The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

国立民族学博物館と梅棹忠夫 6

2010-07-26 03:05:34 | Weblog
 この博物館には、実に多くの民具・道具・祭具が展示されているのだが、一画に、何十本の棍棒が集められていた、これで相手のアタマをタタイのだが、戦闘以外にも儀式的なものがあったように思う、交互にたたきあい、相手が参るまで、やる。

 そこで、さまざまの工夫がなされた、先端近くを丸くする、コブをつける、見ているだけで痛くなってくる。

 何年か前、K1で南太平洋のサモア出身の選手が優勝したことがあったが、あの地域は棍棒文化の中心地、彼のアタマの骨が厚く頑丈であるという記事があった、強烈なフックや廻し蹴りが効かない、これは、あるいは、棍棒文化の産物かもしれない、何代何十代に渡ってアタマを殴り続けたのでアタマの骨の丈夫な子孫が誕生したのではあるまいか。

 そうそう、日本の相撲の舞の海、ずいぶん小さいのだが一度も骨折したことがないという、青森出身で子供の頃から、小魚を食べる習慣があったそのためらしい、サモアの海の魚が、この選手のアタマの骨の立派さとも関係しているんだろう。

国立民族学博物館と梅棹忠夫 5

2010-07-23 01:07:05 | Weblog

 それまでの学者は政治家と付き合おうとしなかった、せいぜい政府の審議会の委員をするぐらい、ところが、
 「桑原さんと梅棹さんの方法は、政治家にいいことをしてもらうために、学者は政治家に知恵を与えるという考え方だった」
 「そうやって梅棹さんは国立民族学博物館(民博)をつくった」 ― 7・7 日経 梅棹忠夫を悼む 梅原猛 ―  

 大分前に訪れたのだが、台湾のコーナーが無かった、鳥居竜蔵さんの台湾原住民の調査が、この国の人類学研究の嚆矢だったはずだ、真っ先に展示すべきなのだが、どういう事情か。

 恐らく、自民党の政治家に働きかけて、この国立博物館を建設したのだが、当時の自民党政府は中国との友好関係を重視しており、そこで、共産中国の「一つの中国」を慮(おもんばか)ったんだろう、学者離れした政治センス、その成果が、あんな不便なところ、彼の家の近くということになる、因みに、この大物学者は、いつも会議に遅れてきたという。

 「民博」の私物化とは言わぬまでも、それに近い事情ではあるまいか、それにしても、箱根のヤマのこちら、東京の近郊であれば、どんなにか、意味と価値を生じたことか、アキバに行ってから、赤い電車で三浦の博物館という楽しみだって、できたんではなかろうか。

国立民族学博物館と梅棹忠夫 4

2010-07-20 05:15:08 | Weblog
 梅棹は、70年の大阪万博の跡地に国立民族学博物館を建設、その初代館長に就任する、不便な場所である、なんであんな所にと思う人が多いのではあるまいか。

 東京の近郊につくるべきではなかったのか、地球上の文化のエッセンス、道具・祭具の展示場、ナマでリアルでホンモノ、迫力が違う、創作活動に励む人々にとって、これほどの刺激はない、アニメにコミック・テレビ関係者には宝の山、大変なインスピレーションを与えてくれる。

 だから、東京の近く、そう、三浦半島にでも建設していたらどうか、週末や祭日に赤い電車で行くことができる。

 設置場所を決める時に、関西の人類学のボスが、
 「箱根のヤマの向こうでも、いいか」
 その通りになってしまった、なぜ、そうなったのか、それは、彼の政治力、こういったことは、あまり知られてない。

国立民族学博物館と梅棹忠夫 3

2010-07-17 04:55:31 | Weblog
 
 香港からのグループ、面長で色黒・首が長い、確か、『呉越春秋』という本に、この地域の人々は「鵜(う)」のような容貌という説明があった、その通りで、全員が、みな、同じような容貌だった。

 その後に、日立製作所の一行が並んだ、それを見て、改めて、びっくりした。

 さまざまのタイプがいる、色の白い人・黒い人、面長に丸顔、つるつるお肌に毛深い男・・・まちまちなのだ、「十人十色」というが、まさに、その通り。

 これで、単一民族と言えるのであろうか、縄文と弥生の二分説もどうかな。

 江上さんの「この列島には、世界の人種のさまざまの特徴を持つ人々がいる」、この言葉どうりではあるまいか。

国立民族学博物館と梅棹忠夫 2

2010-07-15 20:41:46 | Weblog
 話は、ちょっとそれるのだが、日本には、たくさんの観光客がやってくる、ある外国人家族が、
 「海賊船が見たい」
 とんでもないことを言い出した、すると、旅行会社のチエ者、箱根の芦ノ湖を紹介した、
なるほど、海賊船がいる。

 ところが、この海賊船に乗ると、海賊船が見えない。

 白いスワンの船に乗ると、海賊船の雄姿を楽しむことができる、メキシコからやって来た家族は、どっちに乗ったんだろう。

 発着場に、湖と船を背景にして記念写真の撮れるコーナーがあり、ここを訪れたグループが写真に収まっている。

 その日は、香港から来た数十人が集まっていた。

国立民族学博物館と梅棹忠夫 1

2010-07-13 02:48:27 | Weblog
 先日、梅棹忠夫が亡くなり、マスコミの話題を集めていた、関西の人類学の巨人であり、大変な勢力があった、そして、あの国立民族学博物館の創始者。

 このブログのテーマも人類学の範疇なのであろうが、彼らにはキワモノであり、トンデモないテーマなのかもしれない、今の、日本では、科学的に実証できるものが主流のようだ。

 だから、江上波夫さんのように柔らかい受け止め方は相手にされない、江上さんは、世界中を調査して、地域ごとの顔の違いに注目した、ヴェトナム・フィリピン・モンゴル、だが、ひとつ分からない国がある、それが、「ニッポン」、
 「北はツングースから、南は、東南アジアまで、さまざまの顔つきがある」

 日本とは、なんと不思議な国であろう、例えば、電車に乗って、さらりと眺めてみるといい、さまざまなタイプの顔があるではないか、数百年千数百年の歳月によって「日本化」しているように見えるが、どんなものであろう。

 江上さんの意見、大変に貴重だと思う、この辺から、出発すべきではなかろうか。