読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

『82年生まれ、キム・ジヨン』

2020年05月22日 | 韓国文学
チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房、2018年)

数百もの予約者があったが、待っただけのことがあった小説だった。書店に行くたびに、この本を目にして、買ってしまおうかと何度も思ったが、図書館に予約しているんだしと、思い直した。(別に自慢気に書くことではないと思うけど。)

毎日韓国ドラマをテレビで見ている。韓国で女を生きるのは大変だなといつも思う。たとえば、少し前に見た『私のIDはカンナム美人』。中学生の頃からブサイクと言われ続けた主人公のカン・ミレが大学に入学したのを期に整形して人生をやり直そうとする話だが、そうした美醜の問題だけでなく、大学生からして上下の関係、男女の関係など、日本では想像できないほどの厳しさがある。

この小説を読むと、社会の変化もそしてそれに伴う男性自身の意識の変化(いい意味でも悪い意味でも)がしっかり書き込まれていて、よく分かる。

ときに韓国文化は興味深いけど、韓国人とはお付き合いしくはないな、と思うこともドラマなどを見ていて多々ある。でも、韓国の人たちも日本人を見て、同じことを思っているのかもしれない。

日韓には近くて遠い国のような大きな溝があるように見えるが、私は少なくとも、多くの犠牲を払って自分たちの力で民主主義を作り上げてきた韓国の人々に敬意を抱いている。
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