THE NOVEMBERSのライブを観に宇都宮へ。今年初ライブです。
宇都宮ですよ宇都宮。
宇都宮でライブを観るのは勿論初めてですし宇都宮自体に行ったのも初めてです
栃木自体は12年の夏に私用で那須方面に何泊か滞在した以来だから1年半ぶりなんですけどね。
今回は思い切って北関東のライブハウスに初来訪してみました。
千葉、それも内房からだと宇都宮って約4時間は掛かる(!)んですけど
それ故にまず「日帰りで行こう」なんて発想自体普段はしません
ただこの日は祝日だったのと開演の時間が早かったので「頑張れば行けそう」とかふと思い立ち
気が付けばチケットを購入していました 合計8時間の移動時間で大変でしたが結果的には行って良かったです
街並みも素敵でしたし肝心のライブが凄く良かったので。心洗われる想いでした。
個人的には「zeitgeist」ってアルバムが本当に大好きで、大切な作品なので
このアルバムのツアーには出来れば行けるだけ行きたい気持ちがあって
それが東京以外で最も可能に近かったのがこの場所だし
彼らの地元という事もあって、
更には独立して初めてのツアーの初日と言う事もあり
それらもあってどうしても行きたかった公演だったのでちゃんと思ったように行けて嬉しかったし
その分電車賃は東京の倍以上つきましたが(笑 それが苦にならないくらい貴重な体験が出来たと思う
今まで北関東のライブハウスは興味ありつつもスルー状態が続いてただけに、
今回初めて行けて地域の人たちの空気に触れる事が出来たのはやっぱり良い経験だったかなと
また個人的に好きな、思い入れのある場所が一つ増えて良かったです。
機会があれば再び宇都宮、栃木のハコに来訪してみたい。
経路としてはまず西船橋まで行って武蔵野線、そこから埼玉は南越谷まで行き
新越谷(東武伊勢崎線)に乗り換え久喜、久喜から東北線に乗り換え宇都宮・・・って感じですね
かなり長い移動時間だったので弁当まで作って臨みました
ちょっとした小旅行気分で楽しくもありましたが(笑
やはりというか、遠かったですね。
宇都宮に辿り着くと思ってた以上に「餃子の街」でした
そうだろうなあ、っていうのは個人的なイメージとしてあったんですけど
もう駅出てまず目に付くのは様々な所に点在している餃子の看板だったりイラストだったり、
驚いたのは駅に餃子の銅像、しかもかなり大きめのが建てられていた事でことごとく「餃子押し」でした
街並みを歩きながら見渡していてもコンスタントに餃子屋を発見したりと
すごく「宇都宮色」が強くある印象でそれもまた楽しかったです
ライブハウスで女の人が「宇都宮の人って3食餃子なの?」的な質問をしてたのには笑いましたが(笑
でも、それくらいいつも住んでる街とは全然違う空気だったのが面白かったですね
宇都宮駅からハコがある東武宇都宮駅付近まで徒歩で行ったんですけど
大きな神社があったり、イルミネーションが鮮やかだったり
これまた独特の趣を持つ街という印象でした
駅舎も大きくて目立つ感じですね。
ヘブンズロック宇都宮は地下にステージがあって地上に物販のスペースがあるという
あんまり見たことのない作りで中々新鮮でした
この季節だと番号が呼ばれるまで寒いので物販の温かい場所で待てるのは良かったですね
中に入ると思ってた以上に小さなハコで、でもそれ故にステージが近くて表情がはっきり分かった
その距離の近さもまたこのライブで良かった点の一つですね
メンバーのストイックな姿を間近で感じる事が出来たのが嬉しかった。
一曲目は勿論新譜のオープニングナンバー「zeitgeist」から。小気味良いアンサンブルの気持ち良さ
カクカクとしたリズムに独特のカタルシスを感じつつ
個人的に新譜で一番好きな「Sky Crawlers」が早くも奏でられる
スロウテンポだけど踊れる冒頭のアレンジや音源以上に主張していたギターサウンド
淡々と、しかしシリアスに歌われる歌詞の心地良さに終わり際の清廉とした咆哮の解放感・・・
正に音源の良さを引き継ぎつつ、それ以上のカタルシスも存分に感じられた会心のアクトに仕上がってました
この時点で今日ここに来れた事に感謝しつつ最後の咆哮に関して言えばある種の決意じみたものも感じられて
個人的な糧になってくれそうな予感がしたのも凄く良かったし有意義な時間だったかなと
これまたアンサンブルの小気味良さが印象に残った「We」、
ラストのサビを叫ぶように歌い切った音源からの変化も面白く
そうしたが故に音源よりも更に強い主張を感じる事が出来たのも良かった
普段の曲より少しユーモラスな感覚を含む「D-503」もアクセントになってましたし
「待ったりしない まったりしない お楽しみはこれから」というラストのフレーズもバッチリ決まってました
そんな新譜の這うようなビート、メロディ、格好良さを存分に感じつつ
少し盛り上がりを加味するように「primal」、この曲は音源よりも若干テンポが上がり気味で
その性急な感じが上手く新しいスパイスとなり得ていて通常以上の興奮を味わえました
滾るようなラスト付近のヒートアップには相当白熱しちゃいましたね。
そして、リリースツアーに行けなかったので生で聴けなかった「Fiedel」がようやく聴けました!
