The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

イヌとヒトの関係 終

2010-12-25 04:34:12 | Weblog


 このまま進んだらどうなるであろうか、ドーベルマンは対人間用に開発されたものだ、対イヌではどうか、闘犬用のイヌにはかなわないと思う。

 あの低い位置から、まず、脚に喰らいつく、ドベちゃんの長い脚は、こんな時には決定的に不利、そして、恐らく、徐々に、噛む位置を移動させ、急所に向かうのではあるまいか、
 「ガブ・ガブ・ガブ・ガブ」

 こちらが噛みついても、向こうは、厚いたるんだ皮膚がジャマをする、相手は、どの急所に向かうか、ノドかそれとも・・・

 そう、タマタマだろう、それを咬みちぎる作戦だ、なにしろ、毎朝見せつけられてきた、どうしたことか、今朝は、主人がクサリをつけなかった、このチャンスを逃してなるものか。

 もう、これは、負けだ、
 「ストップ」
 ドベちゃん、キョトーン、
 「はい、回れミギー」
 それでも、ヒョコヒョコと、うれしそうに走り始めた、まったく、気のいいヤツだ。

イヌとヒトの関係 8

2010-12-21 05:27:40 | Weblog


 暗い目で、いつも見上げている、一般に西洋のイヌは明るく陽気、それに対して、日本のイヌは暗くジメジメしていてアタマがワルソー、尻の穴が丸見えるのがいる、よく見ると、クソがこびりついている、棒でつつきたくなる。

 ある朝、道の先になにかいる、石みたいにうすくまっている、
 「あっ、秋田イヌ」

 どうしたわけか、今日は、クサリが外されている、そして、待ち伏せ、どんどん近ずく、100・70・50メートル、まったく動かない、ドベちゃんは口の端からアワを出してコーフン、
 「ウワァーウワァーウワァーン」

 微動だにしない、そう、やるつもりなんだろう、毎朝、自分の縄張りを突っ切って、アイサツのひとつもしない、「ブラーン・ブラーン」、大きなモノを見せつけやがって…

 30・20・10、動かない、こっちは、すっかり、浮き足だっている。

イヌとヒトの関係 7

2010-12-18 06:23:34 | Weblog


 毎朝、ド―ベルマンを連れて鶴見川の土手を散歩した、ペダルを漕がなくてもトットッと走る、このイヌには、このくらいの運動が必要なんだろう。

 盛り上がる肩の筋肉・黒光りする胴体、オトコ盛りのドベちゃん、ちゃんとした名前があるんだが、なんとなく「ドベちゃん」。

 あたりのことは全く気にしない、「世界はオレのためにある」といった調子、ところが土手の右側に町工場があり、そこに一頭の秋田イヌ、大きな図体である。

 頑丈なクサリに繋がれ地面にうずくまっていて、目だけは土手を見ている、そこを、颯爽とドベちゃんが行く、毎朝、これを見せつけられていた。

 ドベちゃん、長いスラリとした脚、脚の付け根にあるモノが大きい、ご立派なのである、オスのイヌの審査では、ここが重要で、身体に埋もれているものはまずいらしい、ドベちゃんは、しっかりとぶら下がっている。

 これを、毎朝見せつけられていた秋田イヌ、ストレスが溜まっていたようだ、
 「オレのナワ張りを、ヒョコヒョコと通り過ぎやがって、今に、見ていろー」

イヌとヒトの関係 6

2010-12-11 18:22:39 | Weblog


 ド―ベルマンは成犬を手に入れた、雄大な身体が黒光りしている、ところが狭い小屋で育てられたらしく、まったくの世間知らず、それに、基本的な躾(しつけ)ができていない、だから、手に余って手放したようだ。

 唯一の取りえは素晴らしい体力、自転車を漕がなくても2kmぐらいは引っ張っていく、疲れをしらない体力だ、そして、子犬がいるとガッーと走り寄り、前脚で抑えこんでしまう。

 ある晩、ワオーワオーやっている、明りを点けると口からアワを出しジリジリと後ずさり、もう半狂乱、彼の鼻の先を見るとセミの幼虫がノロノロ、これが恐かったようだ。

 初めて見たんだろう、初めてならセミの幼虫ほど不気味なモノはない、ド―ベルマンが誕生したドイツにはセミがいないのだろうか、このイヌのDNAにセミの情報はインプットされていないのかもしれない。

 前脚でヒョイと踏めばすむこと、知らないということは恐ろしい。

イヌとヒトの関係 5

2010-12-10 19:29:00 | Weblog


 シェパードとコリーは、あまり思い出がない、シェパードはぼんやりとした印象で、血統の掛け合わせではこんなのが出るらしい、ハズレ。
 コリーは優雅な毛並みだったが、夏はハーハーやっていた、性質はやさしかった。

 ボクサーも血統書つきで、この子の親類には、何匹ものチャンピオンがいた、しかし、どうしたことか皮膚病に罹ってしまい、体が大きくならない。

 この子、外見に似合わず、明るく気がいい、そう「天真爛漫」、とても善良な性質、
 「この世に、こんな生き物がいるのか」
 プリプリとお尻をふり、顔をすりよせてくる、恵まれぬ少年時代の楽しい思い出、だが、あっ気なく死んでしまった。

 もし、あの世があるならば、ワタシがそこに行った時、真っ先に、飛びついて来るだろう、うれしくうれしくて爆発しそうなくらいだ。

 このイヌを思うと、明るく無邪気な少年の姿になる、そう、「永遠の友」だ。
 
 写真はボクサーではないが、顔が、ちょっと似ている。