The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

南米のあるマーケット

2009-05-22 03:07:23 | Weblog

 「運び屋」は自分の肌に近い色の赤ん坊を買う、そして、赤ん坊の腹の中に、コカインの包みを入れる、そうして、税関を通そうとした、初めはうまくいった、ところが、ある日、税関の役人が触ってみたら血の気がなく冷たかった、ばれてしまったのだ。

 そこで、最近は、いきているように化粧を施しカイロのようなものを入れて温めている、という。

 コロンビアは、1995年、殺人の被害者が世界第三位、銃器による殺人被害者数は第二位、人口10万人当たりの銃器による殺人件数は世界一、大変なものであった。

南米のあるマーケット

2009-05-21 12:50:29 | Weblog

 南アメリカのある国では赤ん坊のマーケットが立つ、表向きは養子が欲しいという人や外国人・特にアメリカの人々がやって来る、だが、コカインの運び屋が買っていくケースがあった、現在は、どうなのであろう。

 南米はカトリックの国々で中絶が禁止されている、そして未婚の子が赤ん坊を産んでしまうケースが多い、さらにあまりの貧しさのために育てられない家庭がある、そうした赤ん坊をマーケットに出す。

 アメリカの夫婦に買われれば幸福、コカインの運び屋に買われたら悲惨である。

ケルトの魂と一羽の小鳥 終

2009-05-20 02:31:11 | Weblog

 ヒロインは舌を噛み切って自殺を図るが、かろうじて助かる、だが、話すことができなくなってしまった。

 終に、フランキーはヒロインの要求を叶えることにする、彼女の舌に塩化アドレナリンを注射する。

 ヒロインが死んだ瞬間、
 “A bird passed through the glass of the domed window .”
 「一羽の小鳥が部屋を横切り、半球形の窓を通り抜けていった」

 誇り高いアイルランドの女性は、天上の世界に帰っていった。

 なんと見事な一行になっていることか、これこそ、ケルトの叫び・ケルトの自由・ケルトの魂。

 今は亡き作家のペンの先に、創作の妖精が舞い降り、この作品を書かせたのかもしれない。

 ケルトの名誉と伝統が、神秘と幻想が、21世紀に甦り、一輪の白い花を咲かせてくれた。

ケルトの魂と一羽の小鳥 6

2009-05-19 06:14:13 | Weblog

 翌日も、マギーは同じコトを頼む、
 「犬が相手だったら、そうしたんでしょう」
 「おまえは犬じゃあない、おれの命だ」
 「希望をすてちゃあいかん、医者だって言ってる」
 「希望なんてありません、動くこともできないんですから、わかるでしょう、あなたが見ているこの身体には、なんの中身もないのよ」

 この物語りのヒロインが言う、
 “The bird in me can’t fly.”
 「わたしの鳥は、飛べないんです」

 ショックを受けるコーチ、
 「なんてことだろう」
 「わたしはあわれみを乞うような人間ではありません、ミスター・ダン」
 「でも、そんなわたしが乞うているんです」
 コーチは、両手で顔を覆い、首を振った。

ケルトの魂と一羽の小鳥 5

2009-05-16 05:49:09 | Weblog

 手足を動かすことができない、排尿排便ができない、それどころか自分で呼吸することできない、残った人生を石のように生きていくしかない。

 一生、生命維持装置のお世話にならなければならない。

 ある日、ヒロインはコーチに頼みごとをする、
 「わたし考えていることがあるんですけれど、お願いしてもいい」
 「なんだ、今さら、なんでも言ってくれ」
 「ピータービルドのトランスミッションよりも大きなことでも」
 “Bigger than that,if you want.”
 「おまえが望むならな」

 彼女の目がまっすぐに彼に向けられた、
 「父が愛犬のアクセルにしたみたいに、私を始末してほしいの」
 「そんなことをしたら、おれは、死んでしまうよ」
 “I’ma dyin ever’day.”
 「わたしは、毎日、死んでいるのです」

 排便どころか呼吸もできないで生きている、こんな私の唯一の最後の望みを聞いてくれませんか、究極の問題が突きつけられた。

ケルトの魂と一羽の小鳥 4

2009-05-15 07:56:50 | Weblog
 
 全身麻痺のヒロインは、ミズリー州の南西部セオドアの出身で、一家は貧しいトレラーハウスの生活だった。

 夢よりも自分の足元を見て育った、13歳の少女は、色褪せて小さくなった服を着て、泥水の中を裸足で走り回っていた。

 それでも父親が生きているうちは幸せだった、
 「自分のトラックのことをイースタ・エッグみたいに大切にしていたんです。アクセルっていう大きな年寄りのジャーマン・シェパードを飼っていて、どこに行くのも一緒でした」
 「父さんが自分に使うお金は、仕事の他は、カミタバコだけだった」

