仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

伝道の課題

2017年12月24日 | 現代の病理
『読売新聞』12月22日夕刊 「よみうり寸評」に.“家庭に1台しかなかった電話を各自が1台ずつ 持つようになった。そこで何が起きたか。エッセイストの酒井順子さんが書いている。〈人 は膨大な量のプライバシーを、抱え込むことになった>(文春文庫『黒いマナー』”とありました。「人 は膨大な量のプライバシーを、抱え込むこと」によって、何を失ったのか。

ご門徒の娘さん(40歳)を失った父親と葬儀の打ち合わせの会話の中でのことです。私が「弔問の人は、どのくらい来られますか」と訊ねると、「それがさっぱりわからないのです。今は、スマホなどで関係性が見えないので…、少しづつ電話が来ているのですが…」とのことでした。一対一の関係が、だれとつながっているのか両親には見えない。これが先の自殺願望者の他殺事件の背景なのでしょう、

『阿弥陀経』に「青色青光黄色黄光赤色赤光白色白光微妙香潔」とありますが、青い色には青い光がと言った個性の尊重だけではなく、「微妙香潔」という全体が清らかな香りで満たされているという全体の概念を説く必要がある。これがこれからの伝道の課題でしょう。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 言葉とは何か③ | トップ | 古池に かわず飛び込む »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

現代の病理」カテゴリの最新記事