読書な日々

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花の風情

2006年07月22日 | 日々の雑感
花の風情

冬から春にかけて、まだ日ざしが強くない時期には、近くの池の周りがジョギングコースになっているのでそこに走りに行く。その周回コースの手前にくちなしの花があって、春になる前、だんだん暖かくなる頃になると、あのなんともいえない香りをあたりに漂わせる。その白さがあの甘酸っぱいような香りとミスマッチな漢字もするが、花の香りがいろいろあるといえども、あんな強い香りをあたりに漂わせる花もめずらしい。ただ花が終わるとその白さがくすんで汚らしくなるのが残念だ。椿のようにきれいなうちに落ちてしまったほうがいいのに。

ジョギングコースの途中に東側が竹林で西側が畑になっている所がある。そこに家がところどころ建っている。そのなかの一軒のとなりが空き地のようになっていて大きな木の陰になったところ、ちょうど畳一枚分の広さが沼のようになっている。秋から冬にかけては雑草がはえ、ときにはゴミが落ちていたりするので、この広さなら駐車場にでもすればいいのにと思いながら走っていたが、春になるとなにやら生えてきて、5月から6月にかけて花しょうぶの黄色い花が咲いて、それはきれいになる。この時期には花は落ちているけれども、まっすぐ伸びた茎なのか葉っぱなのかがきれいな緑色を輝かせている。きっと地下茎に栄養を蓄えているのだろう。

私が住んでいる大阪の南部にはまだ田園地帯がたくさんある。一つ川を渡ると、向こうは20年くらいはタイムスリップしたような田舎の風情のあるところ。秋になるとそこをジョギングするのだが、目当てはコスモスの群生だ。風に揺られながら、ピンクや赤や白のコスモスが揺れているのを見るのは、なんとも言えず秋の風情がある。ときどきわい性の背丈が伸びないコスモスを買って来てベランダに植えたりするが、やはりコスモスは背丈が高くて群生して、風に揺られていないと風情がない。秋風に揺れ、その後に秋の高い空があるというのが、なんだかいい。

冬になると、まぁ大阪は年に一度か二度ちょっとした雪が降るくらいだからたいしたことはない。雪の多い地方の人たちはジョギングはどうしているのだろうか?私の生まれ育った山陰も雪が多かった(最近は温暖化のせいかそうでもないようだが)ので、雪が降った次の日の朝は、空は真っ青、山は白く、空気はピーンと張りつめて冷たい、というのが好きだった。
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