 ここには、poor whiteとして位置づけられるアイルランド系アメリカ人の現実がある、彼らはアメリカ社会の中層部から底辺にいて、過酷な生活を余儀なくされている。

 だから、彼らの支持政党は、「自由競争経済」の共和党ではなく、「社会保障と福祉制度」のオバマの民主党ということになる。

ケルトの魂と一羽の小鳥 3

2009-05-13 02:42:45 | Weblog

 ヒロインは栄光の頂点から絶望のどん底に叩き落されてしまった、一生、ベッドの上で過ごさなければならない。

 コーチのフランキーはつぶやく、
 「ああ、神よ」
 「わかってたんだ、おまえをトレーニングするのは間違いだった」
 「そんなことを言わないでください」
 「あなたと過ごした時間は、父を亡くしてから、唯一、誇らしく思える時間でした、本当ですヨ」
 「それに、あたしたち、あの女をほとんど打ち負かす寸前までいったでしょう、ボス」

 集中治療室のベッドの上のヒロインは、
 「あと少しで、世界初のMillion Dollar Babyになれるところだった、大したことじゃあないですか」

 彼女は微笑む、その唇が震えていた、
 “Daddy’d been proud.”
 「父も誇りに思ってくれたでしょう」

 これほど悲惨な状況に落ちても、ケルトの魂を持つ主人公は、誰を恨むことなく、最後の瞬間まで、誇り高く生きようとする。

ケルトの魂と一羽の小鳥 2

2009-05-12 06:23:16 | Weblog

 ゴングが鳴ってラウンドが終了、その瞬間、相手がパンチを放つ、ヒロインはマットの鉄柱にアタマを打ち、転倒する。

 4分間、酸素が送られないと脳がダメージを受ける、呼吸補助装置の働きで、なんとか酸素が送り込まれた、マギーはつぶやく、
 「大好きよ、おとうさん」

 MRIや他の検査の結果、彼女が自力で肺呼吸できないことが判明する、つまり、一生、人口呼吸装置を付けていなければならない。

 さらに、CIとCZという頸部の第一第二椎骨の両方が損傷していた、
 「つまり話すこと、わずかに頭を動かすことができるが、それ以外は何ひとつできないのだ」

 手足を動かすことができない、排尿排便ができない、なによりも自分で呼吸ができなのだ。

 「残りの人生を固まったまま過ごすのだ」

 これが、若い女性に襲った、決定的な事実であった。

ケルトの魂と一羽の小鳥 1

2009-05-11 07:02:51 | Weblog

 アメリカに渡ったからといって豊かな生活ができるとは限らない、彼らの多くは、アメリカ社会の底辺に押し込められ、それが、現在にまで続いている。

 資金や技術が無い者の生活は悲惨で、自らの肉体を使って僅かの賃金を得なければならない、そして、自分の子供にいい教育を受けさせ、ワン・ランクのupを図る。

 だから、二代か三代、五〇年か六〇年が必要であろうか、それでも成功するとは限らない、そんな物語のひとつがMillion Dollar Baby。

 この物語は、アイルランド系アメリカ女性のエピソードで現代のアメリカがよく描かれていると思う、特に、アメリカ社会の底辺で喘ぐ人々の人生が迫ってくる。

 どんなにがんばっても這い上がることができない、だが、恨むことなく憎むことなく誇り高く生きようとする。

 はち切れるような希望を抱いてリングに上がる、女性ボクサーとしての栄光と成功が、目の前にあった。

ケルトの魂を持つ人々

2009-05-08 07:05:09 | Weblog

 アイルランド人は、ケルト系の人々である。

 ゲルマン民族が進出してくる以前は、ヨーロッパの広大な地域に、ケルトの人々が生活していた。

 だから、ゲルマンがケルトを駆逐していくのが、ヨーロッパの古代史ということになる。

 ところで、ケルトとは何者であろう、彼らは、感情が豊かで、空想力に富み、木々を渡る風・小川のせせらぎに何かを感じ、中には、妖精を見る人々がいる。

 アポロ計画で月面を歩いたのだが、すぐそこに神がいることを実感し、地球に帰還するとキリスト教の宣教師になった宇宙飛行士がいたが、彼にはケルトの血が流れていた。

 そのケルト系アイルランド人が、数百年に渡って、イギリスに支配され、徹底的に搾取され続けていた、これほどの屈辱は無いであろう。