暗い目で、いつも見上げている、一般に西洋のイヌは明るく陽気、それに対して、日本のイヌは暗くジメジメしていてアタマがワルソー、尻の穴が丸見えるのがいる、よく見ると、クソがこびりついている、棒でつつきたくなる。
ある朝、道の先になにかいる、石みたいにうすくまっている、
「あっ、秋田イヌ」
どうしたわけか、今日は、クサリが外されている、そして、待ち伏せ、どんどん近ずく、100・70・50メートル、まったく動かない、ドベちゃんは口の端からアワを出してコーフン、
「ウワァーウワァーウワァーン」
微動だにしない、そう、やるつもりなんだろう、毎朝、自分の縄張りを突っ切って、アイサツのひとつもしない、「ブラーン・ブラーン」、大きなモノを見せつけやがって…
30・20・10、動かない、こっちは、すっかり、浮き足だっている。