超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

ランクヘッド ツアー2013「メメントモリ」@千葉LOOK 13.10.13

2013-10-14 18:12:08 | ライブレポ



















ランクヘッドのワンマンを地元千葉で観てきました。


















まあ、早々に売り切れという事実から覚悟はしてたんですが
案の定物凄いスシ詰め状態でした
下北のシェルターに匹敵するぐらいの密度と熱量だったんですけど、ルックでここまで・・・
というのも久々だった気がします 完全にクーラーが意味を成していない状態でした。

ライブは、精神状態ダウナーなまま望んだのも手伝って
なんだか泣けてきてしょうがなかったです
っていうか、「いきているから」という曲で実際にちょっと泣きましたが。
辛い気持ちに作用してくれる曲が多かったのもあって少し気分が楽になった感覚もあり
正に処方箋的な、一種のセラピーのような効果をもたらしてくれたライブでした。
ぶっちゃけまたブログを書こうと思ったのもこの夜のお陰です。
そして、日常に於いてもう一度踏み出す気になったのも。
ありがとう。













始まる前からルックには長蛇の列
お客さんの会話に耳を澄ましていると来週以降のライブの予定を嬉々として語っていたり
「ロストとランクの対バンが見たい」と話している二人組を見かけたり
どこか真剣な音楽ファンが集まっている印象でした
勿論個人的な印象に過ぎませんが。

ルックに入ると、ステージは見えない柱で姿すらも見えなさそうという
明らかに詰んだ状態でしたが始まると同時にモッシュが起こって見える位置まで行けたのはラッキーでした
初っ端から怒涛の盛り上がりと興奮状態を露にする観客勢に応えるようにハイテンションでライブはスタート。


丁寧なメロディが印象に残った「閃光」から山下さんがいきなりダイブかましたり
「十六夜の月の道」「闇を暴け」と激情ロックチューンを連続投入したりと圧倒される序盤
観客のモッシュとジャンプの嵐でこの時点で既に腕がヌルヌル状態になってました

クールダウンを促すようにどことなく儚さ漂う「月の城」、
そして新譜の中ではそこまで注目してなかった「壊れてくれない」が思ってた以上に良かったです
各々がテクニカルに、そして時には乱暴に弾けるバンド演奏の緩急がツボでした


「月光少年」でその勢いを更に加速させると
名曲「果てしなく白に近づきたい青」を投入、この曲は流石にジーンと来ざるを得なかったですね
福音のように鳴り響くギターリフの美しさをめいっぱい堪能しながら聴き入っていました
うん・・・多分色々苦しかったんだと思います
しかもその次に「未来を願ってしまった」っていうのが空気読んでるなあというか
テーマも一貫してるじゃん!と素直に感心してしまいましたね
いつの間にか他人の目を気にして他人に気に入られようと自分を殺してた事を自覚させる為の歌。
この曲も新譜の中では注目度低めだったんですが一気に大好きな一曲になってしまいました。
ハッとさせられてしまったんですかね、純粋に素晴らしい曲だなと思えましたね。

暴力的なまでに感情を露にする「シンドローム」から
「星の欠片」という昔のカップリング曲をいきなり披露
これは物凄く沁みましたね
というか、有り体ですけどカップリングにするには惜しい曲だったんだなと
ロマンチックかつ刹那的なムード満天でハコ全体をこの曲の空気に染め上げる事に成功していました
感情が滲むような「三月」からドラマチックなサビが胸を打つ「共犯」へ
このブロックは特に沁みる楽曲が多目だったんですけど
その中でもやっぱり「共犯」という曲にもらうものは大きいんだな、と
次の「幻灯」と共に深々と感じていました 素直に聴き手の勇気に成り代わるような歌です。


