この間の大震災の時、渋谷で足止めになった。
「はっ」と気付いてコンビニに走ったが、パン・ベントウ・お菓子…ぜーんぶ売り切れ、冷たい豆乳があった、あの夜は寒かった、とても飲めたもんじゃあない。
東急が動かない、駅員に聞くと、青山大学が批難場所になっている、しかたがないので大学に向かう。
渋谷から原宿の方に歩いていったのだが、向こうから、人が歩いて来る、彼らは、渋谷に向かっていた、それが、妙に明るく陽気なのだ。
その一団だけが、ちょっと変わっていた、あの夜のみなが、うちしがれているのに、
「きゃっきゃっ」
その時、ふと、
「この人たちは、どこから来たのだろう」
まったくちがう世界からではあるまいか。