仏教を楽しむ

仏教ライフを考える西原祐治のブログです

葬送文化を通して見えてくる現代

2013年08月09日 | セレモニー
先のご紹介した『現代日本の葬送文化』(内藤恵理子著)は、かなり読みごたえがあります。現代の葬送文化の背景にある問題点にも触れておられます。当初、図書館で借りましたが、購入しました。 

葬送文化の新しい傾向が生み出される原因の1つに、下記の様にあります。

かつては[イエ]というシンボルの中の[個]であったために、[個]が積極的に生前の個性を後に残す必要はなく、むしろ「個」が滅却され、透明になって先祖の霊と合流することが望まれていた。しかし、イエが解体した現在、死んでいく者が望むことは生前持っていた個性を残すことである。特定の宗教への信仰が薄れ、イエ社会が解体すると、人々は亡き者を偲ぶてだてを自ら買いもとめ、また[創りだす]傾向にある。(以上)

以下、章だけご紹介します。

1章.伝統的な葬儀のあり方と死者義礼の諸相
2章.社会変動と葬送儀礼という問題提起
3章.都市化状況における葬送儀礼の商品化
4章.現代囗本における納骨堂の変容
5章 現代日本における墓石の形状変化
6章.手元供養にみられる文化変容
7章.インターネット供養
8章.ペットの家族化と葬送文化の変容

葬送文化を通して見えてくる現代、新しい視点を与えてくれます。
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