後悔が鋭く胸を刺す「明日死ぬくらいの感じで」から最後のブロックがスタート
この曲は確かにアップテンポですけど同時に形容の出来ない空しさも伝わって来るのが良かったです
音源より2割増しで激情をステージの上で拡大しまくっていた「それでも血の色は鉄の味がした」から
またしても不協和音が堂々と主導権を握るキレキレの「螺旋」、
「腐り切った果てに手にするものは何?」ってフレーズは特に感情移入してしまいました
この曲の時にはまるで怪物みたいに情念を四方八方に撒き散らしてた感じです

で、この曲もまた音源以上に印象が良かった「はるなつあきふゆはる」、
跳ね回るギターリフの楽しさがストレートに伝わって来て単純に気分が良かった
クライマックスへ向けて最後の起爆剤になった「アルピニスト」、
そして・・・「いきているから」。

この曲は、歌詞の全部がまんま自分の今の心境に当て嵌まってる曲なので
聴いてたら自然と日常の悔しさを思い出して少し涙が出てしまいました
ダウナーな心情を思いっきり掬い上げるようなスケールのデカさはやはり格別だと再確認


なんか、あんまり言葉にしようとしても言葉に出来ないんですけど
一つだけはっきりしてるのは確かに自分は少しこの曲にランクに背中を押してもらえたということ
それによってもうちょっと毎日頑張ろうと思えたということ
要するに前に踏み出す力を貰えた・・・って気持ちだけは今とてもはっきりしていますね

やっぱり「みんな頑張ってる」だとか「明けない夜はない」みたいな言葉以上に
同じようにイライラしながらモヤモヤしながら反骨精神を抱えつつ這いつくばって進むような・・・
そういう曲に一番自分は助けられるんだなと改めて感じられたライブパフォーマンスになっていましたね
この曲を聴いてて少しだけ涙した自分に対して、
「あっ やっぱり心の中では悔しかったんだな」と
強がりを排除して弱さを認められたのは大きかったかもしれないですね
そういう風に色々と作用してくれたこの一曲またも忘れられない瞬間を刻み付けることが出来ました。


アンコールでは山下壮ボーカルの「raindrops」、
まるでバーみたいな雰囲気で新鮮
そこから「死を思うことで毎日の生をもっと大切に出来るように~」という目的で今作が出来上がったと
あ、これはまるで正確でなくあくまでニュアンスですが真剣に今作に対する想いを吐露してくれました
あまりに良い感じの流れだったので小高さん「なんか良い感じのこといっちゃって・・・」と
山下さんに対して微妙に絡んでたりもしましたが(笑
感謝と嫉妬が入り混じってる感じ?

「インディゴ」でポップさを聴かせて「ぐるぐる」の長時間ダイブでロック感を演出
最後はルック恒例の「山下壮のテーマ」でこの日のワンマンは締め
まさかこの曲で終わるとは予想外だったんですけど
終演のBGMが鳴っても拍手が止まらない辺りにこの日の熱狂の余韻をしみじみと感じましたね。
夏の再来の如く汗を掻き、楽曲観に浸る事が出来た2時間強でした。力、もらえました。















セットリスト
1.閃光
2.十六夜の月の道
3.闇を暴け
4.月の城
5.壊れてくれない
6.月光少年
7.果てしなく白に近づきたい青
8.未来を願ってしまった
9.シンドローム
10.星の欠片
11.三月
12.共犯
13.幻灯
14.明日死ぬくらいの感じで
15.それでも血の色は鉄の味がした
16.螺旋
17.はるなつあきふゆはる
18.アルピニスト
19.いきているから
encore
20.raindrops
21.インディゴ
22.ぐるぐる
23.山下壮のテーマ











「メメントモリ」のレビューで包容力がある的な形容をしたんですけど
それに付け足すなら聴き手をしっかりと後押ししてくれる力のあるアルバム
「色々と辛い想いも悔しい気持ちも味わってうんざりしたけど、
 これが最後と思ってもう一度やってみるか。」って思えるようなアルバムでもあるなと
この日のライブを体感してそう強く確信出来ました。あったかくてエネルギッシュな好スタートに拍手。