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前川喜平講演会

2019年02月04日 | 日々の雑感
前川喜平講演会

堺市であった前川喜平の講演会に行ってきた。タイトルは主催者が勝手に決めたものだという断りがあったが、「さらば面従腹背―憲法と教育 文部行政のあり方―」というものだった。

加計学園問題で安倍首相が嘘を付いていることは明白だというような安倍首相批判、公務員や議員には憲法遵守と尊重の義務があるというような話などの後に、文部行政の話になった。

その中で教育行政への政治の介入は最も避けなければならないという話になり、東京の七生養護学校事件の判決が東京高裁で出て、それは教育に乱暴に介入した議員たち、それを守るべきであった教育委員会への厳しい断罪であったという話があった。

さらに、国政レベルでは、中曽根が首相時代に臨教審を作って、右翼的な方向―教育勅語復活的な方向へ教育を持っていこうとしたが、この臨教審がどういうわけか、教育の自律のほうへ方針を舵取りしてしまったことから、子どもの個の主体を大事にするという教育方針から、ゆとり教育という試みも行われたという説明が行われた。

要するに、私たち文部官僚は、臨教審の方向に基づいて、教育の自律を守るためにやってきたという話である。しかし第一次安倍政権時代に教育基本法が改悪され、道徳教育が必須科目になり、道徳教科書をはじめとして、危険な状況になっているという話だった。

それは公演後の質問コーナーで芋縄さんという、堺市の小学校に子どもを通学させている母親が話していた道徳の授業の実態からも察せられた。

私の感想は、これが自民党政権の裏側をずっと追ってきたジャーナリストかなんかの講演なら、もっとすとんと心に響いただろうけど、これまで面従腹背をしてきたが、官僚を辞めたので、好きなこと言えるようになったという人物の話だけに、眉唾に聞こえたということだ。

首相の時に何もやらないで、というか推進してきておきながら、今頃になって「その気になれば原発全廃はできる」などとたわごとを言っている小泉元首相のように思えてならない。面従腹背しないで、言うことをきちんと言って、戦ってきた人は山ほどいる。そういう人たちはこれほどもてはやされることはないのに、これまで定年退職するまで面従腹背をしてきた人物をどうしてこんなにもてはやすのか?ネットを見たら、毎日のようにあちこちで講演をやっているみたい。超売れっ子だ。私には理解できない。

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