これが想像してた以上の仕上がりでひんやりとしたアレンジが非常にツボ、
この曲もまた音源よりもギターの主張が強くてその意味合いでも新鮮に楽しめました
コーラスワークの美しさもまた聴き所ですね。
最後の歌唱パートを歌い終えてからすぐに「ありがとう。」と言い放った演出も冴えてた「Sea's sweep」
相変わらず音の広がり、スケール感が圧倒的で、更に洗練された感覚もあり純粋に気持ちが良い
「心だけで生きていけたら身軽だわ」という歌詞が刺さって来て沁みました。
透き通るようなギターサウンドとポップセンスに陶酔してしまった名曲「pilica」、
結果的に聴き手の能動を促すような楽曲観が素晴らしい「Flower of life」をしっかりと味わい
個人的にハイライトだったのが「逆さに吊るされてもかまわない」と歌った「philia」の絶頂感。
音に迷いが一切感じられないクリアで熱に満ちた感触に凄まじいカタルシスを貰いました
そのくらいここら辺のパートはノベンバの凛とした、美しい佇まいが際立っていて私的に至高の時間でした。
なんかこう、筆舌にしがたい「意思」がまた芽生えたような・・・そういう感覚でしたね。
「Meursault」の雰囲気溢れる演奏に浸りつつ、
歌詞もまた思いっきり頭に入って来て中々に思考を巡らせつつ聴き入る
いつもより渋く響いた「アマレット」の憂いに、いきなり奇声を上げる印象の「Louder Than War」
この曲は音源だとサウンドを篭らせているので生だと余計に衝撃的で良かったですね
「鉄の夢」のガンガン突き上げる重たいビートに痺れつつ、
小林祐介のシャウトも更に熱量を増して衝撃性を含みながら思い切り響いていました
イントロの時点で格好良さが滲み出ていた「dogma」でも悲鳴に近いシャウトを響かせていたし
正に「美と醜の同居」というのが今のTHE NOVEMBERSのテーマの一つのようにも思えました。
汚い部分は限りなく汚くし、美しい部分は優しさを込めて美しく表現し切る。
続く「Wire」はやはりというか新譜の曲の中でも随一に盛り上がってましたね
鋭く疾走するアンサンブルにどんどん熱量が加味されてストイックさも極まっていました
特にアウトロのピリピリしたどシリアスな演奏の白熱っぷりは印象に残っています。
名曲「彼岸で散る青」は小ハコながらライトの演出が冴えてて感動。
歌にもかなり力が入っていて熱かったです。
ここでこの日初めて長いMCが挿入されました
小林高松両メンバーが宇都宮東高校に通ってたという事
ケンゴくんも含めて自分らは男子校だったという事、吉木くんは生粋の共学っ子だという事(笑)。
「あけましておめでとうございます。」と律儀に挨拶を交わしながら
「自分達はあんまり栃木のバンドだと思われてないかもしれないけど、ここ栃木で結成したんで」
「自分達の独立後初めてのツアーの始まりを絶対にここにしたかった。」等ニュアンスですが語っていました
栃木で結成した事実、そして栃木という場所に思い入れがある雰囲気だったのが良かったですね
そういう事を話す小林祐介の表情はとてもニコニコしていたのも印象的でした。
最後にしっとりと「Ceremony」を鳴らして終了
この曲は生で聴いてもめっちゃ感動してしまう曲ですね
メロディの旨味、込められた想いの温かさに胸いっぱいになりつつ本編は幕引き
なんというか・・・本当に身が引き締まる上に沢山の情感をもらえたような豊かな夜でしたね
原曲とは若干アレンジ、演出が違っている楽曲もポツポツあってその変化もまた楽しかったです。
アンコールでは観客の人々のこの年の快方を祈るかのように雄大な「再生の朝」、
押し付けがましくない能動への意欲を掻き立てる歌詞に壮大で温かいサウンドが乗っかって
素直にまた「明日」へ向かいたいと思えるような、希望を感じるような一曲に仕上がっていました
ちょっと神々しく、また凛々しい感じもあって益々ノベンバを好きになれたラストでしたね。
忌憚抜きで本当に良かった、ここにこれて良かったと思えた一夜に心から感謝します。
セットリスト
1.zeitgeist
2.Sky Crawlers
3.We
4.D-503
5.primal
6.Fiedel
7.Sea's sweep
8.pilica
9.Flower of life
10.philia
11.Meursault
12.アマレット
13.Louder Than War(2019)
14.鉄の夢
15.dogma
16.Wire(Fahrenheit 154)
17.彼岸で散る青
18.Ceremony
アンコール
19.再生の朝
いや~新譜の曲はすこぶる良かったし
過去曲も過去曲でしっかりと洗練されていたしで
新年早々破格のライブだったんじゃないかと思います
今のTHE NOVEMBERS、相当格好良いバンドになってるので是非今観て欲しいですね
「primal」の毅然としたロックバンドらしい佇まいの演奏を見ている時に深く思ったし
神秘性のある楽曲を演奏させたら本当に右に出るもの思いつかないくらい凄いなあ、と。
色々と感じるものが多かったワンマンでした。一番のハイライトは「philia」、
後は「Sky Crawlers」がやっぱり素晴らしかったです。そして「再生の朝」はやはり決定打的な名曲ですね。
帰りは駅付近で宇都宮の餃子を買って帰りました。新年早々良い思い出が出来て豊かな気持ちでした。