雛様と内裏様はどちらが右か左かの話になりました。私は男ばかりの兄弟なのでひな壇は縁がなかったのですが、日本の着物の衿の合わせは生きていれば男女とも左が上。

 女性の右側からの方が手を入れやすい。「まぐわいせむ」と左手で女性の肩を抱き寄せ、右手をするりと襟からおっぱいへ。ゆえに、左側が女性になる。って教わりました。

 下を狙う場合は?「下だって合わせはおんなじだから右側からの方が滑りこませやすいっぺ。」とはいえ、十二単ですから具にたどり着くまでは峠越えが大変だったことでしょう。

 「そんときゃおめぇ、ひっくり返して、おん巻くって菱餅めがけて突っ込むんだっぺやぁ。」

 大変勉強になりました。

 おらが村の春祭りの一番最初はザル観音と呼ばれるお祭り。修験道のお寺で行われるお祭りですが、ここから連休明けまで各地区の春祭りが始まります。

 ザル観音はこのお祭りの時にザルや農機具などを販売する出店が並んだことが名前の由来で、なんてこたぁない、今ではホームセンターでいくらでも手に入るものですが、作り手の顔が見られるのがうれしい。

 今年は鉈を一つ新調しようかな、と思ってました。左利きなので出店に並んでいなくてあとで送ってもらうのがお決まりですが、越後の毘沙門様で三条の刃物がいいか?こちらの毘沙門様で地元物がいいか?なんてことを今朝は考えていました。

 お昼休みにザル観音に行って見たら出店が出ていない。

 ウィルスのせいか?時代のせいなのか?思い返せば鍛冶屋さんもみな引退しちゃったし、かといって、作り手の顔も見えぬホームセンター物など信用できないし、しばらく今使っているものを使い続けよう。

 神社ではなくお寺ですが入り口で手を洗って口をすすいで清めてから境内に入るときに気が付いた。これってウィルス対策そのものじゃん!日本の風習すげぇ!

 日本って美意識の国だと思うのだけど、潔さを重んじますね。そして、潔いって清潔につながる。美しくないもの、不潔なものに対して不信感を憶える。案外正解かもしれない。

 有事・無事で考えると今は有事の様相だと思うのだけど、こういう時に人様の「質」がわかりますね。

 夕方、今日はタイムリーにお惣菜半額時間帯に行けたんですよ。

 お弁当が半額に!と歩み寄ったとたんに買い物かご乗せたワゴンを押した貧相なおばさんが横向きにワゴンを止めてブロック!おぉ、邪魔だな。と思っていたら、弁当あらかた持って行かれてしまった。狙っていたお雛祭りの赤飯弁当も。何人家族?朝昼晩食前食後に半額弁当食べてるの?ニダの人?

 ばばぁ、てめぇ!と思いましたが、良識と品性と美貌が邪魔して太刀打ちできない。

 かろうじて149円の海苔弁当一個は確保できましたが、田舎者には太刀打ちできない勢力が入り込んでいます。

 こういうのがマスクやトイレットペーパー無駄に買い占めているんだろうな。

 厚顔無恥にはなりたくない。

コメント (2)
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