江戸時代に起きたこの事件に着目した稲垣足穂自身が宇宙人ような存在で、彼だからこそ、この出来事の価値に着目できたのではあるまいか、この知性体、もうひとつのカーテン宇宙からやってきたのか・・・
いよいよ別れのシーン、大男の山ン本が小さな駕籠(かご)に片足をかけると、ヒュルヒュルニョローリ、すっぽりと入ってしまった、三次元世界ではない、ダリの絵のようだ、
「色さまざまな廻り灯篭の影法師のようになって空に上がり、星影の中に暫(しばら)くは黒々と見えていたが、雲に入って見えたのか、風の吹くような音とともに消え失せてしまった」
サンモトの行列は、空中を行進して、星影の中に消える、もし、この物語りが事実であるならば、彼らは、我々の宇宙の生物ではないかもしれない、もうひとつの膜・カーテン宇宙から来たのか、それにしても不思議な記録ではあるまいか。
これが、たんなる荒唐無稽(こうとうむけい)ではなかったと認知される時が来るのかもしれない。