深水黎一郎『花窗玻璃 シャガールの黙示』(講談社、2009年)
外来語をなんでも漢字表記にしてしまう変わった小説で、これもタイトルの漢字が読めない。どこかのブログで紹介されていたので読んでみた。カテドラルについての造詣の深さは、どこかの大学のフランス語の先生をしているらしい著者の経歴から納得。
私なんかもフランスのカテドラルをすこし見た(ランス大聖堂、パリのノートルダム、シャルトル大聖堂くらいかな)が、きちんとした知識をもっていないと、ステンドグラスを見ても「ああきれいだな」くらいの感想しか沸いてこないのも当然だろう。
これもどこかのブログで書いていたが、ミステリーの謎解きなんかはどうでもよく、この著者のカテドラルとか絵画とかについての薀蓄を読みながら、ちょっと勉強をさせていただくほうがよほど面白いし、ためになる。カテドラルに関わる名詞にすべてカタカナのルビが振ってあることで、こんな風に訳せばいいのだということが分かるのも面白い。
クロワゼ交差部、ピナクル小尖塔、トレサリー飾り格子、ファサード立面、アーク・ブータン飛梁、クロワジオン袖廊、オクルス眼窓、メダイヨン小窓、ランセット縦長尖頭窓、タンパン扉門上壁、シュベ・プラ正面後陣、シャピトー柱頭、トリフォリウム三拱式拱廊、などなど。
私がランスに行ったのは2000年だったか。たった一泊しただけの小旅行だったので、パリに荷物を残して、デイパックだけもって、知り合いと二人で出かけた。共通の知り合いがランスにいたので一緒に行くことになったのだが、一緒に行った知り合いは三年くらいランスに住んでいたことがある人だったので、ランスのことは隅から隅まで知っており、すべてお任せの旅行だったので、かえって思い出があまりない。
昼頃に到着して、共通の知り合いのおばさんと三人で食事をしてから大聖堂見物をした。こういう場合は、この小説の元大学教授のローランと同じで、地元の世界遺産はどうしもて客人に見せたいところだろう。そしていろいろ解説をしたくなるものだ。彼女の説明も今となってはほとんど記憶にないのが残念だ。
夕食はこのおばさんの自宅でとったあと、ちょうど行なわれていたコンサートを聴きに行って、そのあとホテルに行った。翌日は、藤田が壁画を描いたという教会を見たり、シャンパンの産地だからカーヴの見物と試飲をしたあと、パリに戻ってきた。日本でもそうだと思うが、地方の小都市、これが住むには一番いい。落ち着いていて、文化的にはなんでもあって。申し分ない。

私なんかもフランスのカテドラルをすこし見た(ランス大聖堂、パリのノートルダム、シャルトル大聖堂くらいかな)が、きちんとした知識をもっていないと、ステンドグラスを見ても「ああきれいだな」くらいの感想しか沸いてこないのも当然だろう。
これもどこかのブログで書いていたが、ミステリーの謎解きなんかはどうでもよく、この著者のカテドラルとか絵画とかについての薀蓄を読みながら、ちょっと勉強をさせていただくほうがよほど面白いし、ためになる。カテドラルに関わる名詞にすべてカタカナのルビが振ってあることで、こんな風に訳せばいいのだということが分かるのも面白い。
クロワゼ交差部、ピナクル小尖塔、トレサリー飾り格子、ファサード立面、アーク・ブータン飛梁、クロワジオン袖廊、オクルス眼窓、メダイヨン小窓、ランセット縦長尖頭窓、タンパン扉門上壁、シュベ・プラ正面後陣、シャピトー柱頭、トリフォリウム三拱式拱廊、などなど。
私がランスに行ったのは2000年だったか。たった一泊しただけの小旅行だったので、パリに荷物を残して、デイパックだけもって、知り合いと二人で出かけた。共通の知り合いがランスにいたので一緒に行くことになったのだが、一緒に行った知り合いは三年くらいランスに住んでいたことがある人だったので、ランスのことは隅から隅まで知っており、すべてお任せの旅行だったので、かえって思い出があまりない。
昼頃に到着して、共通の知り合いのおばさんと三人で食事をしてから大聖堂見物をした。こういう場合は、この小説の元大学教授のローランと同じで、地元の世界遺産はどうしもて客人に見せたいところだろう。そしていろいろ解説をしたくなるものだ。彼女の説明も今となってはほとんど記憶にないのが残念だ。
夕食はこのおばさんの自宅でとったあと、ちょうど行なわれていたコンサートを聴きに行って、そのあとホテルに行った。翌日は、藤田が壁画を描いたという教会を見たり、シャンパンの産地だからカーヴの見物と試飲をしたあと、パリに戻ってきた。日本でもそうだと思うが、地方の小都市、これが住むには一番いい。落ち着いていて、文化的にはなんでもあって。申し分ない。