日本農業新聞e農ネットの[暗雲 TPP大筋合意 上]は「米産地 所得増大に逆行 再生産の仕組み訴え 宮城県栗原市 (2015/10/9)」という記事であった。
内容は以下の通り
環太平洋連携協定(TPP)交渉が大筋合意したのを受け、生産現場に不安が広がっている。
かつてない規模の農畜産物の市場開放を迫られるだけに、産地からは将来を展望できる農業政策が不可欠との声が強く上がる。
「外食や中食が安価な輸入米に目を向けるのは確実だ。業務用の需要までなくなったら、米農家はどうすればいいんだ」
米の収穫最盛期を迎えた宮城県栗原市瀬峰地区。
水稲4ヘクタールのうち、1ヘクタールで今年から業務用米の栽培を始めた米山嘉彦さん(53)は、不安を口にする。
米山さんが導入した「萌えみのり」は、JA栗っこが産地化を進める業務用米だ。
家庭用米の需要が減る中、大手卸を通じてチェーンレストランなどの販路を開拓してきた。
6年目の2015年産の作付面積は220ヘクタール。
引き合いは強く、16年産は350ヘクタールに広がる見通しだ。
・業務需要減少も
そんな矢先、TPP交渉で7万8400トンの特別輸入枠設定が決まった。
15年産は国やJAグループを挙げて米の需給改善に努めた。
価格浮揚に向け、生産調整の徹底は今後も避けて通れない。
低価格の輸入米が増えれば、業務用米の需要は一気に奪われる。
国は新設した輸入枠と同量の国産米を政府備蓄米として買い入れる方針だが、JAの橋英夫常務は「特別輸入枠は、業務用米の需要開拓を推進する政府の農政改革に逆行している。農家の所得増大の糸口がなくなり、稲作もかつての林業と同じ道をたどることになってしまう」と懸念する。
14年産の米価低迷を受け、現場は所得確保に向けてコスト削減を重視する。
市内で水稲3ヘクタールを栽培する小野寺忠八さん(67)は15年産から農家2人と機械の共同利用を始めた。
そうした工夫も水の泡になりかねない。
小野寺さんは「外国では1人で数百ヘクタールを栽培し、大幅にコストを下げて低価格を実現している。そんな米が増えたら、規模の小さい日本の農家がどれだけコストを減らしても所得は確保できない」と打ち明ける。
・現行策は不十分
稲作農家の減収に対する措置には、収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)がある。
過去5年のうち最高と最低を除く3年の平均収入を下回った場合、差額の9割を農家と国が拠出する積立金で補塡(ほてん)する。
しかし、輸入米の流入で米価が低くなれば平均収入も下がり続ける。
ナラシ対策の補塡水準も低くなる仕組みだ。
その上、米の直接支払交付金(10アール当たり7500円)も18年産から廃止になる。
最大10アール10万5000円の交付が受けられる飼料用米の数量払いも法制化しておらず、予算措置にとどまる。
財務省では削減を目指す動きすらある。
JAの稲作生産者協議会の会長を務める米山さんは「今ですら多くの稲作農家は苦境に立たされている。現行対策が不十分なのは明らかだ。確実に再生産を支える仕組みがないと国内の水田農業は崩壊する」と訴える。(日影耕造)
というもの。
日本の農業にとって脅威なのが、日本の商社が外国で栽培している「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」などの日本を代表する品種。
外国の品種であれば、まだ戦い方はある。
消費者の判断も変わってくると思う。
しかし、日本の品種が逆輸入されるとなると、もう打つ手はない。
米袋に書かれている品種名は「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」。
価格も5kgで800円台だろう。
現在でも、いちいちJAS表示を確認する消費者は少ない。
なので、そのお米が外国産だと理解して買う人が、どのくらいいるのか。
そんな状態のままだと、最終的に外国産米は、安くて食べやすいお米として認知されてしまうかもしれない。
各産地は、どういう戦い方を考えているのだろうか。
これから新品種を生み出す、新潟県・富山県・福井県・岩手県は?
