日伊文化交流会

サークル「日伊文化交流会」は板橋区で生まれ、元東都生協登録サークルとしてイタリア好きの人たちが集まり楽しく活動しています

エドアルド・デ・フィリッポの「デ・プレトーレ・ヴィンチェンツォ特別上映会」に行きました(2012.5.17)

2012年05月27日 | イタリアの演劇
エドアルド・デ・フィリッポの「デ・プレトーレ・ヴィンチェンツォ特別上映会」に行ってきました(2012.5.17)


5月の爽やかな金曜の夕方 イタリアでは知らない人のいないという有名な劇作家・俳優・演出家・詩人エドアルド・デ・フィリッポの戯曲「デ・プレトーレ・ヴィンチェンツォ」特別上映会に行ってきました

彼の戯曲集は日本初の刊行とのことで この戯曲集刊行の立役者となられたイタリア会館・福岡のドリアーノ・スリス館長が日本語で挨拶し 終了後も質疑応答などに応じてくださいました 
この日本発の戯曲集(全5巻) その企画・刊行にあたったのはこのイタリア会館・福岡です 

彼なくしてはこの戯曲集の日本での刊行はなかったとのこと 歌舞伎の世話物のような 人情味溢れたそしてコミカルな中にもちょっぴり物悲しい ナポリ生まれのヴィンチェンツォの生い立ちとその運命を演じた「デ・プレトーレ・ヴィンチェンツォ」(姓のあとに名が来るのは通常とは逆で 教養のない人を表すそうです)  147分もの作品でしたが古き良き時代を感じさせる 心あたたまる戯曲でした 彼の作品の中では比較的ナポリ訛りが少ないとのこと 

ナポリに生まれ 生きてゆくために泥棒になるよりなく 恋人のニヌには自分は貴族の生まれだと見栄をはり いつか人生を変えてやると豪語していましたが 聖ヨゼフの加護のもとで次々と奇跡が起こるものの やがて… 話はどんどん展開し 最後は物悲しいラストを迎えます 原作者エドアルド・デ・フィリッポ自身も作品中で演じており 主人公ヴィンチェンツォは彼の息子が演じています 

これは劇場の中で撮ったもので この作品は1962年初演ですが 1976年に 一度だけ観客なしでRAIによって撮影されたものだとのこと 
スリス氏は やはり彼の演技でなければ…と 日本人が演じたとしても なかなかこのナポリ訛りで伝わるものの味は出せないだろうとおっしゃっていました 彼の深い長年の思いがなければこの日本発の書籍+DVD化は実現されなかっただろうとのことで 深い感銘を受けました 

フェデリコ・フェリーニ オーソン・ウェルズ ダリオ・フォなど 有名なイタリア人映画監督や俳優がこぞって師と仰ぎ 一般市民からも愛され続けているエドゥアルド・デ・フィリッポ 1900年生まれの彼が亡くなった時は国会で黙祷をしたそうです


テンポの速い最近の作品(映画でも歌でも)とは違い ゆったりと進んでゆきますが 聞き取りやすくわかりやすく 素直に楽しむことができました イタリアでは有名で 喜劇俳優トトと演じたこともあったそうです

後援してくださったフィアットのサイトのインタビュー記事は こちら

特別上映会のお知らせは こちら


*情報をいただきましたイタリア文化会館に心よりお礼申し上げます

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