今、何を考えているだろうか。
内容は以下の通り
環太平洋連携協定(TPP)交渉が大筋合意したのを受け、生産現場に不安が広がっている。
かつてない規模の農畜産物の市場開放を迫られるだけに、産地からは将来を展望できる農業政策が不可欠との声が強く上がる。
「外食や中食が安価な輸入米に目を向けるのは確実だ。業務用の需要までなくなったら、米農家はどうすればいいんだ」
米の収穫最盛期を迎えた宮城県栗原市瀬峰地区。
水稲4ヘクタールのうち、1ヘクタールで今年から業務用米の栽培を始めた米山嘉彦さん(53)は、不安を口にする。
米山さんが導入した「萌えみのり」は、JA栗っこが産地化を進める業務用米だ。
家庭用米の需要が減る中、大手卸を通じてチェーンレストランなどの販路を開拓してきた。
6年目の2015年産の作付面積は220ヘクタール。
引き合いは強く、16年産は350ヘクタールに広がる見通しだ。
・業務需要減少も
そんな矢先、TPP交渉で7万8400トンの特別輸入枠設定が決まった。
15年産は国やJAグループを挙げて米の需給改善に努めた。
価格浮揚に向け、生産調整の徹底は今後も避けて通れない。
低価格の輸入米が増えれば、業務用米の需要は一気に奪われる。
国は新設した輸入枠と同量の国産米を政府備蓄米として買い入れる方針だが、JAの橋英夫常務は「特別輸入枠は、業務用米の需要開拓を推進する政府の農政改革に逆行している。農家の所得増大の糸口がなくなり、稲作もかつての林業と同じ道をたどることになってしまう」と懸念する。
14年産の米価低迷を受け、現場は所得確保に向けてコスト削減を重視する。
市内で水稲3ヘクタールを栽培する小野寺忠八さん(67)は15年産から農家2人と機械の共同利用を始めた。
そうした工夫も水の泡になりかねない。
小野寺さんは「外国では1人で数百ヘクタールを栽培し、大幅にコストを下げて低価格を実現している。そんな米が増えたら、規模の小さい日本の農家がどれだけコストを減らしても所得は確保できない」と打ち明ける。
・現行策は不十分
稲作農家の減収に対する措置には、収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)がある。
過去5年のうち最高と最低を除く3年の平均収入を下回った場合、差額の9割を農家と国が拠出する積立金で補塡(ほてん)する。
しかし、輸入米の流入で米価が低くなれば平均収入も下がり続ける。
ナラシ対策の補塡水準も低くなる仕組みだ。
その上、米の直接支払交付金(10アール当たり7500円)も18年産から廃止になる。
最大10アール10万5000円の交付が受けられる飼料用米の数量払いも法制化しておらず、予算措置にとどまる。
財務省では削減を目指す動きすらある。
JAの稲作生産者協議会の会長を務める米山さんは「今ですら多くの稲作農家は苦境に立たされている。現行対策が不十分なのは明らかだ。確実に再生産を支える仕組みがないと国内の水田農業は崩壊する」と訴える。(日影耕造)
というもの。
日本の農業にとって脅威なのが、日本の商社が外国で栽培している「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」などの日本を代表する品種。
外国の品種であれば、まだ戦い方はある。
消費者の判断も変わってくると思う。
しかし、日本の品種が逆輸入されるとなると、もう打つ手はない。
米袋に書かれている品種名は「コシヒカリ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」。
価格も5kgで800円台だろう。
現在でも、いちいちJAS表示を確認する消費者は少ない。
なので、そのお米が外国産だと理解して買う人が、どのくらいいるのか。
そんな状態のままだと、最終的に外国産米は、安くて食べやすいお米として認知されてしまうかもしれない。
各産地は、どういう戦い方を考えているのだろうか。
これから新品種を生み出す、新潟県・富山県・福井県・岩手県は?
今、何を考えているだろうか。